【ABテストツールVWO】特徴や7つの機能紹介|料金プランも解説

この記事のタイトルとURLをコピーする

2023/11/22

ランディングページからの成果をより高めていくためには、細かい調整が欠かせません。
その際によく行われるのがABテストです。

ABテストを行うには、さまざまなパターンを作成するようWeb制作の担当者やエンジニアに依頼しなければなりません。
しかし、ABテストツールを導入することで、Web制作の専門的な知識がなくても簡単に実施可能です。

無料で使えるABテストツールとして「Google Optimize」がよく知られています。
多くのマーケティング担当者が使っていましたが、2023年9月からサービスが終了になり代わりになるツールを探している人も多いでしょう。

数あるABテストツールの中で注目を浴びているのが「VWO」です。
無料でできることも多く、Google Optimizeに代わる選択肢となっています。

本記事ではVWOについて、その特徴やできること、メリット・デメリットなどを詳しく紹介します。

VWOとは

VWO(Visual Website Optimizer)はインドを拠点としてWebサービス開発を進めているIT企業Wingify社が開発したABテストツールです。
世界6000社で導入実績があり、日本国内でも400社以上が利用しています。

Google Optimizeよりも以前からABテストツールを提供しており、世界のABテストツールの中でシェア第2位の実績を誇ります。

VWOのABテストツール

VWOは、ランディングページなどのABテストを専門知識がなくても簡単に実施できるツールです。
JavaScriptタグを対象のWebページに埋め込むだけで、URLを変えずに簡単にテストを行えます。

VWOの機能は下記のとおりです。

  • Webページ構成要素の一部分を変えた通常のABテスト
  • 複数の要素を変えて最適なパターンを見つけ出す多変量テスト
  • 別ページどうしをテストするスプリットテスト
  • ユーザーの動きを分析するヒートマップやレコーディング機能
  • テスト結果の自動集計レポート作成

誰でも簡単にテストが行えることが特徴のツールです。

ABテストツールとは

AパターンとBパターンのどちらが成果をあげられるのかは、実際にテストしてみると明確な答えとなって現れます。

従来であれば、ABテストを行うにはABそれぞれのパターンでWebページを作成し、トラッキング設定を行い結果を集計・比較しなければなりませんでした。

Web制作の専門知識や設定作業を行うスキルが必要であるためマーケティング担当者が実施することは難しく、Web担当者やエンジニアなどの人材が必要です。

しかし、ABテストツールを使えばWeb制作などの専門的なスキルがなくても、簡単に複数パターンのページを作成してすぐにABテストが実施可能です。

また、AパターンとBパターンの成果を集計して自動的に分析し、どちらのパターンにすべきかを判断するレポート機能も役立つでしょう。

このように簡単にABテストが実施でき、結果を自動集計してくれるためさまざまなパターンテストが可能です。

VWOの特徴3つ

手軽にABテストが実施できるVWOの特徴について3つ紹介します。
3つの特徴は下記のとおりです。

  • 同一URLでABテストが実施できる
  • 専門的なIT知識が必要ない
  • すぐに使えるウィジェットがある

それぞれ解説します。

1.同一URLでABテストが実施できる

1つめの特徴は、同じURLでABテストを実施できる点です。

従来のABテストでは作成したページごとにURLを用意する必要がありました。
しかし、VWOを活用すれば同一のURLでテスト実行が可能です。

テスト対象のページにタグを挿入し、ページの要素を変更したテストパターンを作成すればすぐにテストをスタートできます。

2.専門的なIT知識が必要ない

2つめは、専門的な知識が不要な点です。

VWOでテストを実施するには、JavaScriptタグをテスト対象のページに挿入するだけ。
その後はマウス操作だけで簡単にページ要素の変更ができるため、Web制作のスキルや設定変更の知識は必要ありません。

Web制作スタッフやエンジニアの手を煩わせる必要がなくなり、マーケティング担当者だけでテストが気軽に実施できます。

3.すぐに使えるウィジェットがある

3つめの特徴は、ウェジェットが充実していることです。

テストパターンでは、単に文言や画像などの差し替えだけでなく、ポップアップなどのウィジェットを使ったケースも作成可能。VWOでテストパターンを作成する際には4種類のモーダルとバナーが設置できるほか、ビデオの埋め込みも簡単に行えます。

