低予算でも大丈夫!オウンドメディアをコンパクトにスタートする5つのステップ
こんにちは、SEO対策会社のユナイテッドリバーズの岡崎です。近頃はお客様向けのコンテンツ提供がかなり増えて参りまして、夢の中まで校正作業に追われております。
ここ数年、泣く子も黙るGoogle大先生がアルゴリズムを大幅に改善したおかげで、SEO業界はコンテンツ、コンテンツとばかり騒いでおります。
実際のところ、いわゆるブラックハットと称される手法のリスクが日に日に高まる現状では、一通りサイト構造の改善を済ませたら、あとはひたすらユーザーに役立つコンテンツを増やし、ソーシャルメディアで拡散して、自然リンクを獲得していくという極めてまっとうな施策を推し進めていく以外に選択肢はなく、SEO業界も随分とホワイトになったものだなあと感慨深くなります。
SEOを巡る環境を激変させたGoogleのアルゴリズムについては、下記の記事を参考にしてください。
参考:3行でわかる!SEOやるなら必須知識「パンダアップデート・ペンギンアップデート」簡単解説
そんなことを背景に、いま脚光を浴びているWebマーケティング施策がオウンドメディアです。横文字で書きますとなんだか大仰ですが、要するに企業が自社運営するメディアサイトです。これをさらにいろいろな横文字でデコレーションして大枚を稼いでいるご同業も少なくないようですが、私には小難しいことはわかりかねますので、メディア運営を主事業としない企業が運営するメディアはすべてオウンドメディアであると考えています。
目次
なぜオウンドメディアが流行っているのか?
SEO的な観点のみで語りますと、2点に集約できます。
- 1.本サイトに入れづらいコンテンツを掲載しやすい
- 2.売り込み臭を減らすことで、自然リンクを得やすくなる
コーポレートサイトなり、サービスサイトなりに会社や商品に直接関係ないコンテンツは載せにくいです。また、ネットユーザーは一般に売り込み臭を嫌います。そのため、販売を主目的としたデザインがベースだと、いくら優れたコンテンツを掲載してもソーシャルメディアやブログで紹介されにくくなります。
WordPressに代表されるOSSを活用すれば、ブログライクなメディアサイトは数十万円も予算をかければ十二分に構築できます。さらにランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングのプラットフォームが充実したおかげで、ライティングの外注もやりやすくなりました。
サブディレクトリを切って、売り込み臭を減らした別デザインのサイトを運営するのはわりとコスパのよい話になり、現在のオウンドメディアブームが巻き起こっているものと推察いたします。大手さんがこぞってオウンドメディアをはじめたおかげで、後発組が稟議を上げやすくなったというのも大きな理由でしょうけれども。
STEP 1.オウンドメディアをはじめるときはゴールを明確に
オウンドメディアでありがちなのが、「あの競合企業もやっているし、うちもオウンドメディアとやらをはじめてみようか」とふんわりプロジェクトを走らせた結果、要件が肥大してリリースに至らなかったり、リリースしたものの運用が止まったりする失敗です。
どんなプロジェクトでも同様ですが、ゴールを明確に定めなければ軸が定まらずに空中分解をきたします。とくにオウンドメディアはさまざまな目的を持たせることが可能なため、関係者の夢や妄想が無分別に持ち込まれやすく、ゴールを明確に定めてそれに沿わない要件を削っていかなければうまくいきません。
一例として、以下にオウンドメディア施策実施時によくゴールとして設定されるものを挙げます。括弧内はそれに紐づく定量的目標です。
直接CVを狙わない場合
- SEO、ドメイン強化(被リンク数)
- 潜在顧客の獲得(PV・UU)
- 認知度の向上(PV・UU)
- ファンの獲得(ソーシャルのフォロワー数・購読者数、再訪数)
- ブランディング(PV・UU・ソーシャルのフォロワー数・購読者数、再訪数、採用応募数)
直接CVを狙う場合
- SEO、ドメイン強化(検索流入経由のCV数、CVキーワードでの順位)
- 売上向上(LTV、CV数、売上)
STEP 2.ターゲット(想定読者層)を決める
ゴール設定の次がこれです。予算が潤沢にあるのであれば、コンサルティング会社を呼んでペルソナを立てたり、カスタマージャーニーマップを作り込んだりするのでしょうが、本記事で想定しているのは予算少なめのケースです。企画検討に目玉の飛び出るようなコストはかけられません。
