Facebook広告ABテストの設定や確認方法、ポイントを解説
「Facebook広告を配信しているけれど、効果があまりない」
「もっと効果的に広告を配信するにはどうしたら良いか」
このようなお悩みはありませんか?
Facebookでの効果的な広告配信を行うためには、ABテストの活用がおすすめです。
Facebook広告ではABテストを行うことができます。
ABテストとは、広告の変数を変更し比較することで、広告を最適化するための機能です。
本記事では、Facebook広告のABテストの概要や設定方法、効果的に測定するコツなどを解説します。
ぜひ自社Facebook広告の最適化を行い、ターゲットへの最適な訴求を行いましょう。
目次
1.Facebook広告のABテストとは
広告は、文章や画像などの内容、対象とするオーディエンス、表示させる位置などで効果に大きな差が出ます。
Facebook広告のABテストでは「パターンA」と「パターンB」の広告を設定し、それぞれを同じ条件下で配信したときの効果を比較・検討できる機能です。
設定やクリエイティブの変更に伴う懸念
Facebook広告は、設定を変えることで大きく効果が異なる場合が少なくありません。
しかし、設定を変更するにはいくつか懸念点も残ります。
- 自動入札すると効果の改善につながるのか
- Facebookのみではなく、InstagramやAudience Networkにも配信を拡大したいが、パフォーマンスが落ちることはないのか
- ターゲット層を拡大したいが、費用対効果が合うのか
- 広告のリンク先の変更でパフォーマンスが落ちることはないのか
広告の設定を変更することで、むしろ成果が悪化してしまうのではと不安に思う方も多いでしょう。
また、設定を変更して結果を見ても、設定変更期間の諸条件が異なり公正な比較をすることは難しいです。
このような懸念を解消するのがFacebook広告のABテストです。
テストできる変数
Facebook広告のABテストでテストできる変数は以下の5つです。
- クリエイティブ・・・画像、動画、テキストなどの見た目を変更し比較します。
- オーディエンス・・・異なる利用者層に広告をリーチし比較します。
- 配信の最適化・・・キャンペーン予算の最適化がされている広告とそうでない広告を比較します。
- 配置・・・配信先を変えることで比較します。
- 商品セット・・・商品マネージャーのアセットで設定された、違う商品セットを比較します。
変数を変更することで、どの部分をどう変更すれば効果が上がるのかを比較可能です。
利用メリット
Facebook広告のABテストを行うメリットは以下のとおりです。
- どの広告がパフォーマンスが優れているかを見つけられる
- 広告の改善が迅速に無駄なく行える
- 正確に広告の比較分析を行える
Facebook広告のABテストを使用することで、さまざまな広告パターンを正確に比較できます。
広告パターンの比較結果を分析することで、パフォーマンスの良い広告を見つけることが可能です。
ABテスト機能の活用方法
Facebook広告のABテストを導入するべきは、以下のような場合です。
- 自社広告を変更した場合の効果を調べたい場合
- 広告戦略を比較検討したい場合
- 自社広告の評価を客観的に知りたい場合
Facebook広告のパフォーマンスをあげたい場合はFacebook広告のABテストを活用しましょう。
Facebook広告では同時に違う広告を配信できるため、2種類の広告の比較もスムーズに行えます。
Facebook広告のABテストの結果を分析すると、ユーザーからそれぞれの広告がどのような評価を得ているか把握可能です。
分析結果を反映させることで、効率よくユーザーに響く広告を配信することができるでしょう。
2.Facebook広告のABテスト実施の全体像
Facebook広告のABテストは、どのように行うのか。
その全体像を簡単に解説します。
目的、目標、予算設定
Facebook広告のABテストを実施する前に、目的を明らかにしましょう。
なぜなら、ただやみくもにABテストを行っても結果につなげることが難しいからです。
目的が定まったら「売上を〇件増加させる」「広告のクリック数を〇%のばす」など具体的に目標を決めてください。
具体的に数値を定めることで、結果を振り返る際に役立ちます。
目的と目標が明らかになったら、Facebook広告のABテストへかける予算を設定しましょう。
予算をなるべく抑えたいと考えてしまいがちですが、ABテストにかける予算が少なすぎると十分なテスト結果が得られないので注意が必要です。