ウィジェットの設置場所や出現のタイミングなども、マウス操作だけで設定できます。

VWOでできるテスト

VWOでは、通常のABテストのほかに「多変量テスト」「スプリットテスト」を実施可能です。
それぞれのテストについて解説します。

ABテスト

ひとつ以上の要素を変えた複数パターンを比較するのが「ABテスト」です。

例えばキャッチコピーを「品質の高さを訴求するパターン」「価格の安さを訴求するパターン」「実績が豊富なことを訴求するパターン」で作成。
1500件のアクセスがあれば、自動的にそれぞれ500件のアクセスになるように表示を出し分けてコンバージョン率がどうなるかをチェックします。

多変量テスト

ランディングページの複数の要素を差し替えて、どの組み合わせが最も効果的かを調べるのが「多変量テスト」です。

例えばファーストビューの画像2パターンとキャッチコピー3パターンを組み合わせると6パターンができます。
それぞれの自動的に要素の組み合わせを変えて表示させてテストするのです。

テストする要素をマウス操作で指定するだけですので、手間をかけずにテストを行うことができます。

スプリットテスト

デザインの趣向や構成の違いによるパフォーマンスを比べる方法が「スプリットテスト」です。

全く異なるパターンどうしを比較したい場合には、アクセスしてきたユーザーを自動的に別のURLに作成したページに分散させてテストします。

VWOのその他の機能

VWOには使いやすい便利な機能がいくつも装備されています。
ここではそのうち4つの機能を紹介します。

ヒートマップ分析

1つめは「ヒートマップ分析」です。
アクセスしたユーザーの表示したエリアや終了エリア、クリックした位置などを可視化できる機能です。

ユーザーの行動を知ることで、ユーザーが求めているものや不要なコンテンツが明確になりページを改善するためのヒントとなります。

レコーディング

訪問者ごとにマウスの動作と滞在時間を録画して確認できる機能が「レコーディング」です。

ページが表示されてから離脱するまでのマウスやスクロールといった画面遷移がわかるため、どのコンテンツに興味があるのか、どの要素が使いにくいのか、どこでユーザーが離れてしまうのかといった細かな分析に役立ちます。

セグメント設定

ユーザーの属性やデバイスの違いを分けて分析することを「セグメント設定」と呼びます。

アクセスした曜日や時間、居住地、ブラウザによる違いを見つけたり、デバイスやブラウザの違いによる成果を見たりしてページ改善に役立てることが可能です。

ゴール設定

ユーザーごとにゴール設定を設けたテストも可能です。
最終的なゴールはいくつものパターンを設定できるため、ゴール設定を変えたテスト実施で比較できます。

ゴール設定によってアクセスしたユーザーの内、どのぐらいのユーザーがそのゴール行動をとったのか、ゴールにたどり着くまでにどのような行動をしたのかなどの細かなデータを取得できます。

VWOのメリット5つ

本章では、VWOを導入することで得られるメリットを解説します。
5つのメリットは下記のとおりです。

  • 専門知識が不要
  • ABテストと同時にさまざまな分析ができる
  • 使いやすいダッシュボード
  • 他ツールと連携ができる
  • VWO統計エンジンが意思決定を支援

それぞれ解説します。

専門知識が不要

VWOでABテストを行うのに、HTMLやCSSといったWeb制作の専門知識は不要です。
テストする対象ページに指定のJavaScriptコードを挿入するだけで、あとは管理画面からノーコードで要素の差し替えが可能です。

多変量テストやスプリットテストを実施する際にも、ほぼマウス操作だけで設定できます。
分析を行う前にも多少の設定は必要ですが、直感的なマウス操作で完了するため、最低限の作業で実行できます。

専門知識がないマーケティング担当者でも思った通りのテストを行うことができます。

ABテストと同時にさまざまな分析ができる

VWOを使ってテストを実施すれば、テストと同時にさまざまな分析を同時進行で行えます。
同時に行えるため、別途ツールを用意する手間が省ける点や、マーケティングにかかる工程も減らすことが可能です。

また同じツールでテスト結果と分析結果が見られるので、改善作業をする際に非常にわかりやすく作業を効率化できます。

使いやすいダッシュボード

VWOのダッシュボードのインターフェイスデザインは使いやすく、プロジェクトメンバーと連携がしやすいと評判です。

プロジェクトの進捗状況などのマネジメントがメンバー間で共有でき、改善のアイデアや気づき、これからの進め方などを一元管理できるように設計されています。
そのため、テスト設計の仮説を立てる際にも大いに役立つでしょう。