また、そもそもオウンドメディア全体で詳細なペルソナを設定するのはおすすめできません。オウンドメディア全体で詳細なペルソナを設定してしまうと、それが縛りになってあっという間にネタ切れを起こしたり、ニッチ過ぎて読者がつかなかったりしやすいためです。
巷で言われていることと真逆ですが、オウンドメディア施策でペルソナをやたら設定したがるコンサル屋さんは、実務経験が少ないか、小難しいことをやっているように見せたいだけのところが少なくないんじゃないかなって思います。
ゴール設定にもよりますが、とくにバズを通じた被リンク獲得を目的とするなら「Webエンジニア」「経理・総務担当者」「健康が気になっている人」ぐらいのざっくりした粒度がちょうどよいです。
STEP 3.コンテンツテーマ、デザインの方向性を決める
ターゲットが決まったら、どんなテーマのコンテンツを掲載していくか、サイトのデザインはどうしていくのかを決めます。といっても、メディアサイトの企画経験者なんてそうそういませんので、どう手を付けたらよいかわからない方も多いと思います。
そんなときは無理に難しいことを考える必要はありません。先行している他社サイトを参考にしてください。
デザインはメディアAに、コンテンツはメディアBの●●カテゴリとメディアCの●●カテゴリに近いイメージで…というように決めるとよいです。既存のサイトを参考にすると、関係者間のイメージのブレを少なくできます。参考サイトは「オウンドメディア・ミー」などで探しましょう。
参考サイトを決めたら、それらのサイトの人気ページがどこなのか、どんな検索キーワードで集客できているのか調査してみましょう。テーマ企画の参考になりますし、予算や目標設定の材料にも使えます。
STEP 4.1記事あたりの予算上限を決めておこう
併せて決めておいた方がよいのは1記事あたりの予算上限です。オウンドメディアでは、やろうと思えばアイデアのほとんどが実行できます。有名人へのインタビュー記事を載せることもできますし、担当者がヒッチハイクで世界を巡る旅をレポートしていくことだってできるでしょう。
そう、予算さえ許せば。
大手さんのオウンドメディアを見ていると、コストをたっぷりかけたリッチなコンテンツがバズっているのを目にしますので、ついつい真似をしたくなります。しかし、ああいうものは費用対効果が見合っていないケースも少なくありません。1発の大当たりの影に隠れて、無数の滑ったコンテンツがあったりするものです。
渾身の一発を狙うより、バントを積み重ねる方が得点力に勝ることは高校野球が証明しています。1記事あたりの予算上限を定めて、コンテンツの量を確保できるようにしましょう。
STEP 5.最低限のレギュレーションを決めよう
細かな部分は運用しながら詰めていけばよいですが、「最低限これはやってはいけない」というレギュレーションは最初に定めておきましょう。
といっても難しいことはありません。以下に弊社が定番で使っている禁止事項を載せますので、コピペしてください。企業運営のオウンドメディアで、このレギュレーションから外れることはまずないかと思います。
- 他社メディア、ブログ等のコピペ。数字だけを変えたものなど
- 画像の無断転載、盗用
- 誹謗中傷(例.●●クリニックはヤブ医者なので行ってはいけません)
- 事実無根、または著しく根拠に乏しいもの(例.1日1個のりんごで絶対に風邪をひかなくなる!)
- 犯罪を推奨、助長するようなもの(例.こうすると、会計時にお釣りをごまかせます)
- 「www」「ワロタ」などのネットスラング(2ch系用語)の使用
- その他、公序良俗に反するもの
おわりに
これだけ決めておけば、オウンドメディアをはじめるにあたって最低限必要な材料は揃うと思います。あとはサイト制作とコンテンツ制作のリソースを確保して進めるだけです。オウンドメディアに貯めたコンテンツは資産として積み上がっていきますので、はじめるなら一日でも早い方が有利です。もし企画段階でつまずいていたら、あまり難しく考えずに「えいや」でスタートしてしまうことをおすすめします。
最終更新日:2020/9/16

MarTechLab編集部
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