バナー広告のABテストで成果を高めるには?検証パターンについても解説
バナー広告は、画像やテキストなどを組み合わせで、予想以上の効果をあげることもあれば、思っていたほどの反響得られず何が悪かったのがと頭を悩ませることもあります。
どうすれば効果的にバナー広告を出稿できるのか、どのようなバナー広告が効果があるのか、悩む方は多いのではないでしょうか。
その悩みを解決するのが、バナー広告のABテストです。
さまざまなバナー広告のパターンを実際にテストすることで、勝てる広告に近づいていけます。
ただし、ABテストは、思い付きであれこれ試していては、時間と費用が無駄になってしまいます。
しっかりと準備をして、計画的に進めることが重要です。
この記事では、バナー広告のABテストについて、効果的なテストを実施するための進め方や注意点、また具体的な検証パターンについても解説します。
ぜひ参考にして、バナー広告の効果を高めましょう。
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バナー広告とは
バナー広告とは、広告枠が設けられたWebサイトやスマートフォンのアプリ等で表示される、画像や動画を用いた広告のことです。ディスプレイ広告や、GDNと略されることもあります。
バナー広告の特徴は、画像や動画を用いることで視覚に訴え、ユーザーを引き付けることです。
そのため、見た目やイメージで訴求できる商品やサービスに適しています。
また、わかりやすいビジュアルで表現しることによって、ユーザーの認知を高める役目も果たします。
バナー広告の3つのメリット
バナー広告は、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは3つのメリットを取り上げて紹介します。
視覚的にアピールできる
バナー広告は、メッセージを視覚的に表現するため、ユーザーにわかりやすく伝えることができます。
商品・サービスが持つメッセージやイメージ、コンセプトなどを、一目見ただけで理解できるようにクリエイティブを作り込みます。
認知度向上につながる
バナー広告は、ポータルサイトやニュースサイトなど多くのアクセスが集まるWebサイトに掲示されます。
そのため、商品やサービスの認知度の向上につながります。
バナー広告は、今すぐ解決したいというニーズに対応する使い方もできますが、多くの人の目に触れることで認知度を高めるイメージ広告として活用すると、より効果が高まるでしょう。
利益率の向上が見込める
バナー広告で多くの人の注目を集めて購入に繋げることができれば、利益率の向上が見込めます。
広告を出稿する際には、過去のデータなどからクリック率やコンバージョン率を予想し、それに合わせて予算を投入します。もし、バナー広告が予想以上の注目を集めて反響が高まれば、大きく利益に貢献するでしょう。
バナー広告のデメリット3つ
バナー広告のデメリットを3つ取り上げて解説します。
作成に時間がかかる
バナー広告は、画像や動画を使ってアピールするクリエイティブが重要です。
クリエイティブの作成には一定以上のクオリティがなければなりません。
デザイナーと打ち合わせて作成してもらう必要があるため作成には時間がかかります。
また、ABテストを実施するなど、継続的に効果を計測して細かな調整を行っていく必要があることから、いくつものパターンを作成しなければなりません。
テストや調整にかかる時間も考えておくことが大切です。
潜在ニーズ層はCVが低い
バナー広告のターゲットになるのは、まだニーズが表面に現れていない潜在層のユーザーです。
バナー広告で興味喚起させ、次の行動につながるユーザーを確保するようにアプローチしていきます。
リスティング広告では、検索キーワードに連動して広告を表示し今すぐ悩みを解決したい顕在ニーズにアピールするため、バナー広告よりもCV率が高くなります。
Web広告運用ツールを提供しているWordStream社の調査によると、広告種類別のCV率の全体平均はリスティング広告で3.75%、ディスプレイ広告(バナー広告)で0.77%となっています。
出典:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]|WordStream
効果に大きな差が出る
バナー広告では、うまくいった場合と失敗した場合で大きく差が現れます。
それに連動してコンバージョン数も大きく変わることになります。
これならうまくいくはずと甘い見込みで走ってしまうと、大きな失敗につながります。
ABテストをしっかり行い、成功パターンをつかんでから本格的に予算投入する手法が成功のために必要です。
バナー広告でABテストが効果的な理由3選
