ECサイトのレコメンド最適化でROIが6倍!パーソナライズ強化するSephora事例
競争が激しい小売業界で、Sephora(セフォラ)は、最高の顧客体験を提供することを重視し成功を収めています。
買い物客がオンライン上で、よりパーソナライズされた体験を実現するために、顧客体験をパーソナライズ化できるAIプラットフォーム「Dynamic Yield(ダイナミックイールド)」(※)を導入し、わずか6ヶ月後、商品詳細ページのレコメンド最適化だけで6倍のROIを実現しました。
本記事では、Sephoraがどのようなパーソナライズを行ったのか事例をもとにご紹介します。
(※)2020年アドテクノロジー評価サイト「TrustRadius」で、EコマースパーソナライゼーションとABテストの両方のカテゴリーで最高評価を受賞しました。
目次
1.商品ページのレコメンド最適化でROIが6倍
Sephoraは、1970年創業し現在はフランスのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下で、ブランドの垣根を超え化粧品や香水を扱う専門店です。
Dynamic Yield導入により、商品レコメンドをパーソナライズし、デジタル・チャネルを最適化して発見しやすくし、チャネル間での一貫した顧客体験を構築しました。
お客様が美容ニーズに合った製品をシームレスに見つけることができます。パーソナライズは当社のEコマース戦略の中核です。
Dynamic Yield連携で、あらゆるタッチポイントで真にカスタマイズされたショッピング体験を構築することが可能になりました。[引用] Sephora personalizes beauty|Sephora|Alexis Horowtiz-Burdick, Managing Director
Sephoraの店舗の魅力と利便性を引き出すオンラインとモバイルの体験を作るために、同社は次のようなソリューションを必要としていました。
・個々のユーザーに適した商品の迅速な提供
・ECサイトの改善を迅速に実施
・離脱リスクがあるユーザーを購入経路へ再誘導
・購入ステップの最適化
・オンラインとオフラインのチャネルを接続して、1つのまとまりのあるカスタマージャーニーの実現
そこでDynamic Yieldが採用されました。
2.機械学習でパーソナライズされた商品詳細ページのレコメンド
8つの市場別に商品詳細ページを最適化
ユーザーが最も関連性の高い商品をシームレスに見つけられるようにするために、Sephoraはアジアの8つの市場で商品詳細ページの最適化に注力しました。
各国のユーザーには、類似品、まとめ買い、自動購入の3つの戦略に基づいたレコメンデーションが表示されました。
最も成功したレコメンドは市場やKPIによって異なるため、Dynamic Yieldの適応型レコメンデーションはデータを分析し、ユーザーがカートに商品を追加して購入を完了したことに基づいて、各市場で最もパフォーマンスの高い戦略を展開しました。
Dynamic Yieldのレコメンデーション・エンジンは、4%以上のCTRを実現し、最終的には、Dynamic Yieldでの利用額1ドルにつき6.50ドルを超える直接的な収益をもたらしました。
収益の大幅な向上と開発時間の節約の結果、Sephoraは現在、Dynamic Yieldを利用したレコメンデーションをECサイトのトラフィックの100%に提供しています。
「検索なし」結果ページにレコメンド表示でカート追加率30%
ユーザーが商品ページを検索しても結果が表示されない場合、購入せずにECサイトを離れてしまいう可能性があります。
SephoraはDynamic Yieldを使用して、ユーザーの意図に基づいて、関連性の高いおすすめ商品を「検索結果なし」ページに表示しました。
ユーザーは最近閲覧した商品か、Sephoraの最も人気のある商品のサンプルのいずれかを表示しました。
この戦略が功を奏し、表示しないオリジナルと比較し、より多くのPVが得られ、すべての市場でリピーターのカートへの追加率が30%に達しました。
購入完了メッセージの最適化、ロイヤリティの獲得を促進
Sephoraで特典などを受けられるプログラム「Beauty Insider」の会員数を増やすために、コピーの2つのバリエーションをテストしました(会員ではないユーザーにのみ提供)。
バリエーション1はいくつかの国で決定的に優れたパフォーマンスを示し、バリエーション2はオーストラリアで最高のパフォーマンスを示しました。
SephoraはDynamic Yieldの最適化プラットフォームの柔軟性を利用して、明確な勝利のバリエーションがある市場では手動でトラフィックを誘導し、パフォーマンスが混在する市場では自動化された最適化に頼って最高の結果を出すことで、結果に応じて顧客体験を調整しました。
店舗情報ページで訪問者にユニークな体験を提供
店舗所在地のページには買い物客にとって不可欠な情報が含まれていますが、ユーザー行動の「行き止まり」ページにもなります。
店舗の場所を探している顧客からの離脱率を減少させるために、Sephoraは、オンラインでの購入者のステップとしてページを再構築しました。
同社はDynamic Yieldを使用して、ギフトカード、人気商品、リワード会員情報などの人気情報を強調したターゲットバナーでページをパーソナライズしました。
このバナーを組み込むことで、商品ページやロイヤルティページへのクリックが増加し、最終的には、このような体験をしたユーザーのエンゲージメントが向上しました。
3.まとめ
Sephoraは、真のEnd-to-Endのパーソナライズを実現するために、CRMデータとDynamic Yieldの統合を始めています。
過去の店舗での購入履歴に基づいて、個別にカスタマイズされたオンライン体験を提供することができます。
オフラインとオンラインのデータを統合することで、買い物客はSephoraを訪れ、自分にぴったりの商品を見つけるまで楽しくメイクアップを試すことができ、最終的には自分のスタイルに合ったレコメンデーションを提供するオンライン体験を得ることができます。
顧客体験をパーソナライズ化できるAIプラットフォームDynamic Yield概要資料はこちらからダウンロードしてください。
※本記事は、「Sephora personalizes beauty」を翻訳・加筆修正したものです。
勝見 理恵
2012年ギャプライズ入社。 5年間Web集客コンサルタントとしてクライアントワークに携わり、リスティング広告からFacebook・Instagram・TwitterなどのSNS広告まで幅広く活用。 ClicktaleやOptimizelyを活用したサイト改善コンサルタントを経て、現在は自社のマーケティング担当。