Dataiku(データイク)とは?特徴や無料版について詳しく解説
DX推進に貢献するテクノロジーとして、注目を集めているのがデータ分析プラットフォームです。
DXを推進するにはAI専門家やデータサイエンティストが必要ですが、短期間で人材を増やすことは難しく、今後も人材不足が見込まれます。そこで、活用したいツールが「Dataiku」です。
本記事では、Dataikuの特徴や料金プラン、活用事例などについて詳しく解説します。
ぜひDataikuを導入して、データ活用のプロセスを効率化し、これまでデータ分析に使っていた時間と労力を節約しましょう。
目次
Dataiku(データイク)とは
引用元:https://www.dataiku.com/ja/
Dataikuは、初級アナリストでも簡単に利用できるデータ分析プラットホームです。
データ分析の専門家から他部門のビジネスパーソンまで、誰もがデータ分析を行えます。
2013年にフランスで創業し、現在はニューヨークに本社を構えています。
また、2022年には日本法人のDataiku Japanが設立されました。
Dataikuは「Everyday AI」というキャッチフレーズを掲げ事業展開しており、あらゆる人が日常的にAIから恩恵を得られるような世界を目指しています。
Dataikuでできること
Dataikuでできることは主に以下の4つです。
- ソースデータへの接続
- データの準備・加工
- 機械学習モデルの自動生成
- モデルのデプロイおよび運用管理
データサイエンティストからビジネスパーソンまで、さまざまスキルセットを持つメンバーが共同で機械学習の全工程をカバーできます。
また、上述の全工程に加えて再トレーニングとモデルの性能監視を自動化することで、作業効率が大幅にアップします。
Dataikuにおける5つの特徴
本章では、Dataikuの特徴について詳しく解説します。
主な特徴は以下の5つです。
- 専門知識がなくても簡単に利用可能
- コラボによる生産性向上
- セキュリティとガバナンスの確立
- データ準備を効率化
- データの視覚化
上記の特徴を理解してDataikuをうまく活用しましょう。
専門知識がなくても簡単に利用可能
Dataikuは、AI・機械学習を一元的に管理し、操作をグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)だけで対応することが可能です。
そのため、専門知識がないビジネスパーソンでも、クリック操作をするだけでデータ分析やAI業務に取り組めます。
また、AI・機械学習モデルの予測結果の根拠をレポーティングする機能も提供しているため、AIを使用した意思決定を支援できます。
コラボによる生産性向上
Dataikuはノーコード、ローコード、フルコードをサポートしているため、初級アナリストからデータ分析の専門家まで、ひとつのプラットフォーム上でスムーズに連携することが可能です。
技術領域の違いにより分断していたプロセスやツールを効率化できるため、データおよび機械学習における生産性の向上につなげられるでしょう。
セキュリティとガバナンスの確立
Dataikuのセキュリティは、ロールベースのアクセス制御(システム内でユーザーが行える操作を制御できる機能)により、ユーザーグループに複数のアクセス権(読み取り、書き込み、ダッシュボードへのアクセスなど)を付与できます。
ガバナンスでは、データおよびアナリティクスリーダーとプロジェクトマネージャーがひとつの場所で複数のデータの取り組みの進捗を追跡し、ワークフローとプロセスの確認も可能です。
ワークフローの各段階に関係者を割り当て、設計から納品までのプロセスをドキュメント化することで追跡できます。
データ準備を効率化
Dataikuでは以下のデータソースに接続でき、データを可視化しながら準備を進められます。
- Amazon S3
- Azure Blob Storage
- Google Cloud Storage
- Snowflake
- Databricks Lakehouse
- SQLデータベース
- NoSQLデータベース
- HDFS
さらに、データ統合および抽出、変換などの手法はすべてプッシュダウンのアーキテクチャを採用しています。そのため、大規模データに対する処理も高速な点が特徴です。また、データセットの結合、グループ化と集計、変換、データのクリーニング、エンリッチ化などのビジュアルインターフェースの提供が可能です。
データの視覚化
Dataikuは値のカウントや分布、最高値、外れ値、無効値、要約統計など、カラムの自動プロファイリングの提供が可能です。
重要なステークホルダーやビジネスユーザーには、BIツールであるTableau、PowerBI、Qlikなどのプラットフォームと統合できます。
その他には、統計分析やチャート・グラフ、ダッシュボードを使用して、データの視覚化が可能です。
Dataikuの料金プランや機能
引用元:https://www.dataiku.com/ja/%e8%a3%bd%e5%93%81/%e5%a7%8b%e3%82%81%e3%82%8b/
Dataikuは最大3人のユーザーまで14日間の無料トライアルを提供しています。
トライアルの詳細はDataiku公式サイトをご覧ください。
インストール環境は以下のとおりです。
- Mac OS X (10.12 or higher)
- Linux
- Windows
- VirtualBox / VMWare
