UGCとは?活用すべき理由とマーケティング事例13選

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UGC(User-generated-content:ユーザー生成コンテンツ)マーケティングは、日本でも注目されている施策で、海外ではCoca-ColaやAppleといった大手企業から、D2Cの企業まで様々な企業が取り組んでいます。

本記事では、
・そもそもUGCとは何か?
・どうやって取り入れるのか?
といったUGCマーケテイングの基本から事例までご紹介します。

【調査データあり】UGCのECサイトにおけるコンバージョン率への影響と事例

1.UGCとは?

1-1.UGC(ユーザー生成コンテンツ)の種類

UGC(User-generated-content)とは、消費者によって作成された、写真や動画、レビュー投稿などあらゆるコンテンツのことです。

UGCには様々な種類があり、

・Instagram、Facebook、TwitterといったSNS上の写真やテキスト、イラスト
・YouTubeの動画
・食べログ、Amazonなどのレビュー投稿
・ECサイトに寄せられる顧客の声
・Wikipediaやまとめサイトなどのテキスト
・クックパッドのレシピ
・ボーカロイドの楽曲
・Spotifyのプレイリスト

など、実は身近な存在です。特にSNS上の投稿では、洋服やコスメ、レストラン、観光地の紹介等、幅広い種類のUGCが作成されています。

[参考]UGCマーケティングとは?

1-2.UGCが出やすい商品/サービスとは?

大前提として、共感しファンになることで投稿が生まれるため、商品/サービスが優れているという点があります。

しかし残念ながら、優れているからと言ってUGCが発生するわけではありません。

UGCが出やすい商品/サービスには、「ジャンル」と「ユーザー属性」2つのポイントがあります。

1.ジャンル

UGCが発生しやすいジャンルとして、グルメ・音楽・映画・本など、「人に勧めたい」「共有したい」と思うものや、ブランド、コスメなどの自己表現としてよく多くの人が投稿しやすい商品、モノとして物理的に存在しているものが挙げられます。

例えばファッション。
Instagramではブランド公式投稿以外にも、「#ootd(Outfit Of The Day)」などハッシュタグを活用しコーディネートを発信する一般ユーザーの投稿が多く見られます。

2019年ジャストシステムによる調査によると、ファッション情報を調べる方法で「Instagramが29.4%」とGoogleを抜きました。

企業が公式サイトで発信する情報以上に、Instagramで見つける情報の方がユーザーにとって身近で実用的な存在となっています

2.ユーザー属性

例えば、ユーザーが簡単にコンテンツを作って配信しやすい、InstagramやTwitterといったSNS。

SNSでUGCを増やしたい場合、商品/サービスを利用するユーザーがSNS利用属性とマッチしているかどうか、が1つのポイントになります。

2018年の総務省の調査によると、20代のTwitter利用率は76.1%、Instagram利用率は63.2%であるのに対し、60代のTwitter利用率は9.0%、Instagram利用率は8.0%と、SNSは若者の利用率が高いです。

また、男女別で見ると、Twitterの利用率は男性37.5%、女性37.0%とほぼ等しいのに対し、Instagramの利用率は男性24.8%、女性42.8%と女性の方が約1.7倍。

このように、SNS利用属性は、若い世代、Instagramに特化すると女性が強いため、そこに属するターゲット向けの商品は、UGCが発生しやすくなります。

一方、UGCが出にくい商品は、一般家庭によくある乾電池のような日用品、誰にも知られずにこっそりと利用したいお悩み系商材など。

また、やはり「知られていない商品」「そもそも購入された数が少ない商品」は手に取る機会が少ないため、なかなか発生しません。

2.UGCマーケティングのメリット・デメリット

2-1.UGC活用のメリット

続いて、なぜUGCを活用したほうがいいのか?メリットについてご紹介します。

1.消費者からの信頼

UGC活用の最大のメリットは、UGCを信頼している人が多いことです。

みなさんも、外食する前に食べログを見たり、Amazonで商品を注文する前にレビューを参考にしたりしませんか?

