予算そのままにCV増加!?アトリビューション分析の基礎をご紹介!
アトリビューション分析と聞かれて、ちゃんと答えることはできますか?
バナー広告、アフィリエイト広告、リスティング広告など、Web上では様々な広告形態があります。どれもコストがかかるので、できることなら少ないコストでコンバージョン(CV)を取りたい。
そんな理想を叶えられるのがアトリビューション分析なんです。Web関連のお仕事をされている方は聞いたことはあるかと思います。
では、一体どんな分析なのか?どのようなメリットがあるのか?
アトリビューション分析がもたらすメリットから、実際の使い方までをご紹介いたします!
目次
アトリビューション分析とは?
そもそもアトリビューションとはどういう意味なのか
アトリビューションとは、英語の「attribution」が語源となり、【〜に帰する/〜に起因する】という意味になります。
もとは金融業界で用いられていた言葉であり、運用資金に対してどれだけのリターンが得れたのか計算するために使われていました。
コストを変えずにCVが増加!?
多くの企業でCVを上げるために用いられているのがリスティング広告。数あるキーワードの中から入札単価が予算内に適しているものを選び、投稿しますよね。
では、みなさんの顧客獲得費用(Cost Per Acquisition:CPA)はどれくらいでしょうか?十分にマージンを取れているでしょうか?
コストはこれ以上増やさず、現在出資している広告のみでCVを増やす。この現状を打破したい時に用いられるのがアトリビューション分析です。
コストをかけることなくCVを上げ、会社に貢献できるのがアトリビューション分析最大のメリットなんです。
CVの起因を分析するのがアトリビューション分析!
CVが取れた際、その原因はCVが取れるページの手前にある、つまりCV直前のページがCVに一番貢献していると考えがちです。
ところがアトリビューション分析では以下の図のように、CVに至るまでの過程がCVに貢献しているのではないかと仮説だて、その過程の部分を分析する方法です。
分析に絶対はない。
ただ1点、注意してほしいことがあります。それは、分析を行ったからと言って必ずしもCVが上がるような分析結果はではない、ということです。
あくまで可能性を探る手段のひとつであり、やればやるだけのリターンはあるわけではないのです。これはアトリビューション分析限らず、何事においても同じことが言えます。
結果を出すことよりも、今現在コストをかけて出資している広告の貢献度はどれくらいなのかを知ることが大事です。
アトリビューション分析がもたらすメリットとは?
予算は変えずにCV増加が可能に!
アトリビューション分析最大のメリットは、予算はそのままにCVを増加できる可能性があることです。こちらをご覧ください。
CV以前の各広告の貢献度を分析することで「実はバナー広告が一番CVに貢献していた!」というようなことがわかります。
分析結果によって原因は様々ですが、バナーがよく見られていたり、アフィリエイトにCV確度が高いユーザーが集まるなど、CVまでの過程の予算を分配するだけでCVが上がる可能性が出てくるのです。
予算はそのままですので、マージンだけが増える。なんとも素敵な分析ですね。
ユーザーの流入経路を把握できる
リスティングよりも前の広告の動きを探ることで、バナー広告やアフィリエイト広告が役立っていることがわかる上、ユーザーがCVに至るまでにどのような流入ルートを辿ってきているのかを把握することも可能です。
分析方法
アトリビューション分析の基本モデル3つ
アトリビューション分析をする際、販売の目的によって用いるモデルを選択する必要があります。中でも基本的な3つのモデルをご紹介します。(各モデルの説明はGoogle アナリティクスヘルプページより引用しています。)
1.終点モデル
終点モデルでは、ユーザーが購入やコンバージョンに至る前、最後に利用したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします。
購入段階のユーザーに行動を促す広告とキャンペーンを作っている場合や、ビジネスの主たる販売サイクルに検討段階が含まれない場合は、終点モデルがおすすめです。
2.起点モデル
起点モデルでは、顧客が最初に利用したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします。
初期のブランド認知を目的に広告やキャンペーンを掲載している場合は、このモデルを使用することをおすすめします。たとえば、ブランド名が世間に浸透していない場合は、顧客に初めてブランドをアピールするキーワードやチャネルが重要となります。
3.線型モデル
線形モデルでは、コンバージョン成立までに各チャネルで発生したすべてのタッチポイントが、均等にコンバージョンに貢献したものと見なします。
キャンペーンを運用する目的が、販売サイクル全体を通じて顧客との接触を維持し認知度を高めることにある場合は、このモデルがおすすめです。その場合、検討段階のすべてのタッチポイントが等しく重要となります。
この3つのモデルが基準となり、どこに基準を持たせるのかで後述する採点のバランスが変わってくる。
モデルを決めたら広告ごとに採点化
各広告に採点を割り振ることで各広告のCPAがわかり、どの広告に出資するのが一番安く効率よくCVを獲得できるのかの指標になります。
従来の考えですと採点対象がCVの手前(ここではリスティング広告とします)が評価対象となり、採点する際もその部分に100%の評価を行います。
これをアトリビューション分析モデルのうち線型モデルを用いて採点すると、リスティング広告以前の広告も評価を行い、CVの貢献度を割り振ります。
このようにリスティング広告のみを評価するのではなく、それ以前のバナー広告もCVに貢献していることを仮説立てて採点していくのがアトリビューション分析方法となります。
CPAが最適なのはどの広告なのか?
CVの結果からアトリビューション分析を用いて、各広告のCPAを計上していきます。
線型モデルで計上していくと、各広告のCPAは上記のようなに算出され、どの広告に予算を投入するのが効率よくCVを上げれるのかが見えてきます。
しかし、前述した通り販売目的によってアトリビューションモデルは変える必要性があります。仮に先ほどの例を起点モデルに変更すると以下のようなCPAになります。
このように設定するモデルによってCPAは大きく変動するため、販売目的を明確にしてからアトリビューション分析を行うことを推奨します。
まとめ
アトリビューション分析は必ずしもCV向上につながるとは限らない分析方法です。どのモデルを用いるべきか、各広告にどれほどの評価割り当てをするべきかなど、分析対象に対する設定基準を決めるのが難しい点です。
ただ、予算はそのままにCVを上げれる可能性があるならば、分析を行ってみる価値は十分にあると思います。
一発逆転が狙えるアトリビューション分析。試してみてはいかがですか?
MarTechLab編集部
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