Cloudflare(クラウドフレア)活用メリットや注意点、使い方も紹介

この記事のタイトルとURLをコピーする

2024/02/18

Webサイトの管理者なら、アクセス増加によるサーバーダウンの回避や、セキュリティ強化に頭を悩ませることが多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決する選択肢の一つとして、Cloudflare(クラウドフレア)が注目されています。

本記事では、Cloudflareの特徴や導入メリット、注意点、そして具体的な使い方までを詳しく解説します。これらの情報を参考に、あなたのWebサイトのパフォーマンスと安全性の向上について検討してみましょう。

Cloudflare(クラウドフレア)とは

Cloudflare(クラウドフレア)は、Webサイトへのさまざまな攻撃を防御しながら、同時にサイトの表示速度を大幅に改善できるCDN(Content Delivery Network)サービスです。

2024年8月現在、Cloudflareは世界シェア1位を誇り、CDN市場の83.1%を占めています。多くの大手企業や個人サイトがCloudflareを利用し、サイトのパフォーマンス向上とセキュリティ強化を実現しています。

参照:Usage of reverse proxy services broken down by JavaScript content delivery networks|W3C Tech

Cloudflareの歴史

Cloudflareは2004年に開発された「Honey Pot」というスパムメールの追跡システムから始まりました。
Honey Potは185か国以上、数千のWebサイトに導入され好評でしたが、ユーザーから「スパムメールの追跡だけではなく、犯罪を阻止するシステムが欲しい」との意見が多く上げられていました。

そのため、Honet Potを進化させてインターネットの脅威を追跡するだけでなく阻止する目的で作られたのが「Cloudflare」です。

Cloudflareの理念は「より良いインターネット環境の構築をサポートする」ことで、Webサイトの最適化・表示スピードにおける「より良いインターネット環境」と、だれもが安心安全にインターネットを使える「より良いインターネット環境」の2つの意味があります。

参照:Cloudflareの歴史|Cloudflare

Cloudflareの特徴とメリット

Cloudflareは多くのWebサービスで導入されていますが、その特徴とメリットはどういったものがあるのでしょうか。
以下にCloudflareの特徴とメリットをまとめました。

ページ表示速度の改善

Cloudflareを導入すると、Webサイトのページ表示速度が速くなるメリットがあります。
ページの表示速度は、Webサイトにとって非常に重要で、SEOやユーザー満足度、コンバージョン率に大きく影響します

例えば、Webサイトの稼働監視ツールを提供するPingdom社は2018年に「Webサイトの読み込み時間は3秒が限界で、5秒以上になるとユーザーの直帰率が38%まで上昇する」と発表しています。

参照:Browser Usage|Pingdom

他にも、2018年Googleからは「表示速度が1秒から3秒に落ちると、直帰率は32%上昇する。表示速度が1秒から5秒に落ちると、直帰率は90%上昇する」と発表されました。

参照:Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed|Google

Cloudflareでページ速度を高速化することで、離脱率を防ぎコンバージョン率の向上が期待できるでしょう。

強力なセキュリティ対策

Cloudflareの導入でセキュリティ対策が強化できる点も大きなメリットです。
その理由は、WAF機能が搭載されているため。

WAF(Web Application Firewall)は、Webサイトの脆弱性に対する攻撃や、DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)、悪質なbotによる攻撃などさまざまなサイバー攻撃からWebサイトを守るセキュリティの1つです。

Cloudflareでは、WAFが標準搭載されているので、難しい設定をしなくてもさまざまな攻撃からWebサイトを保護してくれます

簡単な設定と導入

Cloudflareは簡単に導入・設定ができることもポイントです。

Cloudflareの設定画面は日本語表示が完備されているため、専門用語がわからなくても簡単に設定が行えます。
登録から設定まで数分から10分ほどで完了するので、利用開始までのハードルが低い点もメリットといえるでしょう。

多彩な機能

Cloudflareには「画像変換」「オンライン待機室」などさまざまな機能が充実しています

画像変換機能は、Cloudflare内で画像のリサイズや最適化を手軽に行える機能です。
一方のオンライン待機室は、Webサイトへのアクセスが過多になった場合に、別にオンライン上の待合室を設けユーザーに順番待ちをしてもらうシステムです。

予約開始時などのパンクを防ぎ、ユーザーもアクセスを運で繋ぐのではなく、順番待ちという公平な方法で接続できます。

無料プランの提供

Cloudflareは無料で導入できます。
そのため、試しに使用してみたい場合には、ハードルも低く導入しやすいでしょう。また、後に有料プランへ切り替えることも可能です。

Cloudflareは有料プランに引けを取らない高機能さですが、すべてのユーザーにとって安全で高速なWeb体験を守りたい理念のもと無料で公開されています。

Cloudflareの使命は、より良いインターネット環境の構築をサポートすることです。Webはオープンで無料であるべきだというのが当社の信条で、規模の大小を問わず、すべてのWebサイトとWebユーザーにとって安全でセキュアで高速なWeb体験を確保する必要があると考えています。

