デジタルマーケティングとWebマーケティングの違いとその基本施策
デジタルマーケティングとWebマーケティングに少し強くなるブログ
【当ブログでお話する内容】
- デジタルマーケティングとWebマーケティングの概念の差
- Webマーケターの心得 ~本質~
- Webマーケティングの代表的施策
- Webマーケティングの全ての施策に一貫して通用するツールの紹介
【こんな方におすすめの記事です】
- Webマーケティング/デジタルマーケティングについてザックリと知りたい方
- Webマーケティングの活かしたい強みを改めて知りたい方
- Webマーケターさんがどんなことをする人たちなのか知りたい方
現在、ほとんどのマーケターさんは何かしらのデジタルマーケティング施策を行っている
と言えるほどにデジタル媒体の施策は多様化しています。
え?デジタルマーケティング?Webマーケティングではないの?
このように思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このブログでは両者の違いを考え、Webマーケティングについてもう少し詳しく見ていこうと思います。
目次
そもそもデジタルマーケティングとWebマーケティングって違うの?
結論から言うと、デジタルマーケティング ⊃ Webマーケティングです。
つまり、Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部ということで、まさにこんな感じです。
今となっては、デジタルかアナログか、オンラインかオフラインかという線引きはあまり建設的でないかもしれません。
なぜなら、最近はオンラインとオフラインの役割に垣根がなく、互いに補完関係にあるからです。
「オンラインで情報収集 → リアル店舗で各種製品やサービスを購入」という、一方通行で役割分担が明確な状態であればその限りではないかもしれませんが。
しかし、特に最近ではチラシなどリアルの広告をWebページへの入り口として利用したり、リアル店舗で試着をして実際の注文や決済はオンライン上でする、という逆方向のマーケティング施策もしばしば見られます。
オンラインとオフラインそれぞれ独立して施策を考えるのではなく、まずユーザーを意識し、それぞえの特徴を捉えて多方面からアプローチしていくイメージです。
それでは、デジタルマーケティングないしWebマーケティングの特徴、本質とは何なのでしょうか。
デジタルマーケティングとしてのWebマーケティングの本質
今回は特にWebマーケターとして持っておきたい心得を、Webマーケティングの本質を捉えてご紹介します。
その本質とは、マーケティング施策の多様化と低コスト化、ビッグデータ化です。
これらは、マーケティングの主流がオフラインからオンライン(デジタル/Webマーケティング)へ移ったときの大きな変化です。
ゆえにこれらがWebマーケティングの本質であることは必然的です。
デジタルチャネルの多様化
まずは、マーケティング施策の多様化です。
消費者にスマホなどのデジタルデバイスが普及したことで、企業もこの変化に適応し、あるいはビジネスチャンスと捉え、アプローチ手段を変化させてきました。
その結果多くのデジタルチャネルが登場し、現在企業は多様化したマーケティング戦略を立て、あの手この手で顧客を獲得しようとしています。
マーケティング施策の絶対数が増えたことで、企業の選択肢は大幅に拡がったのです。
だからこそ、「流行りだから」だけでなく、あらゆるチャネルの中から自社に最適なチャネルを選択することが大切です。
低コスト化
続いてのWebマーケティングの大きな特徴は、マーケティングコストの低廉化です。
これが、Webマーケティングが普及した最大の要因かもしれません。
Webマーケティングなど、デジタルメディアを使ってのマーケティング施策は、従来のメディアと比較しても低コストなので、多くの企業が施策を行えるようになりました。
参入障壁が低くなったということは、同時に競争も激化しているということであり、Webまわりの知識やノウハウの優位性が競争優位性につながります。
データ量の急増
また、前述のようにデジタルデバイスが普及したことで消費者は知らないうちに様々なチャネルに痕跡を残しており、データ量は爆発的に増えています。
昨今、界隈ではビッグデータという単語を聞かない日はないですが、これが誕生したのもこの本質によります。
ビッグデータの恩恵の一つとして、顕在化したニーズへの効率的なアプローチが挙げられます。
検索エンジンでの検索などWeb上で能動的に動くユーザーの情報が蓄積されることで、モチベーションの高いユーザーにだけ訴求することも可能です。
マスメディアの得意とする不特定多数へのアプローチとは真逆で、究極的にはユーザー1人1人に合わせて効果的なマーケティングが可能になります。
この他にもメリットは多くありますが、データを活かせるかどうかは結局使う人次第です。
無限の可能性がある一方で、全てのデータを精査することは人間にはできません。
だからこそ、有用なデータを見分ける能力、データとデータに関係性を見出す能力などがこれからの競争優位に繋がるでしょう。
Webマーケティングの施策例
ここまでWebマーケティングが有用な理由や由来をざっと見てきましたが、
是非!!この3点に留意しながら以下の施策例を噛みしめていって下さい。
全施策に共通して重要なのは、優れた施策を導くためのインサイトです。
逆に言えば、広く深いインサイトがあれば優れた施策は立てられます。
低コスト化や施策・手段の多様化によって爆発的に増えたデータを用いて、いかにインサイトを導くのかが今の時代のマーケティングのカギです。
それでは、Webマーケティングの施策についてみていきましょう!