他ツールと連携ができる

VWOでは、他のツールとの連携も容易に行えます。
連携可能なツールは下記のとおりです。

  • Google Analytics
  • Google広告
  • SalesforceなどのCRMツール
  • WordPressなどのCMSシステム

データを一元管理し、効率的な分析を行えるようになります。

VWO統計エンジンが意思決定を支援

VWOにはテスト結果から成功パターンを判定する統計エンジンが搭載されており、成功パターンの判定を自動的に行います。

アクセス集計だけでは気づけないような要素の違いやユーザー行動の違いから、パターンの成功確率をシミュレーションして表示し意思決定をサポートします。

VWOのデメリット

多くのメリットがあるVWOですが、いくつかのデメリットがあります。
本章では2つの懸念点を紹介します。

読み込みの問題が発生する

VWOを導入してテストを実施する際に、ページの読み込みに時間がかかったり、画面上にちらつきが発生するといった問題があります。
ユーザーがクリック後にページ表示に時間がかかってしまうと、離脱の原因になりコンバージョンにも影響します。

この問題の対策方法はすでに解明されていますので、それぞれの環境に合わせた方法を試していくとよいでしょう。

ヘルプがわかりにくい

VWOはもともと英語圏で使われていたツールです。
そのため、画面やヘルプの日本語が英語を自動翻訳がわかりにくいかもしれません。

有料プランであれば、提供企業の電話やメールのサポートが受けられます。

VWOで成功パターンを判定するしくみ

VWOでは、ABテストの成功パターンを判定する際に独自の統計エンジンを用いています。
ここではVWOの判定のしくみを簡単に紹介します。

ベイズ検定に基づいた新しい計測エンジンでパターン判定

VWOのレポートでは、スマートスタッツという統計エンジンを使用し自動で判断してわかりやすく表示してくれます。
通常、集計した結果の分析・判定をするためには統計学的に必要な母数を集める必要があり、これを厳密にやるとなれば費用と時間が非常にかかります。

しかし、VWOのスマートスタッツでは「ベイズ検定」という統計手法を用いてテスト結果を提供。
一般的な統計学に必要な母数の獲得を待たなくても、これまでの蓄積データから成果の分析が行えます。

この機能により時間と費用を節約できるメリットがあります。

本当のCVRが存在しうる範囲を算出

テストで獲得した限られた母数から得られたCVRのデータと、実際の運用で得られるCVRでは母数の違いから大きく乖離するケースが考えられます。

スマートスタッツには、テストサンプルのデータから本当のCVRがどの程度になるかを推定する機能が搭載されています。
そのため、判断を間違うリスクを避けることが可能です。

VWOの利用プラン

2023年1月からVWOを制限付きで利用できる無料プランがスタートしています。
ここではVWOの無料プランでできることと有料プランについて紹介します。

無料プラン

Google Optimizeのサービスが2023年9月で終了したことに伴い、Google Optimizeの多くのユーザーが代替サービスを探しています。

VWOは2023年1月から無料で利用できるプランの提供を開始していますが、そのサービス内容はGoogle Optimizeの機能を網羅しており、代替サービスとして十分な役割を果たすものです。

無料プランとしては「Starter」が用意されており、月間最大計測人数は5万人までに限定されますが、Google Optimizeで行えていた機能は網羅されています。

有料プラン

無料プランでは小規模なテストを想定しており、計測人数が5万人までと制限されています。
無料プランで十分なテストができない方向けにVWOの有料プランとして「Testing Growth / Pro / Enterprise」が提供されています。

月間5万人以上でボリュームに従って課金されており、実験数の上限はありません。
カスタマーサポートも利用できるため、大規模なテストや複雑なテストを行う場合にも利用しやすくなっています。

無料トライアル

30日間限定とはなりますが、有料プランの無料のトライアルも用意があります。

アカウント開設後30日間は「Enterpriseプラン」同等の機能が解放され、ヒートマップ分析やマウストラッキング、セグメント設定なども使えます。月間最大計測人数は1万人までとなります。

31日目以降は手動で「Starter」プランへ切り替えることとなり、ヒートマップ分析やマウストラッキング、セグメント設定などは使えなくなります。

VWOでのABテスト実施手順3ステップ

VWOを使ってABテストを実施する場合の手順を3ステップで解説します。

対象ページにタグを挿入

まずはテストを行うページの指定の位置に、自社アカウントのJavaScriptタグを貼り付けます。
対象ページのHTMLの記述内に、タグをコピー&ペーストするだけですのでやり方さえわかれば専門知識がなくてもすぐにできるでしょう。