各種プランと機能
Dataikuの各種プランと機能一覧です。
料金については、お問い合わせが必要です。
プラン | 機能 |
無料版 |
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ディスカバー(小規模なチーム向け) |
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ビジネス(中規模なチーム向け) |
|
エンタープライズ(大規模なチーム向け) |
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Dataikuの拡張性
Dataikuの強みは、以下3つの拡張性にあります。
- 公開プラグインと独自プラグイン
- カスタム機械学習
- ノーコードのアプリケーション
それぞれ詳しく解説します。
公開プラグインと独自プラグイン
1つめは、公開されているプラグインと独自プラグインで拡張可能な点です。
公開、独自プラグインやカスタムアプリケーションでDataikuの機能を拡張し、特殊なコードやサブフローを再利用可能なビジュアルコンポーネントとして、パッケージ化できます。
また、カスタムコードのコンポーネントをグラフィカルユーザーインターフェースでパッケージ化し、プラグインとして他者と共有することも可能です。
Dataikuのパブリックプラグインストアでは、無料のオープンソースプラグインをダウンロードしたり、独自のプラグインを作成したりできます。
カスタム機械学習
高度なデータサイエンティストなら、Python、R、Scala、Julia、Pysparkなどの言語を使用してカスタムモデルの開発が可能です。
また、MLFlowで開発したモデルをインポートすることで、ビジュアルMLインターフェースの拡張ができます。
自動機械学習(AutoML)では、プロントエンジニアリング、予測、クラスタリング、時系列予測など、AIと機械学習のためのガイド付きフレームワークでモデル開発のプロセスを加速できるでしょう。
ノーコードのアプリケーション
アプリケーションレシピ機能により、データサイエンティストやアナリストはコーディングなしでDataikuのフローを再利用可能なレシピとして設計・パッケージ化が可能です。
技術者ではないユーザーであっても、スケーラビリティ(拡張性や拡張可能性)で、自身とチームメンバーが繰り返し利用できるように、ワークフローを簡素化および仕組み化することができます。
Dataikuの活用事例
Dataikuを使用した活用事例は多くあります。
本章では以下の3業種を紹介します。
- 製造業(自動車産業)
- 通信業
- 金融業
上記の業種を参考にして、Dataikuの導入を検討しましょう。
製造業(自動車産業)
Dataikuを使用してプロセスの最適化、サプライチェーンロジスティックまで強化しています。
- 研究開発:開発とライフサイクル管理を改善し、膨大かつ多様なデータソースから隠れたパターンの特定。
- サプライチェーンの最適化:需要と供給を一致させ、仕入れから販売までに要する期間から製品調達のプロセスを自動化。
- 製造機械の予知:故障履歴やメンテナンスコストのデータから、最適なメンテナンス時期を予測。
通信業
Dataikuを使用して顧客の維持と獲得、サービスの向上、高品質、安定性を持った通信サービスを提供しています。
- 顧客満足度の向上:不当・悪質なサービスコールを特定し、カスタマーサービスを改善。
- カスタマーサービスの向上:問題の予兆となるパターンを特定。予測メンテナンス技術を利用した通話の切断や音質低下の問題回避。
- 解約の予測:解約した案件の分析を行い、解約手法を予測。
金融業
Dataikuを使用して顧客の維持と獲得、サービスの向上、請求予測と処理の最適化など部門全体のプロセスを強化しています。
- 資産形成サポート:市場動向と資産状況から資産形成をサポート。顧客に最適な金融商品の提案。
- セールス&マーケティング:解約の予測・防止からAIを活用して顧客獲得、契約転換予測、顧客サービスの改善。
- 不正検出と防止:虚偽や不正な請求、事故の演出、情報の隠蔽など不正行為をより高い精度で検知。
まとめ:Dataikuは誰もがデータ分析を行えるAI・機械学習ツール
引用元:https://www.dataiku.com/product/
Dataikuは、どのような人材でも簡単にデータ分析が行えるプラットフォームです。
データ分析を行うことで、サービスや製品の改善、ユーザーの満足度が向上し、結果的に事業拡大や利益率の向上が見込めるでしょう。
Dataikuの使用を検討している企業は、まずは14日間の無料トライアルから始めてみるのがおすすめです。その後は、各種プランと機能を確認してから自社にあった機能を導入しましょう。
ギャプライズではDataikuをはじめとする最新のデータ分析ツールの選定や導入に関するアドバイスも可能ですが、ツールの導入だけでなく、お客様のマーケティング課題に応じたトータルソリューションをご提案することを得意としています。
データとテクノロジーを活用した、効果的なマーケティング活動の実現に向けて、ぜひギャプライズをご利用ください。お客様のマーケティングのDX化を、チーム一丸となってサポートいたします。
お気軽にお問い合わせください。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。