【全日本SEO協会代表】SEOで大事な2つの基準とは。
「ITで勝ちたいならば、プログラミングの勉強が必須です。」
ホームページ制作業界のパイオニアの一人である、一般社団法人 全日本SEO協会代表理事の鈴木将司氏。
2017年からSEO検定をスタートし、セミナー講師としても全国を飛び回るSEOのスペシャリスト。
今回、マーケット・インテリジェンス・プラットフォーム SimilarWebのご愛用者でもある鈴木氏にインタビューを実施。
熟達したノウハウと最先端テクノロジーを掛け合わせたSEO対策。一体、どのような手法なのか。
二記事にわたって、ご紹介致します。
目次
確信を持った業務への転換
──SimilarWebを導入した背景を教えてください。
海外のカンファレンスを訪れるたびに、SimilarWebが出展されてる姿を見かけていたので存在は認識していました。
実は、はじめは興味がなかったんです。しかし、機能について聞いてみたところ、どうやらサイトの流入キーワードを把握できることがわかりました。一番すごいと思ったのはそこです。
また、キーワード、ダイレクト、リファラル、ソーシャルといった、どこから流入しているのかが一目でわかること。これはありがたいです。
自分でもいくつかのサイトで確認しましたが、個人的にはデータの正確性は高いと思っています。私のお客様やSEO検定でもSimilarWebを紹介しています。
──業務上において、SimilarWebを導入したことによる大きな変化はありましたか?
SimilarWebを使うようになってから、確信をもって業務に取り組めるようになりました。導入前は予想や仮説、またネット上の情報に振り回されてばかり。
今では、事実に基づいたデータでインサイトを獲得でき、確信をもってSEO対策が組めるようになった。確度の飛躍的な向上が一番の変化ですね。
今だに、タグや文章中の文言のみに着目したSEO分析を行う方がいます。この分析手法は、非常に古い。今や、表面的な要素では意思決定ができない時代です。
相も変わらず、キーワード出現率とかタグの使い方とか、議論の質が低い。これでは効果は出ないですし、仮に出ても、やりつくしたらそこで施策は終ってしまいます。確実なデータなしでの施策には限界があるんです。
──具体的な例で、SimilarWebを使ったことによるSEOの成果を教えていただきたいです。
見て頂きたいデータがあります。
これは私が管轄しているサイトのトラフィック推移。SimilarWeb導入後、確信を持って施策を進めた結果、見事なまでに増加しています。これがSimilarWebの効果です。
SimilarWebを導入する前、競合サイトと差があることはわかっていました。しかし、その差が想像以上のものだったのです。
なんと、競合サイトとの流入キーワードの種類の差が、100倍の開きがあった。マラソンでいえば、数m先にいると思っていたライバルが実は何十kmも先にいた、みたいな。
これは走り方を変えないとまずいな、と気が付きました。
少し、天狗になっていたのかもしれません。自分のノウハウならば勝てるだろうと。実データと向き合いはじめてから、考えが謙虚になりました。絶対的な考え方から、相対的な考え方へ。
これにより、私のサイト訪問数は数年前と比較して12倍の増加を達成し、今なお伸び続けています。
──SimilarWebの他に使っているツールはありますか?
使っている有料ツールはMAJESTICとSimilarWebのみ。あとはGoogleの無料ツールと、弊社のSEO Robot Dr.を使っています。
──正直なご意見を頂きたいのですが、SimilarWebの悪い点はどこだと考えられますか?
機能がありすぎて、すべて使いこなすのが難しいところでしょうか。
アップデートが非常に早いですが、これはユーザーが置き去りにされる感覚を抱いてしまう一因かもしれない。使いこなせていないことで自己嫌悪に陥り、利用をあきらめてしまう方は多いのではないでしょうか。
ただ、これは非常にもったいない。
例えるならば、食べ放題のバイキングで、1種類しか食べていないようなものです。まずは一つの機能でもいいのでしっかり使いこなし、継続して使い続けることを推奨します。
あとは、業界別のデータがもっと見やすくなると良いかと。ノイズが混ざることがあるので、これをクリアにし、日本のデータに最適化されるとすごくいいです。
贅沢な悩みかもしれませんが。
※SimilarWebは行動履歴をベースにした類推データとなっているため、一般的なSEOツールのように検索結果から抽出されたデータを用いた解析アプローチとは特徴や優位性が異なります。そのため、SimilarWebとSEOツールは、各々使用する上での目的が違います。詳細を知りたいとお考えの方はお手数ですがこちらまでお問い合わせくださいませ。
SEOで大事な2つの基準
──普段のSEO業務において、重要視していることは何でしょうか?
