2018年に広告業界で起きた29個の変化と2019年の展望

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2019年も既に1ヶ月が過ぎました。
昨年、広告業界では4つのツールで計29個もの変化が起きました。
この記事では、2018年で起きた変化を再確認し、そこから2019年に活かすための展望をしていきます。

1.2018年の広告手法の仕様変化

1-1.ヤフーのリスティング広告「スポンサードサーチ」の仕様変更

デバイスをまたいだコンバージョン測定に対応(1月)

ウェブサイトコンバージョンと電話発信コンバージョンの測定にデバイスをまたいだコンバージョンを設定できるようになりました。
これにより、今まではスマホで広告を見た後にPCで購入といった行動のコンバージョンは計測不可能でしたが、測れるようになりました。

広告グループの入札方法設定の無効化(1月)

広告グループに設定されていた入札方法がすべて無効となり、キャンペーンに設定した入札方法が有効となるように変更されました。

サイトリターゲティング機能、配信対象ユーザーの初期設定の変更(3月)

ターゲットリストをキャンペーン、または広告グループに関連付け設定した際、配信対象ユーザーの初期設定が「ターゲットリストのユーザー」から「全ユーザー」に変更されました。
また、540日以上ターゲティングに利用されていないターゲットリストの訪問履歴の蓄積は自動的に停止されるようになりました。

カテゴリ補足オプションの追加(4月)

広告表示のオプションとして、カテゴリ補足オプションが追加されました。
カテゴリ補足オプションとは、広告に補足カテゴリー(小見出し)と補足内容(語句)を追加できる機能のことです。

動的検索連動型広告の提供開始(5月)

スポンサードサーチにて「動的検索連動型広告」の提供開始がされました。
動的検索連動型広告とは、広告主が設定したサイトのコンテンツと関連性の高いキーワードに対してタイトルを自動生成して配信される広告のことです。

キャンペーン名などで入力可能な文字数の上限変更(7月)

キャンペーン名、広告グループ名、広告名の文字数上限が変更されました。

項目 変更前 変更後
キャンペーン名 :50字→ 128字(半角128字,全角48字)
広告グループ名 :50字→ 225字(半角128字,全角85字)
広告名 :50字→ 225字(半角128字,全角85字)

広告プレビューツールおよびサイトリターゲティングの機能改善(8月)

広告プレビューツールにおいて、選択可能なデバイスが「スマートフォン」だけでなく「iOSアプリ」「Androidアプリ」に対応されました。
また、サイトリターゲティングで使用するターゲットリストの「訪問履歴の有効期間」が1日-180日間から1日-540日間に変更されました。

「拡張クリック単価」の提供開始(9月)

キャンペーンの入札方法「手動入札:個別クリック単価」のオプションとして「手動入札:個別クリック単価」が追加されました。
「手動入札:個別クリック単価」はキーワードの入札価格が自動的に調整されるものです。

動的検索連動型広告におけるページURLの登録上限数拡大(12月)

動的検索連動型広告のページURLの登録上限数が1アカウントにつき150万件までだったのが1アカウントにつき300万件まで登録が可能になりました。

自動入札の機能追加と自動入札タイプの一部提供終了および一部項目削除(12月)

自動入札の機能追加として「標準入札設定」ができました。
標準入札設定はキャンペーン単位で入札方法を設定できるものです。
また、「手動入札:個別クリック単価」と同等の機能であった「コンバージョン数の最大化」が提供終了となりました。

1-2.ヤフーのディスプレイ広告「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」の仕様変更

インタレストカテゴリターゲティングのカテゴリ削除とカテゴリ名変更(2月)

Yahoo!ディスプレイアドネットワークのインタレストカテゴリーターゲティングにおいて、以下9カテゴリが削除されました。
「医薬/生活習慣病/ガン」
「医薬/生活習慣病/脳卒中」
「医薬/生活習慣病/糖尿病」
「医薬/生活習慣病/心臓病」
「医薬/感染、寄生/寄生虫感染」
「医薬/感染、寄生/性感染」
「医薬/感覚器/神経症」
「医薬/睡眠/睡眠障害」
「小売/本/ノンフィクション/宗教書(聖書など)」
これらをカテゴリー指定して広告掲載をしていた場合は当該カテゴリーに対しての広告が配信されなくなりました。
また、以下6カテゴリが名称変更されました。