プル型とプッシュ型
とその前に、マーケティング施策をプル型とプッシュ型に分類してみます。
文字通り、引いて引いて手繰り寄せるのか押して押して攻めるのかの違いです。
文字通り過ぎて意味わからないので、それぞれの説明と具体例を挙げていきます。
プル型
引いて引いて手繰り寄せる方です。
こちらは基本的にユーザーのアクションを待ちます。
つまり、企業側にとっては受動的な施策であり、ユーザーが能動的にアクションを起こす必要があります。
もしかすると、ユーザーが一人も集まらずにマーケティング効果ゼロで終わるかもしれませんが、集まってきたユーザーは自社のプロダクトやサービスに関心が高い可能性があります。
このようなユーザーは、モチベーションの高いユーザーと言えますが、それは、かれらが自ら情報探索をしてきて出会ったユーザーだからです。
SEO対策
目的:Googleなどの検索エンジンで検索してやってくるユーザーを狙って認知を測ったり、情報を与えたり、プロダクトやサービスを利用してもらったりするマーケティング施策です。
具体策:①上位表示してもらいたいキーワードを決め、②ユーザーにとって役に立つコンテンツを作り、③他のサイトで紹介してもらいます。
もっと詳しく知りたい方はこちらもチェックです!
元は「Search Engine Optimization」という英語の略で、「検索エンジン最適化」と訳すことができます。
簡単に言うと、GoogleやYahoo!の検索結果で1位とか上位で表示してもらうため、様々な施策を行うことです。
最近は多くの人が様々な目的で検索エンジンで情報収集をしていますし、前述しましたが、自分でキーワードを入れて検索してくるユーザーはモチベーションが高いです。
そのため、検索結果に上位表示してもらえれば、効果は絶大です。
SEO対策の最も大事な部分だけをまとめたサイトがあるので、興味がある方は合わせてお読みください。
→【5分で実践できる】時間対効果の高いSEO対策
オウンドメディア
目的:ホームページやECサイトに来てくれる人を増やしたり、お客さんにお役立ち情報を発信したり、コミュニケーションをとったりするマーケティング施策です。
具体策:目的に合わせてWebコンテンツを作成し、運用します。
よくあるのが、自社のプロダクトやサービスに関連のある記事やコンテンツを集めたWebマガジンやブログのようなオウンドメディアです。
記事やコンテンツ数が多いほどユーザーの入り口も増えるので効果的です。
ここでは、日本コカ・コーラの事例を紹介しましょう。
こちらがオウンドメディアです。「Coca Cola Journey」(日本コカ・コーラ株式会社)
プロダクトやトレンドをはじめとして、様々なトピックの記事があります。
比較のため、公式ホームページも載せておきます。
「Coca Cola(Japan) Company, Limited 公式ぺージ」
オウンドメディアについて勉強するには、とにかくケーススタディです。
多くの成功事例を研究して洞察を得たり、自分なりのフレームワークを形作っていくのです。
様々なサイトで興味深い事例紹介がされていますので、チェックしてみましょう!
一つ紹介しますのは、人気「大学」の趣向を凝らしたオウンドメディア事例集です。
オウンドメディアの目的は前述のとおりです。
果たして「大学」と企業ではオウンドメディア作成の目的に違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、ないのです。工夫を凝らした大学のオウンドメディアは企業のそれと同じだけの研究価値があります。
どうぞ、ケーススタディの肥やしにして下さい。
LPO
目的:ユーザーの目的に合わせて最適なテキストやクリエイティブ(画像等)を自社ページに用意することでユーザーがページから途中で離れてしまうのを防ぎ、購入や問い合わせなど(コンバージョン)に繋げるマーケティング施策です。
具体策:検索エンジンや各種広告からやってきたユーザーが最初に到着するページ、LP(ランディングページ)を作成あるいは改良して、最適化(Optimization)します。
LPOを勉強するなら最適なサイトがあるのでご紹介します。現場のプロが書いているそうなので、まず間違いがありません!
