パーソナライズで顧客1人あたりの収益1.23倍を実現したLinio事例
膨大な品揃えを誇るECサイトでは、ときに「探している商品にたどり着くまでに時間がかかる」という課題を抱えています。
メキシコでマーケットプレイス事業を開始し、400万点以上の商品を提供しているLinioは、各顧客をより適切な商品に誘導できるよう、顧客体験をパーソナライズ化できるAIプラットフォーム「Dynamic Yield(ダイナミックイールド)」(※)を導入しました。
その結果、
・コンバージョン数が1.3倍
・顧客1人あたりの収益が1.23倍
を実現しました。
本記事では、Linioが実際行ったABテストやパーソナライズ事例をご紹介します。
(※)2020年アドテクノロジー評価サイト「TrustRadius」で、EコマースパーソナライゼーションとABテストの両方のカテゴリーで最高評価を受賞しました。
目次
1.400万点から欲しいものがすぐ見つかるECサイトへ
ラテンアメリカの5カ国で事業を展開するLinioは、電子機器、アパレル、家具、健康・美容、書籍などの販売を専門としており、さまざまな層に向けて販売を行っています。
Dynamic Yieldのおかげで、さまざまなマーケティングチャネルに沿った質の高いトラフィックの獲得から、ECサイト上で商品発見の強化、購入ステップの最適化に至るまで、カスタマージャーニーへのフルファネルアプローチが可能になりました。
そして、どのステップにおいても、大きなインパクトを感じることができました。[引用]Linio makes marketplace magic with personalization |Marinus Van Gestel, Chief Commercial & Marketing Officer at Linio
買い物客が、膨大な品揃えのECサイトを閲覧することを考えると、「欲しいものに少しでも楽にたどり着く」ために、誘導を最適化する必要があります。
そのために、以下を実現するソリューションを探していました。
・価値の高い顧客セグメントをリアルタイムで特定
・各訪問者に最適な商品やオファーを確実に提供するための最適化
・様々なソーシャルプルーフ(※)戦略の実験
(※)社会的証明。個人の意思決定に影響を及ぼす、他者からの評判や行動傾向のこと。例:行列、購入者の口コミ
2.パーソナライズ強化で1人あたりの収益が1.23倍に
訪問者の閲覧履歴に合わせたプロモーションバナーでCTR3倍
マーケットプレイスとして、最も訪問者が多いぺージの一つがTOPページで、買い物客の商品発見のキッカケになっています。
ページ上のプロモーションバナーを活用して、Linioは「今週のお買い得情報」をテストしたいと考えていました。
また、Dynamic Yieldの機能を利用、規模と購買力に応じた最適なターゲットとなるオーディエンスセグメントを特定しました。
Linioは各国で人気のある週替わりのプロモーションと訪問者にパーソナライズされたプロモーションをテストしました。
最終的に、パーソナライズされたバナーは、買い物客を最も適切なプロモーションに誘導し、CTRが3倍と大幅に向上しました。
▼オリジナル
売り手やブランドに合わせた特定の取引やキャンペーン(ローカルキャンペーン)
▼バリエーション
過去30日間に特定のカテゴリーを見た顧客 – 彼らの興味に沿った汎用的なキャンペーンを表示
商品ページの離脱率を改善、顧客1人あたりの収益が1.23倍
Linioは、有料およびオーガニック検索経由で商品詳細ページに初めてアクセスした訪問者のほとんどが高い離脱率であることに気付きました。
離脱原因の1つは、表示されている商品がニーズに正確に適合していない場合のではないか、という仮説が立てられます。
サイト内検索を活用し、適切な商品を見つけてもらうために、同じカテゴリーの他の商品を宣伝するボトムバーのバナーを作成。
このメッセージを表示することで、顧客1人あたりの収益が1.23倍になりました。
ソーシャルプルーフ活用したABテストでコンバージョン数1.3倍
顧客が購入完了までに「あともう一押し」モチベーションが必要な場合があるため、利用できるお得な情報を確実に利用できるように改善しました。
カテゴリページでは、日替わりのオファーを訴求。
ランディングページでABテストを実施し、カウントダウンタイマーとプログレスバーを使って、利用可能なプロモーションの残り回数を表示する実験を行いました。
緊急性とソーシャルプルーフメッセージを表示することで、コンバージョン数が1.3倍になりました。
さらに、商品詳細ページでは、購入へのためらいを軽減しコンバージョン率を高めるためには、どのメッセージがより効果的かを判断するために、さまざまな訴求をテストしました。
他の買い物客が商品を見た回数を表示するよりも、過去数日間に発生した購入数を表示することが効果的であると発見し、コンバージョン数をまた5%向上させることができました。
▼商品の閲覧数を表示
▼商品の購入数を表示
3.まとめ
1つのECサイトで膨大な品揃えがあることは、ユーザーにとって利便性が高く生活を楽にします。
しかし、場合によっては、「多すぎる」ために、買い物客が探している商品にたどり着くのが困難になるケースも。
Linioは、商品発見から購入までのステップを簡素化するために、Dynamic Yieldのパーソナライズ機能を活用し、コンバージョン数が1.3倍増加・ユーザー1人当たりの収益1.23倍を実現することができました。
顧客体験をパーソナライズ化できるAIプラットフォームDynamic Yield概要資料はこちらからダウンロードしてください。
※本記事は、「Linio makes marketplace magic with personalization」を翻訳・加筆修正したものです。

勝見 理恵
2012年ギャプライズ入社。リスティング広告/SNS広告など活用したWeb集客支援、自社マーケティングを経て、現在はContentsquareやABテストツールのカスタマーサクセス担当。