モバイルユーザーはCVする気なし?ユーザー行動を解明
顧客体験分析プラットフォームContentsquareレポートによると、過去10年で世界のモバイル浸透率は、32%から56%へと急増し、
2021年までにモバイルを通じたEC売上は全体の54%を占めるとまで言われています。
しかし、モバイルのコンバージョン率は平均2%という実態です。
今回、「1700万セッション」「13サイト」「4ヵ国」のデータの集積・分析を行い、明らかになったモバイルユーザーの事実やモバイル体験を向上させる実用的なヒントをご紹介いたします。
1.モバイルユーザーの3つの通説
モバイルのコンバージョン率の低さから、ユーザーはそもそもモバイルから購入する気がないのではないかと推察されがちです。
そこで今回、モバイルユーザーの通説の正誤を確認していきます。
モバイルユーザーは時間に余裕がない
⇒正〇
皆さんがモバイルを利用する際、時間を十分に確保したうえでネットにアクセスするのでなく、通勤中や寝る前などの隙間時間で利用することが多いのではないでしょうか?
全てのユーザーに同じ情報を提供すると、ユーザーは時間内に欲しい情報を手に入れることができず、離脱しやすくなります。
モバイルユーザーは複雑なサイトを嫌う?
⇒正〇
モバイルユーザーは複雑なサイトを好みません。しかし、商品購入者の平均滞在時間は21分間、平均閲覧時間は26ページとデスクトップとほぼ同等です。そのため、コンテンツを省くのではなく、モバイル体験のみをシンプルにすることが重要です。
モバイルユーザーはコンバージョンする気がない?
⇒誤✕
1,800人のスマートフォンユーザーを対象にした調査では40%がモバイルだけで購入までの全ステップを完了させたいと回答しています。
2.モバイルユーザーはコンバージョンする気がない?
実はコンバージョンする気がないのではなく、体験の質によってデスクトップよりも離脱しやすいだけだと判明しています。
購入ユーザーはデスクトップとモバイルで行動に大差は見られませんが、非購入ユーザーはモバイルの方が圧倒的に早く離脱する傾向にあり、デスクトップの半分の時間で離脱しています。
ユーザーを素早く獲得するには?
モバイルユーザーの期待を満たすためには、回遊の序盤の体験に焦点を当てることが重要です。
Qubitの調査では、スマートフォンで商品を購入する際に最も優先する条件として、
47%のユーザーは、より速くてより簡単な回遊体験
44%のユーザー、欲しい情報をより簡単に見つけられる
を上げています。
これらの結果から、サイトでの回遊時の体験がいかに重要か分かります。
はじめから適切なコンテンツへ
商品ページに直接遷移したユーザーの方が商品ページ以外に遷移したユーザーよりも滞在時間が短い傾向があります。(各平均3分と8分)また 2人に1人しか商品ページに遷移したのちに回遊し続けません。
最良のランディングページはトラフィックソースによって異なります。
例えばメールからのトラフィックであれば、通常ユーザーは特定の商品やオファーに興味を抱いてクリックするため、商品ページにそのまま遷移させた方がかえって効果的です。
逆に検索からのトラフィックであれば、カテゴリページに遷移させることでより効率良い回遊を促すことができます。
では、具体的にメールから商品ページとそれ以外のページに遷移した場合のユーザー行動を比較してみます。
顧客体験分析プラットフォームContentsquareを使い、ページごとの遷移率・離脱率を分析しました。
すると、メールから商品ページに遷移したユーザーの方が圧倒的に回遊し続けることが分かります。実際わずか8%のみのユーザーしか離脱していません。
逆に、メールに記載されたリンクからホームページに遷移したモバイルユーザーのうち80% 以上は即離脱しています。
この機能では、顧客がどのようにサイトに流入し離脱したのかを明らかにできます。
回遊促進の効果
ユーザーは、一度サイトを見て実際に店舗に訪れる、給料日が来てから商品を購入する可能性という可能性もあります。
そのため、顧客がすぐに購入する気がない可能性を考慮して、回遊体験の改善に注力することが重要です。
ユーザーをサイトに長く滞在させることができれば、ブランドや商品の認知度向上に繋げることができます。
3.まとめ
コンバージョンする気がないと言われるモバイルユーザー。
しかし、それは事実でなく、体験の質が影響していることが判明しました。
モバイルユーザーの実態の詳細に加え、モバイルサイトを最適化するための実用的なヒントを以下のレポートにまとめています。ぜひご覧ください。
※本レポートは下記記事・資料を翻訳・修正したものです。
https://go.contentsquare.com/hubfs/US_2019_02_Reports_Mobile_Report_FOR_WEB.pdf

阿多 佑梨花
2018年秋にギャプライズに入社。前職で2年半、総合通販業界にてアパレルの店舗運営に従事。ギャプライズ入社後、インサイドセールスの経験を経て、現在は自社マーケティングを担当。