「Adobe Analytics(旧SiteCatalyst)」と「ClickTale」を連携するべき3つのメリット
前回、 「Google Analyticsを連携させてヒートマップツール『Clicktale』を使う方法」ということで、アクセス解析では定番となっているGoogle Analyticsのセグメント機能をクリックテールと連携させる方法を解説しました。
ただ、clicktale(現:Contentsquare)と連携できるツールはそれだけではありません。今回はその中で、高性能アクセス解析ツール「Adobe Analytics(旧SiteCatalyst)」との連携についてご紹介します。
Adobe Analytics(アドビアナリティクス)とは?
「Adobe Analytics(アドビアナリティクス)」とは、Adobeが提供している高機能アクセス解析ツールです。
Google Analytics以上の詳細な分析が可能で、出稿した広告媒体からの動向追跡、検索キーワード集計、商品のカテゴリ、キャンペーンごとの効果やコンバージョン率の測定など高度な分析を実現したWebマーケティングツールです。 Google Analyticsがデータ解析の初中級者向けのものであるなら、Adobe Analyticsは中上級者向けのツールと言えるでしょう。
さて、それではこの「Adobe Analytics」とクリックテールを連携すればどのようなメリットがあるのでしょうか。それをこれから解説していきましょう。
連携の3つのメリット
1,Adobe Analyticsの詳細なセグメントがクリックテールで利用できる
Adobe Analyticsとクリックテールを連携すると、Adobe Analytics側で「ClickTale ID」というデータリストを表示することができます。これは、クリックテールで計測した全ての訪問者データであり、サイトに訪問したユーザー単位の情報を表示しています。
これをどのように使うかというと、簡単に言えばこの「ClickTale IDを利用して、Adobe Analyticsの詳細なセグメントでヒートマップといったクリックテールの機能を使うことができる」のです。
例をあげて解説しましょう。
まずは「ClickTale ID」にAdobe Analyticsが誇る詳細なセグメントをかけます。ここでは、「北海道・東北」のユーザーでセグメントをかけたとしましょう。
すると、そのセグメント内の「ClickTale ID」がリストで表示されます。
ここからはGoogle Analyticsで連携した際に紹介した手順と同じになります。セグメントをかけて表示されたClickTale IDの一つ、または複数をクリックテールのフィルター機能「Visitor IDs」に貼り付けることで、そのユーザーだけのヒートマップが生成できるのです。
さきほどのIDをコピー&ペーストする。
これで無事、「北海道・東北」のユーザーのセグメントだけのヒートマップが生成されました!
2,クリックテールのフィルターにAdobe Analyticsで登録したセグメントが反映される
Adobe Analyticsでは、分析のためのセグメントを作成しそれをブックマークしておいて、いつでもワンクリックでそのセグメントの分析をすることができる機能があります。
前回、Google Analyticsのフィルターをクリックテールに反映させる方法を紹介しましたが、フィルターを登録しそれをクリックテールに反映させるということまではできませんでした。
しかし、Adobe Analyticsとの連携であれば、Adobe Analyticsで作成・ブックマークされたセグメントが、クリックテールの「Adobe Analytics Segments」というフィルターに反映されます。つまり、クリックテールの画面からいつでも登録したフィルターで分析をかけることが可能となります。
そのため、実は先ほどの「北海道・東北」のユーザーセグメントは、IDをいちいちコピー&ペーストするのではなく、Adobe Analytics Segmentsフィルターから直接簡単にセグメントをかけることができるのです。
「Adobe Analytics Segments」を押すと、セグメントのリストが表示され、各種ヒートマップをはじめクリックテールの様々な機能でこのフィルターを簡単に使うことができます。
これにより、いつでもAdobe Analyticstとクリックテールで比較しながらの分析が簡単に可能なり「毎回フィルターを設定するという面倒な作業」や、「Adobe Analyticsとクリックテールでセグメント分けがズレてしまう」ということもなくなります。
3,直接マウス録画機能などのクリックテールの機能を使うことが出来る
