業界最高峰!最先端!イスラエル発、注目アドテク企業をご紹介
今やテクノロジーを用いて広告運用をすることは一般的になりました。
テクノロジーが日々開発され情報収集が追い付かない。競合他社が新しいツールを導入すると冷や汗が止まらない。そんな方はいらっしゃいませんか。
本記事ではそんな方向けに注目のスタートアップ国家イスラエルのアドテクについてまとめました。
業界最高峰アドテクノロジーを知り、今後の展望に活かしましょう。
1.広告運用者必見!イスラエル最先端アドテク企業
2019年、イスラエルの人口は約860万人。国家として人口はかなり少数ですが、なんとイスラエルでは年間800~1000以上のスタートアップ企業が誕生し”シリコンバレー以外で唯一のIT技術大国”として人々を唸らせています。広告業界においても世界的に導入されているテクノロジーが数多くあります。
この章では厳選したイスラエルのアドテク企業を紹介します。
Kenshoo
サイト:http://kenshoo.com/
設立:2006年
拠点:テルアビブ(イスラエル)
概要:
・アドテク業界最速で、単一画面で全媒体のリスティング広告キャンペーンの管理が可能な最適化プラットフォーム「Kenshoo」を開発
・リスティング広告だけでなくモバイル、ソーシャル、ディスプレイにも適応
・AIの独自のアルゴリズムを用い高精度な未来予測での最適化
・Kenshooが運用する広告は1秒間のクリック数が4000を超えると言われている
現在までの収益:約49万ドル(4憶9000万)
顧客:Expedia,Facebook,Tescoを含む、190以上の国の企業
パートナー:Facebook, Twitter, Google, Bing, Yahoo!, Yahoo! Japan, Baidu, Yahoo! Gemini, Instagram, Google Display Networkなど
iron source
サイト:http://www.ironsrc.com/
設立:2010年
拠点:テルアビブ(イスラエル)
概要:
・アプリのディベロッパーのためのテクノロジー、デバイスの開発、及びモバイル系キャリアの広告宣伝などの制作
・エンゲージメント分析、収益化ツールの提供、顧客のターゲティング最適化事業もしている
・モバイルマーケティングとその収益化においては、最大規模の独立型プロバイダーの一つ
・Supersonic社(モバイル広告企業)を含め買収を複数回実行
・2016年に1憶を超えるデバイスからのリーチと、一分間で4200個のアプリインストールを達成
・8万以上のアプリと、100を超える媒体とパートナー
現在までの収益:105万ドル(1憶500万)
taboola
サイト:https://www.taboola.com/
設立:2007年
拠点:ニューヨーク、テルアビブ
概要:
・*1ネイティブ広告のパイオニア的存在の一つで、課金コンテンツ分野でのリーダー企業
・ネイティブ広告に特化した最適化プラットフォーム「taboola」を開発
・オーディエンス細分機能が強みで、一流の媒体で質の良いリーチの獲得が可能
・今までで、月に約3600億以上のレコメンドと10憶以上ものユニークユーザーを獲得
現在までの収益:160万ドル(約1億7000万円)
パートナー:日産、Expedia、サムソンやYahoo! Japanを始め世界の大手パブリッシャー
*1ネイティブ広告とはユーザーが見ているウェブページやアプリのUIに広告を溶け込ませることによって、広告をコンテンツだと感じさせそこから流入させる手法のことをいいます。
youappi
サイト: http://www.youappi.com/
設立:2011年
拠点:サンフランシスコ、ラーナナ(イスラエル)
概要:
・アプリでの広告配信最適化プラットフォーム
・世界中の11憶以上のユーザーと51のリアルタイムデータパラメータ、および5000以上のユーザーのアプリ使用状況データ(デモクラ含む)からモバイルコンテンツ消費量を分析
・200以上の国で月1000憶ものインプレッションと450以上の有名ブランドで15000個ものアクティブキャンペーンを進行中
・3500以上のモバイルサイト/アプリ、累計すると約15万の企業とパートナー関係
パートナー企業:Twitter, NY Times, Cheetah Mobile, Craigslist, Pandora, Blood Brothers, Solitare Deluxeなど
