広告・マーケティングの運用担当者が、施策を考案するためのフレームワークの組合せの方法
もうWebサイト改善のアイデアが出ない・・・・・・
学生の頃「広告」「マーケティング」って聞くとなんかかっこいいイメージを抱いていませんでしたか?
私はパリッとスーツを着た向井おさむ風の社員がプロジェクターを活用して堂々と素晴らしいアイデアをプレゼンしているようなイメージを持っていました。
しかし、現状と理想は常にかけ離れているもの。
配属直後は「自分の頭で考えて実行できるなんてやりがいのある仕事だ」と意気込んでいたの頃が懐かしいですね。中々成果が出ない状態で、焦りが募り、その他の業務もある中でゆっくり考えている時間なんてない。
通勤の合間に「競合分析」「マーケティング フレームワーク オススメ」なんて調べてすぐに活用できるネタを探す毎日。
ただ、最近はKAIZENプラットフォームやオプティマイズリーなどのA/Bテストを運用する仕組みが出てきて、PDCAを積み重ねて成果があがるようになってきました。とは言え、しっかりと仮説を基に検証しないと、社内のノウハウにすることができないのが現状です。
そんな状況でフレームワークを活用して、知恵を絞りだしていっても、毎日・毎週・毎月繰り返していると、改善アイデアがそこを尽きてきますよね。
そこで今回は、そのようなアイデア欠乏の問題を解決すべく、マーケティングフレームワークを組合せることで、アイデアの質・量を向上させるための方法をご紹介します。
目次
フレームワークの組み合わせ
アイデアを出そうとするとき、自分自身でゼロベースから考えることには時間・集中力が必要され、ある程度で限界が出てしまいます。
そこで解決策となるのが「人のアイデアを拝借して組合せる」ことです。特にマーケティングにおいては、たくさんのフレームワークが先人により開発されています。アイデアを出すときに、このようなフレームワークを利用して思考をショートカットさせる方法は、Webに携わる人たちにとっては、とても有効でしょう。
ここからは1つの事例を紹介しますが、企業ごと・抱えている課題によって活用すべきフレームワークは異なってきますので「自社ではどのようにしてフレームワークの組み合わせが利用できるか」考えながら、読んでいきましょう。
事例)STPとペルソナを組み合わせる
「フレームワークを組み合わせる」方法の1つの事例として、STPとペルソナを組み合わせてアイデアを出す方法を紹介します。
まずはSTP分析から考えてみましょう。
- <STP分析とは?>
- 「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取って名付けられ、市場のニーズを満たす価値軸に対して、自社の優位な位置づけを演出する自社商品やサービスの立ち位置(ポジショニング)を決めるための分析手法。
セグメンテーションでは市場を細分化します。どこに住んでいるのか、どのような職業なのか、どんな生活パターンをしているのかなどで顧客を分類していきます。
例えば、以下のように顧客分類になります。
- 【セグメント①】20代/男性/サラリーマン
- 【セグメント②】30代/女性/主婦
市場を細分化したら、どのセグメントに対してアプローチを行うのかターゲッティングをします。今回は【セグメント①】にターゲッティングを行ったと仮定して進めていきましょう。
次に自社のポジショニングを設計を行います。ポジショニングは、各セグメントが評価するニーズ(価値軸)に対する、競合他社との相対評価になります。例えば、ビール業界の市場で考えると、「コク/キレ/のどこし」のような価値軸になるでしょう。
そして最後に、ターゲットとして設定したセグメントのニーズ(価値軸)をもとに表を作り、各社の商品がどこに位置しているのか狙うべきポジションを分析します。
例:ビール業界のポジショニング
このようなプロセスで考えていく分析がSTP分析です。
ただし、STP分析は商品開発段階で活用されることが多く、実務で活用されるケースはあまりありません。
大きな枠組みの中で、競合分析を行うことができるメリットがある反面、競合のポジション取りはある程度わかっている場合は有効でなかったり、具体的に顧客にリーチする方法が不明確であったりすることが弱点としてあります。
例えば、「20代/女性/OL」のセグメントにアプローチするには、様々な広告チャネルがあり(TVCM、大型ビジョン、SNSなど)、広告・マーケティングの施策を選定するにはあまり有効なデータになりません。
この弱点を補うために、セグメンテーションの段階で「ペルソナ」という手法を組み合わせていきます。
- <ペルソナとは?>
- 実際に自社の商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザー(ペルソナ)を作り出し、そのユーザーのニーズを満たすような形で商品やサービスを設計するというマーケティング手法。
要は、STP分析のセグメンテーションの部分をかなり細かくイメージするマーケティング手法と考えてください。
今回の例だと、
- 20代/女性
- 大手企業に勤めている
- ブランド志向
- ダイエット願望あり
- 休日はヨガ・岩盤浴に通っている
以上のように細かく「ペルソナ」をイメージしていきます。
顧客のセグメントをより具体的にイメージすることで、特定の層に支持させる新たな価値軸や具体的なアプローチの方法を見つけることができます。
例:ペルソナを行った場合の価値軸の変化・具体的なアプローチ方法
このように、2つのフレームワークを活用することで、ひと味違った競合分析ができ、顧客へのアプローチ方法の選定も可能になるのです。
まとめ
それぞれのフレームワークは有名で聞いたことがある方や活用した経験がある方も多いと思いますが、組み合わせて活用した経験がある方は多くないのではないのでしょうか。
世の中には多くのフレームワークが存在します。ぜひ自分で調べてみて、様々な組合せを試して、アイデアの質・量を向上させて成果を上げていきましょう。
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MarTechLab編集部
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