2つ、大事にしている基準があります。
1つ目は、エンドユーザーにとってプラスなのか、マイナスなのか。2つ目は、Googleのプログラマー、または経営者だったらどっちを選択するのか。
一つずつ解説していきますね。
1つ目、エンドユーザーにとってプラスか否か。これにはまず、我々のようなSEOコンサルタントからエンドユーザーにたどり着くまでに、どのようなステップがあるのかを理解する必要があります。
こちらをご覧ください。
よくいるSEOコンサルタントは「クライアント」だけを見がち。良くて、既存顧客しか見えていない。ただ、実際には日本全体のマーケットを分母にしたとき、既存顧客は全体の1%にも及びません。
さらに、よくある失敗は「見込み顧客」ばかり見てしまうこと。
これを行うと、作成するサイトページはどうしてもLP型、つまりは衝動買いを煽るような広告訴求強めのページになりがちです。これをGoogleは良いサイトとは認めません。表示順位は落ちるでしょう。
一番偉いのは、エンドユーザーです。
エンドユーザーを見ることが、結果的にクライアントのための施策アドバイスができます。見込み顧客のような”今すぐ客”をみるのではなく、エンドユーザーである”そのうち客”を見ることが重要です。
“今すぐ客 / そのうち客”とは?
今すぐ客:購入を検討している商品・サービスの詳しい情報が欲しい
そのうち客:問題解決、疑問解消、欲望の充足、新しい出会い、情報交換をしたい
──”今すぐ客”を見がちなコンサルタント、ないしクライアントの視点を”そのうち客”に変えるにはどうしたらいいでしょうか?
そこで登場させるのがSimilarWebです。
狙いたいキーワードでどこに流れているのか?競合サイトのトラフィックはどれくらいか?エンゲージメントはどうなっているのか?流入キーワードは何なのか?
研究対象がSimilarWebによってわかる。上位表示される成績優秀者を発見できるだけでなく、なぜ成績優秀なのかを調べることができる。
──2つ目の基準。なぜ、Googleのプログラマーないし経営者の目線を持つことが重要なのでしょうか?
Googleは常にエンドユーザーを見ています。
先ほど、見込み顧客は市場全体の1%しかいないよ、といった話がありましたね。これに対してGoogleは残りの99%を常に見ています。
したがって、Googleの見ている先を同様に見れるようになれば、それは必然的に我々がエンドユーザーを見ていることになります。
そうすれば、エンドユーザーに重きを置いた施策案を導き出せるので、結果的にクライアントが勝てる施策案を創出できます。
Googleの後を追うようでは負けます。Googleが見ている先を覗き見れば、彼らの行き先がわかります。
──Googleの視点を持つことは、正直、難しいかと思います。どのようにしたらGoogleの視点を持てるようになるのでしょうか?
プログラミングを勉強することだと思います。プログラマーに勝つには、プログラミングを勉強するしかない。
結局、GoogleやSimilarWebにしても、プログラムです。だから、これらを理解するには趣味でもいいのでプログラミングを勉強し、プログラムの構造を知る。
そうすれば、Googleの動きもある程度予測できるでしょう。
プログラミングを嫌う方が多いかもしれませんが、ITで勝ちたいならば、ある程度システムの勉強をすることは必須だと思います。
システムは外部の専門家に任すといった考え方は、甘い。
だからGAFAや大手ショッピングモールサイト、ポータルサイトといった巨大プラットフォームに吸収され、負ける。成功企業は皆、自身でシステム構築を行なっています。
──今の時代、大手サイトを利用しなければ商品を買ってもらえないのでしょうか?
これに関しても、伝えたいことがあります──(Part2に続く)
まとめ
SEO対策を行う上で、2つの基準があると鈴木氏は説きました。
- エンドユーザーにとってプラスなのか、マイナスなのか
- Googleのプログラマー、または経営者だったらどちらを選択するのか
今すぐ客ではなく、そのうち客。Googleの後を追うのではなく、先を見る。そして、ITで勝つためにはプログラミングを学ぶ。
どれも、これからの時代を勝ち抜く上で重要な思考法の数々でした。
Part2では、どのようにしたらGAFAや大手ポータルサイト等の巨大プラットフォームと上手く付き合えるか。この点を、包み隠さずお話し頂きました。
記事には記載されていない非公開ノウハウ付き
SimilarWebを使ったSEO調査手法レポート
(インタビュー:Yo Harasawa / Jinta Tsuneishi 写真:Nao Shibata)
MarTechLab編集部
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