注目の新指標INPとは?FIDとの違いや改善方法、計測ツールまで徹底解説

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2024/04/01

新しくできた指標であるINPについて知りたい方は多いのではないでしょうか。INPは新たなコアウェブバイタルの指標の1つで重要な要素になります。

本記事では、INPの改善方法や低下する原因、計測方法についても解説します。
INPを改善して、ユーザー満足度を向上させましょう。

INPとは

INPとは、Interaction to Next Paintの略称で、ユーザーがページ内でアクションした反応速度を計測して遅延を計測し、ページ内のコンテンツ応答性の善し悪しを判断する指標です。
2024年3月より、現在採用しているFIDと置き換えるとGoogleが公表しました。

たとえば、スマホなどのタッチスクリーンデバイスをタップしたときの反応が早いほど、INPは小さく応答性は良好と言えます。SEOで評価されるためには、ユーザーエクスペリエンスが重要です。そのため、今後はINPの改善が必要になるでしょう。

INPの重要性

INPはWebサイトのユーザーエクスペリエンスを表す指標であるため、INPのスコアがGoogleからの評価に直結します。INPのスコアが悪いと、Webページの離脱率が高くなってしまい、コンバージョン率が低くなってしまいます。

ユーザーエクスペリエンスは、SEOとユーザーの双方に影響を与える重要な要素であるため、これまでのコアウェブバイタルだけでなくINPも必要に応じて改善しましょう。

INPの判定指標

INPの判定指標は以下のとおりです。

  • インタラクションの数が50未満のページ:もっとも遅延が大きい反応速度が判定対象
  • インタラクションの数が50以上のページ:98パーセンタイルの反応遅延が判定対象

インタラクションの遅延は、Webページ滞在中に発生するインタラクションの数により異なります。
インタラクションの目標値は以下を参考にしてください。

  • 200ミリ秒以下:良好
  • 200ミリ秒超から500秒以下:改善が必要
  • 500ミリ秒超:不良

200ミリ秒以下であれば、ユーザーはストレスなく次の行動に移せます。200ミリ秒を超えた場合は改善しましょう。

INPがチェックするインタラクション

INPは以下の3つのインタラクションを計測します。

  • マウスのクリック
  • スマホなどのタッチスクリーンデバイスをタップ
  • キーボードの押下

上記の操作で遅延したり反応がなかったりすると、INPの値が高くなります。
また、スクロールは計測の対象ではありません。

INPとFIDとの違い

FIDはコアウェブバイタルの指標の1つであり、ユーザーに対する応答性を表します。
FIDでは入力遅延時間のみを計測対象としているのに対し、INPは「入力遅延時間」「処理遅延時間」「表示遅延時間」が計測対象です。

計測対象のインタラクション 計測対象の時間

FID

  • 最初のインタラクションのみ
  • 入力遅延時間

INP

  • ページ滞在中に発生するすべてのインタラクション
  • 入力遅延時間
  • 処理遅延時間
  • 表示遅延時間

表のようにINPは計測対象となるインタラクションが増え、多角的に検証することでFIDより正確にWebサイトの応答性を評価できます。

INP低下の原因

INPの低下が考えられる原因は以下のとおりです。

  • サーバーにかかるコストが大きい
  • 画像ファイルが重い
  • JavaScriptを多用している

それぞれ詳しく解説します。

サーバーにかかるコストが大きい

サーバーコストが大きい場合もINP低下の原因の1つとして考えられます。
たとえば以下の場合、サーバーにかかるコストが大きくなっているかもしれません。

  • サーバーのスペックが低い
  • HTMLやCSSが最適化されていない
  • データベースのアクセスが遅い

サーバーコストが大きい原因はさまざま考えられるので、1つずつ解決することがポイントです。
また、サーバーのスペックが低い場合は、サーバーのスケールアップも検討しましょう。

画像ファイルが重い

容量やサイズの大きい画像は、INP低下につながります。必要に応じて画像圧縮を行い、画像ファイルを縮小しましょう。

画像ファイルを縮小したい場合は、画像圧縮ツールの使用がおすすめです。
たとえば、Optimizillaなどのツールに画像をアップロードし、圧縮された画像をWebサイトに使用します。

また、WordPressを使用している方は、プラグインのEWWW Image Optimizerを追加することでも画像圧縮が可能です。

JavaScriptを多用している

JavaScriptはユーザーのブラウザ上で実行されるプログラムのため、処理速度はユーザーのデバイスに依存します。

そのため、JavaScriptを多用するとスペックが低いデバイスでは処理が遅くなり、INP低下につながります。JavaScriptは多用しないように、最適化を心がけてWebサイトを運用しましょう。

