Competitive Intelligenceとは?ライバルを追い抜く為の一歩先行く競合分析!
近年のグローバル化に伴い、業界の市場は変化が激しくなってきています。この傾向を受けて、何かしら競合分析をしたいと思われている方も多いのではないのでしょうか。
他社との競争の中で生き残って行くためには己を知ることに加えてライバルを知ることこそがカギになります。ライバルのこれからの方向性を探り、自社の方向性を定める。今回は、これから新事業を展開しようとしている方にはぜひ知っておいていただきたい『Competitive Intelligence』という概念をご紹介します。
目次
Competitive Intelligence (競合情報分析)とは?
日本ではまだあまり聞かれない言葉ですが、欧米では経営戦略を構築するためによく用いられている言葉です。Competitive Intelligence(以下 CI)とは”競合情報分析”を意味しますが、ただ競争相手の情報を探り出すというよりは、いかに一般公開されている情報の中から自社の経営戦略に役立ちそうな情報を探し出して分析するかを意味します。
これと少し響きが似ていて日本でも多く用いられている『 Business Intellifence(ビジネスインテリジェンス)』という概念がありますが、こちらは自社の情報を集め、管理することを指すものです。
Intelligenceとはそもそも、手に入れたInformation(情報)を分析し、自社の経営戦略に役立つことピックアップし分析した情報を意味します。
CIを取り入れることのメリットとは?
では、競合他社の情報を分析することでどんな良いことがあるのでしょうか。
主に以下のことが挙げられます。
- 分析により市場の中での自社・競合相手の立ち位置を知ることができることだけでなく、これから進出していくべき市場や商品、取り入れるべき方針を他社のデータから学び取ることができる。
- またそれを生かして経営戦略を組むことで市場の中の優位なポジションを目指すことが出来る。
- 市場環境の変化にいち早く気づくことが出来るため、自社にとって良い影響を与えるものなのか、脅威となるものなのかを迅速に判断し行動を起こすことができる。
ちなみに市場変化は、以下のことを指すと言われています。
a.競合関係の中での自社のポジションの変化
b.新規参入や撤退企業の出現可能性
c.ライバル会社の政策転換(商品・販売チャネル・販売方法・価格など)
d.競争要因の変化(商品自体の特性や機能など)
CIの3つのステップ
大まかなステップとして、次の手順が挙げられます。
① 情報収集: 競合他社が一般公開している情報を集める
② 情報の抽出: その中から自社に役立ちそうな情報をピックアップ、分析する
③ 戦略意思決定への活用: Intelligence をもとにこれからの戦略の構築に役立てる
CIを取り入れたことによる成功例
例1:CIを活用したことで国外で大成功を収めた日本自動車メーカー
CIを用いた成功例として、米国で事業を展開した某日本自動車メーカーの例があげられます。1970年代の米国では、オイルショックによりガソリン価格の高騰や核家族化の影響を受けて、より小さく、低燃費の車の需要が高まっていました。ちょうどこの時CIをいち早く採用し、米国内の競合他社を分析したこの日本車メーカーは、“高品質” 、“低燃費” の車を販売するという方針を定めたことで後に米国の業界トップ3の企業を打ち負かし、米国での事業に成功したのです。
例2:他社の欠点から学び、顧客評価を上げることに成功した米国スーパーチェーン
もう一つの例として、世界最大手のスーパーマーケットチェーンとして知られるW社の成功例があげられます。W社はCIの概念を自社に取り込んだことで、競争相手の流通システムが不評だという情報を得ました。この情報をもとに自社の流通システムを見直したことで在庫不足を防ぎ、自社の顧客からの評価を高めることに成功しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世の中に出回る大量の情報の中から必要な情報を分析することによって、競合他社の強みと弱み、また自社の立ち位置を知ること。競争市場で戦う土台を作るこのCIという概念は、市場のライバルに脅威を感じている方にも、今の事業これから事業に参入することをお考えの方にも大変重要なものになると言えるでしょう。
この記事は以下を参考させていただきました:
「Competitive Intelligence|Reference for Business」
最終更新日:2020/9/16

MarTechLab編集部
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