【初めてのSNS動画広告】自社で作るなら何使う?おすすめの動画編集ツール実際に使ってみた
動画広告の需要が年々増えてきていますね。YouTubeだけでなくInstagramやTikTok、モバイルで動画に触れることがすっかり日常的になりました。
とはいえ動画広告に興味はあってもまだ踏み込めてない方も多いのではないでしょうか。「制作費が割けない」「依頼先を探すのも大変」「外注だと単発での依頼がしにくい」といったことで悩むこともありますよね。
一見「時間もお金もかかりそう」な動画広告ですが、外注しなくても簡単に動画が作れるツールが増えてきています。
今回は「自分たちで動画クリエイティブをつくりたい」方向けに、初心者でも使いやすい動画編集ツールを実際に使ってみた感想も踏まえていくつかご紹介します。
目次
■こんな方におすすめ
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- 動画制作初心者の方
- 商用利用できる動画広告を社内で作成したい方
- 主にSNSの動画広告を作成したい方
- ブランディング向けなどハイクオリティさを求められる動画が必要ではない方
■自社で動画制作ができるメリット
- 外注する場合に比べて制作費用が削減できる
- 修正や作成までの工数が削減でき、検証で素早くPDCAを回せる
- 動画制作・編集の知見が社内に溜まる
費用・ディレクションにかかる工数の削減に加え、最大のメリットが「アウトプットまでのスピード感と小回りの利きやすさ」かと思います。
WEBの広告検証において、適切なタイミングで広告が配信できることは大事なポイントです。外注だと意図が伝わりにくく納品までに時間がかかってしまった、その割に成果につながらなかったといったというケースもよくあることだと思います。
広告検証が進むにつれて、部分的な修正やスピード感が求められる対応が必要になったときに自社制作のメリットは大きいです。
■動画編集ツール選ぶ時の注意点
- 使用目的にあった機能があるか
- BGM・音声の著作権、商用利用ができるか
配信したい媒体や目的に適したフォーマットや編集機能があるかは確認しましょう。特にYouTubeやTikTokでよく見かける「テキスト読み上げ機能」がないツールもあります。
BGMや音声の著作権にも要注意。特に音声は「音声読み上げソフト」を使う場合も有料でないと広告に利用できないものもあるため、よく調べてからの利用をおすすめします。最近ではAIによる音声生成機能のついた編集ツールもあるようです。
■【無料】シンプル操作が魅力!広告媒体の動画作成ツール
各広告媒体が提供している無料で使えるツールをご紹介します。
簡単な動きであれば媒体上で編集し、そのまま配信ができるので、「動画広告の結果が保証されるかわからないからテスト的に配信を試してみたい」といった場合に特におすすめです。
通常の静止画バナーで使用していた素材を利用し動画にできるものもあります。
Meta広告マネージャの動画作成ツール
①特徴
- Meta広告マネージャの広告作成画面で直接編集でき、そのまま配信ができる。
- 既存の画像を利用し、用意されたテンプレートで動画が作成できる。
- テンプレートの種類は「フレキシブルテンプレート」、「四角形テンプレート」、「縦長テンプレート」から選べ、モバイルファースト動画が簡単につくれる。
- Meta広告として配信が可能。
②料金
無料(Meta広告マネージャが必要)
③使ってみて
Metaのビジネスマネージャ内で操作が完結できることが魅力的です。普段Metaの広告を入稿している人なら操作で戸惑うことはないと思います。
テンプレートに静止画素材やテキストを当てはめるだけなので、工数がかからないことはメリットといえます。既存のアカウントで成果の良かった静止画バナーなどに動きをつけてみて検証するといった活用もスムーズです。
ただし、動画作成ボタンを押した後は編集ができなくなるので注意しましょう。あとから修正したいときは一回メディアを削除する必要があります。
〇公式ヘルプページ
https://www.facebook.com/business/help/216283662383974?id=603833089963720
〇サンプル動画はこちら
TikTokの動画エディター
①特徴
- 「動画エディター」で編集からTikTok内で広告配信ができる。アカウントをまたいだ共有も可能。
- ロイヤリティフリーの楽曲が豊富。
- アカウントを作成すればTikTokクリエイティブセンター内に作成された動画が自動保存される。後から編集も可能。