ABテストの設定、実施
目的、目標、予算が決定したら、実際にABテストの内容を設定します。
設定場所はFacebook広告の広告マネージャーから設定を行います。
テストの期間は数週間~1か月ほどが一般的です。
テスト期間が短すぎると測定に十分なインプレッション数を稼げないため、データ取得ができずに正確に行えません。
また、平日や週末などでもインプレッション数は変動するため、余裕をもってテスト期間を設定しておきましょう。
ABテスト結果の測定・分析
ABテストの結果は、広告マネージャー上で確認・分析できます。
分析結果を反映させて広告を改善し、何度も繰り返しテストを行いましょう。
テストと改善を繰り返すことで、より効果の高い広告へブラッシュアップされていきます。
3.Facebook広告「ABテスト」の設定方法
実際にFacebook広告マネージャーから、ABテストの設定をする方法を解説します。
広告マネージャからABテストを行う方法
- Facebookの広告マネージャーで「広告セット」を選択し「ABテスト」をクリックします。
- 「新しいバージョンを作成」を選択、バージョンAとバージョンBの変数を設定して「次へ」をクリックします。
「既存のキャンペーンを比較」からはすでにある広告内容を比較できます。 - 「1日の合計金額」「テスト期間」を設定し「テストを確認」をクリックします。
- ABテストの設定が表示されるので確認し、変更点がなければ「テストを作成」をクリックします。
これでABテストが開始されます。
テストツールからABテストを行う方法
- テストツールにアクセスする
- 画面左側から「テスト」を選択する
- 「ABテスト」の「スタート」をクリックする
- テストしたい広告セットやキャンペーンを選択する
- ABテストの名前、期間などを設定する
- 「判定」内の「主な指標」から判定方法を選択する
- 「テスト詳細を確認」をクリックし、テストの詳細や期間を確認する
- 「テスト作成」をクリックする
ABテスト設定時の注意点
Facebook広告のABテストを設定する際は、あらかじめ定めた目的や評価基準からずれていないか注意してください。
予算もテストの推定パワーが水準以上になっているか、確認しながら実施しましょう。
推定パワーとは、ABテストの信頼性を表す数値で、おおよそ80%以上であることが推奨されています。
結果を見れば理由がわかるように設定することで、無駄なテストを行う必要がなくテスト回数の削減が可能です。
4.Facebook広告のABテスト結果確認方法
Facebook広告のABテストの結果を確認する方法を解説します。
テスト結果確認方法
ABテストの結果は、メールか広告マネージャーから確認できます。
広告マネージャーからは以下のことが確認可能です。
- 効果の高い広告やキャンペーンに星印がつく
- フィルターを設定し、ABテストの広告やキャンペーンのみをレポートに表示させる
- 効果の高い広告
- 広告セットの結果の単価
- 信頼度(同じテストで同じ結果が出る確率)
ABテストの終了時に結果報告のメールが届きます。
メールには以下の内容が記載されています。
- 効果の高い広告と、信頼度
- ABテストの設定
- 広告でキャンペーン目的に関する結果になった回数
- 広告で得られた平均単価
- 広告に使った費用の総額
分析時に必ず見るべき3つのポイント
Facebook広告のABテストを分析する際に必ず確認すべきなのは以下の3つです。
- テストする変数は1つにする・・・ABテストを行う際、テストする変数は1つにし、変数以外は同条件で統一することで正しい結果が得られます。
- テスト結果の信頼度を確認する・・・また同じテストを行ったときに結果が同じになる確率を信頼度といい、精度の高いテストほど信頼度が高くなります。
- 結果が仮説にあっていたか確認する・・・ABテストを行う前に立てた仮説と、結果がどの程度一致しているか確認します。
ABテストの便利な機能
Facebook広告のABテストの便利な機能に「テストの推定パワー」があります。
テストの推定パワーは80%以上になるように設定しましょう。
テストの推定パワーとは、キャンペーンのデータ蓄積量の差を検知できる可能性のこと。
ABテストの信頼性を表す数字です。
そのため、より確実なテストを実行するためには、必ず80%以上の数値であるか確認してからテストを実行しましょう。
ABテスト完了後に「パフォーマンスの高かった広告を掲載」というボタンから、効果の高い広告を自動で配信できます。
