インボイス制度に向けた実際の対応策どうしてる?責任者に独自インタビュー! ギャプライズの取り組みについて
2023年10月1日からインボイス制度がスタートします。
消費税の控除に関して大きな変更となるもので、実際どのように変わるのか、事前にどのような準備が必要かについて、法律面やシステムで紹介されているコンテンツは多く見受けられるので、その辺は他のサイトにお任せし、私たちは実際運用する企業側がどんな準備をしていたかについてインタビューを実施しました。
今回は当社の管理部副部長の中條力(なかじょうりき)さんにご協力いただきました。
ー今回はお忙しい中ご協力ありがとうございます。中條さんよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
目次
インボイス制度 準備期間の動き
ー早速ですが、今回10月からスタートするという事で、どのようなステップで進められてきたんですか。
1年ほど前からインボイスがスタートする雰囲気はあったので、意識はしつつ、8月位からシステムの改修など具体的なタスクへの落とし込みなどを行い、解像度を上げていったイメージですね。
ただ、我々が使っているクラウド系の各種システムのアップデートが実施されたのが9月中旬位なので、具体的な業務フローやデータの流し込み方などはこの2週間で一気に決めていった印象です。
ーなかなかハードなスケジュールでしたね。
実際に走ってみて色々問題も出てくると思いますので、適宜アップデートをしていく形になりますね。
あと、うちはたまたま9月が決算月でしたので、来月以降が非常にバタバタしてしまうこともあり、一気に進めてきたというのもありました。
ー本当にお疲れさまでした!
大事なのは運用スタートしてから。ここからですから!
ー具体的にはどのような業務からスタートしていったのですか。
プロジェクトはmonday.comを活用しながらタスクと進捗の管理を行っていました。
まず、とりかかったのは現状お取引のある企業のインボイス登録番号の回収方法を決めるところからでした。
大手などは番号回収用サイトをシステムを組んでいたり、郵送で一気に回収していましたが、うち位の規模の会社だともう少しアナログに回収していく方針でした。
ー何社くらい、どうやって回収していきましたか。
いったんここ2年程度で実取引があった企業で絞ったので、1,000社ないくらいです。
法人番号はすでに回収してあったので、その番号を使って適格請求書発行事業者公表サイトから、調べていきました。
調べるうちに、表示されるURLの末尾と法人番号、登録番号がほぼほぼ一緒である点に気づいて、一気に作業効率はあがりましたね。
あとは最近法人化されたり、登録番号だけ作成されるような個人の方々には担当から直接連絡をしてもらって、回収をしていきました。
社内への告知方法、共有の方針について
ー今回のインボイス制度に関して社内にはどのような伝達をしましたか。
税金的な細かいところを伝えすぎると、人によっては混乱もするので100%理解は求めず、大枠とやらなければいけない事だけは伝えようと心掛けました。
通常このレベルの業務フローの変更ですと説明会などを設けるケースが多いですが、今回はあえて行わず、資料を用意し、社内に共有するとともに、いつでも質問ができる窓口を用意しました。
基本細かいところはネットでも調べられますので、深堀のレベルは各個人に任せるような形ですね。
参考資料として基本的な情報の資料化を実施
具体的な作業マニュアルも準備
主に変更を行ったポイント
ー今回の変更にあたって何か印象的なポイントはあったりしますか
いくつか思いつくのですが、例えば法人用のクレジットカードを今回思い切って切り替えました。
以前使っていたものもそうなのですが、多くのクレジットカードって証票(領収書など)をデータとして回収する機能って持っていないと思われるんです。
今までは経費精算の際に、金額さえわかっていれば、計上時に証票がなくても追って回収して確認をしていたのですが、これからは適格請求書かどうかで納める税額が変わるため、計上のタイミングではかならず証票が必要になります。
カードをもっている方(多くが役員)が確実に月内に証票を提出していただけるのであれば問題ないのですが、業務の性質上急な出張などで出社タイミングがずれる事も多く、期日で受け取れないリスクもあったりします。
今回から使い始めるUPSIDERは、アプリ上で証票の登録ができるので、決済したその場で登録をすることもできますので、遅れるリスクがかなり低減されるんじゃないかと思っています。
ーなるほど。法人カードの額は毎月それなりに大きいですからね。
そうなんですよ。ここが原因で計上処理が遅れるのはいやですからね。
100名前後の当社規模の企業だと同様の課題ってあると思うのでお勧めですよ。
たまたま導入したのがUPSIDERなので他でもできるかもしれないです。ちなみに1円もバックはありませんよ(笑)
ー笑 ありがとうございます。 他には何かありますか。
管理の方法ですね。
私たちは請求書自体が適格請求書かそれ以外かという振り分けで管理をする方針を取りました。
会計処理を行う際、結局は請求書が適格かどうかで振り分ける必要があるので、インボイス登録番号の有無だけだと、読み違う可能性があります。
例えばインボイス番号を取得したけどやっぱり実施しない、適格請求書を発行しない企業も出てくると思われるんですよ。
後で気づいて処理をするのはめちゃくちゃ大変になりそうなので、あらかじめシステム上チェックを入れられるようにして、実請求書の参照リンクもすぐ上になるようにシステムを組みました。
ーたしかにこれは大いにありそうですね。
そうなんですよ。
あらかじめ起こりそうな事は準備しつつ、実際この辺は運用がスタートしてみないとわからない部分も多いので、都度アップデートをしていく形になるかと思います。
ー頼りになります!
今回はお忙しい中ご協力ありがとうございました!

鈴木 隆司
2005年ギャプライズ共同創業 ECコンサルタント、セールス、Webマーケ事業、経営など、実務業務もマネージメントも酸いも甘いも経験させていただき、2020年よりギャプライズの広報業務を担っています。