【ソウルドアウト株式会社】SimilarWebを活用した”科学的営業手法”
創業から10年。今、著しい成長を露呈するデジタルマーケティング企業───ソウルドアウト株式会社は、2019年3月22日、ついに舵を切る。
地方を含む日本全国の中小・ベンチャー企業の成長支援をデジタルマーケティング、テクノロジー、HRの領域で展開する同社は、東京証券取引所第一部へ市場変更。
2019年5月現在、同社は全国21営業所を中心に地域密着型のソリューションを提供しています。
今回、マーケットインテリジェンスプラットフォームSimilarWebを用いたソリューション営業を行なっている同社の第三営業本部 プランニング部へインタビューを実施。
コンペ勝率70%の実績を持つ、緻密に仕組み化されたこの営業組織にはあるコンセプトがあります。
それは、「営業を科学する」ということ。一体、どのような仕組みになっているのか。
2回に渡り、お送りいたします。
目次
SimilarWeb導入で変わったこと
──チームのミッションと具体的な業務内容を教えてください。
富川:まだお取引のないお客様に最適なプランニングをご提案させて頂き、デジタルマーケティングのパートナーとして弊社をお選びいただくことがミッションになります。
このミッションを遂行すべく、弊部の営業がお客様に提案を行います。私はその事務サポートを担当しているので、提案資料作成や事務処理のお手伝いを主な業務としています。
──現在、みなさまのチームで、SimilarWebをどのように活用していますか?
富川:営業用の提案資料を作る際、競合調査に活用しています。
使用頻度としては週に1回くらいですが、繁忙期の提案が多い時期はもっと使用頻度が高くなります。
──SimilarWeb導入前の課題を教えてください。
富川:競合を調査する際、調査の方法や結果の質が個人に依存していました。個人がそれぞれ独自な手法で行なっていたので、フォーマット化されていなかったのです。
これを統一し、提案の質、ひいてはお客様の成果をあげようと、SimilarWeb導入を検討しました。
──SimilarWeb導入以前はどのように競合を調査していましたか?
吉住:誰かに聞く、実際にググって検索数を調べる、無料のキーワードツールで調査するといったやり方です。
また、競合のバナーデザインやリマーケティングの実施状況を知るために、あえてクリエイティブをクリックしたり、表示された広告のキャプチャを撮ってエクセルにひとつずつ貼り付けてまとめたり…など、かなり手間が掛かっていました。
半日かけてひたすら検索したこともありましたね。
──SimilarWeb導入後はどのような変化がありましたか?
吉住:調査にかかる工数が減りました。また調査手法が統一化され、結果的にアウトプットの質が上がりましたね。
──つまり、お客様への提案の質も良くなったと?
吉住:そうですね。
導入以前は、リスティング広告について、バナー広告について…と各広告媒体の各論や運用論の提案が中心となっていました。
しかし現在は、まずSimilarWebなどのツールを駆使し、お客様にとっての競合を調べ、精密に分析します。そして、可視化された競合の戦略をもとに、お客様に最適なマーケティングプランを提案しています。
SimilarWebでのより奥深い、綿密な調査により、提案のクオリティと具体性はかなり上がったと体感しています。
──提案の仕方を変えたことにより、社内で反響はありましたか?
富川:「提案資料のあのページにお客様がすごく興味を持っていたよ!」「おかげで発注もらえたよ!」といったフィードバックが営業からくるようになりました。競合他社の動きを可視化し戦略を解読することで、ご提案内容の納得度が高まるようです。
吉住:また、競合を的確に選出できるようにもなりました。
想定していたベンチマークサイトの流入数をSimilarWebで実際に調べてみると、他社の方が圧倒的に流入数が多かったりします。データなしにベンチマークを定めてしまうのは危険です。
ですから実際に、「ベンチマーク先を流入数が同じくらいのサイトに切り替え、まずはここから攻略していこう」、といった提案を行なったこともあります。
そして、営業観点で申し上げると、提案の際に自信を持って営業に行けるようになりました。
これまで、「多分こうではないか」、と定性的な部分が多々ありました。しかし今は、SimilarWebによる定量的なデータで裏付けされている。だから、より自信を持って提案することができます。この点は非常に大きいですね。
──SimilarWebで具体的にはどのようなデータを見ていますか?
