【2016年最新】Googleの主要アルゴリズムをまとめて解説!アップデートの歴史を踏まえてワンランク上のSEOへ
パンダ、ペンギン、ハミングバード、ペイデイローン…
Googleは検索アルゴリズムの更新をたびたび行い、そのたびに検索結果の精度を高めています。また、これらのアルゴリズムの進歩はSEOの変遷と不可分です。
今回は、Googleの検索アルゴリズムアップデートの歴史を辿るとともに、最新のアルゴリズムについても見ていきましょう!
目次
Googleの検索アルゴリズムアップデートの歴史は2003年にさかのぼる
2003~2006年: ブラックハットSEOとの戦い
Googleが最初に行ったアルゴリズムアップデートは2003年にまでさかのぼります。当時のアップデートは、人工リンクを主とするいわゆるブラックハットSEOへの対策が主な目的でした。例えば、売買されたリンク、自動化されたプログラムで生成されたリンクや隠し文字などの小手先のテクニックが挙げられます。今日ではこれらがSEOにおいてご法度であることはさることながら、Googleからペナルティを受けることも広く知られています。
2007-2010年: ブランド/位置情報/SNSとの統合期
このころはブランド力のあるページ(例えば、企業の公式ページなど)の表示順位が優遇されるなどの最適化が行われました。また、スマートフォンの普及に伴い検索結果のローカル化とリアルタイム化が推進されたのもこのころです。
2010年には低品質な(内容の薄い)ページの検索順位が大幅に低下するなど、詳細は不明ではあるもののある程度の変動が発生しました。これはパンダアップデートへの伏線であったとも言われています。
2011年2月: パンダアップデート
パンダアップデートは、内容が薄くコンテンツ量の少ないページやコンテンツファームに対する対策を主眼としています。というのも、これまでの検索アルゴリズム改善によって従来のスパムリンクなどにはほぼ対処できるようになったからです。Googleの注意はコンテンツそのものへと移ってきていたことはMatt Cutts氏が2011年1月11日に投稿したGoogle公式ブログポストからも伺えます。
As “pure webspam” has decreased over time, attention has shifted instead to “content farms,” which are sites with shallow or low-quality content. In 2010, we launched two major algorithmic changes focused on low-quality sites. Nonetheless, we hear the feedback from the web loud and clear: people are asking for even stronger action on content farms and sites that consist primarily of spammy or low-quality content.
引用:Official Google Blog: Google search and search engine spam
ここで言われている”コンテンツファーム”とは「内容が乏しいコンテンツを大量に生成し、トラフィックを獲得しようとするコンテンツ」のことを指します。スクレイピングや自動生成されたものはもちろん、信憑性に欠けるコンテンツも含まれると一般に言われています。
公式ブログのポストによると、
- オリジナルのコンテンツがある
- ユーザーにとって重要な情報を提供しているページ
を高く評価するとされています。
参考
2012年4月: ペンギンアップデート
ペンギンアップデートからは、Googleはリンクの質をより一層重視するようになりました。
公式ヘルプ(リンク プログラム – Search Console ヘルプ)によると、
- PageRank を転送するリンクの売買。これには、リンク、またはリンクを含む投稿に対する金銭のやり取り、リンクに対する物品やサービスのやり取り、商品について書いてリンクすることと引き換えに「無料」で商品を送ることなどが含まれます。
- 過剰なリンク交換、または相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成すること。
- アンカー テキスト リンクにキーワードを豊富に使用した、大規模なアーティクル マーケティング キャンペーンやゲスト投稿キャンペーン。
- 自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成すること。
これらに該当するリンクはサイトのランキングに影響を与えると明記されています。
パンダアップデート、ペンギンアップデートに関しては以下の記事に詳しいのでこちらもぜひご覧ください。
http://www.similar-web.jp/blog/archives/5400
2013年6月: ペイデイローンアップデート
ペイデイローン(payday loan: アメリカの消費者金融が提供する短期小口ローン)アップデートとは、特定のキーワードにおいて本来上位に表示されるべきでないサイトのランキングを是正するアップデートです。
従来、金融やギャンブルなどの特定カテゴリの検索結果は過剰なSEOなどによって汚染されやすいという性質がありました。そこで”payday loan”のような特定のキーワードにおけるランキングにメスを入れ、スパム的手法で上位に表示されているサイトをランキング下位に送るということが行われたのです。
それはそうと、他のアップデートと比べて名前にかわいげがないですね。
