madras(マドラス)が語るECサイト高速化の秘訣:ユーザー体験向上がビジネス成長を加速する

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ECサイトの運営において、商品の魅力やプロモーション戦略はもちろん重要ですが、サイトの「速度」がユーザー体験、ひいてはビジネス成果に直結することをご存知でしょうか? 顧客が快適にサイトを閲覧できなければ、どんなに素晴らしい商品も、どんなに魅力的なコンテンツも、その価値を十分に伝えることはできません。

本記事では、老舗革靴ブランドとして確固たる地位を築くマドラス株式会社が、ECサイトの速度改善という課題にどのように向き合い、そしてどのようにしてユーザー体験の向上とビジネス成長を実現したのか、その秘訣を深掘りします。

madras(マドラス)様のご紹介とECサイトの現状

マドラス株式会社は、1921年創業の歴史ある革靴ブランド。近年は「本物の履き心地」を追求し、唯一無二の〈metaインソール〉を開発。ファッション性と健康を足元から支える革新性により、リカバリーファッションシューズのパイオニアとして多くのファンを魅了し続けています。オンラインショップは単なる商品販売の場に留まらず、店舗情報、靴や足に関する知識、店舗スタッフによるスタイリング提案、オンライン修理の受付、さらには異業種とのコラボレーション記事の発信など、多角的な情報発信を行うプラットフォームとして機能しています。

今回のインタビューでは、ECサイトの改善に深く関わるお二方にお話を伺いました。

    • 岩田 敏臣 様
      マドラス株式会社
      取締役本部長 DX・OMO事業推進/PRコミュニケーション(写真左)
    • 丸山 堅太 様
      マドラス株式会社
      リテール事業部 EC課 課長(写真右)

madras(マドラス)様のECサイトは、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

岩田様:弊社がECサイトの速度改善を喫緊の課題と認識し始めたのは、2023年夏頃でした。この認識の大きなきっかけは、購入後のアンケートでサイト速度に関するコメントが毎月のように寄せられるようになったことです。お客様からのフィードバックは非常に重要であり、特にサイト速度は顧客体験に直接影響を与えるため、無視できない課題でした。

今後のサイトコンテンツ拡充を見据えると、速度の遅さが顧客体験にネガティブな影響を与えることを懸念していました。ECサイトは実店舗で例えるなら「お店の入り口」です。入り口で待たされたり、店内の導線が悪いと、お客様は入店する気持ちになりません。サイト速度も同様で、お客様が快適に買い回れる環境を提供することは、ECビジネスにおいて必須の対応課題だと考えています。

サイト速度改善を進める上で、どのような制約や困難がありましたか?

丸山様:EC推進チームにエンジニアが不在というリソース不足のため、自社でのコード修正による本格的な速度改善は困難でした。過去には画像最適化を試みましたが、思うような効果がでませんでした。

さらに、技術的な専門用語が多く、非エンジニアの担当者には理解しにくい領域であることも、改善が進まない要因の一つとなっていました。

 

サイト速度改善への挑戦:Speed Kit導入の意思決定プロセス

顧客からのフィードバックやビジネス成長への危機感から、どのようにしてサイト速度改善への具体的なアクションを模索し始めましたか?

岩田様:顧客からの具体的なフィードバックが毎月のように寄せられるようになったことで、これは早急に対応すべき課題だと認識しました。ビジネスの機会損失にも繋がりかねないという危機感もあり、複数のソリューションを検討し始めました。

特にギャプライズさんからの提案は、他社と並行して検討を進めていた中で、提案のタイミングと内容がドンピシャでした。なにより表示速度が遅いという課題に対して、真正面から向き合った改善案であったことが、導入の大きな決め手の一つになりました。

数あるソリューションの中から、ギャプライズ社が提供する「Speed Kit」を選定された決め手は何だったのでしょうか?

岩田様:Speed Kit導入の決め手はいくつかありますが、特にPoC(概念実証)を実施できたことが非常に大きかったです。実際に導入した場合の実現性や、運用にかかる負荷を具体的に把握できたことで、安心して導入を進めることができました。特に、LCP(Largest Contentful Paint)、CLS(Cumulative Layout Shift)、TTFB(Time To First Byte)といった主要な技術指標の改善が、PoCで視覚的に確認できたことが大きな決め手となりました。この高速化により、コンバージョン率が5~6%向上しました。

丸山様:エンジニアリソースが限られている私たちにとって、技術的な専門知識がなくても利用できるツールの簡易性は非常に重要でした。また、導入によって得られるビジネスインパクトが明確に可視化されたことで、投資に対する納得感が高まりました。いきなり大規模な改修を行うのではなく、PoCで効果を検証し、段階的に導入できるスモールスタートの手軽さも評価ポイントでした。

PoCの実施プロセスや期間、そしてPoCを通じて得られた具体的な結果や気づきはどのようなものでしたか?

