【後編】3カ年の事業計画を1時間で作成!? Googleキーワードツールを使った事業計画作成方法
SEO対策会社のユナイテッドリバーズ代表の沢辺です。
前回、『【前編】 1年分の事業計画を15分で!Googleキーワードツールを使ったシミュレーション作成方法』の中で、Googleキーワードツールで事業計画をシミュレーションする方法を紹介しました。
後編の本記事では、前回で作った事業計画をより精緻なものにしていきます。
目次
サテライトサイト構築やアフィリエイトなどのサイトを増やす施策、リスティングなどの有料広告の施策も合わせて事業数値を伸ばす絵を描き、3年分の事業計画にする。
前回の記事で1サイト、一年分の数値が算出できたので、
- サテライトサイトやアフィリエイトサイトを増やす(一年後のSEO対策実施の値を●倍する。(サイトを増やした分売上数値を増やす。))
- リスティング広告実施分の売上を加味する。(サテライトリスティングも含む)
などを追記すれば、3年間にわたって売上を伸ばす絵が描けます。
さらにかかる広告宣伝費を記入して売上から引けば、収支のデータに落とし込めます。
3カ年計画の前に:自社のSEO集客について、「伸ばしてる最中の1年間の推移」を計算する。
SEO対策の集客の場合、Googleに評価されるまでの時間があるため、一年程度ゆとりを持った設計をオススメします。
とはいえ、最初の一年のセッション数は全くゼロではないので非常にざっくりですが、予測セッションの目安数値を紹介します。
検索ボリュームなどなどにもよりますが、全くゼロからサイトを立ち上げた場合、
- リリース後3ヶ月目に1,000セッション
- リリース後6ヶ月目に5,000セッション
- リリース後10ヶ月~12ヶ月目に10,000セッションorキーワードツールのシミュレーション数値
というのが目安です。
サイト規模としては、リリース時に100ページ程度、毎月数十件ペースでページ追加(商品や詳細ページの追加)されることを想定してください。
上記を踏まえて、先ほどの引越し見積もりサイトの月別の数値を引くと以下のようになります。
引越し見積もりサイトは3月に極端にピークがくるので、集客のことだけ考えるとちょうど一年間施策できる4月に参入するのがベストです。
4月参入、12ヶ月後(3月)に目標数値に達すると仮定して数値を記入します。
上記のようになります。(10ヶ月目で1万UUを達成。12ヶ月目で目標値の70,848セッションを達成する。)
自社のSEO対策以外の施策を追記して、3ヵ年計画を作成する。
今回は、サテライトサイト・アフィリエイト・リスティングを実施する想定で書きます。
※さらにリマーケティング・リターゲティング・Facebook広告などを実施する場合は、各ツールでシミュレーションして追記してください。
サイトの収益を伸ばす施策は3パターンだけ
リリースしてから半年たつと、ある程度評価も貯まってきて、ちらほらと上位表示されるキーワードも増えてきます。
検索ユーザーをターゲットに事業を伸ばすには、
- サイト内のページを増やすか
- サイトを増やすか
- PPCやアフィリエイトなどの広告費を増やすか
しかありません。
SEO対策で集客出来たら、サイトを増やして成功パターンを繰り返して、アクセスを伸ばし、コンバージョンを増やして、収益を立てていくのが基本線です。
ただし、パンダアップデートにより、2012年以前のようにデータを使いまわして集客することは困難ですので、
サテライトサイトを構築する際は、使い回しをせずオリジナルで・できれば別の切り口のサイトを作るように心がけましょう。
引越し見積もりサイトであれば、引越し手続きの紹介サイトなど、サイトのテーマをやや変えて作成されることをオススメします。
使い回しのコンテンツがどうなるかはこちらで詳しく解説しています。
*SEO対策でやるべきことはたった4つだけ!アップデートで単純明快になった【2016年最新版、随時更新】
リリース後、半年程度でサテライトサイト施策を実施する
半年程度たつと大体
- どんなキーワードでコンバージョンするのか
- 目標値に対してどんな乖離があるのか
- クライアントやユーザーに想定外の動きがあったか
など、発見があるはずなので、「狙うべきワードを厳選して」もう一サイト作るイメージで取り組みましょう。
以下、今回は簡易的に一年後に同じくらい集客できる想定で計画しています。
アフィリエイトサイトで集客する
続いてアフィリエイトです。
アフィリエイトの集客は、実際に始めた後に色々とコツはあるのですが、
計画の目安としては以下を参考にしてください。
アフィリエイトの通常単価・特別単価を決める
先行してアフィリエイトに出しているプレーヤーがいないかa8.netなどの有名アフィリエイトサイトを見て、探してみましょう。
検索の際、自社でサイト登録する必要があるので準備しましょう。