変更前 変更後
「ファイナンス/ローン/自動車保険」 →「ファイナンス/ローン/自動車ローン」
「医薬/精神病」 →「医薬/メンタルヘルス」
「小売/本/アダルト」 →「小売/本/青年」
「その他/セックス&ロマンス」 →「その他/恋愛」
「その他/セックス&ロマンス/出会い」 →「その他/恋愛/出会い系」
「その他/セックス&ロマンス/恋愛系」 →「その他/恋愛/恋愛系」

広告掲載方式「ターゲティング」の広告が配信方法変更(2月)

変更前は「設定したターゲティング情報に基づいて広告を配信」していたのが「設定したターゲティング情報、インターネットユーザーの閲覧ページ、インターネットユーザーの閲覧履歴、インターネットユーザーが過去に検索した検索キーワード」の4つの要素と広告の関連性を加味して広告を配信するようになりました。

広告掲載方式「インタレストマッチ」が「ターゲティング」に統合(5月)

広告掲載方式「インタレストマッチ」が「ターゲティング」に統合されました。

広告タイプ「広告枠サイズ固定(300×250)」の提供終了(4月)

広告タイプ「広告枠サイズ固定(300×250)」の提供が終了しました。
すでに入稿済みのものは保存されていますが、配信、編集、新規入稿はできなくなりました。
また、広告掲載方式「ターゲティング」、掲載フォーマット「テンプレート」の広告タイプは「レスポンシブ」のみとなりました。

インタレストカテゴリーターゲティングにおいてカテゴリ名変更(5月)

Yahoo!ディスプレイアドネットワークのインタレストカテゴリーターゲティングにおいて、以下5カテゴリが名称変更されました。

変更前 変更後
「医薬/消化機器」 →「医薬/消化器」
「医薬/消化機器/胃もたれ、胸やけ」 →「医薬/消化器/胃もたれ、胸やけ」
「医薬/消化機器/痔」」 →「医薬/消化器/痔」
「医薬/消化機器/下痢、便秘」 →「医薬/消化器/下痢、便秘」
「医薬/消化機器/肝臓」 →「医薬/消化器/肝臓」

5月以前に上記カテゴリーをインタレストカテゴリターゲティングで設定した場合は設定内容の変更はありません。

サイトリターゲティング機能におけるターゲットリストの機能追加(8月)

ターゲットリストのサイズの調整が可能になりました。サイズは10段階で1が最も類似度の高いユーザーで10が類似度が低いユーザーも含め、様々なユーザーに配信されます。
また、アカウント単位のターゲットリストの作成上限数が10から100に引き上げられ、基礎となるターゲットリストから作成できるターゲットリスト(類似)の数を、現在の1から10に引き上げられました。
8月以前の利用していたターゲットリストのサイズは10に変更されました。

年齢ターゲティングの範囲が変更(9月)

年齢ターゲティングの範囲が「12-14歳」を設定している場合は「13-14歳」を対象とした配信に変更されました。
これにより、パフォーマンスレポートの出力が「6-11歳」「12-14歳」だったのが「6-12歳」「13-14歳」に変更されました。

コンバージョン関連指標の仕様変更(12月)

コンバージョンのカウント対象となるユーザー行動が従来の広告クリック経由でサイトを訪問したユーザーに加えて、動画広告を10秒以上視聴したのち、広告クリック以外の経路でサイトを訪問したユーザーが追加されました。

1-3.Google 広告の仕様変更

レスポンシブ検索広告の導入(7月)

レスポンシブ検索広告とは、最大で広告見出しを15種類と広告文(説明行)を4種類入力するとGoogleが自動でテストをして、最も効果的なパターンで表示するようになりました。

