ABテストツールとは?主要3ツールの違いや選別のポイントを解説
「ABテストを実施したいけど、どのツールを使えば良いかわからない」
「ABテストを選ぶときのポイントを知りたい」
上記のようなお問い合わせを弊社ではよくいただきます。
この記事では、ABテストツールに関して、どんなものかやポイントや種類、よく使われるツール、選ぶ際のポイント、導入のメリットを解説します。
ご一読いただければ、ABテストを詳しく知ることができ、自社に適したツールを選べるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
また、Google Optimizeがサポート終了し、代替のABテストツールをお探しの方は、下記レポートもご覧ください。
本レポートでは、累計7500回以上のABテスト実績をもつ専門チームによる、実際に「触って確かめた」比較結果をもとに、あなたのビジネスに適したABテストツールを選ぶことができます。
Googleが切り替え先として指定した「AB Tasty、Optimizely、VWO」を中心に比較しています。
ABテストツールをお探しの方は是非こちらからダウンロードください。目次
ABテストツールとは
ABテストとは、異なる2つ以上のパターンを同一条件で出し分けるテストのことを指します。
ABテストツールは基本的にサイト内にタグを設置するだけで、ABテストにおいて必要なプロセスを全て管理画面内で完結出来るように設計されているツールです。
Webサイト内にあるAとB、2つのパターンを同時に掲載し、コンバージョンやクリック率などの数値を比較。
それらを通じて、サイトの改善をABテストツールが支援します。
ABテストのパターンは、HTMLやCSSをはじめとしたプログラミング言語の関連知識がなくてもエディタ機能を使えば簡単に編集可能ですし、テスト結果の分析ももちろん可能です。
対応できるテストの範囲や種類はツールごとに異なるため、自社の目的に合わせて選びましょう。
ABテストツールの異なるポイントや種類
ABテストツールのポイントや種類は、それぞれ異なるため以下の部分に注意しましょう。
- 利用料金
- 実施できるテストの種類
- 付帯する分析機能
- 連携機能
上記のポイントを把握できると、より最適なABテストツールを選びやすいでしょう。
それぞれ解説します。
利用料金
ABテストツールの利用料金は、利用量に応じた料金が発生する従量課金と、利用量に関わらず一定の金額が発生する月額固定の2つの種類があります。
各ツールによって機能や料金が異なるため、各ベンダーに問い合わせ、自社に合ったサービスを検討しましょう。
実施できるテストの種類
実施できるテストの種類には以下のようなものがあります。
- ABテスト:AパターンとBパターンの2つのバリエーションを同時に掲載し、どちらがコンバージョンやクリック率などの数値が高いか比較するテスト
- 多変量テスト:オリジナルページの複数箇所を変更し、どの要素の組合せが最も効果的かを検証するテスト
- リダイレクトテスト:複数のURLを用意して、どのURLが最も効果的かを検証するテスト
- サーバーサイドテスト:サーバー側で処理を行うテストで、クライアント側のJavaScriptを使用しないため、高速で正確なテストが可能
- パーソナライズ:ユーザーの属性に合わせてパターンの出し分けをする機能
各ツールによって対応できるテストの種類や範囲は異なるため、しっかり比較検討しましょう。
付帯する分析機能
ABテストツールには、付帯する分析機能があります。
付帯機能はツールによって異なり、ユーザーの行動を監視・分析できるヒートマップやフォーム分析、セッションレコーディングなどの機能が代表例です。
また、多くのツールではGoogle Analyticsと連携して分析をすることができます。
自社の目的に合わせて、必要な分析機能を備えたABテストツールを選ぶことが重要です。
連携機能
連携機能では、ABテストツールと他のツールを連携させることで、機能を拡張できます。ABテストツールの代表格であるAB TastyやOptimizely、VWOは、広告をはじめとした多数のツールやサービスとの連携が可能です。
ABテストツールによって、連携できるツールやサービスが異なる点も各ツールのポイントとなります。
世界で最も利用されている3大ABテストツールの比較
世界で最も利用されているABテストツールには以下があげられます。
- Optimizely
- AB Tasty
- VWO
これらのツールはGoogleがGA4との連携を公式に発表しているツールでもあります。
上記のABテストツールの差異を比較すると、自社に合ったツール選びをしやすいでしょう。