企業による売り込みより、実際に利用した人の意見の方が、客観的な評価が集まるため、人々にとって説得力があり、共感を呼び、信頼されます

UGCマーケティングツール提供のYOTPO社の調べによると、ECサイトにUGCを掲載することで下記のようにコンバージョン率が向上しました。

[参考]【調査データあり】UGCのECサイトにおけるコンバージョン率への影響と事例

また、約2,000人のコスメユーザーへの調査すると、
・購買意欲に最も影響するものとして、46.6%が「レビュー」
・本当は必要ではない製品を買ってしまうキッカケとして、35.86%が「ポジティブレビュー」
と回答しており、UGCは消費者の購買意向に影響を与えます。
[参考]81%がD2Cブランドから購入?美容トレンドレポート

2.親近感を与える

スタイル抜群な有名モデルの着こなしよりも、同じ消費者による着こなしの方が、リアリティがあり、使用イメージが湧きやすいです。その、一般ユーザーによる使用感は、他のユーザーにとっての判断材料になります。

3.ユーザー視点での紹介

ゆで卵の頂点に画鋲を刺すときれいに剥ける。という使用方法は、メーカー推奨ではなく、消費者が見つけた新しい画鋲の使い方です。
企業側が思いつかないようなアイデアユーザーならではの独特な視点での紹介が、UGCでは期待されます。

4.フィードバックになる

ユーザーから寄せられるUGCは、肯定的な意見から否定的な意見まで、様々なものがあります。

同じ否定的な意見を繰り返し見かける場合、ビジネスについて考え直すべきタイミングです。レビューは商品やサービス、顧客とのコミュニケーションの改善点を提供します。

例えば、顧客の大多数が商品の配送遅延に不満を持っていると気がついたら、配送方法やECサイトに表示している所要時間を見直すことができます。
[参考]ECサイトでネガティブレビューは表示すべき?5つのメリット

2-2.UGC活用のデメリット

また、いくつか注意すべき点もあります。

1.情報の正確性

ユーザーによる情報の発信なので、間違った情報が拡散されている可能性があります。

2.コンテンツのクオリティーの維持

ただ、UGCを依頼するだけですと、質にバラつきが生まれます。ユーザーが高クオリティーの作品を作りたくなるような仕掛けをすると、高い品質のUGCを集めることを可能に。

3.権利侵害の可能性

ユーザーが悪気なく肖像権を侵害している可能性も。それを拡散したら大問題に発展しかねません。

3.UGCの活用方法

UGCマーケティングには、「UGCを発生させる」ための施策と、「UGCを活用する」ための施策があります。

3-1.UGCを発生させる

UGC生成施策で多いのは、ハッシュタグキャンペーンです。

・ハッシュタグを用意し、キャンペーンを告知
・ユーザーがUGC生成
・キャンペーンの拡散力により、認知拡大
というもの。

具体的には、
・プロモーション(認知度アップ)
・商品力を伝える
などの目的があります。

3-2.UGCを収集し活用する

一方、UGCを活用することがメインの施策は、国内で多い、ECサイトなどへの導入施策です。

手順は、この図のようなサイクルになります。

UGCマーケティングは、「UGC収集⇔活用」のサイクルを回すことが鍵です。

Webサイトのコンテンツ、SNS拡散、広告施策に活用し、さらに「UGCによって本当に他のユーザーが興味喚起されているか?売上につながっているのか?」といった効果検証を行うことが重要です。

ECサイトで掲載するために影響力のあるUGCを活用する方法について、下記の記事にて詳しくご紹介しております。ぜひご覧ください。
【調査データあり】UGCのECサイトにおけるコンバージョン率への影響と事例

4.UGCを生み出す!キャンペーン事例7選

そんなUGCを上手く発生させた事例が、海外にはたくさんあります。今回は、3つのテーマに分けてご紹介します。

4-1.固定ファンの力で盛り上げる

1.優勝者はカップデザインに採用 Starbucksの#WhiteCupContest

#WhiteCupContestは、2014年Twitter上で行われた、白いカップに絵を描くUGCマーケティングキャンペーン。優勝すると、期間限定でStarbucksのカップデザインに採用されます。3週間で応募総数約4,000件と大成功。

Starbucksカップデザインに採用されるというご褒美は、ユーザーにとってかなり魅力的です。固定ファンは、その名誉を目指し、高いクオリティーのUGCを投稿します。こういったイラストは、Twitter上で多くの人の心を掴み、拡散されていきました。

[引用]Top Examples Of Successful User Generated Content Campaigns Worldwide

2.ファンの愛で認知度UP Borden Cheeseの料理コンテスト

Starbucksのような大企業だけが、UGCマーケティング施策を行っているわけではありません。

チーズブランド・Borden Cheeseは、自社ブランドのチーズを使った料理の投稿を募集する大会・Culinary Creations Sweepstakeを開催。5人の当選者には400ドル以上するミキサーを、グランプリにはトータル1,500ドルのキッチン用品一式を景品として用意した豪華景品が多い大会でした。

