【Kaizen Platform:鬼石 真裕】最先端B2Bマーケティング&セールスの全て。そして、人材派遣業界で起こっている変革とは。
「業界を理解する。さらには、お客様が知らない業界情報も抑える。これが結果的に信用へとつながる。」
集客からサイト改善まで。
Webマーケティングを一気通貫して事業改善を行うサービスベンダー企業、株式会社Kaizen Platform。
エンタープライズのお客様を多く抱えた、この日本を代表するBtoB企業にてフェローを務めているのが、鬼石 真裕氏です。
同氏はマーケットインテリジェンスツールSimilarWebを用いた最先端B2Bマーケティングおよびセールス活動を実施しています。
何が最先端なのか?
2018年に行われたマーケット・インテリジェンス・サミットにおける基調講演を元に、最先端B2Bマーケティング&セールスの真相に迫ります。
目次
国内最先端のB2Bマーケティングとセールス活動
株式会社Kaizen Platformとは?
エンタープライズのお客様をメインに、300社を超えるお客様を抱えてきた株式会社Kaizen Platform。
特筆すべきその強みは、世界10,000人以上のインターネット人材を抱えた強固なネットワークを所持している事です。
Webデザイナー等のデジタルに特化した専門家を抱え、これまでの導入事例と実績を人材と掛け合わせた支援を取り行っています。
従来のWeb支援企業は集客やコーディング等は分断され、外注等で補うためまとまりがありません。
Kaizen Platformは集客からWeb改善まで全てまかない、Webビジネスの成長支援を行なっています。
最近では、大日本印刷、そしてロカリオと連携し、折り込みチラシのデータを48時間で動画化する「Kaizen Ad」をローンチ。
Kaizen Ad
「Kaizen Ad」は、10,000人のWebクリエイターが、良質な動画コンテンツを大量に生成できるというサービス。
ロカリオ、DNPとの連携は、「Kaizen Ad」を使って、チラシの素材データをチラシと同等の発行サイクルで48時間で動画化するもの。
マーケットインテリジェンスサミット当日は動画をSNS用に最適化したもの、メディア記事の動画化、バナー広告の動画化、そして地域ごとに特化させた動画事例が紹介されました。
パーチェスフローにSimilarWebを組み込む
株式会社Kaizen Platform フェロー:鬼石 真裕氏
NTTデータ、リクルート、ビズリーチ、グリー。
日本の名高い企業でエンジニアやマーケティングと幅広く活躍され、現在は株式会社Kaizen Platformでフェローを務める鬼石氏。
数々のWeb改善実績は書籍となり、明日から誰でもWeb改善事例を取得可能です。
ファクトを元としたB2Bマーケティングとセールス活動
同氏のB2Bマーケティングとセールス活動は、最先端を走っています。
具体的なその内容を紹介する前に、まずこちらのパーチェスフローをご覧ください。
リストの生成、そして最終的には契約の継続。
同氏は各フェーズにKPIを細かく設定しています。これにより、いつでもどこがボトルネックなのか、ないしはどこがビジネスドライバーなのかを即座に判断できます。
ここまでは、他社でも同様のフローを実施しているかもしれません。
最先端である理由は、このフローをSimilarWebで最適化している事です。
同氏は契約継続までの間に3ヶ所、SimilarWebを使って成果向上を図っています。
「ファクトを駆使し、仮説をたて、お客様との共感を生みつつも業務効率をあげる。」
ファクトを元としたB2Bマーケティングとセールス施策。
どのように活用しているのか、マーケティングとセールス活動の2パートにわけてご紹介していきます。
マーケティング活動におけるSimilarWebの活用事例
Kaizen PlatformのB2BマーケティングにおけるSimilarWeb活用法は、大きく分けて2つ。
- リスト抽出
- アポ獲得率改善
それぞれの手法を、図解と共に解説します。
“サービス単位”のターゲットリスト抽出法
有価証券報告書、メディア、業界の広告費など。
普段ならば誰でも取得できる情報を解析し、自社に適した企業リストを生成します。
しかし、この手法ではリストに漏れが生じる可能性があると、鬼石氏は説きます。
「例えば、一つの企業で複数サイトを持っていても、それぞれのトラフィックが少ない事もある。逆に、企業規模が小さくとも、トラフィックが大きく、弊社の改善サービスでさらに成果向上の支援ができる事もあり得る。後者の企業を漏らさずリストアップするには、Webのデータが必要です。
そのため、SimilarWebを使うことで企業単位ではなく、サービス単位でリスト生成する事が可能となり、リストの漏れを解消できました。」
“業界/競合との比較”によるアポイント獲得トーク向上
