ユーザーの直帰率を減らすには?3つの直帰タイプとそれぞれの改善方法
上位サイトの直帰率は小規模サイトの約1/3倍
サイトのタイプにも寄りますが、多くの場合では直帰率が高くなるほどランディングページがユーザーにとって最適ではなかったとされます。
Clicktale社が行った調査では、上位10,000件のECサイトとそれ以下のECサイトを比較分析したところ、小規模なサイトは上位サイトよりも直帰率が平均して3倍も高いという結果が出ています。
直帰率はSEOの主な要素のひとつであり、Googleなどの検索エンジンがサイトパフォーマンスやユーザー満足度を測るのに用いられます。高い直帰率はページにおけるUXの低さを表すので、SEOの低下に影響してしまうのです。
直帰率の確認方法:
直帰率は、サイトへの訪問数全体のうち、1ページのみ閲覧して他のページへ移動することなくサイトを離脱した訪問数の占める割合を示しています。
ECサイトにおける直帰率の平均:
33.9%
サイトタイプごとの直帰率の平均:
直帰率の平均は、サイトのタイプごとに大きく変わってきます。
ブログでは70-90%の間が多く、コンテンツサイトではだいたい40-60%です。一方でサービスサイトではわずか10-30%となっています。
直帰率から分かること
直帰率はトラフィックの質を測る助けにもなります。
直帰率が高いのに加えてひとつのトラフィックソースからの流入が多い場合には、リファラ―の質が低いことを示します。
しかしトラフィックの質を見極めるためには、なぜ自サイトのエントリーページやランディングページが期待するほどの効果をあげていないのかを理解する必要があります。
その他の方法としてはA/Bテストによって、なにが上手くいっていてなにが上手くいっていないのかを知ることもできますが、推測を基にテストをしている間に潜在的な顧客や収益を失ったり、リソースを無駄にしてしまうかもしれません。
理想的にいけば、直帰率に関する情報や定性的な分析を行うことによって、下記の重要な質問の答えを得ることができます。
- なぜ自社サイトのエンゲージメントが低いのか
- サイト内において、他のページへ遷移を促すにはどうしたら良いのか
- サイト訪問者をコンバージョンに繋げるにはどうしたら良いのか
これらの疑問への答えを出すためには、まず自サイトで起こっている直帰のタイプを知り、サイト離脱の傾向を知る必要があります。
これはWebサイトの最適化のための重要なステップです。
直帰には3種類のタイプがある
多くのサイト分析ツールが直帰率を1ページへのセッションの割合と定義していますが、一方でClicktaleでは訪問者レベルで直帰率を分析し、直帰のタイプを識別しています。
この分析は、訪問者のページ閲覧時間に基づいて行われています。
Hard Bounce、Medium Bounce、Soft Bounceという直帰率の評価基準によって、実際のところ訪問者はどのようにページを閲覧していたかを分析します。これによって、直帰率はただのデータでなく活用の幅のあるものになるのです。
Hard Bounce:「あ、サイトを間違えたな」
Hard Bounceの訪問者は、ページに関心が全く無いユーザーです。
こういったユーザーはランディングページを訪れたあと、すぐにページを離脱します。
Hard Bounceのエンゲージメントは低く、ページ内でのスクロールやクリックの少なさはサイトの内容を知るために時間を費やしていないことを示します。
つまり、そもそもそのユーザーはあなたのページに興味がないのです。
Medium Bounce:「うーん、なんとも言えないな」
Medium Bounceの訪問者は、わずかにページへの関心を示しており数秒間(サイト分析ツールによる平均ページ滞在時間よりは大幅に短い時間ですが)サイトに滞在します。
おそらく理想とするターゲット層ではありませんが、さらなる情報を求めてサイトを再訪問する可能性は大いにあります。
Soft Bounce:「探していたサイトだけど、求めてる内容が見つからない」
Soft Bounceの訪問者は、ランディングページに10秒間以上いたユーザーです。
ページに対して十分な関心を示しており、スクロールやクリックも多くなっています。
しかし、かなりの時間サイトに滞在しているものの結局は離脱してしまっています。おそらく求めていた内容のものが見つからなかったか、コミットメントをするのをためらったのでしょう。
直帰のタイプの分析後は、離脱した理由を見極めていきましょう。
ユーザーがサイトを離脱する本質的な3つの理由
1.間違ったトラフィックを引きつけていませんか?