リスティング広告
目的:検索エンジンからやってくるモチベーションの高いユーザーに対して、オーガニック検索の結果(通常の検索結果)よりも上に※広告を表示し、効率的に購買やお問い合わせなど(コンバージョン)を獲得します。
あるいは、認知が目的の場合もあります。
※同じキーワードで出稿している広告が多ければ、リスティング広告の表示順位が低ければ検索結果の下部表示されます。↑キャプチャあり
具体策:広告のターゲットととするユーザー像を作り上げ、どのキーワードで出稿するのか、入札価格をどうするのかを決めます。そして、LP(ランディングページ)の設定や広告文の作成を行い、出稿します。
リスティング広告はPay Per Click(クリック課金)型の広告媒体で、GoogleやYahoo!の検索結果に↑のキャプチャのように表示されます。
リスティング広告は、出稿するのも中止するのもリアルタイムで可能で、その広告効果もすぐに確認することができます。
広告効果がすぐに分かるということはマーケティング戦略を立てる上でとても重要なことです。
時間対効果、費用対効果の算出も容易なので、施策を計画して実行し、評価して改善するというPDCAサイクルを素早く回せるというメリットは、マーケティング施策をするうえでは捨て置けません。
- PDCAについてもう少し詳しく知りたい
- リスティング広告のためのPDCAとはどうやって回すのかを知りたい
という方には「リスティング広告の費用対効果を最大化するPDCA」という記事がお役に立つかもしれません。
プッシュ型
続いて、押して押して押す、攻めのマーケティングの方です。
大げさに言いましたが、プル型とは正反対で積極的にユーザーにアクションをかけていきます。
つまり、企業側による能動的な施策であり、ユーザーは受動的に情報を受け取ります。
プル型は最悪何の効果もあげられないリスクもありますが、プッシュ型の場合は少なくともユーザーとのセッションは保証されています。
しかし、求めてもいない情報をユーザーの意図に関わらず表示される場合もあるので、ユーザーに煩わしいと思われる可能性はもちろんあります。
また、プロモートしているプロダクトやサービスに対してユーザーのモチベーションが高いとは限らないので、コンバージョン率は期待できません。
知名度があまり高くない企業やプロダクトの初期のフェイズなどでは大いに意義のある施策ですし、プル型と組み合わせることでプル型の弱点を補うことも可能なのです。
ディスプレイ広告
目的:リスティング広告などではアプローチできない潜在的ユーザー層との接点を作って自社やプロダクト、サービスを認知してもらい、見込み顧客にします。また、直接コンバージョンに結びつけることも目的に挙げられます。
具体策:リーチしたいユーザーに向けて訴求するために広告バナーなどの文言や画像、動画などを作成して、広告枠を購入して出稿します。
リスティング広告が顕在層に向けての広告であるのに対して、ディスプレイ広告は潜在層向けにアプローチできる広告媒体であると言いました。
しかし、ディスプレイ広告は顕在層向けのアプローチも得意なのです。
Webマーケティングの本質でも少し触れましたが、ユーザーのWeb上の動きは往々にして痕跡を残します。
そのデータをもとに、ユーザーが訪れたことのあるページのプロダクトやサービスを他のWebページ上で広告したり、ユーザーの興味関心を推測して関連のある広告を出稿したりできるのです。
例えば、目薬を買ったことがある人にブルーベリーのサプリの広告を載せたりとかです。
以上のように、ディスプレイ広告は顕在層、潜在層どちらにもアプローチできる二刀流施策です。
その他
他にもデジタルマーケティングとの領域が非常に曖昧ですが、SNS広告やメールマーケティングなど多くの施策が存在します。
まとめ
すでに現代マーケティングの主流となっている、Webマーケティングについてさっくりとまとめてみましたが、改めて考えてもデジタルデータ、Webデータの強さが再確認されました。
マーケティングチャネルの多様化、施策の低コスト化、データ量の急増という三つの点を踏まえると、新興企業が大企業を食う現象もある程度納得できるのではないでしょうか。
是非、Web周りのスキルやノウハウを大切にし、競争力を高めていってほしいと願っています。
ありがとうございました。
最終更新日:2020/9/16
MarTechLab編集部
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