結果がわからないから試してみたい。ブックリスタがAB Tastyを導入した決め手とは?
電子書籍というメディアを通じて、本に綴じられた様々な物語や知見、感動をお届けするブックリスタ様。
Google Optimizeサポート終了のリリースを受け、数ある代替ソリューションの中からAB Tastyをご選定いただきました。
今回、ソリューション選定に携わられた倉橋様、北村様にお話を伺いました。
目次
ブックリスタ様について
御社の電子書籍ストア事業について教えてください。
弊社は、『Reader Store』、『auブックパス』、『コミックROLLY』など、各サービスごとに異なる企業との協業を通じて包括的に運営をサポートしています。
具体的には、『Reader Store』は、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営しており、その運営をサポートしています。ユーザーにとって魅力的なコンテンツやサービスを提供することを目指しています。
『auブックパス』は、KDDI株式会社が運営しているサービスです。こちらも、ユーザーへ手軽に利用できる読書の機会を提供することで、より豊かな生活の実現のため、運営をサポートしています。
『コミックROLLY』は、2023年8月にリリースした新しいアプリで、『Reader Store』同様に株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営しています。特徴はアカウント連携なしでもコミックを読むことができることです。23時間待つと次話が読める「チャージ¥0」により、毎日無料で読める作品も多数ラインナップしています。ラインナップ作品の中には、YOASOBI『アンコール』原作小説のコミカライズなど、オリジナルコミックも続々と連載開始しています。
それぞれのサービスが異なるターゲット層に焦点を合わせることで、ユーザーの独特なニーズと期待に応え、エンターテインメントと情報の両面で価値を提供しています。これにより、ユーザーを中心としたサービスの構築とブランドの信頼性向上を図っています。
コロナ禍は業界にどのような影響をもたらしたのでしょうか?
コロナ禍における自宅での過ごし方の変化は、電子書籍業界に大きな影響を与えました。感染症のリスクと移動制限の中で、多くの人々が安全な「おうち時間」を満喫するため、電子書籍を楽しむようになりました。
現在、コロナの影響が徐々に薄れていく中でも、電子書籍を読むという行為はますます一般的になっていると感じています。それに伴い、市場には数多くの競合他社が参入し、消費者の興味を惹きつけるために様々なサービスや機能が提供されています。
この環境下で、ストア側は、ユーザーが求めるものを以前よりも速やかに展開する必要があると考えています。「ユーザーに選ばれるストア」を目指し、その地位を確立するための努力を続けています。
ご導入の経緯
過去にはどのようなABテスト施策に取り組まれていたのでしょうか?
特に注力していたのは、マーケティング効果を高めるためのバナーに関するABテストです。
特に印象に残っているテスト施策を教えてください。
会員登録フォームに表示されていた「初回登録で90% OFFクーポンプレゼント!」の訴求が、ユーザーにとって魅力的に伝わっていないという問題がありました。フォーム自体のデザインが簡素すぎたため、新規ユーザーの混乱を引き起こし、結果的に登録のハードルを上げていました。
ユーザーからの「クーポンが貰えるのかどうかがわからなかった」という具体的な意見に対処するため、私たちはクリエイティブの要素を見直しました。まず、90% OFFクーポンという大きなインセンティブを前面に打ち出すために、ビジュアルやテキストを改善しました。明るい色彩を使用して注意を引き、大きなフォントやアイコンで「90% OFF」を強調表示することで、訪問者の視線を割引情報に直接誘導しました。
*追加で修正を加え、現在はさらに別のデザインになっています
また、クーポンの受け取りプロセスを明確にするため、シンプルで理解しやすい言葉で説明を加え、ユーザーが迷わず行動できるようなガイダンスを提供しました。これにより、ユーザーはどのようなメリットを受け取れるのかを一目で理解できるようになりました。
ABテストツール導入のメリットはどのようにお考えでしょうか?