YouTube広告の新機能追加(7月)

ブランドリフトの最大化という入札戦略を導入すれば、動画広告の視聴後にそのブランドを購入先候補として検討する見込みの高いユーザーに、広告を表示するようになりました。

実店舗により多くのユーザーを誘導しやすくなるローカルキャンペーン(7月)

ローカルキャンペーンでは、実店舗の所在地や広告など複数の項目設定のみでGoogleが広告のプロパティを自動最適化します。

広告グループにおける費用の変化をすばやく察知する機能追加(7月)

広告グループ間で費用の急激な変化が発生した場合、従来は手動での変更作業が必要でしたが、自動的にアラート通知がされるようになりました。

ランディングページのカスタムパラメータ数が増加(7月)

ランディングページのパラメータを指定しやすくするために追加できるカスタムパラメータ数が3個から8個に増えました。

TrueViewアクション広告のデフォルト アトリビューションを改善(10月)

動画広告を見たユーザーが動画視聴から数日後に発生するコンバージョンに対応するためのデフォルトアトリビューション期間が30日間の計測期間中30秒から3日間のデフォルト計測期間中10秒に変更されました。

Click-to-Message広告2つの新機能(10月)

メール転送機能はテキストメッセージをお客様のメールに送信する機能です。
自動返信機能はユーザからメッセージを受信するとあらかじめ設定したメッセージをすぐに返信する機能です。

広告連続配信テストをYouTubeで開始(11月)

2つの動画広告を連続で再生する広告連続配信のテストが始まりました。

1-4.Facebook business仕様変更

Instagram広告に対するアップデート(6月)

広告マネージャで広告を作成する際、自動配置の選択肢にInstagram Storiesが追加されました。

A/Bテストのアップデート(8月)

A/Bテストに3つの新機能が追加されました。
配信済みの広告セットからA/Bテストを作成、同時に複数の変数でテスト可能になり、ブランドの認知度を高めるよう最適化した広告で簡単にA/Bテストを実施可能になりました。

モバイルファーストの動画クリエイティブ(9月)

動画作成キットのテンプレートを用いてモバイルに最適化された広告動画に変換し、フィードまたはストーリーズの広告を作成できるようになりました。

2.2019年に起きそうなこと

広告全体が敬遠される?

2018年2月にアメリカではネットブラウザのchromeが画面占有率の高い悪質な広告などを排他すべく、広告ブロックを提供開始しました。(日本非対応)
さらにはAppStore、Playストアともに有料アプリランキングトップ20位以内に広告ブロック系のアプリがランクインしています。(2019年1月29日現在)

このようにユーザーは広告全体を敬遠してる傾向が強まっています。これらのことから不用意に悪質な広告を出し続けることは企業や組織のイメージを悪くする可能性もあります。

そのため2019年は「○○さんがレビューしているから見たい!」と感じられるようなインフルエンサーを用いた広告が増えると同時に、広告だと気づかれにくいネイティブ広告の多用化が進むと考えます。

Google、Facebookに続き、モバイルファースト、動画を中心とした広告が多くなる?

Google傘下のYouTube、Facebook傘下のInstagram、TikTokなどの動画メディアを活用した広告が増えていて、この流れはそう簡単には止められないと思います。

文字ベースのSNSであるはずのTwitterにおいてもプロモーション広告では動画が使われていることが少なくありません。
さらにはモバイルファーストを優先したアスペクト比1:1の動画や没入感を高めるための縦型動画が増えています。

3.変化に対応するには

この記事では各広告運用ツールの仕様変更や2019年に起きそうなことを見てきましたが、上記すべての広告運用ツールを回しながら時代の変化についていくのは人か時間を大量に消費することになってしまいます。

今年は運用のルールやツールの見直して無駄な作業を減らし、時代に合った広告運用の形を探していくべきではないでしょうか。

広告運用でお悩みの方はこちらから

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本間 耀基

2019年1月ギャプライズ入社。インターン生。

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