【クライアントインタビュー】差別化が難しいインターネット広告運用。 代理店選定時に見るべき6つのポイント
目次
■ 差別化が難しい成熟した市場 インターネット広告代理店
インターネット広告市場は毎年2桁成長をし続けており、2019年には流通量がテレビを超えました。
企業がマーケティング活動を行う上で、オンラインは欠かすことのできない市場へ成熟してきております。
現在インターネット広告メニューも多岐にわたり、ターゲットや属性、媒体、ストーリーなど細部にまで配信を分ける事ができ、進化も非常に早いため、自社で内製化するよりも広告運用業務を外注する企業は多くあります。
そんな中、日本中にインターネット広告を取り扱う代理店はあまた存在しており、個人でも運用ができる状況の中、よほど特徴が突出していないと差別化は難しい状況となっています。
多くの代理店は広告予算費に対して手数料をもらう形のビジネスをしており、費用面での違いはほとんどない中、どうやってパートナー選定をすればいいのか悩む声は多く聞こえています。
■ 求めているものは成果 その中で関係構築したいパートナーとは
代理店側としては、「しっかりKPI設計を行い運用します」「運用体制、オペレーション体制が万全です」「一人が見るクライアント数に上限を決めているのできめ細かい対応が可能です」など様々な言い回しで、自社の堅実な運用体制を表現します。
しかし、いくら手段の説明をしても結局顧客が求めるものは結果であり成果ですが、そこを保証する事はできません。
やはり信頼できるスタッフを雇って自社でチームを構築しようか、、、などあらためて代理店不要論もある上で、では、どのような代理店であればパートナーとして選ばれ、続ける価値があるのでしょうか。
今回、我々のクライアントの中でも、特に事業柄多くの代理店と接点を持つ法人の方々にインタビューを実施し、どのような基準で広告代理店を選定しているか、継続的な関係が続いている代理店の特徴とは何かをヒアリングしました。
■ 今回インタビューにご協力頂いた会社のご紹介
株式会社顧問バンク
株式会社顧問バンク 代表取締役 菊地様
経験値が高く、専門性、知見性の高い顧問ポジションとして働きたい、セカンドキャリアを構築したい方と、企業とをマッチングしていくビジネス。登録者7,500人(2021年7月時点)の中から、それぞれの得意分野で選定することができます。
・サービスサイトURL:https://common-bank.com/
株式会社DREAMBEER
株式会社DREAMBEER 代表取締役 山中様
全国のクラフトビールを自宅のサーバーで楽しむ事ができるサブスクリプション型のサービス。
親会社である光通信グループが持つ100万世帯以上のユーザーを有するウォーターサーバー「プレミアムウォーター」の販売ノウハウと、イベント会場などでよく聞かれた「ビールが注げるウォーターサーバーはないのか」というユーザーボイスを元に今年より本格的な販売を開始。
・サービスサイトURL:https://dreambeer.jp/
■ 導入するまでにあった課題 当初ギャプライズを選定をして頂いたポイント
株式会社顧問バンク:菊地様
サービスの立ち上げフェーズという事もあり、まずは顧客をどんどん獲得しなければいけない状況でした。月額5~10万円のサービスを販売するうえで、はじめはオーガニック経由や様々な広告媒体への露出、アウトバウンド、自社のWebマーケチーム内でFacebookなどの広告運用といった様々なアプローチを実施していました。
単発ではなく安定的にリード供給が実現できる手段として、なかなか芯を食った手ごたえを感じない中、色々情報収集をしていると、法人営業でWebに特化している事例で、ギャプライズが紹介されている記事を読んで興味を持ちました。その後、「継続的な法人リードの供給」をテーマにした貴社のセミナーに参加をした後、知人経由で接触を行いました。
BtoBの広告運用で実績を出している会社を探していましたが。聞き込みをしている中、どこの代理店もCのついでにBをやっている会社がほとんどで、ヒアリングをしても求めているような具体的な事例がなく、Bの領域を専門的に掘り下げられている会社ってそんなにないなっていう印象でした。そんな中、ギャプライズが人づてで評判を聞いても良い反応だったのでお取引をさせて頂いたのがまず初めの経緯です。
株式会社DREAMBEER:山中様
まだ市場認知があまりなされていないサービスであるビールサーバーの啓蒙をしながら販売をしていかなければならないということが一番の課題でした。認知されているものを販売していくことが得意だった我々が、ブランドイメージを認知させながら、進行していくという事も新しい試みでした。
コロナ禍の影響で部品搬入の遅れや、工場でのトラブルなどから当初立てていたプロモーション計画は大きく変わり、ブース販売やデモなどが行えない中でオンライン上だけでどうやって認知活動を行っていくかは工夫が必要でした。
そんな中元々Facebook広告で認知を兼ねた配信をしていましたが、あまり効果を実感できず、気をもんでいた時にグループ会社から、ギャプライズさんの紹介を受けました。
初めの提案の段階からきちんと仮説を持ってきてくれた点や、サービスの強みを理解していた点などのスタンスがぐっと信頼感につながり、即決契約しました。