富川:流入の推移、チャネル別の流入経路、ディスプレイ広告の流入数と、どのアドネットワークを使っているのかを見ています。
特に、「競合はどのアドネットワークを使い、どこに出稿しているのか」を見られるのは非常に助かります。
あとはSNS。どの媒体から流入を得ているのかも見ています。
なぜ、SimilarWebなのか。
──SimilarWeb以外にも使っているツールはありますか?
富川:分析系はSimilarWebだけです。あとはGoogleAnalytics。
──過去に、SimilarWebに似たツールを検討したことはありますか?
富川:もちろんありますし、比較検討もしました。
──比較検討した結果、なぜ、SimilarWebを選んで頂けたのでしょうか?
富川:データの量と質。そして、アウトプットの美しさ、UIが他ツールより優れていたためです。
まず、圧倒的なデータ量。
弊社の場合、地方のお客様が多いため時にデータ量が少ないサイトがあります。こういったときでも、SimialrWebだと比較的データが出てくるのはとても有益です。
そして、迅速かつ美しいアウトプット。
分析したデータを資料にまとめる際、他ツールだとデータを抽出した後、まとめる作業が必要なものもありました。SimilarWebではすでにデータがまとまっているため、アウトプットのスピードが格段に速い。
価格面を考慮して他社製品と比較検討しても、コストパフォーマンスにおいてSimilarWebの方が良いという結論に至りました。
──ありがたいです。率直にお伺いしたのですが、SimilarWebの悪い点はどういったところでしょうか?
富川:機能が多すぎるところでしょうか。
正直、使い方のすべてを把握できていません。本当はもっと見られるデータがあって有効活用できるのかもしれないけど、現状はアウトプットできていない部分があるかと思います。
あとはデータの定義。もとは海外製品であったがために、時折データの説明文の日本語が解釈しづらいです。
吉住:個人的な希望としては、個票分析のような、ユーザーのインサイトに近い分析ができるとありがたいです。
営業を科学する
──ここからは、貴社のSimilarWebを使った営業手法についてお聞かせ願いたいです。提案の質が良くなったとの声を頂きましたが、具体的な数値で成果はありますか?
吉住:受失注要因を徹底的に分析し、改善施策を講じたところ、現状ではコンペ勝率が70%、受注率が58%になりました。
──先ほど仰られていた、競合調査が効いているということですか?
吉住:それもありますが、昨年より新たに取り入れた弊社営業のコンセプトが寄与しているかと思います。
コンセプトは、「営業を科学する」。
どうやったら受注率が上がるのか?数字で示し、提案の内容も細かく分解し、可視化して積み重ねてきました。
SimilarWebは優れていて、データの信憑性は高い。とはいえ、データはデータでしかありません。このデータを使っては何を伝えたいのか。事前に仮説構築をしてからでないと、お客様に持っていくべきではありません。
──仮説構築の際、SimilarWebを具体的にどのように使っていますか?
吉住:まず、SimilarWebでデータをみる前に自身で仮説を立てます。その後、仮説の答え合わせをするためにSimilarWebを使うことが多いです。
富川:スライドに落とす際は、下記のようなフォーマットになります。
営業はデータから何が言えるのか、テキストの部分に神経を研ぎ澄ませています。その前段階で、上記のようなデータの抽出と体裁を整えるのが私の役目です。
──なるほど。「営業を科学する」ことが営業力向上につながっているんですね。御社の場合、地方への提案が多いかと思いますが、お客様とWebリテラシーを揃える際はどのような点に気をつけていますか?
吉住:弊社の場合、お客様のステージによってご対応させて頂くチームを変えています。(──第二弾に続く)
【ソウルドアウト株式会社】”負のスパイラル”を打破できる4つの理由
MarTechLab編集部
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