引用:Why is our free plan so good?|Cloudflare

ギャプライズからのアドバイス

 Cloudflareの導入により、多くのサイトで表示速度が大きく改善されるケースを確認しています。ただし、最大限の効果を得るには、サイトの特性に合わせた適切な設定が重要です。無料診断サービスを利用して、貴社サイトに最適な設定をご提案いたします。

Cloudflareのデメリットと注意点

無料で便利な機能が使えるCloudflareですが、導入にはデメリットもあることを押さえておきましょう。
以下でCloudflareのデメリットと注意点を解説します。

Cloudflareのダウン時のリスク

Cloudflareを導入すると、Cloudflareを経由してすべてのサイトが表示されることになります。
万が一Cloudflareに障害が発生しダウンすると、サーバー側に問題がなくてもWebサイトの閲覧ができなくなる恐れがあります

特に近年で最も大きかった障害は、2022年6月21日。
主要な19つのデータセンターで障害が発生し、DiscordやPixivなど複数のサイトにアクセスできない問題が発生しました。

障害が発生した時間は約2時間ほどでしたが、影響が及んだのはネットワーク全体の4%を占めるほどに。
Cloudflareでは「今後このようなことが二度と起こらないよう努力し続けます」とコメントしています。

参照:Cloudflare outage on June 21, 2022|Cloudflare

Cloudflare自体のダウンは頻繁に起こりはしませんが、障害が起こるリスクは事前に把握しておきましょう。

WordPressサイトへの導入時の注意

CloudflareはWorsPressでも使用可能ですが、導入する際には注意が必要です。
ページルール(Page Rules:Webサイト内の個URLに基づいてCloudflare側で行う何らかのアクションのこと)設定を適切に行っていないと、キャッシュ事故という不具合を招く可能性があります

例えば、WordPressの管理画面のメニューなどは、本来ログインユーザー(管理人)にしか表示されません。
しかし、キャッシュ事故を起こしている場合には管理画面がユーザーから見れたり、編集できたりしてしまいます。

CloudflareをWordPressで使用する場合はキャッシュ事故を防ぐため、キャッシュのルール設定を確実に行うようにしましょう。

適切な運用には知識が必要

Cloudflareは専門的な知識がなくても簡単に導入・設定ができますが、適切に運営していくためには最低限の知識が必要です。

WordPressでのキャッシュ事故なども、最低限の知識がないことで起こってしまうトラブルといえるでしょう。
管理画面で設定の編集は簡単に行えますが、その設定内容がどのような結果を招くのか理解している必要があります。

設定ミスから大きな不具合に繋がるので、テスト環境で十分にテストし、メールやチャットでのサポートも活用して適切に運営していきましょう

ギャプライズからのアドバイス

 これらの注意点は、適切な設定と運用により回避できます。当社の専門スタッフが、あなたのサイトに最適な設定と運用方法をご提案いたします。安全かつ効果的なCloudflare活用をサポートいたします。

Cloudflareを導入すべきサイトとは?

メリットやデメリットを考慮したうえで、自社サイトへのCloudflare導入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
特に、Cloudflareを導入するべきWebサイトは、画像や動画、プラグインなどの容量の大きいデータを使用しているサイトが適しています。

    • 画像や動画を多用しているサイト
    • 大容量データを扱う通販サイト
    • 予約システムなど、一時的にアクセスが集中するサイト
    • WordPressなどのCMSを利用しているサイト
    • グローバル展開を行っているサイト

最近のほとんどのサイトは画像や動画などを使用しているので、Cloudflareの導入でスピードアップやセキュリティー強化などの恩恵を受けられます。

ギャプライズからのアドバイス

貴社サイトがCloudflare導入に適しているか迷った際は、ぜひ当社の無料診断サービスをご利用ください。サイトの特性を分析し、Cloudflare導入の効果を具体的な数値とともにご提案いたします。

Cloudflareの料金プラン

Cloudflareには無料から有料までさまざまな料金プランがあります。
以下にCloudflareの料金プランを紹介します。

Free Pro Business Enterprice
無料 20ドル/月
(年払い240ドル、月払い25ドル)
200ドル/月(年払い2400ドル)
または月払い250ドル
要相談(年払いのみ)
個人的な趣味サイト向け 本格的な個人的サイト向け 小規模企業のビジネスサイト向け 大企業の世界へ展開するサイト向け

基本的な機能は無料プランでも利用可能です。サイトの成長に合わせて、後からプランをアップグレードすることも簡単です。

ギャプライズからのアドバイス

料金プランの選択は、サイトの規模や目的、必要な機能によって異なります。当社の専門スタッフが、貴社サイトに最適なプランを無料でご提案いたします。コストパフォーマンスの高いCloudflare活用をサポートいたします。