このパフォーマンスの高かった広告は、参考程度に考えたほうがよいでしょう。
5.Facebook広告のABテストを効果的に実施するためのTIPS
FacebookのABテストは、ただやみくもに行っても効果が期待できません。
FacebookのABテストを効果的に行うTIPSをご紹介します。
明確な仮説を立てる
ABテストの目的は、効果の高い広告を配信するために、設定やクリエイティブの違いで起こる成果差を判断することです。
仮説をきちんと立てないと、求める結果を得ることはできません。
明確な仮説を立ててテストを行うことで、無駄なテストをすることなくなり、テスト結果の信頼性が高くなります。
一定のテスト期間を設ける
ABテストの期間は、1~30日以上で設定できます。
コンバージョン率のテストなどは、クリックしてから反映まで数日を要します。
また、データが反映されるまでの期間を考慮して、ABテストの期間設定をしないと正しい結果を得られません。
変数は1つに絞る
Facebook広告のABテストでは、変数は1つに絞って設定しましょう。
ABテストでは1つのテストで複数の変数を使用できます。
ですが、変数を複数に設定してしまうと、テスト結果がどちらの変数による影響なのか判断が難しくなるのでおすすめしません。
十分な予算を確保
Facebook広告のABテストにおいて、正しいテスト結果を得るためには十分な予算が必要です。
テストの推定パワーが下がらないくらいの予算を確保しましょう。
予算の低いテストを何度も行うなら、予算を十分にかけたテストを1度行うほうが得られる結果に意味があります。
テストを繰り返す
ABテストを行う目的は、Facebook広告について立てた仮説を検証することです。
そのため、ABテストの結果を踏まえて、効果の高い広告を使用したり効果の出なかった広告を改善したりしましょう。
ABテストを行ったら、それで終わりではなく結果を踏まえたアクションを継続することが重要です。
6.ABテストと一緒に検討したいFacebook広告の効果改善に効くおすすめ施策
Facebook広告にはABテスト以外にも効果を高めるための施策があります。
ABテストと合わせて行うと効果的です。
広告ライブラリの利用
Facebookの広告ライブラリを利用すると、掲載中の他社の広告を見ることが可能です。
競合他社と自社広告を比較して、気づきを得ることも多くあります。
検索フォームにキーワードや企業名などを入れて広告を検索できるので、自社広告と比較したい広告を見つけやすいこともポイントです。
テスト条件は変えないハイセンスな画像を無料で利用する
ABテストの結果、広告の見栄えが良くなく成果を上げられないとしたら、画像の変更を検討するでしょう。
しかし、予算やリソースの関係で画像の用意が難しい場合もあります。
Facebook広告では、Shutterstockというフォトサービスの画像を無料で利用可能。
高クオリティな画像が数百万枚から選べるので、ぜひ利用してみてください。
リターゲティングを活用する
Facebook広告では、「Facebookピクセル」というリターゲティング用のタグを入れることができます。
「Facebookピクセル」はFacebook広告をクリックして自社サイトに訪れたユーザーデータを計測・蓄積できるツール。
広告効果の計測精度向上やFacebook広告の配信システムの最適化を実現しています。
ABテストでの問題点を、リターゲティングを利用した分析で改善するのがポイントです。
7.まとめ
Facebook広告のABテストついて解説しました。
Facebook広告のABテストは2つ以上の広告を同時に比較し、より効果的な広告はどちらか調べられる便利なツールです。
しかし、広告はただ配信だけすれば良いというものではありません。
効果を最大限に発揮するためには、ABテストを使った最適化や、効果結果をもとに改善を続けてブラッシュアップすることが重要です。
そのため、Facebook広告のABテストはFacebookで広告を配信するなら必須ツールといえるでしょう。
テストを行う前の準備や効果的な使い方を踏まえて、Facrebook広告のABツールを使いこなしてください。
本メディアを運営する株式会社ギャプライズでは、WebマーケティングやWebサイト改善、Webサイト集客など、さまざまな課題や悩みに対応したビジネスを展開しています。
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今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。