3行でわかる!SEOやるなら必須知識「パンダアップデート・ペンギンアップデート」簡単解説
こんにちは。ユナイテッドリバーズSEOコンサルタントの岡崎です。
宣伝になってしまい恐縮ですが、先日著作を上梓しました。
その名も「効果がすぐ出るSEO辞典(翔泳社)」。
神(Google)をも恐れぬ大胆なタイトルをつけてくださった翔泳社のHさん、誠にありがとうございました。おかげさまで売れ行きは好調のようなのですが、「神棚に祀って毎日拝んでるのに効果が出ないじゃないか」という読者が殴りこんでくるのではないかと戦々恐々の日々を送っています。
こちらの著作ですが、多忙な方でも短い時間で要旨を掴んでもらえるよう、各項目を3行でまとめた部分を設けています。ライブドアニュースの「ざっくり言うと」のようなイメージですね。
今回の記事もそれにならって、まずパンダアップデート・ペンギンアップデートとは何かを3行でご説明します。
目次
3行でわかる!パンダアップデート・ペンギンアップデートとは
- 2011年以降に導入されたGoogleの検索エンジンアルゴリズムのひとつ
- パンダアップデートは薄いコンテンツや重複コンテンツを「評価しない」アルゴリズム
- ペンギンアップデートは人工的なリンクを「評価しない」アルゴリズム
ページ量産スパマーとの戦いの果てに導入された「パンダアップデート」
Googleのアルゴリズム進化の歴史は、スパマーとの戦いの歴史と言っても過言ではありません。スパマーとは、Googleのアルゴリズムの穴を突いて検索結果をコントロールしようという人達です。そうしたGoogleの裏をかくSEOの手法を「ブラックハットSEO」と呼んだりします。
パンダアップデートの導入以前は、ページの内容は問わず、ページ数が多ければ多いほどサイトの評価が上がる状態でした。そのため、電話帳やクローラーを使ってかき集めてきたデータを元にページを量産する手法が流行していました。地名だけを差し替えた都道府県別のページを作る……なども鉄板でしたね。
しかし、そうしたページは人間が見ても何の役にも立ちません。言ってみれば「検索結果を汚すゴミページ」が無限に作られ続けていたのです。
パンダアップデートによって、そうした手法は通用しなくなりました。ユニークなテキストを含む量が少ないページや、コピペで作ったようなページは低品質と判断され、評価されなくなっています。低品質なページが多すぎる場合には、ペナルティを受けることもあります。
パンダアルゴリズムにつかまってしまったときの対策
一生懸命ページを増やしているのに順位が上がらない、アクセスが増えないと苦しんでいる場合は、パンダアルゴリズムによって低品質なページが多いと判断されている可能性を考慮した方がよいかもしれません。
明確にペナルティを受けている場合はSearchConsoleに警告が届くのですが、「ペナルティ未満」で悪影響が生じているケースもよくあります。そのような場合は、低品質なコンテンツを洗い出し、追記・修正によってコンテンツの品質を上げたり、他のページと統合したりといった対応が必要となります。
低品質コンテンツを洗い出す方法は以前に記事にしてますので、そちらを参考にしてください。
*参考:Google Analyticsで検索流入ゼロの低品質コンテンツを洗い出す方法
地方自治体もスパムに協力していた⁉︎ 「 ペンギンアップデート」とは?
ペンギンアップデートもパンダアップデート同様、スパマーとの戦いから生まれたアルゴリズムです。
Googleの検索アルゴリズムは、もともと学術論文の評価の仕組みを参考にして作られました。論文は引用回数が多ければ多いほどよい論文として高い評価を得るのですが、これをWebに適用して、リンクされている数が多いほどよいWebページ/サイトであるというアルゴリズムを作ったのです。
その仕組を逆手に取ったのが人工リンク施策と言われる手法です。無料ブログを量産して自作自演のリンクを貼ったり、広告費と引き換えにリンクを買うといった手法になります。
とくに後者は「有料ディレクトリ登録サービス」という名目で、大手企業も参入していました。ビジネスリスティングなんて呼び方もありましたね。これはディレクトリ型のサーチエンジン(Yahoo!カテゴリのようなもの)に、審査料を支払ってサイトを掲載してもらうという仕組みです。
審査を経て、役立つサイトだけを厳選して掲載しているよ!という建前にすることで、リンク売買ではないと詭弁を弄していたわけです。有料ディレクトリ登録サービスの提供者には、産経グループのような大会社もあったので、本気でリンク売買ではないと思って登録していた人も多いのではないかと思います。
*参考:産経デジタル、「産経LPO」「産経ディレクトリ」の新規受付を停止 ::SEM R (#SEMR)
公益性の高いはずの事業者がSEOスパムに利用される例は他にもあって、面白いところでは地方自治体や公共団体の広告がSEOに効果的だと人気を集めたこともあります。
それほど多くのPVもないだろう市や町の公式サイトの広告枠を見て、「こんなところに広告を出して効果あるのかな?」と疑問を感じたことのある方もいるのではないでしょうか。
その裏にはこんな事情があったんです。
ペンギンアルゴリズムにつかまってしまったときの対策
ペンギンアルゴリズムも、パンダアップデート同様に「ペナルティ未満」のケースがよくあります。SearchConsoleに警告が来ていなくても、低品質な人工リンクは積極的に削除・否認をした方がよいでしょう。
古くから運営しているサイトの場合、昔に契約していたSEO業者が貼ったリンクが削除できない場合もあると思います。そのような際のリンクチェックの方法と、リンク否認ツールの使い方については下記の記事に詳しく紹介していますのでよろしければ参考にしてください。
*参考:SEO対策会社がこっそり教える10,000URLの被リンクチェック→否認を2~3時間くらいで終わらせる方法 | 週末もSEO対策をがんばるブログ
ペナルティを下されるとどうなるのか?
ペナルティには程度があり、アクセス数への影響はほとんどない軽微なものから、検索流入がほとんどゼロになる重大なものまであります。検索流入が集客の主軸となっている場合、重大なペナルティが課されると事業の屋台骨から揺るがされかねません。
ペナルティ関連で日本で最も話題となった事例としては、株式会社リブセンスの例が挙げられるでしょう。それまでSEO中心で高い利益率を挙げていたリブセンスでしたが、平成26年12月期 第1四半期の決算で経常利益率△67.2%と悪化しました。
ペナルティを受けてSEOで集客できなくなり、テレビCMやPPC広告でそれを補ったためと言われています。
*「リブセンスが生命線のSEOを叩き落とされてピンチむかえる : 市況かぶ全力2階建」
おわりに
豆知識ですが、ペンギン・パンダという名称は「不正なSEOに白黒つけてやるぜ!」という意味を込めて決められたそうです。次はホルスタイン・アップデートが来るんじゃないかと個人的にはにらんでいるのですが、読者のみなさまは何がくると思いますか?
最終更新日:2020/9/16
MarTechLab編集部
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