運用開始してからも、時間がかかりそうな修正も当日中に戻してくれるスピード感や、一緒にしぶとく数字を追いかけてくれる伴走感など、より強い信頼感をもってお付き合いできています。
■ 信頼できる代理店を見極める6つの選定ポイント
多額の予算をあずけ、成果次第で事業の成長に大きく影響を及ぼす広告運用業務の候補選びはとても重要。
選ばれる代理店と選ばれない代理店、継続した取引ができる代理店は何が違うのか。ポイントを自戒の念もこめてまとめてみました。
あらためて自分たちが選定側となって見ても重要な視点であると感じる話ばかりなので、身が引き締まる思いでした。
1:フットワーク、レスポンスのスピードは期待値を満たしているか
とにかく早い連絡は安心感や信頼感につながりますし、連絡が遅いと感じてしまうとそれだけでネガティブな印象を持たれてしまいます。
特にお取引を行う前は提案から実際に運用スタートまでのスピードやレスポンスは重要とのことでした。
コンテンツの改善作業も、決まってから実装するまでの体感スピードが早いか遅いかは重要です。特に今回インタビューにご協力いただいた企業のような、事業立ち上げ期でスピード感を求められている場合、最重要指標の一つです。フットワークの軽さは、量を産む事ができ、結果的に質の向上につながります。
代理店側も、階層が多いなどの理由で社内コミュニケーション回数が増える組織の場合、どうしても依頼を受けてから実行までに日数がかかってしまうケースがありますが、Web広告は日々コストが発生している事を考えると、1分でも1秒でも早い対応はコストを支払っている顧客側の当然のニーズです。窓口となる人間の柔軟な対応が必要だと感じました。
2:仮説をもって提案をしてきているか
提案の段階で、あらかじめサービスやUSPを理解し、仮説を持っているか。
例えば初回ヒアリングの際に、通常だと「どういうサービスですか」とか「どういうプランがありますか」、「御社の強みは何ですか?」とヒアリングをするものですが、ある程度事前に情報は収集する事ができます。
「サイトや競合を見てきましたが、御社のサービスの強みはここだと思われますがいかがでしょうか」とあらかじめ市場とサービスの仮説を持ったうえでMTGに臨んだ姿勢は、今回のお取引でも評価をされたポイントでした。
3:事業を運営する側の当事者意識を持っているか 意識が高いか
特にBtoBの場合、リード獲得だけではお金を産んでいるわけではないので、受注(マネタイズ)するまでのターゲット戦略を継続的に考えているかどうか、改善の優先順位を考えているかなど、事業者側の立場を想像して、行動や発言をいるかどうかは重要です。
たとえCPAが下がったとしても、受注率が下がってしまうのであれば改善の意味はありません。当社の提案もリードを増やすだけの施策を出さない点を評価頂いておりました。
また、全体予算に対して報酬額(代理店手数料)が変化する契約の場合、効率よく受注が出来始めると予算を縮小するケースがあります。その際の提案の中身が、代理店の取り分が下がるのか、事業者側のベネフィットを優先するかなど、明確に代理店としてのスタンスが現れるポイントになると感じました。
常日頃から同じマーケチームの一員であると意識しながらコミュニケーションを取っていくことは、双方の信頼醸成につながります。結果的に広告以外の相談やサービスの見直しなど別の話につながる機会も増えてきます。
4:状況が変化してもスタンスが変わらないか
運用を継続していると必ず結果が良い時も悪い時もあります。そんな中でうまくいっていない時や予算が下がった際もプライオリティを下げずに提案の質や量を担保してくれるかどうか、常に伴走をしてくれるスタンスがあるか。ピンチをともにのり超える事ができてこそ、あらためて良好なパートナー関係を築けると我々も感じております。
5:求めているコミュニケーションの量や質が一致しているか
発注者側としては成果が出るのは前提としたうえで、代理店にフィーを支払うからあとは全面的にお任せしたいという場合と、お互いに意見を出し合い一緒に考えながら運用していきたい場合と規模や状況により様々なケースがあるかと思います。顧客に合わせた適切な距離感のコミュニケーションが取れるか、フロントのスタッフの相性も含め大切なポイントです。
ただ、基本的にはポジティブな意見であったり、やってみましょうスタンスはどんな運用フェーズでも必要であると考えています。
6:代理店の評判、実際の取り組み内容は周りに聞いてみる
医療にはセカンドオピニオンがあるように、取引をする前にはリファレンスチェックは実施するべきです。
もちろん契約前の段階は出来るだけ多くの情報を収集するべきですが、運用の途中でも定期的に周りの専門家(代理店)に自分たちの運用内容を聞いてみる事で、現在の代理店との取り組みが正しい方向なのかを判断できます。
さいごに
以上ポイントをまとめました。
インタビューを実施してみて、どんな状況であれ外せないポイントはいくつか絞られるなとあらためて気づきました。
すべてを網羅しているとは思いませんが、事業者側は代理店選定のヒントに、代理店側はサービス向上の指標づくりにご活用ください。
—具体的な顧問バンク様のBtoB企業におけるFacebook広告運用事例はこちらから

鈴木 隆司
2005年ギャプライズ共同創業 ECコンサルタント、セールス、Webマーケ事業、経営など、実務業務もマネージメントも酸いも甘いも経験させていただき、2020年よりギャプライズの広報業務を担っています。