クライアント:Sony, New York Times, Uber Eats,Facebook, Amazon, Expedia, Warner Brothers Gamesなど
Matomy Media Group
サイト:http://www.matomy.com/
設立:2007年
拠点:テルアビブ(イスラエル)
概要:
・テルアビブ拠点のデジタル広告配信プラットフォーム企業
・主にモバイル、ソーシャル、ビデオ、E-mail、クロスチャネルディスプレイでの検索キャンペーンに特化
・仮想通貨、ドメインの収益化、SEOサービスなどのマルチチャンネルのアドネットワークサービスも運営
・100以上の国で18,000を超えるキャンペーンと5000人の広告主を現在進行形で保有
Perion
サイト:https://www.perion.com/
設立:1999年
拠点:テルアビブ、ホロン(イスラエル)
概要:
・ソフトウェア開発会社
・2014年にGrow mobile社(アドネットワークとROI分析のトラフィックソースを利用したソリューション企業)を約3000万で買収、2015 年にUndertone(広告主とパブリッシャーのための最適化プラットフォーム企業)を約1憶8000万で買収し世界のデジタル広告のシーンで一躍有名になる
・買収した全ての企業のテクノロジーを使用し、デジタルエコシステムの中の全ての顧客それぞれに最適なサービスを提供
・彼らのビジネスは、Undertone社(ブランド広告運用)、Grow Mobile社(ソーシャルとモバイルユーザー獲得) 、CodeFuel社 (パブリッシャーのためのエンゲージメント獲得と収益化) そして彼らが所有/運営しているSmilebox&Incredimail社の4つが軸
Outbrain
サイト:http://www.outbrain.com/
設立:2006年
拠点:ニューヨーク、ネタニヤフ(イスラエル)
概要:
・ネイティブ広告とコンテンツリコメンデーション分野のパイオニア企業の一つ
・現在、557万を超える世界の月間ユニークリーチを誇り、毎月2000憶を超えるリコメンデーションを提供(デジタル市場分析専門のcomScore社による測定)
・世界の有名ブランドの80%以上がOutbrainを利用していると言われている
現在までの収益:194万ドル(約1憶9500万)
パートナー:CNN、ESPNを含む大手媒体
以上のアドテクはほとんどが世界で使われている最先端な物です。
なぜここまでのテクノロジーを作り上げることができるのか。次の章で秘密に迫ります。
2.なぜイスラエルがITの技術大国なのか
3つの理由
政府、軍がITを重要視している
1990年代、政府が行った”ヨズマ・プログラム”という政策があります。ヨズマとはヘブライ語でイニシアティブを意味し、投資資金100憶円で国内ベンチャーキャピタル*1及び、海外からのベンチャー企業の参入を政府が支援するという物です。これが大成功し今の成長の元となりました。
またサイバーセキュリティ企業のエコシステムも成り立っています。これは軍隊も含む国内の主要機関がITに関して、それぞれ連携を高めていく枠組みです。
*1ベンチャーキャピタルとは主に未上場の成長企業に投資を行い、ハイリターンを得ることを目的とした投資会社のことです。
プログラミングやITのサイバーセキュリティを学べる環境が揃っている
中等教育の頃から、ITやサイバーセキュリティに関する科目が存在し、大学においてもどの学部にいてもサイバーセキュリティの授業を受講できます。
さらにイスラエルの軍事力は世界でも有数で、政府は若者の育成を重要視しているので国内では18歳から3年間兵役の義務があり、この間に国内の最先端テクノロジー触れたり、実際にサイバーテロの対処を経験したりとノウハウを身に着けることができます。
また近年のサイバーテロの増加で、戦争の体系もネットの領域に侵攻しつつあります。そのためイスラエルではこのサイバー攻撃の対策のために、サイバーセキュリティに関連の施策に多額の投資をしています。
イスラエル人の歴史的、民族的背景
イスラエルは人口の約9割が移民で構成されていて、その中で生きていくため個の力が非常に強いです。また様々な国の若者が集まり、異なる価値観を共有し、外政/内政が常に不安定な状況なので、変化や新しいことへの対応力が身についています。また失敗を恐れない国民性があり、新たなチャンスやビジネスがあれば、喜んで飛び込めます。これらの要因は新たなクリエイティブの創造に関係しています。
3.今後のイスラエルのアドテク市場は??
