1000を超えるサイトのユーザー分析からわかった!6種類のネット消費者タイプとタイプ別改善ポイント
インターネットの登場により、私たちの商品の購買プロセスは劇的に変化しています。その中で、企業側もマーケティングのために「インターネット上でどのような消費者がいて、どのようなことを考え商品を購入しているのか?」を日々研究しているでしょう。企業によっては、ターゲットとなる消費者像をペルソナとして設定しているところもあると思います。
しかし、ペルソナやターゲットの設定だけでは、「その人たちに対してどのような施策をすればよいか?」まで教えてはくれません。
そこで、クリックテール社では数千のサイトカスタマーのインターネット上の購買活動を調査し、「それぞれの消費者タイプに応じてどのような施策をすればよいか」を分析しました。今回は、その調査を基にインターネット上でよく見られる6つのタイプの消費者像を提示し、そのタイプに対してどのような施策をすればよいかを紹介します。
これを参考に、自社のサイトに訪れるカスタマーはどのタイプの人が多いのか分析し、それに対する施策を考える参考にしてみてください。
▼目次
- 欲しいもの収集タイプ
- ブランド重視タイプ
- 合理性重視タイプ
- 最大値重視タイプ
- 買い物好きタイプ
- ためらいタイプ
1.欲しいもの収集タイプ
どんな傾向の人?
「欲しいもの収集タイプ」の人は、よくAmazonなどのECサイトなどでつけられる「欲しいものリスト」やオンラインの「ショッピングカート」にたくさんの商品を入れるものの、商品を購入しようとしない傾向がある人です。
欲求として「あれもこれも購入したい!」という気持ちで欲しいものリストを充実させるのですが、購入に踏みとどまってしまいます。結局は、購入せずそのままリストから削除されてしまう場合もあります。
購入の障壁となることは?
なぜこのタイプは欲しいものリストを充実させたり、買わずにカートに入れるだけの商品を増やしてしまうのでしょうか?
それは、オンラインの欲しいものリストやカートに商品を加えることで、その商品を所有した気になってしまうからです。WEB上にほしい商品がいつでも購入することができる状態にあることで、このタイプの人は満足してしまうのです。
改善ポイント
このようなタイプの人には、とにかく「欲しいものリスト」や「ショッピングカート」のものを購入というもう1ステップ進ませることが必要です。
具体的には、「欲しいものリスト」「ショッピングカート」の商品がディスカウントになったことをポップアップなどで通知する仕組みを作るといいでしょう。サイトに戻ってきたとき、「今日はあなたのショッピングカートに入っている商品がセール中です!!」などと知らせてあげることが効果的です。
2.ブランド重視タイプ
どんな傾向の人?
「ブランド重視タイプ」の人の特徴は、商品購入の動機として「商品の持つブランドやステータスを求める」ことです。
最新のトレンドを重視し、社会的に認められたブランドを欲します。「パソコンや携帯機器は全てApple社しか買わない!」っといったような人もこのタイプと言えるでしょう。
オンライン上でこのタイプの人たちは、オンライン上では購入時間をそれぞれの商品を比べるのではなく、同じブランド内で「どの色を選ぶか?」「どのアクセサリーをつけるか?」などに多くの時間をかける傾向にあります。
購入の障壁となることは?
「ブランド重視タイプ」の人たちは、商品を値段や機能といった面で合理的に選ぶのではなく、その商品のイメージなどの感情的な部分に刺激されて購入に至ります。そのため、値段や機能を全面に押し出しても、あまり購入に踏み切らない可能性があるのです。
サイト改善ポイント
このタイプの人に商品を訴求するには、より感情的・視覚的に商品を魅せることが重要です。
ECサイトで言えば、ウェブサイトをカラフルにし、より画像や動画を使って感情的に訴えましょう。機能や値段は最低限わかるようにしても大丈夫です。
3.合理性重視タイプ
どんな傾向の人?
「合理性重視タイプ」は商品を購入するときに、予算や機能など合理的に商品を選ぶ傾向があります。
商品の値段や機能、サービスなどを分析して、比較検討することでようやく商品購入に踏み切ります。主にBtoBの製品やサービスではこの傾向が強いです。
購入の障壁となることは?
このタイプが購入を決定するまでには、2つのステップがあります。
- ステップ① 予算や最低限譲れない機能など、重要な基準に合わない選択肢を排除する
- ステップ② コストと商品からうけるベネフィット(恩恵)を計算し、費用対効果を比較検討する
このステップを考えると、このタイプは意思決定に必要な詳細な情報をオンライン上で得ることができない場合、選択肢から商品を外してしまう傾向があります。
サイト改善ポイント
このタイプには以下の2つの施策が効果的です。
- 商品やサービス情報をできる限り豊富に提供する
- 他社製品とどの点が優れているのか、などを表にして提示する
このように、比較検討をしやすい情報を与えてあげましょう。
4.最大値重視タイプ
どんな傾向の人?
