「正しい判断をするためにABテストツールは必須」PayPay保険サービスとVWOが歩むABテスト改善
「ほけんが人々の可能性を最大限に広げる世界を」というビジョンの通り、保険が手軽で身近なものになることで、人々が積極的に行動するようになる世界の実現を目指しているPayPay保険サービス株式会社様。
2023年9月30日のGoogle Optimizeサービス終了に先立ち、無数にある代替ソリューションの中からVWOをご導入いただきました。
今回、VWOのご選定に携わられた薬師寺様(写真右)に、これまでのABテスト施策へのお取組みとVWOご選定理由、今後の展望についてお話を伺いました。
目次
PayPay保険サービスについて
ご業務・ミッションについてお聞かせいただけますか?
サービス企画1部という部署に所属しています。業務は、『PayPayほけん』の広告のプロモーション全般や、UI/UX等の改善を担当しており、私のミッションとしては『PayPayほけん』の売上や契約数の最大化になります。
一般的に保険商材は他社と差別化がしづらいと言われていますが、御社ではどのように差別化を図っているのでしょうか?
PayPay保険サービスは保険代理店ではありますが、保険の販売をするだけではなく、自分たちで保険商品の案を企画し、それに近い保険商品を持っている、もしくは新たに認可を取っていただける保険会社さんを探し、一緒に商品の企画開発を行っています。私たちは、「UPDATE ほけん 情報技術のチカラで、保険を手軽で身近なものに」をミッションとして掲げており、ユーザーのニーズを考え、それにかなった保険商品を販売することを重視しています。
その上で、私たちが行っている差別化ポイントは3つあります。
1点目は、PayPayアプリから簡単に加入できるという点です。保険への加入は複雑で時間がかかるといった印象を持っている人は少なくないと思いますが、『PayPayほけん』の場合は、PayPayアプリから最短1分で申し込み完了ができるシンプルさが特徴です。
2点目は、『PayPayほけん』にしかないユニークな保険です。具体的には、『熱中症お見舞い金』や『インフルエンザお見舞い金』が該当します。これらの保険は、熱中症やインフルエンザに特化した保険です。どちらも国内初の保険で、世間的なニーズも高いことから多くの方にご利用いただいています。
3点目は、安価な保険料です。例えば、『PayPayほけん』の主力商品である『あんしんドライブ』という1日自動車保険は、12時間650円から加入できる保険で、業界最安プラン※です。20代前半の若い方からのニーズが高く、多くの方に加入いただいています。
※PayPay保険サービス調べ
正しい意思決定をするために、ABテストツールは必須
ABテストツールを使用するメリットについて、どのようにお考えでしょうか?
テストツールを使うことで、テスト施策に対する正しい判断ができるようになると考えています。前提として、ABテストを行う一番の目的は、正確な意思決定をするためです。細かな修正だとしても、想定以上にパフォーマンスが改善・悪化することがあるので、どのような改善効果が得られるのかを把握するためにABテストを行っています。
もし仮にテストツール無しでABテストするとなると、期間や前後で比較することになると思いますが、結果に影響を及ぼす外部要因が多すぎて正しい判断ができません。例えば弊社の場合、PayPayアプリ側の施策の影響を受けてしまい、正確なパフォーマンスが把握できないでしょう。正しい判断をするためには、ABテストツールは必須だと考えています。
グループ会社間でABテスト事例などを共有しているのでしょうか?
はい、実施した施策は基本的にグループ会社間でも閲覧できるようになっており、どのような施策でどのような改善効果が得られたのかをまとめています。
どのくらいの頻度でABテストしているのでしょうか?
その時々にも寄りますが、平均で月2本ほど回しています。
どのようにテストアイデアを考案しているのでしょうか?
まず、その期に注力する商材に絞って企画メンバーやデザイナーでアイデアをそれぞれ発散させて考案しています。発散させる際は、過去のテスト結果を踏まえたり、競合のUIなどを分析したり、それぞれのアイデアに対して売上等への貢献度や重要度、緊急度などを考慮して優先順位付けしています。
過去のABテスト施策で特に印象に残っているものを教えてください。
画面のメインビジュアルを変更した施策が印象深いです。以前は、その保険を直接想起させる画像を使用していましたが、保険がユーザーにもたらすポジティブな面をイメージできる画像に変更したところ、離脱率が低下し、コンバージョン率が向上しました。
そのテスト施策のアイデアはどういう流れで生まれたものなのでしょうか?
弊社は経営陣もUIが重要だと考えており、経営陣のアイデアから生まれたテストです。比較すると、競合のほうがポジティブなメインビジュアルを使用していたため、画像を変更したらどういう改善結果になるのか検証しようと考えました。
VWO導入の決め手はテストUUのコントロール
VWOについてはどのような経緯でお知りになりましたか?
Google Optimizeのサポートが終了する発表文にVWOの名前があり、そこで初めて知りました。
VWO以外に候補に挙がっていたツールはありますか?
同じくGoogleの発表文に名前が載っていたAB TastyとOptimizelyに加え、国産ツールも検討していました。
候補の中からVWOを選んだ決め手は何でしたか?
最終的な決め手は、やはり費用になります。どのツールも私たちが実施したいABテストは可能でした。その中でVWOの場合、対象となるテストの月間UU数によって価格が変動しますが、そのテスト対象となるUU数について、全体の50%を対象にテストを実施するというようにUU数をコントロールできるため、弊社に合っていると判断しました。
ギャプライズに対する印象はどうでしたか?
Google Optimize代替ツールの候補を比較検討するにあたって、Googleの発表文に名前が挙がっていたOptimizely、VWO、AB Tastyの全てをギャプライズさんが取り扱っていることが分かり、「ここに聞くのが間違いないのではないか」と思ったことがスタートでした。
自社で取り扱われているソリューションは勿論のこと、競合にあたるツールについての知識量も豊富で、忌憚なく意見を言っていただけるので信頼しています。
今回の選定にあたっても、現状のリソースややりたいことを踏まえ、最適なツールとプランをご提案いただけたことは非常にありがたかったです。
ABテストで、多くのサービスがより良くなる未来へ
今後どのようなチャレンジをしていきたいですか?
今後もABテストを通じて、各保険のUPDATEを行っていき、ユーザーの皆様により良い商品を快適にご利用いただける環境を作っていきたいと考えています。
また、その経験を通して現場で働いている私たちがレベルアップしていきたいですね。
ギャプライズに期待していることはありますか?
まだツールを導入したばかりで不明な点もあり、導入・活用のサポートを期待しています。また、今後機能が追加されることがあれば、そのご連絡もお願いしたいです。
最後に、ABテストツール導入を検討している皆様へアドバイスお願いします。
正しい経営をしていくためにも、ABテストツールの導入による正しい意思決定ができる環境の構築は必要だと考えております。業種問わず、より多くの企業がABテストツールを導入することで、世の中のサービスもより一層良くなっていくのではないかと思います。
ありがとうございました!
聞き手:大島・佐藤・舟木
舟木/マーケティング・IS担当
ABテストツールなどのインサイドセールス専任として入社し、現在はマーケティングも担当。週5でヨーグルトを摂取。好きな野球選手は大谷翔平。