カスタマーサクセスマネージャーが教える、Speed Kit導入の勘所 〜Florian Zirkelbach氏インタビュー〜

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2024年5月21日、ギャプライズのパートナー企業であるBaqendのカスタマーサクセス責任者、Florian Zirkelbach氏が来日されました。Florian氏は、同社のWebパフォーマンス改善ソリューション「Speed Kit」の導入支援を数多く手がけてきたエキスパートです。今回は特別に、Florian氏にSpeed Kit導入のコツを直接伺う機会を得ましたので、その内容をお届けします。

Speed Kitの概要とメリット

――早速ですが、Speed Kitの基本的な仕組みと特徴について教えていただけますか。

Florian氏:Speed Kitは、Webサイトのパフォーマンスを改善するソリューションです。サービスワーカーを利用してよく閲覧されるリソースをキャッシュし、表示を高速化します。また、商品ページの価格や在庫状況など動的なコンテンツの更新も効率化できるのが特徴ですね。

大きなメリットは、お客様側で複雑な設定をすることなく、1行のJavaScriptタグを入れるだけでサイト全体のパフォーマンスを改善できる点です。Webパフォーマンスの向上は、直接的にユーザー体験の向上につながり、コンバージョン率のアップなど事業インパクトも大きいので、費用対効果が非常に高いソリューションだと自信を持って言えます。

カスタマーサクセスの視点からみたSpeed Kit導入のポイント

――Speed Kit導入を検討する際には、どのような点に注意が必要でしょうか。

Florian氏:導入前の準備段階では、まず自社サイトの現状のパフォーマンスを分析し、改善のポテンシャルを見極めることが大切です。どのページやリソースが表示のボトルネックになっているか、Speed Kitを適用することでどの程度の効果が見込めるか、しっかりと診断しておきましょう。

また、Speed Kitはサイト全体に適用できますが、チェックアウト画面など一部のページでは無効化したほうが良いケースもあります。適用範囲の判断は慎重に行ってください。

もう1つ重要なのは、社内の関係者を早い段階から巻き込んでおくことです。マーケティング、開発、経営層など、ステークホルダー全員で改善の必要性と目標を共有し、プロジェクト推進の合意を形成しておくことが成功のカギを握ります。

導入プロセスで注意すべきこと

――導入プロセスで注意すべき点、よくある落とし穴などはありますか。

Florian氏:Speed Kitは導入が簡単な一方で、軽視されがちなのがテスト運用の重要性です。本番環境に適用する前に、必ず小規模な環境でSpeed Kitを動かし、効果を検証することをおすすめします。想定外の動作や、逆にパフォーマンスが低下するようなケースがないか、しっかりチェックしましょう。

また、データに基づいて効果を測定し、継続的に改善していく姿勢も大切です。Speed Kitを入れて満足するのではなく、定期的にパフォーマンス指標をモニタリングし、サイトの改善に役立ててください。

私がこれまでの経験から学んだのは、導入そのものよりも、運用フェーズでPDCAサイクルを回し続けることが長期的な成果につながるということです。

運用フェーズでのカスタマーサクセスの役割

――Speed Kit導入後の運用フェーズでは、カスタマーサクセス部門はどのような役割を果たすのでしょうか。

Florian氏:導入後もお客様に寄り添い、継続的にサポートしていくのがカスタマーサクセスの仕事です。具体的には、Speed Kitの効果を定期的にモニタリングしてレポートしたり、ユーザー行動の分析からサイト改善の提案をしたりしています。

海外のSpeed Kit活用事例では、カスタマーサクセスとお客様が二人三脚で改善を進めることで、大幅なコンバージョン率アップを実現したケースがあります。ECサイトでは表示速度が0.1秒速くなるごとに売上が1%増加したというデータもあり、Webパフォーマンスが事業成果に直結することを実感しました。

※参考:「表示が0.1秒遅れると、売上が1%減少する」絶対王者アマゾンがやっている”すごすぎるデータ分析”

日本市場の印象と今後の展望

――今回の来日で、日本企業のWebパフォーマンスへの意識について、どのような印象を持ちましたか。

Florian氏:日本は世界有数のインターネット先進国であり、ユーザーのWebサイトに対する期待値も非常に高いと感じています。一方で、多くの企業がWeb高速化の重要性を認識しつつも、具体的な一歩を踏み出せずにいるのが現状ではないでしょうか。

日本でのSpeed Kit活用はまだ始まったばかりですが、大きな可能性を感じています。導入企業には、ぜひカスタマーサクセスチームと二人三脚で改善を進めていってほしいですね。そういった意味でもパートナーであるギャプライズには、Speed Kitの価値を日本の企業にしっかり伝えていただき、Webパフォーマンス改善を通じてお客様の事業成長に貢献していただきたいと期待しています。

まとめ

今回のFlorian氏へのインタビューを通じて、Speed Kit導入の勘所とカスタマーサクセスの重要性が明らかになりました。

Webパフォーマンスの改善は、ユーザー体験の向上だけでなく、事業成果にも直結する重要なテーマです。Speed Kitのような分かりやすいソリューションを活用しつつ、データを分析しPDCAサイクルを回していくことが、長期的な競争優位性を築くカギとなるでしょう。

Florian氏からのメッセージにもあったように、ギャプライズとBaqendは、日本の企業のWebパフォーマンス改善を力強くサポートしていきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

Florian Zirkelbach氏プロフィール

Baqend カスタマーサクセス責任者。同社のWebパフォーマンス改善ソリューション「Speed Kit」の導入支援を数多く手がけてきたエキスパート。2018年よりBaqendにカスタマーサクセスとして参画。2023年1月より現職。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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