【自社事例】コンテンツ制作にAIを活用するなら知っておきたい、GPT-4とClaude3の特徴と使い分け方

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2024/04/15

近年、マーケティングにおいてコンテンツの重要性が高まっています。質の高いコンテンツを継続的に提供することで、顧客とのエンゲージメントを高め、ブランドへの信頼を築くことができます。一方で、良質なコンテンツを大量に制作するには多くのリソースが必要で、多くの企業が量と質のジレンマを抱えているのが実情です。

こうした中、AIの進化によるコンテンツ制作の効率化に注目が集まっています。弊社では2023年4月からGPT-4を活用したコンテンツ制作に取り組んできました。約1年間GPT-4を使用した後、2024年3月末にClaude3への移行を検討し始めました。本記事では、自社のAI活用の変遷を振り返りつつ、GPT-4とClaude3の特徴や使い分け方について解説します。

CX改善におけるコンテンツ制作の課題

顧客体験(CX)を改善するには、ターゲットとなる層に響く良質なコンテンツの制作が不可欠です。しかし、限られた制作リソースの中で量と質を両立させるのは容易ではありません。また、コンテンツの改善や効果測定のPDCAサイクルを回すことも難しく、思うような成果が出せないという悩みを抱える企業は多いのではないでしょうか。

GPT-4とClaude3の特徴比較

ギャプライズでは、これらの課題を解決すべく、生成AIを活用したコンテンツ制作に着手しました。まず導入したのがGPT-4です。GPT-4は汎用性が高く、多様なタスクに利用可能な言語モデルとして知られています。一方、Claude3も高い汎用性を持ちつつ、高品質な文章生成が可能です。

両者の長所を理解し、用途に応じて使い分けることが重要だと考えています。GPT-4は汎用的なコンテンツ生成に適しており、Claude3は効率的かつ高品質な文章生成が求められる場面で真価を発揮します。利用コストに大きな差はありませんが、それぞれの特性を理解して最適なAIを選択することが肝要です。

自社におけるGPT-4活用の取り組みと課題

ギャプライズでは2023年4月ごろから、GPT-4を導入してコンテンツ制作の自動化に着手しました。GPT-4の活用により、制作スピードは飛躍的に向上し、生成されたコンテンツの品質も一定のレベルに達しました。また、編集作業の効率化も実現できました。

具体的な取り組みとして、プロンプトの具体化とテンプレートの用意に力を入れました。より詳細で明確なプロンプトを作成することで、AIが迷わずに目的に沿ったアウトプットを生成できるようになりました。また、頻繁に使用するプロンプトをテンプレート化し、効率的に呼び出せるようにしました。

さらに、Clipyというアプリを活用し、プロンプトを瞬時に引き出せる環境を整えました。これにより、必要なプロンプトをすぐに参照でき、コンテンツ制作のスピードアップにつながりました。

ただし、プロンプトの作成は業種や業務内容によって出して欲しいアウトプットが異なります。他社での活用例を参考にしつつ、自社の目的に合わせてカスタマイズしていくことが重要です。

<参考: 2023年度のメルマガ定期配信結果(前年度比)>

このように約1年間AI活用を進めていく中で、生成されるコンテンツの画一化などの課題もありました。より高品質なコンテンツを安定的に生成できる方法の画策は続けていました。

そこで私が個人的に注目したのが、Claude3でした。2024年3月末から1週間ほどGPT-4とClaude3を併用して検証したところ、ビジネスシーンでの自然な表現力や、1回で生成できる文章の長さなどの点で、Claude3が優れていると判断しました。

GPT-4からClaude3へ移行したことで、生成コンテンツの品質は大幅に向上し、制作スピードはおよそ15%短縮できました。ラリー回数が減るため、フィードバックもしやすくなり、加えてABテストによるコンテンツの最適化もより容易になりました。

また、GPT-4で蓄積したプロンプトは、Claude3でも活用することができたため、業務内容に合わせて作成したテンプレートやClipyによる管理方法など、GPT-4での経験が そもままClaude3に移行でき活用をスムーズにしてくれました。

一方で、Claude3独自の特性を理解し、適切なプロンプトを用意することも重要です。GPT-4とはまた異なる強みを持つClaude3を最大限に活用するため、プロンプトの最適化は継続的に行っています。

これからもAIの進化に合わせて、適切なツールの選定と活用方法の改善を続けていくことが、高品質なコンテンツ制作には欠かせません。そこで当チームでは、蓄積した知見を活かしつつ、新たな技術にも柔軟に対応していくため、AI活用専門のSlackチャンネルを設けて、日々情報共有を行なっています。

GPT-4とClaude3の使い分け方

私個人としては、2024年4月にGPT-4のサブスクリプションを解約し、Claude3への完全移行を決断しました。これは、Claude3の性能が向上し、GPT-4とほぼ同等の品質のコンテンツ生成が可能になったことが大きな理由です。

加えて、Claude3の方が1回で生成できる文章量が多いため、コンテンツ制作の効率が良いことも移行の決め手となりました。ラリー回数が減ることで、フィードバックや修正がスムーズに行えるようになり、制作フローの最適化につながっています。

GPT-4で蓄積したノウハウやプロンプトの多くはClaude3でも活用できるため、移行によるコンテンツ品質の低下は見られませんでした。むしろ、Claude3の特性を理解し、プロンプトを最適化することで、より洗練されたコンテンツ制作が可能になっています。

ただし、すべての業務でClaude3が最適というわけではありません。案件の特性に応じて、他のAIツールを使い分けることも検討しています。大切なのは、各AIの特徴を理解し、目的に合ったツールを選択することです。

現在社内で活用している生成AIツールとしては、Claude、ChatGPTの他にも、Notion AI、perplexity、HubSpotのAIアシスタントなどがあります。

ギャプライズでは、他のAIツールも柔軟に活用しながら、高品質なコンテンツ制作を追求しています。今後も新しいAIの登場に注目し、より良いコンテンツ制作の在り方を模索していく方針です。

さいごに

コンテンツ改善には、継続的なPDCAサイクルが欠かせません。最適なAIツールを選択し、活用することで、改善サイクルを加速させることができるでしょう。自社のソリューションの価値を読者にわかりやすく伝えることが、成果につながります。

弊社のABテストやCX改善ソリューションでは、施策立案の際にも積極的に生成AIを活用しています。プロンプトの社内共有などを進めることで、社内教育なども効率的に進めることができます。

より高度で高速なPDCAサイクルによるサイト改善に興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。私たちが培ってきたノウハウを活かし、皆さまのビジネス課題の解決に全力を尽くします。

また、GPT-4やClaude3に限らず、各サービスは常にアップデートが行われています。後発サービスの台頭によって、AIの性能は日進月歩で進化しています。今後も各サービスの動向にアンテナを張り、新しい強みを見極めることが、AIを活用したコンテンツ制作の鍵となるでしょう。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長(仮)

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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