- 「動画テンプレート」を利用して縦長動画が簡単に作成できる。動画素材がなくても静止画素材を組み合わせることも可能。
- 「インタラクティブアドオン」といったインタラクティブなエフェクトを使った動画も作成できる。(主にブランド認知やエンゲージメント向上向け)
- テキスト読み上げ機能がある。(英語のみ対応)
- TikTok広告として配信が可能。
②料金
無料(TikTok for Businessアカウントの登録が必要)
③使ってみて
新規とテンプレート両方で作成ができ、エフェクトを入れシーンを繋げた長尺動画など自由度高めの動画が作成可能です。エディターの操作画面に慣れれば、アカウント内に作成済みの動画がストックされるので、後から編集や修正ができて便利です。ステッカーを入れたダイレクトレスポンス広告も簡単につくれます。
1番の特徴でもありメリットは著作権を気にせずに商用利用で使える音楽が数多くあること!効果音も豊富なのでエンタメ色ある動画も作りやすそうです。
TikTok内でよく使用された曲などがランキング形式ですぐにチェックできるようになっているので、今使われている音楽を組み合わせてトレンド感のある動画広告も作成できます。
「テキスト読み上げ機能」もついているのですが、現在は英語のみの対応になっています。もし今後アップデートされ、日本語対応になったら使い勝手がよくなりそうですね。
また「クイック翻訳」を使うとテキストを自動的に多言語翻訳してくれる面白い機能もあります。音声に関してはまだまだ難ありですが、BGMのみ入れた動画や海外向け商材などでうまく使っていけるかもしれないですね。
〇公式サイト
https://ads.tiktok.com/business/creativecenter/tools/pc/ja
〇商用音楽ライブラリ
https://ads.tiktok.com/business/creativecenter/music/playList/pc/ja
〇サンプル動画はこちら
LINE Creative Lab
①特徴
- 「かんたん作成」、「テンプレートから作成」、「白紙から作成」があり指示に当てはめるだけで動画作成がすぐにできる。
- 操作画面がシンプルで動きも軽く、わかりやすい。
- 無料で利用できるストック素材もある。
- 作成した動画は自動的に保存され、後から編集も可能。
- 静止画には自動作成のツールもあり、画像とテキストを入れるだけで複数のデザインと比率へ展開できる。静止画バナーを作ったのち、アニメーションをつける作業もツール内で完結できる。
- LINE広告として配信が可能。
②料金
無料(LINEビジネスIDとLINE広告またはLINE公式アカウントの開設が必要)
③使ってみて
編集の操作画面がシンプルでわかりやすいので、動画編集ツールを触ったことがない人でも無理なく使えそうです。そしてかなり動作が軽いので時間をかけずに動画作成したいときに向いてそうです。種類は限られますがテンプレートやスタンプ、フリー素材もあるので十分な素材がなくてもエディター内で完結できそうです。
LINEは広告審査が厳しく、配信状況も変動しやすい傾向があるので、クリエイティブを差し替える機会も多い媒体だと思います。アカウント内で修正ができるのはかなり楽ですよね。
〇公式サイト
https://creativelab.line.biz/
〇サンプル動画はこちら
■【無料/有料】本格的で汎用性が高い動画編集ツール
「同じ動画を複数の媒体で利用したい」、「シーンを繋げたりエフェクトやテキストを入れた本格的な動画がつくりたい」場合には、有料の動画編集ツールがおすすめです。
操作に慣れるまで時間はかかるかもしれませんが、さまざまな形式やサイズでの書き出しに対応しているものも多く、多媒体での展開が楽です。「広告の検証後に動画の一部を変更したい」ときなどもフレキシブルに修正ができます。
ここで紹介しているのはほんの一部です。
基本の操作は共通する部分がありますが、ツールごとに使える機能が違うため、目的に沿った編集機能があるかは事前に確認した方がいいでしょう。
Canva
①特徴
- 商用利用可能なフリー画像、テンプレート、オンライン広告で使えるオーディオ素材が豊富(有料版だと1億以上)
- 広告や動画編集以外にもSNS投稿、YouTube動画、プレゼンテーション、ロゴ、チラシなどの印刷製品など用途に応じたサイズ展開、テンプレートがそろっている。デザイン作成を幅広くカバーできる。