ABテストツールは上記以外にも、DLPOやSiTestなどさまざまな種類があります。
また、顧客体験パーソナライズツールとしてDynamic Yield(ダイナミックイールド)などもあります。
ABテストに関する基本的な機能は変わりませんが、ほかの部分に差異があるため、比較してより適したものを選べるようにしましょう。
Optimizely
Optimizely は、ユーザー体験をデータ駆動で改善するための総合的な実験環境を提供し、特にその柔軟性と詳細なターゲティング機能で他と一線を画しています。
ABテストツールとしては最も高価ですが、その分、他のツールでできてOptimizelyで出来ないことはほぼ無いと言って差し支えありません。
Optimizelyの特筆すべき点は、実験の精度とセグメンテーションです。ユーザーの行動、デバイス、参照元など複数のディメンションを基に、詳細なオーディエンスセグメントを作成できます。これにより、非常に特定のユーザーグループを対象としたテストを行うことが可能となり、一般的なA/Bテストツールでは得られない洞察を得ることができます。
さらに、Optimizelyは機能フラグ管理によって、新しい機能の展開を細かくコントロールすることができます。この機能を使えば、リスクを管理しながら段階的に機能をリリースし、リアルタイムでその影響を評価することが可能です。新機能のパフォーマンスを細かく測定し、ユーザーの受け入れを確認しながら改善を進めることができるため、プロダクトのイテレーションをスムーズに行うことができます。
Optimizelyはまた、統合された分析機能を備えており、他のデータソースや分析ツールとの連携も容易です。実験結果は直感的に解釈でき、具体的なビジネス目標に基づいた改善策を迅速に導き出すことができます。
AB Tasty
AB Tasty は、A/Bテストだけでなく、パーソナライゼーションの機能も備えた包括的なユーザー体験最適化プラットフォームです。
最大の特長はAIによるパーソナライゼーションと自動化です。ユーザーの過去の行動やデモグラフィック情報を元に、自動的に最も関連性の高いコンテンツやオファーを表示することができます。これにより、ユーザー一人ひとりにカスタマイズされた体験を提供し、エンゲージメントの向上を図ることが可能です。
また、AB Tastyは直感的なインターフェースと豊富なテンプレートを提供しています。これにより、技術的なスキルがないマーケティングチームでも、高度なテストやパーソナライゼーションキャンペーンを容易に構築し、迅速に市場への適応を図ることができます。
VWO
VWOはデジタルマーケティング領域における改善策を全般的に行なうことができるABテストツールです。
VWOの特徴はそのコストパフォーマンスの高さです。他の多くのA/Bテストツールが高額な料金体系を採用している中、VWOは比較的手頃な価格で高度なテスト機能を提供します。これにより、小規模から中規模のビジネスでも、大企業が行うような洗練されたテストを実行できるようになります。
またVWOのヒートマップ機能は、どのページ要素が最も注目を集めているかを視覚的に分析し、単なる数字以上の理解を可能にします。この直感的な分析により、マーケターはより効果的な改善策を迅速に導き出すことができます。
さらにVWOは、セグメンテーションとターゲティング機能にも力を入れており、これらを用いてユーザー体験をよりパーソナライズします。これにより、訪問者一人ひとりに合わせたコンテンツを提供し、他のテストツールでは実現が難しい細やかなカスタマイゼーションが可能になります。
ABテストツールを選ぶポイント
ABテストツールを利用する際は、以下のポイントを重視してみましょう。
- どの施策に特化しているのか
- 実施可能なテストの種類
- スモールスタートのしやすさ
上記のポイントをもとに選ぶと、より適したツールを見つけやすいです。
どの施策に特化しているのか
ABテストツールの導入時には、自社の目的に合わせた施策に特化したツールを選ぶことが重要です。
事業に合わせたツールを使うことで、テストを効率化できます。
例えば、LPO施策に特化したツールではランディングページの最適化を行うための機能を、コンテンツのレイアウトやフォームの入力項目、ボタンの色などを最適化できます。
CVR改善施策特化のツールを用いれば、CVまでの導線の改善やLPの最適化が可能です。
実施可能なテストの種類
実施可能なテストの種類が多いABテストツールは、1つ導入するだけで幅広い用途利用可能です。
しかし、実施可能なテストの少ないツールでは追加で他のツールを導入しなければならないケースもあるため、その際に余計なコストが発生してしまいます。
