私たちはGoogleを誤解していた? “史上初”のUX調査が明かす、AI時代の「選ば-れるコンテンツ」の3つの新常識
「Google検索にAIが搭載されて、SEOはどう変わるんだろう?」
「これからは、ウェブサイトへのアクセスが減ってしまうんだろうか?」
コンテンツマーケティングに携わる方であれば、AIが検索結果のトップに表示されるようになってから、こうした疑問や不安を一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

これまで多くの議論が「推測」の域を出ませんでしたが、ついにユーザーがAIのある検索結果を「どう使い、どう感じているのか」を真正面から調査した、”史上初”のUX調査レポートが公開されました。
※本記事で紹介する調査は、SEOコンサルタントのKevin Indig氏と、UXリサーチ企業のTeam Found™が共同で実施したものです。
この調査結果は、私たちがこれまで良しとしてきたコンテンツ戦略の前提を覆す、衝撃的な事実を突きつけています。
本記事では、この詳細なレポートの中から、日本のコンテンツマーケティング担当者が「これだけは押さえておきたい」という3つのポイントを厳選して要約し、これからの対策のヒントを解説します。
より詳細なデータや分析に興味を持った方は、ぜひ本家のレポートもご覧ください。
目次
AIの回答は「通行止め」? クリック数が衝撃的な減少
まず最も重要な発見は、検索結果にAIによる回答(AI Overviews)が表示されると、従来のオーガニック検索結果へのクリックが劇的に減少するという事実です。
調査によると、クリック率は以下の通り変化しました。
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- デスクトップ: 28% → 11%
- モバイル: 38% → 21%
これは、多くのユーザーがAIの回答だけで満足し、わざわざウェブサイトを訪問せずに検索を終えてしまうことを意味します。これまでのように「検索順位で1位を取れば安泰」という時代は、終わりを告げようとしているのかもしれません。
さらに、ユーザーの約70%はAI回答の上位3分の1しか見ていない、というデータも。これは、私たちが作るコンテンツが、ウェブサイトに見に来てもらう以前に、AIに「冒頭部分で引用してもらえるか」が最初の関門になることを示唆しています。
ユーザーはAIを鵜呑みにしない。決め手は「知っている」安心感
クリック数が減るという厳しい現実がある一方で、希望の光も見えました。それは、ユーザーはAIの回答を盲信しているわけではない、ということです。
特に、健康やお金に関するような重要な情報(YMYL領域と呼ばれます)を探している時ほど、ユーザーは「この情報は本当に信頼できるのか?」と、AIが引用している情報源(ソース)を注意深く確認する傾向がありました。
そして、ソース元リンクをクリックするかどうかの判断基準として、「ブランドの知名度」が極めて重要であることが判明したのです。
調査では、ユーザーの58%が「知っている、あるいは信頼できると感じるブランド」のリンクをクリックしました。たとえAIに引用されても、聞いたことのないサイトであればクリックされにくい、という厳しい現実が明らかになったのです。
これは、これからのコンテンツマーケティングが、単に検索エンジンに評価される(SEO)だけでなく、いかにユーザーに「信頼できる情報源」として認知してもらうか(ブランド構築)が成功の鍵を握ることを意味しています。
若者は「コミュニティ」を、ベテランは「公式サイト」を信頼する
非常に興味深い点として、信頼する情報源の傾向が、年齢層によって異なることも明らかになりました。
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- 若年層(34歳以下): 公式サイトよりも、Redditのようなコミュニティフォーラムの情報を信頼し、クリックする傾向が見られました。「企業の公式見解」よりも「一般ユーザーのリアルな声」を重視する価値観が表れています。
- 高齢層: 従来通り、公式サイトや政府機関(.gov)、教育機関(.edu)といった権威のあるドメインを信頼する傾向が強いままでした。
この結果は、私たちがターゲットとする顧客層によって、コンテンツを届けるべき場所や、強調すべき「信頼性の見せ方」が異なることを示しています。
日本のマーケターが、今日から意識すべき3つのこと
さて、これらの調査結果を踏まえ、私たちはこれから何をすべきでしょうか。本記事の締めくくりとして、3つの実践的なアクションを提案します。
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- 「AIに要約されやすい」コンテンツを意識する これからは「読みに来てもらう」前に「AIに選ばれる」必要があります。ユーザーが検索しそうな質問に直接答えるQ&A形式を取り入れたり、記事の冒頭に要点をまとめたサマリーを配置したりと、AIが引用しやすい構造を意識することが有効です。
- Googleの外で「あの会社ね」と言われる存在になる SNSでの情報発信、業界メディアへの寄稿、ウェビナーの開催など、直接的なSEO効果とは別に、自社の専門性やブランドを多くの人に知ってもらう活動が、巡り巡って検索結果での信頼性につながります。「この分野なら、あの会社だよね」と第一想起される存在を目指しましょう。
- サイトに「信頼の証」を散りばめる 「誰がこの記事を書いたのか(著者情報)」「どんな専門家が監修したのか」「どんな実績や受賞歴があるのか」といった情報を、サイトの分かりやすい場所に配置しましょう。こうした一つひとつの「信頼の証」が、AI時代の新しい名刺代わりとなります。
- 「AIに要約されやすい」コンテンツを意識する これからは「読みに来てもらう」前に「AIに選ばれる」必要があります。ユーザーが検索しそうな質問に直接答えるQ&A形式を取り入れたり、記事の冒頭に要点をまとめたサマリーを配置したりと、AIが引用しやすい構造を意識することが有効です。
今回ご紹介した調査は、AIと共存する新しい検索時代における、非常に重要な羅針盤となります。レポートの原文には、本記事では紹介しきれなかった、さらに詳細なデータやユーザーの生々しい声が満載です。
ご興味のある方は、ぜひ以下のリンクから原文レポートを直接ご覧ください。
→ The first-ever UX study of Google’s SGE: How users perceive & interact with AI Overviews (英文)
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。