web担当者必見! Instagram広告でおさえておくべき基本事項&分析データ
日本でのMAU(Monthly Active Users = 1か月あたりの利用者数)は810万人、全世界では4億人を超えるなど、急成長中のInstagram。
そんなInstagramが、2015年10月1日よりセルフサーブ広告の提供を開始しました!
これまでは厳しい審査に合格した企業のみが利用できたInstagram広告配信をどんな企業でも利用できるようになります。「セルフサーブ」形式の広告なので、自分で配信期間や予算を組むことができるというわけです。
また、外部リンクへの誘導が許可されたことで、ブランディング以外にも用途が広がります。それだけでなく、Facebookの傘下にあるからこその強力なターゲティングも利用できるのです!
本記事では、Instagram広告の基本要件だけでなく、どのような広告が有利になりうるのかという分析も加えて解説いたします。
*本記事で例示しているInstagram広告は、すべてFacebook広告ガイドから引用しています。
目次
選べる3つの広告タイプ
Instagram広告には、次の3つの広告タイプがあります。
それぞれ、多様なCTA(Call to Action = 行動喚起、ユーザーに特定の行動を促すこと)ボタンを設置できます。
ウェブサイトへの誘導
1つめは「ウェブサイトへの誘導」。つまり、ターゲットに「詳しくはこちら」ボタンをクリックさせ、キャンペーンページなどへ誘導する種類の広告です。
デザインの推奨事項
- 画像アスペクト比:1:1
- 画像サイズ:1080 x 1080ピクセル
- 画像にテキストが占める面積は20%以下。
- 説明:テキストのみ、125文字以内を推奨。
技術的な要件
- 画像アスペクト比:1.9:1から1:1
- 最小解像度:600 x 315ピクセル(1.9:1横長) / 600 x 600ピクセル(正方形)
- 説明:テキストのみ、最長300文字
設置できるCTAボタンの種類
- 予約する
- お問い合わせ
- ダウンロードする
- 詳しくはこちら
- 購入する
- 登録する
- 他の動画を視聴
アプリのインストール
2つめは「アプリのインストール」。ユーザーにモバイルアプリのインストールを促します。
デザインの推奨事項
- 画像アスペクト比: 1:1
- 画像サイズ: 1080 x 1080ピクセル
- 画像にテキストが占める面積は20%以下。
- 説明: テキストのみ、125文字以内を推奨。
技術的な要件
- 画像アスペクト比: 1.9:1から1:1
- 最小解像度: 600 x 315ピクセル(1.9:1横長) / 600 x 600ピクセル(正方形)
- 説明: テキストのみ、最長300文字
設置できるCTAボタンの種類
- インストールする
- アプリを利用する
- 予約する
- ダウンロードする
- 詳しくはこちら
- 音楽を聴く
- ゲームをプレイ
- 購入する
- 登録する
- 他の動画を視聴
- 動画を見る
動画の再生
3つめは「動画の再生」。これは、ユーザーに動画を通してストーリーを伝えるものです。
デザインの推奨事項
- アスペクト比: 1:1
- ビデオ: H.264圧縮方式、ハイプロファイル推奨、正方画素、固定フレームレート、プログレッシブスキャン
- フォーマット: .mp4コンテナ(movアトムが先頭に配置されていることが望ましい)、編集リストなし
- オーディオ: ステレオAACオーディオ圧縮、128kbps以上を推奨
- 説明: テキストのみ、125文字以内を推奨
技術的な要件
- キャプションテキスト長: テキストのみ、最長300文字
- 動画アスペクト比: 1.9:1から1:1
- 長さ: 30秒以内
- サムネイル画像比率: 対象動画とアスペクト比が同じである必要があります。サムネイル画像にテキストが占める面積は20%以下。
- 最小解像度: 600 x 315ピクセル(1.9:1横長)/600 x 600ピクセル(正方形)
- ファイルサイズ: 最大30MBまで
- フレームレート: 最大30fps
- ビットレート: ファイルサイズが1GB以内で、2パスエンコードを使っている限りは、ビットレートに上限はありません。そうでない場合、1080pなら8Mbps、720pなら4Mbpsとなります。
設置できるCTAボタンの種類
- 他の動画を視聴
- 予約する
- お問い合わせ
- ダウンロードする
- 詳しくはこちら
- 購入する
- 登録する
要チェック!クリエイティブのレギュレーション
上にあげた広告タイプにかかわらず、どの広告もテキストは画像全体の20%以下に収める必要があります。
そんなのどうやってチェックすればいいの?という心配はご無用です。
Facebook公式のグリッドツールを利用しましょう。広告に設定したい画像をアップロードするだけで、テキストが20%を超えていないか簡単に確認できます。
Facebook公式のグリッドツールで確認している様子。
ターゲティングも詳細に!