変わらず動画広告は注目の的
イスラエルのアドテク企業YouAppi、最新の「第2回CMOモバイルマーケティングガイド調査」を公開(2018/4/4)
https://japan.zdnet.com/release/30241270/
イスラエルに研究開発拠点を置くYouAppi(本社:サンフランシスコ、 以下、ユーアッピ)は、グローバル企業のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)425人を対象にアンケート調査を実施し、今後1年間のモバイルマーケティングの動向を明らかにした「第2回CMOモバイルマーケティングガイド調査」の結果を公開いたしました。この度の調査では、回答者の85%が昨年比で10%以上の予算を動画広告に投資する予定であるとの結果が得られました。
2018年は世界的にSNS、アプリ、ウェブサイトすべての媒体で動画広告が増えました。モバイルシフトにより家のテレビを見るより、スマホで動画を見る層が圧倒的に増え親和性が高まったのに加え、画像より印象に残り伝わりやすいという利点が大きな要因です。
またDSPでのビックデータの活用、AmazonなどのECサイトの広告事業参入などにより、以前にましてパーソナライズされた広告出稿が可能になり、動画広告の重要性の認識は広がりました。このムーブメントは2019年でも続いていきます。
サイバーセキュリティツールの開発が注目される
総務省がイスラエルと覚書 サイバーセキュリティー分野で
https://www.sankei.com/economy/news/181129/ecn1811290032-n1.html
総務省は29日、イスラエル国家サイバー総局とサイバーセキュリティー分野の研究開発や人材育成などで協力する覚書を締結した。イスラエルは世界一のサイバー防衛能力を持つといわれるIT大国。人材不足が深刻な日本は若手技術者をイスラエルに派遣するなど、人材育成で連携する。
東京五輪では大規模なサイバー攻撃が懸念されており、サイバーセキュリティ担当大臣も話題になりました。その流れもありサイバーセキュリティへの注目が集まっています。
最新の情報によると、2014年頃から現在においてサイバーテロの件数は約5倍にまで増えている状況です。
IT産業の発展に比例して、サイバーテロは増えていくのは明白です。
また上記アンケートの中には以下のような調査結果がありました。
■動画広告における課題のトップは「アドフラウド」
本調査においては、動画広告を展開する際の課題についての設問も設けてます。その結果、動画広告で課題と考えられている点は、アドフラウド対策が最も高く(48%)、効果測定の難しさ(45%)、ターゲティング方法(26%)、ビューアビリティに対する課題(23%)との回答が得られています。
アドフラウドはハッカーなどがbotを作り、不正なクリックやインプレッションを行い、虚偽の広告効果を作りだすことです。以前から世界的に危険視されていて、米国ではアドフラウドによる損失は年間で憶単位も発生しています。
先ほど述べたように、イスラエルは以前からハッカーからの攻撃を防ぐサイバーセキュリティツールのスタートアップ企業が数多く存在しその技術は世界最高峰です。日本がすでに覚書をしたように、世界中から注目されアドフラウドなどの広告詐欺問題に対応するためのツールの開発が今後進んでいきます。
*2018年の広告業界で起きた変化と2019の展望をまとめた記事はこちらです。
4.イスラエル最先端ツールについてさらに詳しく知りたい方は
いかがだったでしょうか。最先端ツールとイスラエルについてご理解いただけたと思います。
ネット広告業界には日々変化が起きています。常に最新の情報をキャッチして、未来を見据えて行きましょう。
こちらの記事で上記でも紹介した「Kenshoo」を軸に、従来の広告運用ツールとの違いや強みをより詳しくご紹介していますので、情報収集として是非ご一読下さい。
MarTechLab編集部
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