Cloudinary(クラウディナリー)とは?特徴や使い方を解説
画像や動画を最適化して、コンバージョン率を改善したいマーケターの方は多いのではないでしょうか。そのような際には、マルチメディアを管理できるCloudinaryの導入がおすすめです。
本記事では、Cloudinaryについて、特徴や使い方を徹底解説します。
Cloudinaryを導入して、動画・画像の配信を最適化し、ユーザビリティの向上を目指しましょう。
目次
Cloudinary(クラウディナリー)とは
Cloudinaryは画像・動画・音声・PDFといったマルチメディアを整理・保管・調整し、CDNで高速配信できるサービスです。
「動画配信の最適化」や「画像加工の自動化」が大きな特徴で、WebメディアやECサイトで、画像や動画を多く使用する場合などに活用できます。
Cloudinary社は2012年に設立し、アメリカ、イギリス、イスラエルに拠点があり、全世界で利用されています。
Cloudinaryとキャッシュの仕組み
1回目のアクセスでは、変換画像のリクエストがきた際にCloudinaryに保管しているオリジナル画像から変換処理を行い、生成した画像をCloudinaryのクラウドストレージに追加します。その後、CDNを経由してCDNキャッシュが生成される仕組みになっています。
2回目以降同じ画像のURLのリクエストがきた場合は、ブラウザキャッシュ(同じユーザー端末)での配信になり、次にCDNキャッシュの順に配信されます。
Cloudinaryの特徴やメリット
Cloudinaryの特徴は以下の4つです。
- 最適な画像形式で配信できる
- Cloudinary側で画像加工ができる
- SDK機能がある
- CDN機能が使える
上記の特徴にあわせて、メリットについても解説します。
最適な画像形式で配信できる
Cloudinaryでは、WebPと呼ばれる画像フォーマットがあり、自動変換することで最適な画像形式で配信できます。
WebPとは、2010年にGoogleが開発した新型の画像ファイル形式です。
JPEGやPNGなどの画像形式に比べて高い圧縮効率と品質を実現しています。
画像表示のパフォーマンスを上げるには、画像サイズを最小限に抑えることが重要です。
サイトスピード改善のメリット
Cloudinaryを導入するメリットは、動画や画像の最適化だけでなく、サイトスピードの改善も期待できます。
画像が最適化されていない場合、読み込みが1秒遅れるとページビューが11%減少、コンバージョン率が7%減少します。
Webサイトでは、画像が占める役割が大きいのが現状です。一般的なサイトで画像が占める割合は60%を占め、画像をメインに扱うサイトでは、85%以上占めています。
そのため、Cloudinaryを導入することにより、ページサイズの大幅な削減やSEO対策も期待できます。
参考:Cloudinaryの画像変換・配信で Webサイトを高速化|slideshare a scribd company
ユーザビリティーが向上できる
動画や画像が最適化されるとサイトスピードが上がり、読者はストレスなくページを読み進めることができます。また、操作しやすくなりコンバージョン率の向上が見込めます。
画像を使用して詳しく読者に解説することで、信頼性・権威性を示せるでしょう。
適切に画像を入れることで滞在時間が長くなり、ユーザビリティが向上しSEO対策にもなります。
Cloudinary側で画像加工ができる
Cloudinaryを使用して画像を呼び出す際に、Cloudinary側で画像のリサイズやトリミング、エフェクトの付与など、あらゆる加工が可能です。
Webサイトで画像を表示する際には、通常CSSを使用して画像のリサイズなどを行いますが、この場合だと画像取得からCSSの適用、最後に表示の処理を踏むためパフォーマンスが落ちてしまいます。
一方で、Cloudinary側で画像加工すると画像取得から表示だけになるので、結果としてサイトの表示速度の向上が期待できます。
SDK機能がある
CloudinaryにはSDK機能があるので、簡単に動画や画像を加工できます。
SDKとは、ソフトウェアやWebサービスに必要なプログラムやAPI、サンプルコードなどをパッケージ化したものです。
SDKは以下の言語に対応しています。
- JavaScript
- Python
- PHP
- Ruby
- Java
- .NET
- Go
モバイル向けのSDKは以下のとおりです。
- iOS
- Android
- Dart
- React Native
- Kotlin
- Flutter
CDN機能が使える
CloudinaryにはSDK機能以外に、CDN機能も提供しています。
CDNとは、Webコンテンツをすばやく効率的に、ユーザーに配信するためのネットワークです。
サーバーからユーザーにもっとも近い場所からコンテンツを配信することで、パフォーマンスの向上と読み込み時間の短縮が可能です。
また、Cloudinaryで加工した動画や画像をキャッシュしておくことができるので、2回目以降の読み込みが高速になります。
Cloudinaryの料金プラン
Cloudinaryの各種プランと機能一覧です。
エンタープライズの料金については、お問い合わせが必要です。
機能・特徴 | |
無料版
3人のユーザー/1つのアカウント 毎月25クレジット |
・リモートフェッチ、自動バックアップ、およびリビジョントラッキング
・画像とビデオの変換 ・ビデオトランスコーディングとアダプティブストリーミング ・CDNによる高性能配信 ・無料のアドオンへのアクセス |
プラス:毎月89ドル
3人のユーザー/2つのアカウント 毎月225クレジット |
(無料の機能含む)