どのようなユーザーに広告を表示するかというターゲティングの設定も詳細に設定できます。
基本的にFacebookと同等の機能を利用できます。Facebookヘルプセンターには次のように記載されています。
Instagram広告にはどんなターゲット設定のオプションが利用できますか。 | Facebookヘルプセンター
ターゲット設定オプションには地域、人口統計データ、趣味・関心、行動などがあります。ターゲット設定オプションをすべて使用する必要はありません。必ず設定する必要があるターゲット設定オプションは、国、年齢、性別のターゲット設定のみです。広告を表示する人の層をより細かく管理したい場合は、他のターゲット設定オプションも利用します。
カスタムオーディエンス(電話番号やメールアドレスで特定した既存の顧客)や類似オーディエンス(カスタムオーディエンスに類似したユーザー)もターゲットに設定することができます。
Instagram広告と他SNSとの差異は? ユーザー層の観点から分析
日本でのユーザー数はいまや十分
「FacebookやTwitterと比べてユーザー数が少なく、リーチ数としては不安があるのでは?」
そんなことはありません。いまや、トータルのユーザー数ではTwitterを越えているのです(ソース:Celebrating a Community of 400 Million – Instagram Blog)。
また、日本におけるユーザー数も十分です。Instagram公式ブログの9月の発表によれば、Instagramに新規登録した直近1億人のうち、最も多かった国は、ブラジル・日本・インドネシアの3国であったとのことです。
さらに、Facebookが2015年7月に発表した第2四半期収支報告 で、Facebook最高執行責任者のSandberg氏は「インスタグラム広告について興味深いのは、ヴィジュアルが重要なファッションや自動車のヴァーティカル市場が、この広告プラットフォームを非常にうまく利用できるという点である。」と発言しました。例として、HTCが18歳から34歳をターゲットとした動画広告で、保障プログラムへの認知を6ポイントも上昇させたケースが紹介されています。
また、同氏は「ふさわしいときにふさわしいユーザーと深い関係を構築したいと考えているマーケターにとって、Instagram広告のターゲティングはどんな広告プラットフォームよりも強力である。」としました。
特徴的なInstagramのユーザー層
圧倒的な若者率
LINE、Facebook、Twitter…5つのメジャーSNSの男女別年代比率の徹底比較! – App Ape Labのデータによれば、FacebookやTwitterは年齢層や性別が分散しているのに対して、Instagramは圧倒的に若者の割合が高いことがわかります。特に女性のほうが優勢です。
ティーンエイジャーから20代の若年層、なかでも女性を対象としたコンテンツ・商品には特に有効といえるでしょう。
たしかに、Instagramは若年層(特に女性)のセルフブランディングの場という色が強く、「おしゃれ」とか「かっこいい」雰囲気の広告は溶け込みやすいと言えます。
まとめ
Instagram広告は、Facebook広告と同様の大規模・詳細なターゲティングや、多種多様なCTAを設定できる点が魅力です。
また、若者が多く、クリエイティビティが重視されるSNSであるからこそ、そこで広告する企業は、ユーザーにアクションを求めるだけではなく、広告自体の「見た目」「雰囲気」という点にますます力を注ぐ必要があることは間違いありません。
今回のInstagramセルフサーブ広告の提供開始によって、セルフブランディングの場にFacebookの強力な広告機能を持ち込めるようになりました。このことでどのような広告が展開されていくのか目が離せません。

MarTechLab編集部
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