バナー広告で成果をあげるためには、ABテストをしっかりやるのが効果的です。
ここではその理由を3つご紹介します。
視覚的効果を検証しやすい
ABテストを行うことで、バナー広告の視覚的効果を明確な数字で検証できます。
バナー広告を判断する要素として、レイアウトや写真、色、キャッチコピーなどがあります。
いくつかの候補のうち、どれを採用するかを感覚に頼っていては、なかなか結論が出せず結局声が大きい人の意見が通ってしまいがちです。
ABテストを実施し、異なるデザインのバナー広告で比較すると、どちらが優れた広告なのかはしっかりと数字として結果に現れます。
感覚の違いや過去の経緯に関係なく判明するので、迷わずに判断可能です。
パーソナライズ機能で検証しやすい
年齢や性別、居住地域、過去の購入履歴、検索履歴などの個々のユーザー情報をABテストに活用すると、ターゲットにすべきユーザー層が見えてきます。
ABテストツールではパーソナライズ機能が備えられているため、どういった属性のユーザーが反応するのか、そしてそのユーザーの属性に合わせた最適パターンはどのパターンか、ということをABテストを通じて判断できるようになります。
人の力でひとつずつやっていては非常に手間がかかりますが、ABテストツールを使うことで手軽にテストが行えるようになり、明確な答えが得られるでしょう。
短期間で施策に活かせる
ABテストを実施すれば、成功パターンのバナー広告に近づきます。
何度もパターンを変えてテストすれば、確実に成功パターンが見えてきます。
広告のパターンだけでなく、ターゲット設定やランディングページでもABテストは有効なため、時期を決めてABテストを繰り返すことで、短期間で精度の高い広告の仕組みを構築できるでしょう。
ABテストツールを活用すれば、違うパターンのABテストが簡単に実施できるので、テストにかかる時間と手間を大幅に節約できます。
バナー広告のABテスト実施6ステップ
実際にバナー広告のABテストを実施する場合には、どのように進めていけばいいでしょうか。
ここでは、6ステップに分けてバナー広告のABテストの実施の仕方を解説します。
1:ターゲット分析をする
広告作成の第一歩はターゲットの分析です。
これまでのデータなどから、ターゲットの性別、年齢、居住地、職業、嗜好、好みなどを洗い出していきます。
データは豊富にあるほうが精度が上がりますが、あまり細かく分析しても意味がない場合もあります。
分析の際にはいくつか軸を見つけ出すと次の工程に活かすことがでるでしょう。
例えば、年齢によって好みが分かれることがわかれば、年齢を軸にしてテストしたり、学生にだけ反応が上がるデータがあれば、学生をターゲットにした広告展開を考えたりできます。
十分な母数のデータを集めて分析してみましょう。
2:目標設定する
ABテストを実施する前に、目標となる数字を設定します。
多くの場合では広告のクリック数やクリック率、またはコンバージョン数、コンバージョン率が目標となります。
ただし、全てを一度に改善するのは困難ですので、まずは数を増やすことを目指していくとよいでしょう。
数が取れれば質の改善は、比較的やりやすいためです。
目標となる数字が出れば、過去のデータなどを見て、必要な予算と実施期間がだいたい計算できます。
そこから、ABテストの具体的な実施計画を策定していくといいでしょう。
3:仮説を立てる
ABテストを実施する前には、必ず仮説を立てることが重要です。
仮説を立てずに、結果だけを見てどこがよかったのか悪かったのかを検討していては、有効なアプローチが打てなくなります。
例えば、類似商品で品質を訴求する広告で反響がよかったので「お得感」よりも「高品質」をアピールする広告のほうがいいのではないか、という仮説を立ててABテストを実施します。
次には「素材の品質」と「効果の高さ」を比較し、商品の特性から「効果の高さ」を訴求するといいのではないかと仮説を立て、ABテストを実施します。
そして、「効果の高さ」を表現するために「有名人の推薦」と「実績データの掲載」のどちらがいいのか、というように仮説に基づき、次の検証へ段階的に進めていきます。
仮説を立てることで検証の軸が明確になり、テストの結果がわかりやすくなります。
4:クリエイティブを作成する
仮説に基づいてテストに用いるバナーのクリエイティブを作成していきます。
作成の際にも思い付きで作業を進めるのではなく、事前のプランを作成し十分に練ってから作業にかかるといいものができるでしょう。
事前の作成プランでは、下記のポイントをチェックしましょう。
- 商品のベネフィットがわかりやすいか
- レイアウト構成が見やすくなっているか
- 訴求するポイントがしっかり伝わるようになっているか
ラフ案の段階で、関係者と打ち合わせを行い、改善点を話し合うといいでしょう。