INPの改善方法

INPの改善方法は以下の4つです。

  • JavaScriptを減らす
  • 画像の読み込みを遅らせる
  • キャッシュを利用する
  • タスクの優先順位を最適化する

それぞれ詳しく解説します。

JavaScriptを減らす

Webサイトで使用しているJavaScriptが多い場合は、JavaScriptを減らすことでINP改善につながります。

Webページに多くのJavaScriptが含まれている場合、プログラムの実行に時間がかかり、ページの表示速度が遅くなります。使用していないJavaScriptの確認は、「PageSpeed Insight」や「DeveloperTools」などのツールで確認しましょう。

また、使用していないJavaScriptの削除方法は以下の3つがあります。

  • 直接削除する
  • WordPressのプラグインで削除する
  • コマンドラインツールで削除する

不要なJavaScriptは可能な限り減らしてINPを改善しましょう。

画像の読み込みを遅らせる

画像を多く使用しているWebサイトの場合、1つひとつの画像データが大きくなくても、トータルで画像のデータ量が大きくなりがちです。そのため、ページの表示に時間がかかってしまいます。

この場合は、画像ファイルをすべて読み込むのではなく、必要な部分だけ画像を読み込むことでINPの改善につながるでしょう。
画像の読み込みを遅らせるWordPressのプラグインは以下の2つが挙げられます。

  • EWWW Image Optimizer
  • Autoptimize

上記のプラグインの設定は簡単で、EWWW Image Optimizerの場合は設定画面で「基本」タブ内の「遅延読み込み」にチェックを入れるだけ。一方のAutoptimizeについても「image」タブ内の「Lazy-load images」にチェックを入れるだけで完了です。

キャッシュを利用する

キャッシュとは、ブラウザなどが表示したWebページのデータを一時的にPCに保存する機能です。
次にWebページにアクセスしたとき、ネット上のデータではなく保存されたファイルを参照するため、すばやく表示できます。

必要なコンテンツはキャッシュから復元できるので、Webサイトの応答性能がよくなります。
そのため、キャッシュを利用することで、INPの改善につながるでしょう。

タスクの優先順位を最適化する

タスクの優先順位を最適化することで、INP改善につながります。
たとえば、即実行しなくてもよい処理は、アイドル状態のときに行うように設定するのも1つの方法です。

そのほか、不要タグの整理やサードパーティJavaScriptの影響を確認しましょう。

INPの計測方法

本章では、INPの計測方法について解説します。
INPが計測できるツールは以下の3つです。

  • Google Search Console
  • PageSpeed Insights
  • Web vitals

上記のツールをうまく活用してINPを改善していきましょう。

Google Search Console

Google Search Consoleは、Googleが無料で提供しているツールです。
検索順位や表示回数、クリック数などを確認できるため、SEOツールとしても重宝されています。

Google Search ConsoleでINPを計測する方法は以下のとおりです。

  1. Google Search Consoleを開き、左側メニューの「ページエクスペリエンス」をクリックします
  2. 続いて、「ウェブに関する主な指標」をクリックしましょう
  3. 最後に、ページ下部でINPの確認ができます

問題がなければ、「INPの問題は検出されませんでした」の表示が出ます。問題があれば、「改善が必要」「不良」の表示が出るので、改善していきましょう。

PageSpeed Insights

PageSpeed InsightsもGoogleが無料で提供しているツールです。
WebページのURLを入力するだけでINPの測定ができます

分析結果には、INP以外に「LCP」や「FCP」などの指標も表示されます。
また「携帯電話」「デスクトップ」のタブも用意されているので、見たい方を選びましょう。

Web vitals

Web vitalsはGoogle Chromeの拡張機能です。
INPを調べたいWebサイトを開き、右上に表示されているアイコンをクリックすれば計測できます。分析結果には、INP以外に「TTFB」や「CLS」なども表示されます。

Web vitalsの使用方法は以下のとおりです。

  1. Chromeウェブストアにアクセスし、ページ右上の検索窓に「Web vitals」を入力します
  2. 続いて、「Chromeに追加」をクリックし、「拡張機能追加」をすれば設定完了です

後は、INPを調べたいWebサイトを開き、右上に表示されているアイコンをクリックすれば使用できます。

まとめ:INPを改善しユーザー満足度を向上させよう

ここまで、INPの改善方法や低下する原因、計測方法について解説してきました。
INPを改善するためには、低下する原因を特定し、INPが計測できるツールを利用することが大切です。INPが改善すればコンバージョン率が向上し、売り上げアップにもつながります。

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ぜひお気軽にお問い合わせください。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長(仮)

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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