・独自のS3バケットへのバックアップ ・自動タグ付けベースの検索 ・無料および有料のアドオンへのアクセス ・許可リスト・ブロック資産のアクセス ・ビデオ帯域幅ブースト2:1 ・ロールベースのマルチユーザー管理 |
アドバンス:毎月224ドル
5人のユーザー/3つのアカウント 毎月600クレジット |
(プラス機能含む)
・カスタムドメインのサポート ・オプションのHTTPS SSL照明 ・認証オプション |
エンタープライズ:料金についてはお問い合わせが必要 | ・セキュリティとコンプライアンスの見直し
・マルチCDNおよびエンタープライズグレードのインフラストラクチャ ・エンタープライズSLAとサポート ・カスタム契約と請求書発行 ・ユーザー管理(SSO、プロビジョニングAPI) |
Cloudinaryの使い方
引用元:https://cloudinary.com/demos
Cloudinaryの使い方は以下のとおりです。
- 始めにCloudinaryにアクセスします。
- 続いて「GET STARTED」をクリックしてアカウントを作成しましょう。
- 必要に応じて動画や画像をアップロードし、変換や最適化の設定を行います。
- APIやwebhooksを使用して、他のアプリと統合します。
- 生成されたURLで最適化されたメディアをWebサイトやアプリに埋め込みましょう。
フリープランの場合は、サイトにアクセスし「SIGN UP FOR FREE」をクリックして設定するだけで利用可能です。
コンテンツ内で設定できる内容は以下のとおりです。
内容 | |
クラウド名 | 何のコンテンツかを指定する項目で、image、video、rawから選択 |
デリバリータイプ | コンテンツをどの様に配信するかを指定する項目 |
パブリックID | Cloudinary上のコンテンツに割り振られているID |
フォーマット | コンテンツのフォーマットを指定できる |
それぞれ使いたい内容に沿って、決定しましょう。
指定できるフォーマット
Cloudinaryで指定できるフォーマットは以下のとおりです。
特によく使うフォーマットを8つ紹介します。
フォーマット | 拡張子 | アップロードのサポート | トランスフォーメーションのサポート |
AI(Adobe Illustrator) | .ai | サポートあり | サポートあり |
GIF | .gif | サポートあり | サポートあり |
JPEG | .jpg、.jpe、.jpeg | サポートあり | サポートあり |
OBJ | .obj | サポートあり | サポートあり |
サポートあり | サポートあり | ||
PNG | .png | サポートあり | サポートあり |
SVG | .svg | サポートあり | サポートあり |
WebP | .webp | サポートあり | サポートあり |
WordPressでの使い方
WordPressでの使い方は、Cloudinary公式が配信しているCloudinary プラグインを導入するだけで利用可能です。
プラグインをインストールし有効化した後、Cloudinaryの「Connect」ページにAPI Environment variableの値を入れて完了です。
後はプラグインが自動で最適化します。
なお、URLを貼り替えたり、関数を変更したりすることはありません。
Cloudinary導入のメリット
引用元:https://cloudinary.com/about
Cloudinary導入のメリットは以下の2つが挙げられます。
- コストや時間を短縮できる
- コアビジネスに注力できる
動画や画像を最適化しながら、他のメリットにも目を向けて見ましょう。
コストや時間を短縮できる
Cloudinaryの導入でデジタルコンテンツの最適化を行い、Amazon CloudFrontやAkamaiなどのCDNで配信することで、通信量のコストダウンや表示速度の向上が見込めます。
また、コンテンツモデレーション機能を組み込むことで、コンテンツ管理の時間短縮が可能です。
Cloudinaryは導入・利用コストが安価なため、全世界で5,500を越す企業で導入されています。
コアビジネスに注力できる
Cloudinaryを導入することで、コアビジネスに注力できます。
世界でも有名なスポーツ用品ブランドである「PUMA」もCloudinaryを導入しています。
PUMAはドイツに本社を置き、スポーツウェア、アパレル、アクセサリーのデザイン、開発、販売を展開しています。
Cloudinaryの導入で、すべての画像がデバイスディスプレイに適合し、自動的にAVIF形式に変換することで、PUMAの画像を自動的に設定できるようになりました。
その結果、ページの読み込み時間が71%加速しています。
まとめ:Cloudinaryを導入してデジタルコンテンツを最適化しよう
引用元:https://cloudinary.com/about
ここまで、Cloudinaryの特徴や使い方について解説してきました。
Cloudinaryの導入により、動画や画像が最適化することでSEOも改善し、Web集客が有利になります。また、無料版を試す場合は、機能と特徴を確認してから導入しましょう。
Cloudinaryをはじめとする最新ツールの選定や導入に関するアドバイスも可能ですが、ツールの導入だけでなく、お客様のマーケティング課題に応じたトータルソリューションをご提案することを得意としています。
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今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。