Google Analyticsとの連携ではGoogle Analyticsから直接クリックテールの機能を使うことはできませんでした。しかし、Adobe Analyticsとの連携であれば、直接クリックテールの機能を使うことができます。
この機能は、chromeの拡張機能「Adobe genesis」を入れることで可能となります。 実装しさえすれば、ユーザーIDごとに簡単にマウス録画機能を使うことができます。これによりAdobe AnalyticsとClicktaleの分析をシームレスに行うことが実現するのです。 「ClickTale replay」を押すことで、直接クリックテールのマウス録画を表示することができます。
Lenovoのセグメント事例
さて、clicktaleとAdobe Analyticsの連携をすることによる3つのメリットを紹介しましたが、この連携の一番大きな特徴というのがやはり「数値解析ツールでの詳細なフィルターをクリックテールで実現できる」ということでしょう。では、この連携機能を使っている企業はどのようなフィルターで分析を行っているのでしょうか?最後に、その分析のヒントとなるLenovo社のセグメント事例を紹介しましょう。
①購入・非購入者のセグメント
レノボ社は中国のパーソナルコンピュータメーカーで、世界160以上の国にオフィスがある、世界規模の会社です。レノボ社では、そのトップページを購入者と非購入者のセグメントを使用して、クリックテールのヒートマップ分析を行いました。結果は・・・
購入者はトップページの上部のナビゲーションをよく使い、フリーワード検索を活用していました。また割引やバナー広告に注目が集まる傾向があることがわかった。一方で非購入者は、バナー広告などには興味を示さず、国の選択をする傾向もあった。このように同じページへのアクセスでも、訪問者によって、見ているコンテンツは大きく変わっている。
レノボはこの結果を受けて、レイアウトやフリーワード検索、ボックスの見直しなどを行った。さらに、国の選択をトップページから外し(もちろん、現在のトップページにも存在していない)、商品を選択したタイミングで、自動的に該当する国へ遷移するようにしたそうだ。
/「購入者と非購入者でWebサイト上の行動が違う?Lenovoの事例に見る、ClickTale×Adobe Analyticsを活用したカスタマー可視化方法」より
②国によるセグメント
また、Lenovo社は日米での購入ユーザーの行動の違いを、マウスの動きを動画としてプレイバックすることができるクリックテールのレコーディング機能を使って分析しています。
米国ユーザーは購買をする時、すぐに商品のページに飛び、購入ボタンを押す傾向が多いとの結果が出た。逆に日本のユーザーは、商品ページでスクロールをゆっくり行い、商品の説明をしっかり読んでから購入している事がわかった。
日本のユーザーからの声を見ても、スペックや商品情報などを求める要望が上がっており、サイト内での行動を裏付ける結果となった。
/「購入者と非購入者でWebサイト上の行動が違う?Lenovoの事例に見る、ClickTale×Adobe Analyticsを活用したカスタマー可視化方法」より
以上セグメント例を紹介しましたが、今回紹介したのはまだまだごく一部のセグメントであり、Adobe Analyticsでは自社にあった詳細なセグメントをカスタマイズをカスタマイズすることが可能となります。
まとめ
今回は、高性能解析ツール「Adobe Analytics」との連携のメリットをご紹介しました。クリックテールはこのように数値解析ツールと一緒に使うことでより詳細で・より効果的な分析を行うことができ、サイトの課題を発見するのに素晴らしい力を発揮してくれることでしょう。
最後に、Lenovo社のシニアマネージャーのロウシン氏がついて語った場面を記事から抜粋します。
なぜ、レノボがClickTaleを利用しているのか。ClickTaleは分析における、定性的な情報を提供し、カスタマー行動を可視化してくれる。そして、Adobe Analyticsと組み合わせることで、より多くの改善ポイントを見つけることができるとのこと。レノボでは、ツールを使用してサイトの分析・検証・改善を行っている。そこで、Adobe Analyticsと連携できることが大切だと語る。また、既存の解析ツールで作ったセグメントを、簡単に取り込める事は、分析の幅を広げる一因となっているとのこと。
次回は、分析後のA/Bテストの施策を行うことができる強力なツール「Optimizely」と、クリックテールとの連携をご紹介します。
引用「購入者と非購入者でWebサイト上の行動が違う?Lenovoの事例に見る、ClickTale×Adobe Analyticsを活用したカスタマー可視化方法」
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