ABテストには、多変量テストやパーソナライズテストなどさまざまな分類があるので、自社の目的に合わせて選びましょう。
スモールスタートのしやすさ
小規模なWebサイトでも適切なツールを選ぶことで、コストを抑えたスモールスタートを実現できます。
その場合、実際に使うユーザーに優しいインターフェイスと使いやすい機能を提供するツールを探すことが重要です。
一部のABテストツールは、ユーザーがコーディングの知識がなくてもテスト バリエーションを作成および編集できるドラッグ アンド ドロップ エディターを提供しています。
さらに、一部のツールでは、ユーザーが有料プランに契約する前にツールをテストできる無料プランまたは試用期間を提供しているケースも多いです。
ツールによって提供されるサポートのレベルや、使用している他のシステムと統合する機能を考慮しましょう。
ABテストツールを導入する3つのメリット
ABテストツールを導入するメリットは以下のとおりです。
- CVR・CTRの向上
- 的確な改善が可能
- 低コストで実行できる
上記のメリットを把握しておくと、ABテストツールをより有効活用できるでしょう。
CVRの向上
ABテストツールでWebサイトのCVRを改善するために、複数のクリエイティブの効果を比較検証することで、効率的に成果をあげられるでしょう。
CVRはConversion Rateの略で、Webサイトに訪れたユーザーが、商品購入やお問い合わせなどの目的を達成する割合を示します。
これが向上すると、Webサイトの質がより高いものになったと評価することができ、運用コストに対する利益率が向上します。
的確な改善が可能
ウェブサイトのパフォーマンスを向上させる際、感覚に頼るのではなくデータに基づく改善が非常に重要です。ABテストは、このデータ駆動アプローチの核心であり、CVRやCTRなどの指標を用いてどのデザインが最適かを定量的に評価します。
たとえば、ボタンの色一つを変えるだけで、ユーザーの反応が大きく変わることがあります。
ABテストでは、こうした変更を試し、その結果を数値化することで、直観ではなく具体的なデータに基づいた効果的なウェブサイト改善へと導きます。これにより、推測ではなく、実証に基づいた改善を行うことができるのです。
低コストで実行できる
ABテストは、ウェブサイトやアプリケーションのユーザー体験を改善し、最終的にはコンバージョン率の向上を目指す強力な手法です。しかし、これを手作業で実行すると、特に大規模なサイトでは、膨大な開発リソースが必要となり、その結果、テストプロセス全体がコスト高になりがちです。
開発チームが直接介入して変更を加え、効果を検証する従来の方法では、新しいコードの書き込み、サイトの改修、そして変更後の効果分析のためには、数週間から数ヶ月の時間と、相応の人件費が投資されることになります。また、もしこの改修が期待した結果をもたらさなかった場合、費やされた時間とお金は回収困難となります。
この問題を解決するのがABテストツールです。ABテストツールを用いることで、テストのセットアップから実行、結果の分析まで、全てのプロセスをマーケティングチームだけで完結させることが可能となり、大幅なコスト削減を実現できます。
結果的に、ABテストツールは開発コストだけでなく、時間の節約にもつながり、迅速にデータ駆動型の意思決定を行うことを可能にします。また、リアルタイムでの分析が可能であるため、テストの調整や改善を素早く行うことができ、常に最適なユーザー体験を提供し続けることができます。
ABテストツールの違いを理解して最適化を図りましょう
ABテストツールのポイントや種類、世界で使われている代表的なツール、それぞれの選び方などを解説しました。
ABテストツールを活用することで、より最適なWebページを作成や入力フォームの調整が可能です。
ABテストツールは国内外でさまざまなものが提供されており、機能や料金が異なるため、自社に合ったものを選ぶことが重要です。
本記事を参考に、自社に適したABテストツールを導入し、自社サイトやLPの最適化を図りましょう。
本メディアを運営する株式会社ギャプライズでは、WebマーケティングやWebサイト改善、Webサイト集客など、さまざまな課題や悩みに対応したビジネスを展開しています。
ABテストツールや他の比較ツールに関するご相談にも対応可能です。
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ABテストツールの比較表もご覧いただけます。
ツール比較にお悩みの方は、比較表を参考に最適化を図りましょう。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。