大会の結果、Borden Cheeseの認知度UPに成功。Bordenのファンには、Borden Cheeseを楽しむ手段を提供し、大量の投稿を集めました。それを見たファン以外の人々には、チーズの可能性、Borden Cheeseの良さを認知させ、チーズは退屈というイメージを払拭しました。

[引用]7 Examples of Awesome User-Generated Content Campaigns

4-2.クリエーターの技術を生かす

1.中身ではなく、絵そのものに意味がある Adobeの施策

デザインソフトウェア会社・Adobeの製品を使いこなすためには高度な技術が求められます。そこで、Adobeが打ち出した施策は#Adobe_Perspective。デザイナーが、Adobe製品を使って作成したイラストなどを投稿するというキャンペーンでした。

この施策の中で、デザイナーは自身の技術・作品を広く公開。アマチュアのユーザーは、Adobe製品の新たな機能に気づいたり、質問したりして、製品への理解を深めていきます。この一連の流れで、Adobeは製品の性能の高さを広くアピールすることができました。

[引用]Top Examples Of Successful User Generated Content Campaigns Worldwide15 Examples of Big Brands Using User-Generated Content and How to Adapt Them for Your Campaign

2.動画自体が性能を宣伝 GoPro

ユーザーがGoProを使って撮影した動画を、自身のYouTubeチャンネルで公開。この動画自体が、GoProの性能を宣伝しています。

動画が人気になればなるほど、自分も撮影したい、超える作品を撮りたいというユーザーが増え、そういったユーザーがGoProを購入、さらにユニークな動画を作るという好循環が生まれます。

[引用]UGC 101: A Guide to User-Generated Content Marketing

3.世界最高峰の舞台へのチャンス DoritosのUGCスーパーボウルCM

また、食品メーカー・Doritosは、世界最高額の広告枠・スーパーボウルで、UGCのCMを放映。著名人をたくさん起用した他社のCMに負けないUGC広告を生み出した秘訣については、こちらの記事をご覧ください。

4.プレイリストも共有すればUGC Spotify

音楽ストリーミングツール・Spotifyは、2016年に、ユーザーが作った面白く、素晴らしいプレイリストを一般公開するキャンペーンを実施し、一部プレイリストはビルボードの急上昇ランキングに入るほどの大盛況でした。

この施策でSpotifyは、ユーザーに、プレイリストを作成するときの自由さを再認識させました。

[引用]7 Brilliant Examples Of User Generated Content Marketing ,User-generated content: What your brand can learn from Spotify

4-3.体験のシェアを利用

1.旅行に行きたい欲を刺激!オーストラリア政府観光局

UGCは、政府でも活用されています。観光局は、人々に#SeeAustraliaをつけて、休暇中の写真を投稿するよう呼びかけました。このハッシュタグへの投稿数は約340万件。行ってみたい!と思うような投稿が多く、旅行への意欲を高めます。

さらに、この施策からヒントを得て、細かくターゲットを設定し、いくつかのUGCマーケティングキャンペーンを実施。あるキャンペーンは、サイトのエンゲージメント率を30%増加させました。このように、UGCマーケティング施策は、次の施策を成功させるヒントを含みます

[引用]15 Examples of Big Brands Using User-Generated Content and How to Adapt Them for Your Campaign

5.収集したUGCを活用!ECサイトや店舗事例6選

続いて、収集したUGCの活用事例を、国内、海外両方紹介していきます。こちらは手段ごとに紹介します。

5-1.ECサイト×UGC

まずは、ECサイト上にUGCを掲載することで成功した事例を紹介します。今回紹介する事例は、UGCマーケティングツール・YOTPOを活用しています。

1.売上の2割がUGC経由 アウトドアブランド・スノーピーク

スノーピークは、アウトドア用品通販として昔から愛されてきました。長年のファンによるレビューは、他のユーザーにとっても、会社にとっても貴重な意見です。

そのため、レビューを収集する際、カスタムクエスチョンを設定し、キャンプ歴や利用シーンなどユーザーの属性を明らかにしてレビューを掲載できるようにしています。その結果、UGCに接触したユーザーのコンバージョン率は接触していないユーザーに比べ2.7倍に!