丸山様:PoCは2ヶ月間で行いました。検証期間中、ドメイン全体の中央値において、TTFBが -541ms(67%高速化)FCP(First Contentful Paint)が -561ms(47%高速化)LCP(Largest Contentful Paint)が -546ms(30%高速化)と大幅な改善が見られました。特にカテゴリページではLCPが -1,449ms(56%高速化)となり、ユーザーの主要導線におけるパフォーマンス向上が明確に確認できたことは大きな収穫でした。この具体的な数字が、社内での導入決定を後押しする強力な材料となりました。

サイト速度改善は、社内のリソース配分や予算確保にも関わる重要な意思決定だったと思いますが、どのように社内での合意形成を進めましたか?

岩田様:PoCで得られた具体的な改善データと、それによって期待されるビジネスインパクトを明確に提示することで、役員会議での承認を得ることができました。データに基づいた改善効果を示すことで、社内でもスムーズに理解を得られました。特に、顧客体験の向上とそれが売上にどう繋がるかという視点で説明したことが重要でした。また、日頃から速度の重要性や顧客の声を伝えていたこと、リソース不足の制限がある中でタグ1行で改善できる点も承認の重要な要因でした。

Speed Kit導入後の成果とユーザー体験の変化

Speed Kit導入後、ECサイトにはどのような変化が見られましたか? 技術指標とビジネス指標の両面から教えてください。

丸山様:導入後、当サイトの技術指標は着実に改善されており、特にカテゴリページの回遊率は7.3%向上(PoCによる結果)しました。これはサイト表示速度の向上により、ユーザーがストレスなく次のページへ移行できるようになったためと考えられます。

PoCでの成功を受け、回遊率の向上という喜ばしい成果を上げることができました。今後は、技術的な指標に加えて、ビジネス指標やSEOなどの副次的指標も総合的に分析し、本格導入によってさらなる改善を目指してまいります。

サイト速度の向上は、ユーザーエクスペリエンスにどのような影響を与えましたか? また、今後の展望についてお聞かせください。

岩田様:サイトが実際に速くなったことは、Googleの指標でも確認されています。これにより、顧客はより快適にマドラスのECサイトを利用できるようになり、ブランド体験全体の向上に繋がっています。

丸山様:ギャプライズさんのカスタマーサクセスによる手厚いサポートも、導入後の運用をスムーズにする上で大きな助けとなっています。他のツールとの干渉問題など、導入時に発生した課題も、迅速なサポートによって解決されました。今後の展望として、ファーストビューのパーソナライズ機能との連携など、さらなるユーザー体験の向上を目指しています。サイト速度改善は、あくまで顧客体験向上のための第一歩であり、今後も様々な施策を通じて、より魅力的なECサイトを構築していきたいと考えます。

 

マーケティング担当者への提言

今回のmadras(マドラス)様の事例を通して、日本のマーケティング担当者へどのようなメッセージを送りたいですか?

岩田様:ECサイトの速度改善は、顧客体験とビジネス成長に直結する重要な要素です。サイト速度は、顧客の離脱率やコンバージョン率だけでなく、ブランドイメージやSEOにも直接影響を与えます。これまで実現したいと思いながらも後回しになっていた速度改善が、SpeedKitによってついに実現しました。快適な利用環境を提供することで、持続的なビジネス成長の基盤を築くことができます。

丸山様:社内に十分なエンジニアリソースがない場合でも、Speed Kitのような外部ツールを活用することで、専門知識がなくても効果的な速度改善を実現できます。重要なのは、課題を認識し、適切なソリューションを選択することです。また、投資を行う際には、その効果を具体的に可視化することが、社内での合意形成や予算獲得において不可欠です。PoCなどを活用し、技術指標とビジネス指標の両面から効果を測定することが成功への鍵となります。

聞き手:栁澤、今本


記事から学べるポイント

  • ECサイトの速度は「顧客体験」と「ビジネス成長」に直結する:サイト速度は単なる技術的な課題ではなく、顧客満足度やコンバージョン率、ひいては売上向上に直接影響を与える重要な要素である。
  • エンジニアリソース不足でも速度改善は可能:専門知識がなくても導入できる外部ツールを活用することで、社内リソースの制約を乗り越え、効果的な速度改善を実現できる。
  • PoC(概念実証)で導入効果を可視化する:導入前にPoCを実施し、具体的な技術指標や運用負荷を確認することで、社内での合意形成をスムーズに進め、投資対効果を明確にできる。
  • ビジネス指標へのインパクトを意識する:速度改善の目的は、単にサイトを速くすることではなく、回遊率向上やコンバージョン率改善といった具体的なビジネス成果に繋げることである。
  • パートナー選定の重要性:導入から運用まで手厚いサポートを提供してくれるパートナーを選ぶことで、安心してプロジェクトを進められる。

 

まとめ

madras(マドラス)様の事例は、ECサイトの速度改善が、単なる技術的な課題解決に留まらず、顧客体験の向上、ひいてはビジネスの成長を加速させる強力なドライバーとなることを示しています。特に、エンジニアリソースが限られる中でも、適切な外部ツールとパートナーを選定することで、大きな成果を上げられる可能性を秘めていることが明らかになりました。

日本のマーケティング担当者の皆様にとって、本記事がECサイトの速度改善に取り組む上での一助となれば幸いです。顧客に最高のオンライン体験を提供し、ビジネスを次のステージへと進めるために、今一度、貴社のECサイトの「速度」に目を向けてみてはいかがでしょうか。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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