「継続的な改善」と「大胆な改革」のバランスは?サイト改善のロードマップを描くために重要な視点
インターネットが企業と消費者のコミュニケーションの中心になり初めて、WEBサイトはビジネス戦略上重要な位置を占めるようになっています。企業は常に消費者に対してより高いレベルのサイト体験を届けるため、また競合企業に追い抜かれまいと最新のトレンドやテクノロジーを追い続けるため、多くのリソースを割いています。
このような変化の速い時代に対応しようとする企業は、その変化のスピードゆえ、長期的な戦略なしに、目の前のことに対して早急な改善をしがちになってしまいます。
そのような長期的な戦略と、早急な改善のバランスを取ることは「サイト運営」にとってとても重要です。今回は、そんなサイトの運営・改善をどうプランニングしていけばいいかのヒントを紹介します。
WEBサイト改善のため、ゴールを定義する
サイトのゴールは何か?KPIは何か?
WEBサイトを時代に会ったものに最適化するため、長期的な戦略を立てるのか、早急な改善をするのかという議論を考える場合、最初に考えるべきは
「あなたのビジネスの最も重要なゴールは何か?」
「WEBサイトの最も重要な指標は何か?」
を理解することです。
「Eコマースサイトなら、収益を増加させたいのか?」「メディアサイトなら、ユーザーのエンゲージメントを高めたいのか?」。先ほども述べましたが、サイトの運営・改善はビジネス戦略において非常に重要なものです。ただWEBサイトを作っていて、何となく運営しているとしたら、競合企業に大きな遅れを取ってしまうでしょう。
そしてゴールを明確にしたら、次は「WEBサイトのKPIは何か?」「あなたのビジネスの、WEBサイトの成功をどのような指標で測るのか?」を明らかにしましょう。これもEコマースサイトやメディアサイトなどの種類によって大きく変わるので、それを理解しながら適切なものを立てるべきです。
ゴールを達成するために、どう資源を配分するべきか?
次のステップは、あなたが、もしくはあなたのチームが割けるリソースの限界を見定めることです。
企業によっては、サイト運営者があなた1人の場合もありますし、チームを敷いて注力をしている企業もあります。それによってプランニングの方法は大きく変わってきます。
適切に、サイトを運営・改善をするには、このリソースをきちんと把握することが大切です。
成功するプランニングとWEBサイト改善の戦略的計画とは?
改善の3つのタイプ
あなたのWEBサイト改善の戦略を適切に管理するには、タイプによって改善施策を明らかにする必要があるでしょう。サイトの改善には大きく分けて以下の3タイプがあります。
①テクニカルな改善
例)リンク切れを修復、フォームの項目数を減らす
②UXの改善
例)レイアウトの修正、ページ内でコンテンツの位置の変更
③ストラテジーの改善
例)WEBサイトのリニューアル、サイトのコンセプトの改定
この3つのタイプから、あなたのサイトがどのタイプの改善をするべきかを考えましょう。現在は、Googleのアルゴリズムがモバイルフレンドリーを評価するようになっており、それに対応していないのならばサイト全体を変える必要がありますし、すでに大規模なECサイトになっているなら、テクニカルな改善をするのが適切かもしれません。
2つのロードマップから選択する
サイトの改善を次の2種類の観点からロードマップを立ててみましょう。
1)継続的な改善
すぐに成果を出すためには、「テクニカルな改善」「UX改善」を組み合わせて継続した改善を行っていきます。大抵はあまり時間や労力のかからないテクニカルな改善とUXの改善です。この改善が積み重なることで、大きなインパクトを残すことができます。
2)大胆な改革
WEBサイトの新しいレイアウトをデザインするような、「ストラテジーの改善」施策がこれに当たります。あなたのビジネスとWEBサイトのゴールについてより広くより深いレベルでの戦略を練り直さなければいけない場合、この改善を選択します。ただ、大きなリニューアルが今までサイトに訪れたユーザーの反感を買うリスクも承知しておかないといけません。
たいていの企業が直面する重要な課題は、これら二つのロードマップを管理しなければいけないことです。
ただ、この二つのロードマップを同時のタイミングで選択し、行うことはできません。小さな改善は、サイトの大きなリニューアルをする場合、ほとんど意味をなさなくなってしまうからです。
2つのロードマップのどちらを選択するかは、サイト担当者にとって常に頭に留めて置く必要があります。
ロードマップを作成するとき、様々な要素を考えなければいけません。目標やKPIによって時間と労力のリソースの限界を総合的に考慮しましょう。
ここで注意しないといけないのは、決してあなたが考える理想的なサイトや、カッコイイサイトへ改善の方向を向けてはいけません。マーケットの変化とユーザーの声を吟味し、改善のロードマップを作成するのです。
70:30のルール
「大胆な改革」と「継続的な改善」のロードマップを考えるとき、どのくらいの割合でリソースを割くべきでしょうか。
この問いに関して、ClickTale(クリックテール)社では多くのWEBサイトの改善を支援してきた経験から70:30のルールを勧めています。サイト運営・改善のロードマップを考える時間の70%をサイト全体のストラテジーやコンセプト設計に割き、残りの30%を「小さい改善をどう行っていくか」ということに時間を割くのです。
この時間配分が、サイトを成長し、柔軟にマーケットの変化に対応できる割合です。サイト全体の大きなストラテジーやコンセプトはサイトの核となる部分ですので、早急な意思決定を行なわないようにすることが大切と言えるでしょう。