モバイルサイトでの購入に戸惑いあり?食料品ECサイト調査
小売業界でショッピングアプリ、Amazonプライム会員などオンライン化が進む中、emarketerによると、アメリカの食品EC市場は2023年に約2倍の380億ドルに達すると予想され、食料品業界においてもECサイトの活用はマルチチャネル戦略を図る上で見過ごせなくなってきています。
顧客体験分析プラットフォームContentsquareのレポートでは、デバイスから食料品を購入するアメリカの消費者のうち99%は実店舗にも足を運び、約半数が定期的にオンラインとオフラインへを切り替えて食料品を購入していると言われています。
さらに、2019年までにはモバイルユーザーの1/5以上はアプリを通じて食料品を購入し、コンバージョン率は増加するとの見解もあります。
今回は、食料品ECサイトに焦点を当て、9200万セッション、6億5500万ページビューのグローバルデータの調査結果をご紹介いたします
目次
1.モバイルから食料品購入に踏み切れないユーザー
今日の日常生活において、食料品を含む日用品のオンライン購入は当たり前になっています。
業界問わずモバイルトラフィックが上昇しているウェブサイトが多い中、食料品サイトでもモバイルのトラフィックがデバイスとほぼ同等程度まで伸びてきてます。
しかし、コンバージョンしたユーザーのデスクトップとモバイルのトラフィックを比べると、
デスクトップ:73%、
モバイル:19%
という結果から、未だにモバイル購入に戸惑うユーザーが多いことがわかります。
2.デスクトップ・タブレットに後れを取るモバイル
今回分析した7つの小売部門(※1)のうち、食料品部門はデスクトップとタブレットでそれぞれ最高のコンバージョン率である8.86%と6.84%を誇っています。
デスクトップ単独では、上位2番目のコンバージョン率を得ているゲーム&メディア部門の平均コンバージョン率よりも98.21%高いです。
しかし、モバイルの場合は結果が一転し、コンバージョン率は平均1.46%と他部門に後れをとっています。
(※2)高級アパレルとアクセサリー部門、アパレルとアクセサリー部門、化粧品部門、ゲームとメディア部門、フットウェア部門、ヘルスケア部門、食料品部門
デバイスごとの平均滞在時間を見ると、食料品の買い物客は7部門中もっとも長く、
・デスクトップ:7.1分
・タブレット:6.7分
という結果でした。
これらから、デスクトップとタブレットの平均滞在時間が長いこと、また平均コンバージョン率が高いことから、明確に購入予定のある意欲的な消費者であることが読み取れます。
しかし、モバイルにおいては滞在時間が短く、コンバージョン率も低いため、他のデバイスで閲覧しているユーザーほどサイト内体験に価値を感じていないと言えます。
実際、モバイルユーザーは食料品などの必需品よりもゲームやメディアなどに多くの閲覧時間を費やしていることも明らかになっています。
また、化粧品と食料品の買い物客は商品の閲覧に同程度の時間を費やしますが、化粧品の買い物客の方がコンバージョンに至る可能性が高くなっています。
3.まとめ
今回のデータから、モバイルで食料品購入するユーザーの意欲と企業が提供するサイト内体験にギャップがあり、課題となっていることがわかります。
ECサイトで成果を上げるためには、ユーザーのニーズや期待を理解し、ユーザーの日常生活に浸透するデジタル体験の開発を行っていくことが近道となります。
このレポートの続きは、以下よりご覧頂けます。是非ご覧ください。
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※本記事は、「US_2018_Reports_Grocery_Mini_Report」を翻訳・加筆修正した内容です。
阿多 佑梨花
2018年秋にギャプライズに入社。前職で2年半、総合通販業界にてアパレルの店舗運営に従事。ギャプライズ入社後、インサイドセールスの経験を経て、現在は自社マーケティングを担当。