改善を加えてバナーの作成を進めていきます。
どこを比較してテストを行うのかが明確にわかるように、作成の段階で注意しておくことが重要です。
5:テストを実施する
テストの実施は、大きなテーマから始めて、次第に絞り込んでいくように進めていきましょう。
例えば、訴求するポイントを価格にするのか、品質にするのか、実績にするのかといった大枠からスタートし、次に訴求ポイントを表現するキャッチコピーの文言、写真はどれを使うのか、色は何色がいいのか、といった表現の細かい違いをテストしていくようにします。
テストを行う際には、実施期間をしっかり定めて、できれば短期間で実施するようにしましょう。
期間が長くなるとバナー広告の違い以外の外部要素の影響を受ける可能性が増えてしまい、結果の検証が難しくなってしまいます。
6:結果の分析をする
テストが終わったら、結果を分析します。AパターンとBパターンのどちらが目標に対して有効であったかを確認します。
AとBで明らかに数字の差がある場合は簡単に勝敗をつけられますが、大きな違いが出ないこともあります。ABテストツールがあれば、AIや独自の分析機能を用いて自動的に判断してくれるので、導入するとテストがスムーズに進むでしょう。
分析結果から違うテストを行う必要が生まれたり、新たな課題が見つかる場合があります。自動判定ができると、スピーディーにテストの検証が行えるため、PDCAを素早く回せるようになります。
テストの結果を見て、どっちがよかったのかを見るのも大切ですが、ユーザーの反応や行動から改善のヒントが見えてくる場合があります。
しっかりと検証して、次に活かしていきましょう。
バナー広告のABテストをする際の注意点
バナー広告のABテストを実施する差には、注意すべきポイントがあります。
漫然とテストを繰り返すのではなく、成果につなげるために注意点を守りながら進めていく必要があります。
仮説を立てる
ABテストを実施する前段階では、必ず仮説を立ててから行うことが重要です。
仮説を立てることでABテストで検証する軸が明確になり、どこを重要視していくべきかがはっきりします。
軸がなければいくらテストを繰り返したとしてもゴールに近づいているのかがわからず、迷走を続けるだけということになりかねません。その際に明確な検証の軸があると、軸に沿った形で次の段階で確認すべきことが明らかにできるでしょう。
ABテストの方向性や結果の分析を明確にするために、検証の軸をしっかりと確認したうえで仮説を立てて進めていくことが重要です。
少しずつテストする
ABテストは少しづつテストを重ねて改善を繰り返すことがポイントです。
一度にあれもこれもとテストをすると、どれが効果があったのかがわからなくなります。
そのため、ABテストを実施する際にはテーマを絞ってテストを継続するのが必要です。
テストのテーマを決める際には、効果の違いにどの程度影響するかを考え、優先順位をつけて進めていきます。
思いつきでテストを繰り返さないように注意しましょう。
実施期間を定め必要母数を確保する
ABテストの実施計画を作る際には、実施期間と必要母数を事前に設定しておきます。
実施期間が長くなると、バナー広告の効果以外の外部からの影響を受ける可能性があるため、できるだけ短めのほうが望ましいでしょう。
ただし、必要母数が集まらないと正しい検証ができないため、どこまで集まればOKとするかの最低ラインを決めておくことも忘れてはいけません。
意味のないテストをやらない
ABテストでは、さまざまな違いでテストができますが、若干の言い回しの違いや、微妙な色合いの違いなどでテストをするのはやめたほうがいいでしょう。
絶対ではありませんが、結果としては大きな差がつかず意味のないテストになってしまいます。
結果に大きな差が生じると思われるテーマから優先するように、事前にしっかりと計画を立てテストを実施するようにしましょう。
バナー広告のABテストの実証パターン
ここでは、バナー広告の効果を高めるためのABテストの実証パターンを7項目あげて紹介します。
これらの項目について検証してみてください。
人物画像テスト
まずはバナー広告に人物画像を使うか、商品画像を使うかで検討する必要があります。
人物画像を使うと、一瞬では何の広告かわからないため、潜在的なニーズを取り込めるといわれています。
人物画像を使う場合は、ターゲット層に合わせてモデルの年齢や体形、ファッションなどを選びますが、その他にも顔の寄り具合や視線がどこを向いているかでテストを行うことがあります。
一般的に顔がアップになっていて、視線がこちらを向いているもののほうがクリックされやすい傾向があります。ただし、それだけではNGなためバランスをとるようにしましょう。
商品画像テスト