 ▼実際のレビュー掲載画面

[引用]売上2割がUGC経由、スノーピークが目指す「1対1でつながる人間味のある自社EC」

詳しいインタビュー記事はこちら

2.ECサイトCVR150%改善 ランジェリーブランド・RAVIJOUR

RAVIJOURは、20代前半から30代後半まで幅広い女性に愛されるランジェリーブランド。デザイン重視の商品が多く、ユーザーによる写真は、女性が憧れるような華やかな写真が多いです。

YOTPOの導入で、レビューやInstagram画像を掲載しているページの平均ページ滞在時間が約2倍になり、CVR改善に繋がりました。特に、Instagramの画像で形成されているUGCギャラリーは、購入者の85%が接触しています。

▼実際のInstagram画像の掲載画面
[引用]【株式会社ベリグリ】YOTPO導入後4ヶ月でCVR150%改善!Instagramの徹底活用

詳しいインタビュー記事はこちら

3.UGCで安全面を保証 おもちゃオンラインショップ・Bella Luna Toys

海外の事例も紹介します。

Bella Luna Toysは、環境に優しく、安全な製品を多く取り扱う、おもちゃのオンラインショップです。オンライン上ではなかなか伝えにくい、製品の安全性を、UGCを使用することで示しています。

TOPページですぐに口コミが見られる、レビューカルーセル機能や、Instagramから収集した写真を掲載した、UGCギャラリーによって、レビュー4,500件以上収集、CVR1.15倍を実現しました。

詳しい記事はこちら

その他の事例は、こちらのページからご確認ください。
【調査データあり】UGCのECサイトにおけるコンバージョン率への影響と事例

5-2.運用型広告×UGC

また、運用型広告(Facebook広告やGoogle広告)でのUGC活用事例も。

1.ROAS約1.8倍!アパレルブランド・YandyのFacebookダイナミック広告

Yandyは、アメリカのアパレルブランドで、セクシーランジェリーやハロウィンコスチュームで人気です。Facebookダイナミック広告に取り組むものの、CPCは上限を超えROASも最悪の状況に。そんな状況をUGC導入で打破しました。

Facebookダイナミック広告にUGCを取り入れることで、ユーザーの関心を高め、購入前の不安解消に役立てます。その結果、クリック率は3倍になり、クリック単価は72%減少し、広告費用対効果(ROAS)は約1.8倍になりました。

詳しい記事はこちら

 

5-3.店舗×UGC

これまでの施策はオンライン上に掲載することで効果を発揮していましたが、最後に、店舗の壁というオフラインで採用することで成功した戦略を紹介します。

1.店舗の壁にUGC Krispy Kreme Doughnuts

Krispy Kreme Doughnutsは、店舗の壁にデジタルスクリーンを貼り、ブランドに関する最新の投稿を掲載するというキャンペーンを行いました。

待ち時間、顧客は壁一面に掲示された、他の人がおすすめする美味しそうなドーナツの写真をたくさん見て、ついつい通常より多くのドーナツを買います客の中にはマネして投稿する人もいて、最終的に、キャンペーンは3,600万以上のインプレッションと3,000以上の投稿を集めました。

[引用]7 Brilliant Examples Of User Generated Content Marketing

2.レビューと商品を並列 靴・バッグブランドNine West Store

靴・バッグブランドのNine West Storeは、店舗にInstagramのディスプレイを設置。店に展示されている商品についての投稿を、すぐに見れます。従来のスクリーンのほか、顧客が自分でコンテンツを選択できるように、タッチスクリーンを使用する場合も。

このように、特定の商品の横にこのようなディスプレイを設置することで、店舗をAmazonの商品概要欄のように、商品の写真と説明、レビューを同時に見せることができます。これは、顧客の意思決定にかなり影響を与えます。

[引用]How to collect user-generated content for retail marketing in store

6.まとめ

UGC最大の魅力は、その信頼度

信頼されているUGCを上手く活用するためには、収集、活用、効果検証のサイクルを回し、効果を確認しながら進めていくことが重要です。

また、UGCから顧客の思いや悩みに気づくことも。
そこから生まれる商品や施策は、ブランドの成長を後押しします。

UGCを収集し活用するUGCマーケティングツール・YOTPOはこちらから

<参考記事>
【徹底解説】UGCとは何か、なぜマーケティングで重要になってきたのか
UGCとは?企業が取り入れる3つのメリットと注意点
インターネット上の行動履歴データとインフルエンサー
ユーザー生成型と企業主導型コンテンツのチャンネル・ネットワーク構造と視聴成果
Top Examples Of Successful User Generated Content Campaigns Worldwide
7 Examples of Awesome User-Generated Content Campaigns
15 Examples of Big Brands Using User-Generated Content and How to Adapt Them for Your Campaign
UGC 101: A Guide to User-Generated Content Marketing
7 Brilliant Examples Of User Generated Content Marketing
User-generated content: What your brand can learn from Spotify
How to collect user-generated content for retail marketing in store

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梶田真衣

2020年2月入社。マーケティングチームのインターン生。オーストラリアへの留学経験あり。

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