改善前と改善後の結果を公平に数字で見ることができることが利点だと考えています。数字化できることにより、「たぶんこうだろう」という先入観や個人的感情から、「データに基づく洞察」へとシフトでき、新しい視野を持つことに役立つと考えます。
また、UIのリニューアルなど、変更に時間がかかるのと同時にビジネスインパクトの大きい変更を事前にテストできるところもメリットです。
Google Optimizeサポート終了の発表を受け、社内ではどのような反応がありましたか?
これまで通りABテストを継続してサイトを改善していくために、サービス終了のタイミングで切り替えられるように準備を始めました。
検討時のポイント
Googleの発表文には、GA4にテスト機能が実装されるような内容もありましたが、発表直後から代替ソリューションの導入をお考えでしたか?
そうですね。確かにそのような内容はありましたが、Google Optimizeがサービス終了して確実に新機能が入るわけではないと判断し、早期に代替ソリューションについての情報収集を始めました。その中でAB Tastyが目に留まり、検討を進めていきました。
AB Tasty以外にご検討したソリューションはありますか?
日本国内のツールを3種類ほど検討しました。
ご検討時に重要視していたポイントは何でしたか?
Google Optimizeと同じことができるかどうかを前提として、そのうえで使いやすさを重視しました。
AB Tastyを選定した決め手は何でしたか?
検討したどのソリューションもサービスサイトに具体的な金額が載っておらず、各社に問い合わせするところからスタートしました。
実は、問い合わせをしたサービスはどれも予算をオーバーしていたのですが、最終的な決め手はギャプライズさんのレスポンスが早かったことですね。即日連絡が返ってくることが多く、すぐに返答できないような内容だったとしても、いつまでに回答いただけるのか明示いただけたので安心感がありました。
機能比較もかなりされていた印象があります。
はい。もともと行っていたABテストができることは大前提で、プラスアルファでポップアップやカウントダウンバナーなどを出す機能があり、社内で「使いやすそうだね」と話していました。
また、検討開始当初は日本語対応している国産ソリューションも魅力的でしたが、AB Tastyが日本語対応できるようになったことも選定の理由のひとつです。
ご導入してまだ間もないですが、ソリューション自体の使いやすさはどうですか?
ソースコードやプログラミングに精通していないユーザーにとって、直感的なインターフェースで使いやすく感じています。
しかし、それと同時にGoogle Optimizeと比較して、「これまでは簡単にできていたことが難しくなった」と感じる部分もあり、機能の違いや新しいシステムのワークフローに慣れる時間が必要だといった印象も持っています。
今後の期待と展望
AB Tastyご導入後、中長期的にどのようなチャレンジを想定していますか?
UIを含めたABテストや、テスト以外でもページ単位のCVをあげていくことを考えていきたいですね。
ABテスト以外にも活用できそうな機能があるので、いろいろと試してみたいです。
具体的には、どのような機能をお考えですか?
年末年始も控えていますので、スノーフレークアニメーション*を使ってみたいです。雪や干支を降らせてみたい(笑)。今まで試したことがなく、どのような結果になるかわからないのでチャレンジしてみたいです。
*スノーフレークアニメーションは、選択したアイコンを指定したページに降らせる機能です。クリスマスやハロウィンなど特定の時期にウェブサイトに遊び心を加えたり、特定セクションを強調表示したいときに使用すると効果的です。
CVなど数値には繋がらないかもしれませんが、ABテストに慣れ親しむという意味でも、この機能は気軽に使えておもしろそうです。
AB Tastyやギャプライズにはどのような期待がありますか?
ツールの使い方など、今まで以上のアフターフォローを期待しています。
最後に、ABテストツール導入を検討している皆様へアドバイスをお願いします。
弊社にはもともとABテストの文化がありましたが、もしそういった文化自体が無い場合は、他社の事例を見て、自社でできることを検討いただくのがいいかなと思います。
ご協力ありがとうございました!
聞き手:ギャプライズ大島・今本・舟木
舟木/マーケティング・IS担当
ABテストツールなどのインサイドセールス専任として入社し、現在はマーケティングも担当。週5でヨーグルトを摂取。好きな野球選手は大谷翔平。