2013年8月: ハミングバードアップデート
ハミングバード(ハチドリ)アップデートは、検索におけるユーザーとの対話を実現すべく導入されました。
例えば、秋葉原駅周辺で「カフェ 近く」というキーワードで検索すると次のような結果が表示されます。
端末の位置情報を取得し、実際にユーザー周辺に存在するカフェとその地図、そしてレーティングまで表示されます。これは、ユーザーの「カフェ 近く」というキーワードの背後にあるユーザーの意図をくみ取りある種の対話を行っているといえます。
2016年は“User-Generated Contents”を意識すべし
“いいね!”やフォロワーの数はSEO効果はないが…
GoogleのMatt Cutts氏の以下の動画では「SNSにおいて、『フォロワーの多い人が言及した』とか『たくさんの”いいね!”を集めている』といった情報は検索結果には関係ない」とされています。
以上の動画におけるMatt Cutts氏の発言を要約すると以下のようになります。
(『FacebookやTwitterの情報は検索アルゴリズムの順位決定に影響するのか?また、影響するのであればそれはどの程度か?』という質問に対して)
答えは“NO”です。SNSにおけるフォロワーや「いいね!」の数などのソーシャルシグナルがランキングに影響を与えることはありません。
確かに「発言者がだれか」ということは情報の価値を大きく左右します。私も、尊敬しているエンジニアがフォーラムになにか投稿したら、そのフォーラムの規模に関わらずその発言をチェックしたくなります。
しかし、“ウェブが不完全である”現状に鑑みると、SNSにおけるフォロワーや友人数、リアクションの数などのソーシャルシグナルをページの価値づけに利用することは難しいことが分かるでしょう。人々の交友関係というのは往々にして変化するものであるし、何かが原因でフォロワーをブロックするという状況もよくあることです。そして、仮に有用なソーシャルシグナルがあるページがあったとしても、おそらくそのページはクロールできないでしょう。SNS上のページというのは検索エンジンにクロールを許可しないことが多いのです。
つまり、「時間軸上のある一点におけるページの状態は分かるが、頻繁に起こるその変化を詳細かつ対称的に追うことは叶わない」という不完全なウェブを相手にする限り、私たちエンジニアはソーシャルシグナルの利用には用心深くならざるを得ないのです。
しかしこの発言の中では、ソーシャルメディアからのリンクが評価されないとは明言されていません。
事実、はてなブックマークなどのソーシャルメディアでバズったコンテンツは検索結果でも上位に表示される傾向が観測できます。傍証として、Googleが近年”User-Generated Contents(ユーザーによって生み出されたコンテンツ:レビューやフォーラムポスト、SNSへの投稿)”を重視するようになっていることも挙げられます。例えば、2013年にMatt Cutts氏はECサイトにおけるUGC、つまりレビューについて次のように発言しています。
We are trying to ask ourselves, are there other signals that we can use to spot whether someone is not a great merchant, and if we can find those, and we think that they are not all that spammable, then we’re more than happy to use those.
引用元:Bad Merchant? Google May Drop Your Rankings Later This Year
つまり、彼らはECサイトを評価するのに有用かつスパムでない(品質の高いユーザーレビューなどの)手掛かりを模索しているということを明言しています。過去に、とあるECサイトが低評価レビューをかき集めて作為的に検索上位表示を狙った事例があり、これはそれを受けての発言でした。
投稿されたレビューなどのUGCシグナルをNLP(Natural Language Processing: 自然言語処理)などによって分析し、そのサイトに対する評定をより正確に行うことができるようにしたいというGoogleの意図がうかがえます。
SNSはともかくUGCがさらに重視されていく可能性は濃厚
とどのつまりSNSからのリンクだからといって特別に重みづけされることはないが、全く評価されないこともないという認識が現状では一番妥当です。
”SNSでバズるからSEOに効く”というよりは、”SNSでバズるようなコンテンツはそもそも良質である”というのがコトの本質かもしれません。なんといってもSNSからのバックリンクを得られるようなコンテンツはユーザーにとって重要で需要の高い情報であることに間違いないのです。また、GoogleがUGCを利用しようとしているならば(特にユーザーが生成した)コンテンツの質的な面を重視する必要がありそうです。
まとめ
今回その変遷を見てきたGoogleのアルゴリズムアップデートは、大きな変更をたびたび打ち出しているようにも見えます。しかし、その主たるコンセプトである「質の高いコンテンツへのアクセスを提供する」という軸はぶれていません。その影響もあってか、今日のSEOに「効果はあるがスパム的な手法」はほとんど存在せず、小手先のテクニックも正攻法の範疇に収まっています。
たびたびのアップデートに踊らされることなく、オリジナリティがあり、かつユーザーに価値のある情報を作り続けることが一番のSEOであるといえるでしょう。
参考文献
MarTechLab編集部
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