売上効果も!PhilipsがVOC分析ツールを導入して得た5つの効果
グローバル市場のリーダーであるPhilips社。
オンライン上で顧客に”サイトに関するアンケート”を表示し、直接フィードバックを受けることができる「VOC(Voice of Customer)分析ツール」を長年活用しています。
65か国、35の言語、3億人以上のユニークユーザーがいるPhilips.comなどのプラットフォームにとって、「顧客の声」を効率的に理解するために、VOC分析は重要です。
実際に導入後、ひと月の間に
・ウェブサイトの106の問題を修正
・68個のバグが見つかり対応
・グローバルWebチームの5つの重要な問題を発見
しました。
VOC分析ツールGet Feedback(旧Usabilla)がもたらす5つの効果について、Philips社の事例をもとにご紹介します。
目次
1.顧客の声を基にしたモバイルファースト
Philipsがいま注目しているのは、「モバイルファースト思考」への大きな転換です。
モバイルユーザーにとって、使いづらい機能・不要な機能を削除をしていく必要があります。
まずは現状を理解するために、VOC分析ツールGet Feedback(旧Usabilla)を活用して調査を行いました。
質問:
「今日、携帯電話でサイトにアクセスしましたか?自宅、オフィス、通勤、買い物(店内)、旅行、外にいますか?」
この調査で主要な4つの市場(英国、米国、オランダ、デラウェア)をターゲットにし、驚異的な5%の完了率という結果でした。
3日間で1,000を超える回答で、統計的に信頼できる情報が得られました。
この質問で、最も多かった回答は何でしょうか?
なんと80%が、「モバイルサイトにアクセスした/在宅している」と答えています。
チームにとって予想外の結果でした。
この情報を使用して、モバイルのWebサイト体験の基礎を構築し始めました。
また、Get Feedback(旧Usabilla)を分析データと統合して、時刻とデバイスタイプの間に相関関係があるかどうかを確認し、ユーザーが外出先でどのように関わっているのかを把握できました。
2.回答率を高めて統計的データ分析
Philipsでは、グローバルKPIの1つにWeb NPSがあり、グローバルWebプレゼンス全体で測定するために、Get Feedback(旧Usabilla)と一緒に調査を実施しました。
統計的に確実な結果を得るためには、回答数が重要です。
そのため、より多くの人々に調査に答えてもらうため、質問方法を最適化するためABテストを実施しました。
ABテストした結果は次の通りです。
テスト結果からわかるように、最初のチュートリアル(導入ガイド画面)を削除すると、回答率が大幅に向上しました。
モバイル全体で1〜5%の完了率を見込みます。
このようなデータのインサイトは、デジタル企業への変革を支えています。
3.世界55ヵ国いつでも顧客の声が収集できる
Philipsでは、Webサイト全体でより良いユーザー体験(UX)をいかに作り上げるかを重要視しています。
以前は、毎月35,000件もの一般的なグローバル調査をアナリストと一緒に行い、人々がWebサイトについて何が気に入らないのかを判断していました。
VOC分析ツール導入によって、いつでもどこでもユーザーからの定性的なフィードバックを収集できるようになりました。
いまは、55ヵ国でGet Feedback(旧Usabilla)によるフィードバック収集を開始し、8ヶ月で1,700件集め、現在では世界中の消費者ケアチーム内に29人の専任のローカル責任者がいます。
「顧客の声」をより具体的に収集できるようになったので、フィードバックをカテゴリ分類し、適切な担当者に送信して対応できるようになりました。
<結果>
リンク切れ、コンテンツの欠落など8月だけで
・ウェブサイトの106の問題を修正
・68個のバグが見つかり対応
・グローバルWebチームの5つの重要な問題を発見
しました。
その後、最適化チームは本格的に動き出し、今ではGet Feedback(旧Usabilla)のフィードバックを中心にダッシュボードを作成し、問題の解像度を上げその解決方法を構築しています。
4.Webサイトの”真の影響力”がわかる
もし企業経営者や事業責任者が、デジタルマーケティングに知見がなかったり、オンラインの価値やオフラインビジネスとの関係性について理解していない場合は、VOC分析ツールのアンケートを活用して証明することができます。
Philipsで着手した課題の1つは、顧客との間で起きているROPO(Research Online Purchase Offline:オンラインでの調査、オフラインでの購入)のレベルを把握することです。
店頭でPhilips製品を購入してから質問するのではなく、顧客がWebサイトに再訪して(マイページなどに)製品登録するまで待ってから、購入までの道のりを質問しました。
このデータにより、オフラインで購入した人のうち、「最初にPhilips.comやAmazon、または他のオンライン小売業者に行ったが、実店舗で購入を完了することにした人」がどれくらいいるのか、アトリビューションモデル分析が可能になります。
また、この取り組みをカテゴリー別に実施し、商品ごとに異なる購買行動を示すことができるようになり、Webサイトの影響力をより具体的に判断できるようになりました。
この豊富な定性データにより、マーケティング部門が自社の製品やコンテンツをどのようにターゲティングすべきか、インサイトの構築ができます。
5.ユーザーに購入を促進し売上を生み出す
4章まで、VOC分析ツールを使った、「顧客の声」の収集と活用の重要性についてご紹介しました。
しかし一方で、「直接購買につながる施策ではない」と考えている方もいるのではないでしょうか?
Philipsは、ユーザーに購入を促す施策としてGet Feedback(旧Usabilla)を活用し、一連の質問を完了した場合ユーザーに「割引を提供」していました。
この施策は、販売を促進する方法というだけでなく、購買確度が高いユーザーから回答が得られます。
彼らは、Philipsからの返事を喜んで受け取ったり、製品のオファーなどに関心が高い属性です。
具体的なKPIに関しては、直接売上を追跡して属性付けすることができるようになり、調査に金銭的価値を割り当てることができます。
また、購買確度が高いユーザーの増加推定値も決定することができました。
上の画像を見ていただければわかるように、これらの結果は、最小限の入力で大きな効果があります。
6.まとめ
Philipsの活用事例では下記5つの効果が得られました。
・顧客の声を基にしたモバイルファースト
・母数を集めて統計的データ分析
・世界55ヵ国いつでも顧客の声が収集できる
・Webサイトの”真の影響力”がわかる
・ユーザーに購入を促進し売上を生み出す
顧客からフィードバックを収集する上で最も重要なことは、データを自社にとって関連性があり価値のあるものにする方法を見つけることです。
※本記事は、「The latest Voice of Customer and CX trends | Usabilla Blog」を翻訳・加筆修正したものです。
勝見 理恵
2012年ギャプライズ入社。リスティング広告/SNS広告など活用したWeb集客支援、自社マーケティングを経て、現在はContentsquareやABテストツールのカスタマーサクセス担当。