タグを設置すると、VWOとテスト対象ページが連携されます。

エディター画面からテストページを作成

次のステップは、エディター画面を開いてテストパターンを作成する作業です。
マウスを使ってテストしたい素材を指定の場所にドラッグ&ドロップするだけでテストパターンのページが作成できます。

プレビューを確認後テスト開始

テストパターンのページが作成できたらプレビュー画面で問題がないかを確認します。
プレビューがOKであれば、管理画面からテストを開始します。

VWO以外のおすすめツール4選

ここではVWO以外のおすすめのABツール4選をご紹介します。
VWOと併せて検討してみてください。

Optimizely

Optimizelyは世界シェアNo.1のABテストツールです。
ソニー、ウォルト・ディズニー、セールスフォース・ドットコムなど、名だたるグローバル企業を含む9000社以上で導入されています。

PCだけでなくスマートフォン向けのABテストの生成と実行が手軽に行えるほか、モバイルアプリなどあらゆるデバイスでテスト可能です。

独自のプログラム管理機能でテストを管理し、プロジェクトメンバーで共有でき、使いやすいダッシュボードも高い評価を得ています。

AB Tasty

AB TastyはノーコードでABテストが作成・実行できる機能が豊富に搭載されており非エンジニアでも様々なテストを短時間で実施できます。
特に、AIを用いてユーザーセグメントが容易に設定でき、目標設定や結果の分析に優れた成果をもたらします。

ベイズ統計エンジンによるテストの判定は、ROIダッシュボードでわかりやすく表示され、直感的に判断できるようになっています。

SiTest

SiTestは、ABテストと合わせてヒートマップ分析などを同時に実施し、速やかにサイト改善を行いたい企業に適したツールです。

簡単な操作でABテストやヒートマップの解析ができます。
また、パソコン版・スマホ版・タブレット版でヒートマップ分析ができる点も大きな特徴です。

広告と連携した「AIリターゲティング機能」を備えており、アクセスした中でエンゲージメントが高い動きをしたユーザーに絞ってセグメントしてリターゲティングを可能にしています。

DLPO

DLPOは日本国内でNo.1の売上と実績を誇るLPOツールです。
ABテストや多変量テストを簡単に実施し、ユーザーの動向を明確に把握できます。

ユーザーに合わせてパーソナライズした画面表示する機能によってユーザーのエンゲージメントやコンバージョンを向上させます。

Web解析ツールなど、さまざまなマーケティングプラットフォームとの連携が可能になっておりランディングページの改善をスピーディーに進められます。

まとめ:VWOの機能を活用すればABテストが簡単に実施できる

VWOはABテストツールとして、非常に使いやすく十分な機能を備えていると同時に、さまざまな分析が行える便利なツールです。
世界で6000社が導入した実績があることから、その性能には高い信頼が集まっています。

無料プランでさまざまなテストを実施することができるので、もし自社でABテストツールを活用してランディングページの改善をしたいということであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。

本メディアを運営する株式会社ギャプライズでは、WebマーケティングやWebサイト改善、Webサイト集客など、さまざまな課題や悩みに対応したビジネスを展開しています。
ABテストツールやWebページに関するご相談にも、対応可能です。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

この記事のタイトルとURLをコピーする

今本 たかひろ/MarTechLab編集長(仮)

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

関連記事一覧

20230418_banner

タグから探す
パフォーマンス
バックオフィス
Web接客
DX(デジタルトランスフォーメーション)
SMSマーケティング
マーケティング全般
市場・競合分析
AR(拡張現実)
画像認識AI
VOC(voice of customer)
BI(ビジネスインテリジェンス)
D2C
EC
ロイヤリティマーケティング
リードジェネレーション
インサイドセールス
インフルエンサーマーケティング
UGCマーケティング
SNSマーケティング
コンテンツマーケティング
メールマーケティング
ソーシャルリスニング
サイト改善
レコメンド
パーソナライズ
ABテスト
UI/UX
ヒートマップ
LPO
アクセス解析
EFO
サイト集客
SEO
Googleショッピング
アドフラウド(不正広告)
広告最適化
リスティング広告
SNS広告
Amazon広告
営業・顧客管理
プロジェクト管理