商品に知名度がある場合や、話題になっているような場合は、商品画像をバナー広告に使うと確実に反応が得られます。
ただし、この場合は顕在ニーズのあるユーザーだけなので、潜在層にアプローチしたい場合は違うパターンを考える必要があるでしょう。
商品画像の見せ方も、アップがいいのか、複数を集めたものがいいのか、使っているところがいいのかはテストをしていくとわかります。
形のない商品を扱うサービス業の場合は、人物画像を用いてABテストを行うとよいでしょう。
キャッチコピーテスト
人物画像か商品画像か、どちらかで画像が決まってくれば、次にキャッチコピーをテストして方向性を決定します。
キャッチコピーを考える場合には訴求ポイントを定め、その訴求ポイントをどのように表現するかで反応が変わってきます。また、顕在層向けなのか潜在層向けなのかでも、表現は大きく異なるでしょう。
キャッチコピーの文言でターゲットを絞り込むほどクリック数は減りますが、コンバージョン率は向上します。ABテストを実施し、どのぐらいの反応の違いがあるのかを確認してバランスを考えるとよいでしょう。
レイアウトテスト
画像とキャッチコピーが固まったら、バナーのレイアウトを変更してテストしてみましょう。
横に2分割したり、縦に3分割したり、真ん中に目立つような配置にしてみたり、というようにいくつかのレイアウトパターンを試すことがポイントです。
画像によってレイアウトの効果は変わってくるので、正解パターンはありません。
実際にテストして見つけていく必要があります。
まずは、縦に並べるのか、横に並べるのか、真ん中に大きくなのかという大枠を確認し、そこから細かいレイアウトを考えていくのがおすすめです。
マンガ/イラストテスト
バナー広告は出し続けていると、どうしても反応は落ちてきます。
その対策として新しいパターンを1からテストして探すのは時間と手間がかかり大変です。
もし、成功パターンのバナー広告がつかめているのであれば、画像をマンガやイラストに差し替えてみるとよいでしょう。
すでに反響が得られるキャッチコピーやレイアウトが見つかっているので、そこでマンガやイラストに差し替えたパターンでABテストを実施し、効果的な画風をさがしていきます。
このやり方であれば、時間をかけずに別バージョンのバナー広告が作成でき、最低限の反響は見込めるのでリスクも少なくなります。
CTAパターンテスト
CTAとは「コールトゥーアクション(Call to Action)」のことで、行動喚起を意味します。
Web画面上で「購入する」「入会する」「資料請求する」といった行動を促すボタン画像などがCTAです。
バナー広告にもCTAをつけることで、クリックを促すことがよくあります。
CTAがあるのとないのではどのぐらいの違いがあるのか、CTAの文言は何がいいのかといったことを、ABテストによって確認してみましょう。
CTAをつけることで反応がよければ、さらにボタンの大きさや位置、色などもチェックして精度を上げていきます。
GIFアニメーションテスト
GIFアニメーションは動きがあるため目立ちますが、逆に目立ちすぎると嫌がられる傾向があります。
アニメーションを使って変化をつけたい場合は、動かしすぎないのがポイントです。
また、画像の一部が少し動く程度でも十分注意を向けることができます。
反応がとれる成功パターンが見つかっていれば、その一部分が動くGIFアニメーションのバナー広告で反応が変わるのか、GIFアニメーションありとなしでABテストを実施してみるとよいでしょう。
もし、GIFアニメーションを使って多少反応がよくなるのであれば、広告が飽きられないように変化をつけるためにGIFアニメーションありのバージョンも投入していくことも検討します。
まとめ:ABテストでバナー広告を最大化しよう
ABテストを活用してバナー広告の成果を高める方法について解説してきました。
バナー広告は画像とテキストを用いて、メッセージやコンセプトが一瞬で伝わる効果があります。
バナー広告の成功パターンが見つかれば、今すぐほしいという顕在層以外にも、潜在的なニーズを持った見込み客を取り込むことができるでしょう。
バナー広告ではさまざまな表現が可能であるため、なかなか成功パターンが見つからないのが悩みの種。
しかし、ABテストを繰り返すことで、確実に成功パターンに近づいていけます。
バナー広告のABテストを実施する際には、思いついたものをあれこれ試すのではなく、優先順位をつけて仮説を立てて計画的に進めていくのが成功のポイントです。
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今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。