Cloudflareの使い方

ここからは実際にCloudflareの登録方法や使い方を解説していきます。

アカウント登録

Cloudflareの使用には、まずアカウントの登録が必要です。
アカウントの登録方法は以下の通りです。

    1. Cloudflareの公式サイトにアクセスし、画面右上の「サインアップ」をクリックします。
    2. メールアドレスとパスワードを入力し「サインアップ」をクリックします。(※画面右上の「English▼」から日本語が選択可能です)
    3. メールアドレスに届いた認証リンクからCloudflareのページへ行き「ダッシュボードに進みます」をクリックします。

以上でアカウントの登録は完了です。

初期設定

ここからは初期設定の方法を解説します。

    1. ダッシュボードから「サイト追加」をクリックします。
    2. 自分のサイトドメインを入力し「続行」ボタンをクリックします。
    3. 料金プラン選択画面になるので、任意のプランを選択し「続行」をクリックします。
    4. DNSレコードの確認画面で問題がなければ「続行」をクリックします。
    5. ネームサーバー変更の画面になるので、この画面を開いたまま自分のドメイン管理サイトへログインし、ネームサーバーを先ほどのネームサーバー変更画面に表示された指示の通りに削除と追加をします。
    6. 「完了しました。ネームサーバーをチェックしてください」ボタンをクリックします。

以上で初期設定は完了です。
そのまま続けてクイックスタート設定を行います。

クイックスタート設定

初期設定の最後にクイックスタートの画面に飛びますのでそこからクイックスタートを行います。

    1. 「始める」ボタンをクリックしてクイックスタートを開始します。
    2. 「HTTPSの自動リライト」とはhttpから始まる画像などがあった場合httpsに自動変換してくれる機能です。「ON」にして「保存」をクリックします。
    3. 「常にHTTPSを使用」とは常時SSL接続の設定です。特に問題がなければ「ON」にして「保存」をクリックします。
    4. 「Auto Minify」はサイト表示の最適化です。選択項目を圧縮してサイトの表示を高速化します。すべての項目にチェックを入れて「保存」をクリックします。
    5. 「Brotli」はコンテンツの圧縮機能のことです。こちらも「ON」にして「保存」ボタンをクリックします。
    6. これまでの設定内容が表示されるので確認して「終了」ボタンをクリックします。

クイックスタートは以上で完了です。
ネームサーバーの反映までの間「(ドメイン)はCloudflareでまだアクティブではありません」と表示されますが、しばらく時間をおいてから確認し、ドメインが「アクティブ」になっていれば、問題なく設定できています。

まとめ:Webサイト最適化の重要性と専門家によるサポート

Cloudflareは、Webサイトの高速化とセキュリティ強化を実現できる有力なツールの一つです。しかし、Cloudflareだけでなく、さまざまな最適化手法を総合的に検討することが、真のサイトパフォーマンス向上には不可欠です。

Webサイトの最適化は、以下のような多岐にわたる要素を考慮する必要があります。

    • サーバー環境の最適化
    • コンテンツ配信の効率化
    • フロントエンド最適化(HTML、CSS、JavaScriptの最適化)
    • 画像・動画の最適化
    • セキュリティ対策
    • モバイル対応
    • SEO対策

これらの要素を総合的に分析し、最適な戦略を立てることで、真のサイトパフォーマンス向上が実現できます。

ギャプライズでは、Cloudflareを含む様々なツールや技術を活用した「包括的なWebサイト最適化サービス」を提供しています。当社の専門家が、あなたのサイトの特性や目標に合わせて、最適な改善策をご提案いたします。

サービス内容:

    • 現状のサイトパフォーマンス総合診断
    • 改善策の提案(CDN活用、サーバー最適化、コード最適化など)
    • 導入支援とパフォーマンスモニタリング
    • 継続的な改善サポート

Webサイトの最適化は、ユーザー体験の向上、検索エンジンでの順位改善、そしてビジネス成果の向上に直結する重要な取り組みです。

専門家による総合的な分析と改善提案を通じて、あなたのサイトの可能性を最大限に引き出しませんか? まずは無料診断から始めましょう。

Webサイトパフォーマンスの無料診断はこちら

ギャプライズの専門家が、あなたのサイトの課題を明らかにし、最適な改善策をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

この記事のタイトルとURLをコピーする

今本 たかひろ/MarTechLab編集長

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

関連記事一覧

タグから探す
AI活用
デジタル屋外広告
パフォーマンス
バックオフィス
Web接客
DX(デジタルトランスフォーメーション)
SMSマーケティング
マーケティング全般
市場・競合分析
AR(拡張現実)
画像認識AI
VOC(voice of customer)
BI(ビジネスインテリジェンス)
D2C
EC
ロイヤリティマーケティング
リードジェネレーション
インサイドセールス
インフルエンサーマーケティング
UGCマーケティング
SNSマーケティング
コンテンツマーケティング
メールマーケティング
ソーシャルリスニング
サイト改善
レコメンド
パーソナライズ
ABテスト
UI/UX
ヒートマップ
LPO
アクセス解析
EFO
サイト集客
SEO
Googleショッピング
アドフラウド(不正広告)
広告最適化
リスティング広告
SNS広告
Amazon広告
営業・顧客管理
プロジェクト管理
SFA(営業支援)