「ファクトに基づく課題の共感は効果が高い」
漏れなくリスト生成を行なったあとは、企業へのアプローチへと入ります。
Kaizen Platformが従来の架電方法と異なるところ。それは、事前に先方の課題を把握して置く事です。
架電時のトーク例を見ていきましょう。
- A「御社のサイトはモバイルからの流入が業界平均と比較して低いようです。モバイルにおけるCVRが低くありませんか?」
- B「御社のサイトは競合と比較して直帰率が高いです。直帰率改善の業界事例を紹介させてもらえませんか?」
このように、架電をする以前にお客様の課題を調査して置く事で、会話中に課題の共感を得ることができます。
これによって先方は話に興味を抱きやすくなるため、通じてアポイント獲得率も高くなります。
ファクトに基づく共感。
マクロ観点からミクロ観点まで解析可能なSimilarWebだからできる、データを基軸としたマーケティングを鬼石氏は実践しています。
セールス活動におけるSimilarWeb活用事例
「営業ですが、内容的にはコンサルティングに近い活動を行なっています。」
営業活動の際、鬼石氏がSimilarWebを使って重要視している点はひとつ。
それは、如何に対象の業界を理解し、さらにはお客様も知らない、または気づいていない課題を把握しているか、ということ。
これを把握していれば、営業を行う前に先方と共に改善すべき課題を共有する事が可能。
さらに、お客様が知らない情報ならば提案内容に凄みを増す事ができます。
では、どのように業界課題を把握しているのか?
マーケット・インテリジェンス・サミット当日は、今、人材派遣業界で起きている業界課題を例にあげました。
人材派遣業界では変革が起こっている
SimilarWebを使って人材派遣業界の構造を調査してわかった事。
それは、indeedがこの業界構造を変革している事でした。
こちらはindeedがこの業界へ深く参入する以前の業界構造。
図の矢印はユーザーの流れを示しています。
ここにindeedが入った結果どうなったのか?
これまで人材派遣メディア、ないし人材派遣会社に流れていたトラフィックがindeedに取られています。
加えて、indeedから求人している各企業への直接流入も増加。
これにより、人材派遣メディアおよび人材派遣企業会社にユーザーが流れにくくなっている、というのが現時点における人材派遣業界の概況です。
さらに、このようなデータもあります。
派遣会社を見ると、2つのタイプにわかれます。
- 検索流入に依存している企業
- indeedからの流入に依存している企業
良くも悪くも、業界構造は変化し、人材派遣関連企業はどこに投資を寄せるべきか、最速かつ最適な意思決定を迫られています。
この業界構造において、鬼石氏は業界に警鐘を鳴らしつつも、今何をすべきなのかを論理的に説きました。
「これらのデータはある人材派遣会社に向けた提案資料に差し込んだもの。このままいくと、indeedから直接企業に流れる構造が確立する。まずは、このファクトを認識する。
認識した上で、検索流入に依存している会社に負けないためには、どのようにコミュニケーションを構築するかを考える。また、各流入元に最適なコミュニケーションをサイト内に構築する。」
業界の概況がわからなければ、的確な意思決定を行えません。
また、概況を知らずしてビジネスを行えば、理由がわからないまま市場から脱却せざるをえない事さえありえます。
そのためにはやはり、市場概況を把握することは、生き残るために必要な要素と言えるのではないでしょうか。
まとめ
Kaizen Platformが行なっているB2Bにおけるマーケティング、そしてセールスに関してご紹介しました。
重要視すべき点は下記4つ。
- リストの漏れをなくすため、”サービス単位”のリストアップが必要
- ファクトに基づく課題を抽出し、先方と共感を創出する
- 業界を理解するだけでなく、先方も知り得ない課題を把握しておく
- まずは業界毎の”ファクト”を認識することが重要
B2Bに特化した話でもあるため、B2Cには応用できない内容があったかもしれません。
それでも、鬼石氏が登壇の最後に放った言葉は、ビジネスの本質を突いたものでした。
「マーケティングでも営業でも、ファクトを駆使するのが大事。ファクトから仮説を立て、業務効率をあげる。」
ファクトを駆使して仮説を立てる。
どれだけの企業が漏れなくファクトを回収し、仮説を立てられているのか。
これはB2BやB2C関係なく、ビジネスを行う上で常に考えるべき事ではないでしょうか。
※本稿の差し込み画像はマーケットインテリジェンスサミット当日のKaizen Platform登壇スライドを元に加工したものであり、実際のスライドとは異なっております。ご了承くださいませ。

MarTechLab編集部
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