(コーポレートサイトなどでもテキストが空っぽでなければ大抵登録できます。)
キーワードを入れて競合サイトがないか検索してみましょう。
上記は「引越し」で検索した例です。48件ヒットしました。
画面が表示されてきたら
- 現状、競合サイトが提示している金額か1割増程度の金額を通常単価にする。(すぐアフィリエイターさんに動いてもらうために、2~3ヶ月のキャンペーン単価にするのもありです。)
- 特別単価(既に結果が出ているアフィリエイターさんに提供する成果報酬単価)は、通常単価の3~4倍程度に設定する。リスティング広告と異なり成果の承認・非承認ができるので強気で設定しても良い。
上記を基準に単価設定してみてください。
通常単価は読んで字のごとく、全アフィリエイターさんに出す金額です。
アフィリエイト会社からは色々とアドバイスがあると思いますが、なるべく登録に審査を入れて提示をしましょう。
a8.netを例に単価の決め方を解説します。
※アフィリエイターさんの集め方はまた別の機会で紹介します。
※余談ですが、引越し見積もりサイトはこれからものすごくアクセスが上がるので、PPC広告で挑める方にはオススメです。
アフィリエイターとしてログインして
キーワードで検索。今回は「引越し」で。先ほどと一緒ですね。
表示された画面で、競合他社が667円と出ています。
設定金額としては700円以上、キャンペーン価格で1,000円、特別単価は1,500円~2,000円くらいが相場だと推測できます。
この金額をベースに各アフィリエイターさんと交渉します。
アフィリエイト会社の担当者に依頼して、気になるサイトの運営者を調べてもらったり他のジャンルで結果を出している方を紹介してもらったりするのがオススメです。
上記のような報酬単価の金額が固まったら、計画に落とし込みます。目安の件数がわからないと思うので、「サイト名を明かさずに何件取れているのか」アフィリエイト会社に質問してみましょう。
平均、数社のグラフなど手がかりになる資料をもらえるはずです。各社の結果を元に目標値をたてましょう。
こんな資料が出てくるので、このケースであれば○件を目標にしましょう。
セッションが取れているサイトについて上から順に
- 「○円出すので、○月○日まで貼り替えてもらえませんか?」
- 「目立たない掲載位置でも良いので掲載してもらえませんか?」
- 「記事を代わりに書くので掲載していただけませんか?」
- 「弊社のコンバージョンキーワードのリストを渡すのでうちのサイトも載せていただけませんか?」
- 「あなたの理想のLPを作成するので、うちのサイトも載せていただけないでしょうか?」
などと交渉をしましょう。(後半の方は私がよくやっていた作戦です。)
熱心なアフィリエイト会社の方に頼めば、粘り強く何度も連絡・交渉してくれます。(その節はありがとうございました。)
計画策定の前に掲載の約束をできているとよりリアルな数字が作れるのでオススメです。
上記のような資料と報酬単価の金額、事前交渉をベースに計画策定します。
事業計画のエクセルには以下のように落としこんでみました。
リスティングを計画に落としこむ
リスティングについては専門家ではないので、ざっくりと書かせていただきます。先ほどの、キーワードツールでクリック予測する方法でエクセルデータをダウンロードします。
赤く囲んだ箇所がそれぞれ
- クリック数
- クリック単価
- コスト
です。
SEO対策の時と同じように、出てくるデータは日次の数字なので30日の日数を掛けて月の数字にします。
月の数字に季節係数をかけて12ヶ月分に落とし込みましょう。
まとめ:事業計画作成には、キーワードツールが有効SEOとリスティングの数値予測は速ければ数分で完了できる。
キーワードツールのキャプチャを一個ずつ見ると長く見えるのですが、慣れると数分で欲しい数字は取れるようになります。
アフィリエイトについても、未登録の方は時間がかかりますが、登録済であれば簡単に目安の数字は発見できますので、こちらも数分で欲しい数字は取れます。
あとは、各数値を事業計画に落としこむだけです。
数字の吟味の時間や、各社でフォーマットがあると思いますが、
今回の記事で紹介した方法を使えば、調査時間を大幅に短縮できますので、一時間もあれば事業計画はできるはずです。
ただし、何度も書いている通りあくまでも目安数値ですし、実際にアクセスを取るには、
- 本当に効果があるキーワードは何なのか?
- 効果があるクリエイティブはどんなものなのか?
- どのサイトからコンバージョンが発生しているのか?
など、既に動いているサイトの結果を見ないと、なかなかすぐに上手くいきません。
最終更新日:2020/9/16
MarTechLab編集部
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