ECサイトのパーソナライズで5倍のROIを実現!スポーツファン向けアパレル事例
BILDは、あらゆるスポーツファンのためのアパレルを提供するドイツの大手オンライン小売業者です。
各ファンにユニークな体験を提供するためサードパーティのデータを導入し、ECサイトでTOPページのパーソナライズやユーザー別に商品レコメンド最適化を実施し、5倍のROIを実現しました。
本記事では、具体的にどのような取り組みをしたのか事例と合わせてご紹介します。
目次
1.サードパーティデータ連携し高度な顧客セグメント作成
熱心なスポーツファンが集まるBILDは、「ユーザーの好きなチームを前面に出したWebサイトの構築」を目指しています。
そのために、
・どのチームを目立つように表示すべきかユーザーごとに把握
・購入者にクロスセルやアップセルを促進するためのレコメンド最適化
を提供する方法を探し、Dynamic Yield(ダイナミックイールド)を導入しました。
Dynamic Yieldとの連携により、Webサイトでのファン体験を完全に変革しました。
1つのプラットフォームですべてのデータを利用し、そのデータをもとに顧客セグメントを作成、各ファンに合わせた施策を実行することができます。
[引用]BILD personalizes the entire fan journey|Robert Blanck, Head of Ecommerce & Advertising
分析を進めていくと、お気に入りチームの商品を長時間閲覧したにもかかわらず離脱するユーザーなど、コンバージョンさせる貴重な機会を逃していること気づきました。
収益を最大化するために、BILDは次のような取り組みを始めました。
・サードパーティデータ連携して高度な顧客セグメントを構築
・ユーザーのファン心理に沿った体験
・離脱しそうなユーザーに購入意欲の喚起
・平均注文額(AOV)を最大化するために複数のレコメンデーション戦略をテスト
・期間限定メッセージや特典を提供しエンゲージメントを高める
BILDは、Dynamic Yieldを使用して、サードパーティプロバイダーによって保存されたイベントに基づきリアルタイムでオーディエンスを構築し、パーソナライズするための基礎を築くことができました。
2.熱心なファンの属性ごとにレコメンド最適化、ROIが5倍に
チームの親和性に基づきパーソナライズされたTOPページ
熱心なファンのために最適化されたTOPページを実現するために、BILDはユーザーの所属するファン層に応じて様々なクリエイティブのバリエーションをテストしました。
・バイエルン・ミュンヘンのファンにはバイエルンのギアを使用した画像やオファー
・ドルトムントのファンにはドルトムントの様々なプロモーション
・新規訪問者には、ニューイングランド・ペイトリオッツのスーパーボウルのタイトルを記念した画像
訪問者の好きなチームをベースにした体験を構築し、テストすることで、CTRを1.69倍にすることができました。
商品ページのレコメンド戦略を自動化
コンバージョン最適化するには、ECサイトにある何千種類もの商品群から、訪問者ごとにパーソナライズされた商品を提供することが重要です。
BILDは、Dynamic Yieldを使用して、平均注文額を最大化するハイブリッド戦略を採用しました。
例えば
・類似商品や人気商品
・よく一緒に購入する商品
を組み合わせたレコメンドの提供です。
さらに、在庫状況や価格に応じてレコメンドを自動的に更新しています。
ユーザーごとに適切なレコメンデーション戦略を選択することで大きな成果を上げ、この施策で5倍のROIを達成しました。
顧客1人あたりの収益1.27倍にした「ページカール通知」
モバイル上の限られた画面スペースは、潜在的なユーザーをコンバージョンさせるのに大きな課題です。
BILDはDynamic Yieldの「ページカール(ページめくり)」テンプレートを使用して、ユーザーのスマートフォンの左下隅にターゲットを絞ったオファーを表示しました。
ページカールを挿入することで、わずか1週間で数百件の購入に影響を与え、顧客1人あたりの収益は1.27倍になりました。
ブラックフライデー前にカウントダウンタイマー表示
ホリデーシーズンを前に、BILDはセールのカウントダウンを仕掛けました。
カウントダウンタイマーは、事前に定義されたDynamic Yieldのテンプレートを使って配信され、本番前にすべてのデバイスで簡単にプレビューできます。
タイマーを目立たせることで、顧客1人あたりの収益を1.14倍、コンバージョン率を1.2倍を実現しました。
ターゲットを絞った通知と期限付きクーポンをトリガーに
すべてのECサイトで、「訪問者を”購入者”に変えるには」どのような施策が有効か検証し続けることが重要です。
BILDでは、「行動を起こさないユーザー」に、セッション中に購入を完了したユーザーに10%のインセンティブを付与する通知を送信しました。
具体的には、セッション中に7ページ以上のページを閲覧し、現在のページに50秒以上滞在したユーザーを対象としました。
3.まとめ
BILDは、Dynamic Yield導入によって、TOPページから商品ページまでファン属性に合わせたパーソナライズを強化しています。
その結果、
・商品ページのレコメンド最適化でROIが5倍
・モバイル向けの施策で、顧客1人あたりの収益が1.27倍
と大きな成果を上げました。
顧客体験をパーソナライズ化できるAIプラットフォームDynamic Yield概要資料はこちらからダウンロードしてください。
※本記事は、「BILD personalizes the entire fan journey」を翻訳・加筆修正したものです。
勝見 理恵
2012年ギャプライズ入社。リスティング広告/SNS広告など活用したWeb集客支援、自社マーケティングを経て、現在はContentsquareやABテストツールのカスタマーサクセス担当。