数秒間しかサイトを滞在しないユーザーが多い場合、自社サイトのマーケティングキャンペーン内に紛らわしい広告コピーやPPC広告があり、サイトへ間違った訪問者をもたらしている可能性があります。
彼らがサイトを訪れるなりすぐに間違ったサイトに来たと気づき離脱したのです。
Hard Bounceが多いのなら、この理由に寄る場合が多いでしょう。
2.Webサイトのレイアウトやコンテンツは訪問ユーザーに最適ですか?
この理由にはいくつかの原因が考えられます。
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サイトナビゲーションやメニューがわかりずらい
自分のアクセスしたい情報へ簡単にたどり着けないようなナビゲーションやメニュー・オプションの場合、せっかく情報を求めてきた訪問者も数秒間だけ悩んでサイトを離れてしまうことがあります。
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ランディングページのメッセージが紛らわしい
マーケティングキャンペーンやPPC広告の謳い文句とランディングページのメッセージが一致していない場合、ユーザーを混乱させている可能性があります。
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ページの読み込みが遅い
ページの読み込みが遅いと、関心のあった訪問者もいらだって離脱してしまいます。
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ページが一般公開されていない、レイアウトが悪い、効果的な画像や情報がないなど
分かりにくいデザインや魅力なコンテンツがない場合、訪問者はすぐに関心を失い離脱してしまうでしょう。
3.CTAは上手く機能していますか?
ページ内のCTA(行動喚起)が十分に目立っておらず、他のページ要素とごっちゃになってしまっていることもあり得ます。これは色や書体を微調整すればすぐに解決できます。
あるいは、CTAがスクロールしなければ見えない位置にあり、多くの訪問者がその存在に気づいていないのかもしれません。
バナーに分別が無いという問題もあります。広告やCTAが多すぎると、本当にクリックして欲しいバナーに訪問者が気づかなくなってしまいます。
そして最後に、ユーザーに向けたCTAのメッセージが単純に魅力的ではないという可能性も考えれます。
Clicktaleを使って、直帰率を分析し改善しましょう
いま、あなたには2つの課題があります。
- サイトでのHard Bounceの発生を減らす。
- 効率的にMedium BounceとSoft Bounceをコンバージョンへ持っていく。
Medium BounceとSoft Bounceの場合では、訪問者はサイトが提供しているコンテンツに関心があります。そのため、その訪問者を離脱させずにサイトに滞在したままにすることが重要になってきます。
これらの直帰タイプの存在はランディングページに何かしら欠点があることを示唆します。しかし逆に言えばページを最適化することで、これらの離脱している訪問客を顧客へと変えることができる可能性があることでもあります。
直帰率を改善する方法
Clicktale(現:Contentsquare)のExperience Analytics solutionは、高い直帰率を分析、改善するのに役立ちます。
まずはPage Console機能から使い始めると良いでしょう。この機能では、すべてのページにおける直帰率の平均やエンゲージメントタイム、スクロールの到達度やエラーの発生などを含めたカスタマーエクスペリエンスの効果を把握することができます。
次に、Data-Rich Heatmapsを用いてユーザー行動に注意を払いましょう。
- ページ内の赤い箇所はエンゲージメントが高いことを示しています。しかし、だからと言って必ずしもユーザビリティが高いとは限りません。本当に知りたい情報を見たいと思っている箇所ではなく、余計なリンクや画像に訪問者の目が行ってしまっている場合もあり得るのです。
- Heatmap Analysisと共に Link Analyticsのデータも用いることで「マウスオーバーとクリック」の動きについて分かります。
「あまりクリックはされていないが、周りをマウスがウロウロしていた」というリンクがページ内にあるかもしれません。そのリンクのみへの訪問者のエンゲージメントレベルを調べると、他の箇所とは大きく異なるのです。
また、クリックして欲しいのに訪問者がリンクだと気づいていないリンクもあるかもしれません。 - 最後に、ユーザーごとのセッション再生機能を活用しましょう。
サイト上におけるユーザーの実際の動きを見て、本当にユーザーが見ているページを把握することで、ユーザーの動きに合わせてサイトを改善できます。
これによって本当のトレンドやパターンが分かり、サイトの最適化のために重要なものがなにかを知ることができるのです。