- 自動でクラウドストレージに保存され、後から編集が可能(有料版だと1TB)
②料金
無料
一部機能に制限はありますがアカウント登録のみで無料で利用できます。
有料
・Canvaプロ(個人向けプラン)12,000円/年間
・Canvaチーム(最小3人~)9,000円/年間1人当たり
・Canvaエンタープライズ(100人~)価格要相談
有料テンプレートやオーディオ、自動サイズ変更などの使える機能が拡大します。チームプランになるとチーム内での共同編集やデザイン共有もできます。
③使ってみて
ギャプライズでもかなりお世話になっているのがCanvaです。無料でも使える素材などが豊富なので利用されたことがある方も多いのではないでしょうか。
エディターは機能がたくさんあり、より本格的な動画の作成が可能です。エフェクトや文字などのアニメート機能、細かい時間の編集など動画編集で使う機能は大体そろっている印象です。
編集したものは商用利用OKで、広告以外にも用途別のテンプレートや素材の豊富さはもちろんのこと、オンライン広告で使えるBGMもたくさんあるのも助かります。サイズ変更も自動ででき、ダウンロード形式もMP4、GIF、SVGなどたくさんの種類があるので、複数の媒体で広告展開をしたいときはCanvaで編集しておけばほぼカバーできると思います。
オンラインとアプリ両方使えるのですがアプリの方が個人的には操作しやすくお勧めです。最近はAIでの画像生成など新機能も導入されています。
使い勝手の良さでおすすめしたいCanvaですが、現時点では「音声作成機能」、「テキスト読み上げ機能」がないのは注意が必要です。音声つき動画を作りたいときは、声を別で録音し組み合わせるといった作業工数がかかることを把握しておきましょう。人の声で読み上げる動画は近年TikTokを中心に流行しており、動画広告としても声の要素は大事になってきているため、この機能のアップデートは将来期待したいところです。
〇公式サイト
https://www.canva.com/
〇サンプル動画はこちら
RICHKA Editor
①特徴
- デジタル広告、SNS広告向けのクラウドサービス型のクリエイティブ制作ツール。
- 運用型クリエイティブに特化した2000以上の動画・静止画のフォーマットが使える。
- 商用利用可能なBGMもある。
- フォーマットに写真、テキストなどを入れていくだけで完成するシンプルでわかりやすい操作性。
- RICHKAの専任コンサルタントが導入後もサポートをしてくれる。
②料金
月額クラウドサービス。サポート体制により異なります。
③使ってみて
RICHKAが独自に研究を重ね提供している、運用型広告に特化したフォーマットがとても使いやすいです。フォーマットの検索も目的、業界、媒体、配置、比率などの複数の組み合わせで絞り込め、エディターの操作もわかりやすいです。
ギャプライズでも一時期導入していました。実際に使ったときは、テキスト数の目安が編集画面で表示されるので、可読性の高い動画広告が誰にでも作成できるのは画期的に感じました。
また元のフォーマットの動きがリッチなものが多いので、手元にある静止画素材をはめ込むだけで動画広告として様になる点、素材の縦横の比率が足りないときに、背景の余白部分を自動的にぼかして入れてくれる「背景ぼかし」機能がある点など、細かいエディター機能も秀逸でした。
個人的な見解にはなりますがフォーマットがしっかりしている一方で、想定していたシーン数、素材数、イメージに合ったフォーマットを探すのが難しいケースもあったので、先に使うフォーマットを決めてから内容を当てていく方が使いやすいかもしれません。
RICHKAは有料サービスではありますが、導入後のサポート体制が手厚いです。動画広告の構成への落とし込みや検証のノウハウを提供してくれます。動画は構成要素が多いので「どう検証を進めたらいいか」つまずきやすいポイントだと思いますが、サポートから頂いた知識が参考になりました。
〇公式サイト
https://richka.co/
■おわりに
いかがでしたでしょうか。静止画素材を応用したり、テンプレートを使って簡単に編集できるツールがたくさんありましたね。難しく考えずぜひ動画広告にチャレンジしてみてください。
現在ギャプライズでは動画広告の施策・運用にも力を入れています。ご興味ある方いらっしゃいましたらぜひ弊社にお問い合わせください。
小川 香菜子
いくつかの会社でWEBメディアの編集、ライター、事務を経て2017年にギャプライズに参加。クリエイティブに力を入れたSNS広告運用をやっています。