「最大値重視タイプ」は商品を購入するときに、すべての選択肢から絶対的にベストな商品を選択しようとします。
購入前に、すべての選択肢となる商品を探し、全ての商品のレビューも細かにチェックします。料金よりも、その商品の詳細で、多角的な情報が重要と考えるタイプです。
「合理性重視タイプ」と似ていますが、その違いは「合理性重視タイプ」が費用対効果を判断するための情報を取捨選択し、商品購入にあまり不安感情が湧かないのに対し、「最大値重視タイプ」は判断基準が曖昧のままあらゆる情報を求め、まちがった商品を購入することに不安を抱く傾向があります。
購入の障壁となることは?
このタイプは、前述のようにまちがった商品を購入することを心配します。そのため、購入に踏み切るまでに決定できないフラストレーションを感じてしまう傾向があるのです。そのフラストレーションから商品を購入せずにいることもあります。
ちなみに、このタイプの求めている「最大値」とは機能面での一番ではなく、特徴や予算など総合的に考えての一番です。
サイト改善ポイント
「最大値重視タイプ」には、機能・特徴・値段などで商品を並べ替えられるようにするのがいいでしょう。
例えば「値段が安い順」「機能レベル順」「人気順」などです。そうやって、それぞれの商品のレベルがわかるように情報を提示してあげるのです。
5.買い物好きタイプ
どんな傾向の人?
「買い物好きタイプ」は、「最大値重視タイプ」とは違って購入することに対して不安な感情は抱きません。むしろ、商品を買うこと自体に「楽しい」「ワクワクする」などのポジティブな感情を持っています。
そのため、あまり商品の選択肢を吟味することなく、必要最低限の基準をクリアしているものを購入する傾向にあります。
購入の障壁となることは?
「買い物好きタイプ」が求めるものは、「簡単で」「すぐに」「丁度いい」商品を購入する体験自体にあります。
サイトのトップから素早く下までスクロールし商品を眺め、自分の希望にマッチする商品があれば購入ボタンを押します。そのため、商品情報を、細かく複雑に書いてあるものはあまり好まない傾向にあるでしょう。
サイト改善ポイント
最も彼らのニーズにふさわしい選択肢を見つけられるように、カテゴリーをつけることが効果的です。例えば、女性向けファッションサイトだったら、「商品ブランド名」「目的別(デート用、普段着用、家着用など)」「テーマ(春っぽい、カワイイ系など)」などです。これによって、ほしい商品を簡単に見つけられるようにするのです。
6.ためらいタイプ
どんな傾向の人?
「ためらいタイプ」は、自分のニーズに合わないまちがった商品を購入してしまうことを嫌い、失敗のリスクや後悔を避けようとする傾向がある人です。
彼らは、購入フォームに辿り着くまえに、再考に再考を重ねてようやく商品購入に踏み切るのです。
購入の障壁となることは?
「ためらいタイプ」はオンラインでショッピングをするときよくある行動としてショッピング中に異なるタブを開いて閲覧したり、購入フォームにつながるコールトゥアクションボタンに長い時間マウスを置くようなことがあります。
このタイプの人はサイトからクリックを押すように勧めてくるのを待っているのです。そして、そのような購入をためらった状態で、プラスしてポジティブな購入動機が見つからなかった場合、購入には踏み切りません。
また、購入のステップが多かったり、記入するフォームが長く面倒な場合でも、このタイプは購入を止める傾向があります。
サイト改善ポイント
このタイプの人には、購入をすすめるときニュートラルな言葉ではなく、なるべくポジティブな言葉を使ってみましょう。例えば、以下のような文言を見せるようにしてみましょう。
例)コールトゥアクションを押したら
「◯◯を選んだあなたは素晴らしい決断をしました!」
「これであなたは◯◯の一員になる最初の一歩を踏み出しました!」
このように購入の背中を押すような文言を一言加えてあげるだけで、このタイプは購入プロセスを進んでいってくれます。
また、
- 商品購入までに通るページ自体を減らす
- ポップアップなどを使って、前のページに戻りづらくする
などの施策も効果的です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
Eコマースサイトで、ビジネスを成功させるには消費者・顧客の特徴をつかみ、その心理を分析することが不可欠です。今回は6種類のタイプのカスタマー像を紹介しましたが、それを自社サイトのカスタマー像にきちんとアレンジして使うことが大切です。
小さな購買シグナルを察知し、より精度の高い消費者心理を掴んで、高いコンバージョンを目指していきましょう。