インフルエンサーマーケティングの効果を可視化させるためのKPI

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シグナル社はインフルエンサーマーケティングがまだ一般化していなかったブログマーケティング黎明期に、PR業界大手のベクトルグループでブログマーケティングの専門会社として設立されました。以降、企業と顧客の良好なコミュニケーションの育成をPRに生かすことに携わっています。

今回、昨今のインフルエンサーマーケティングにおいて見られる企業の課題と打開策をコンサルティング部のシニアマネージャーである今仁英輔氏に伺いました。

1.インフルエンサーマーケティングで陥りやすい考え方

―インフルエンサーマーケティングにおいて企業でよくある課題は何でしょうか。
ご担当者様が抱えている課題は、主に3つあります。
-どんなインフルエンサーを起用すれば良いのか分からない
-効果がわかりずらい、獲得までの道筋が見えない
-社内の理解・合意をなかなか得る事ができない

これらの原因は、インフルエンサーを起用する目的が「広告の代替」になりがちなケースが多いからです。

インフルエンサーマーケティングの利点は、「クライアントや商品に対するターゲットのロイヤリティを高めることができること」だと考えています。

―ここでいう“ロイヤリティ”について詳しく教えていただけますか?
ロイヤリティの向上は、購買ターゲットがインフルエンサーの発信を通して、企業や商品に対する印象や好感度をあげ、その商品やブランドをもっといいなと思ってもらうことを指しています。

ロイヤリティは情報の受取手にとって、「有益な情報」が「心地よく」かつ「継続的に」与えられることで育ちます。旧来的な広告型のインフルエンサー起用ではなく、人対人の付き合い、として関係値を構築していくという新しい接し方が今後より普及していくべきインフルエンサ-マーケティングであると考えます。そこで必要となってくるのがインフルエンサ-とオーディエンス(フォロワー含む、情報の受け手)の、「心のキョリ」を見ることです。

2.シグナル社が大切にする【心のキョリ】

―「心のキョリ」とはどんなものでしょうか?
はい、インフルエンサーとオーディエンスの関係性は友人関係に近いと考えており、「心のキョリ」によって情報の受け取られ方が違ってきます。
例えば、「あの人はカフェごはんを家で作るのが上手で、外食先もいつもお洒落」というように得意分野が認識されている人がいるとします。その中でも、安定した投稿の質から情報への信頼度が高かったり、DMやStories上での頻繁なやり取りで親近感があることが、心のキョリが近い=信用される関係性になり得ると考えます。心のキョリが近いインフルエンサ-ほど「このレストラン、あの人が美味しいって言ってたからきっとおいしいよ、行ってみよう」とオーディエンスの行動を促す事が出来るのです。

企業とインフルエンサーの間でも心のキョリは重要です。フォロワーが多い人に依頼すればPRしてくれるだろうと考えるのは、全く話した事もなく、一方的に気になっていた人に不躾に話しかけるようなもので、不信がられてしまう可能性があります。実際に、ファーストコンタクトから仕事の内容と金額を提示した失礼な会社として、DM文面のスクリーンショットがTwitter上で拡散されているケースなども過去見たことがあります。

この「心のキョリ」は定性的ですぐに手に入るものではないため、シグナル社では投稿前の準備期間にてマニュアルやガイドラインを作成し、クライアントや依頼インフルエンサーとの共有を行って施策成功のための相互理解を得ています。

―心のキョリはどの様にして分かるのでしょうか?
オーディエンス側からそのインフルエンサーがどう見られているかを調べています。以前は投稿内容やそれに対するコメントから分析・判断していましたが、Klearだと定量的数値で表されているので、選定をするときに役に立っています。

【Klear:インフルエンサーのオーディエンス分析画面】

【MOST POPULAR HASHTAGS】そのインフルエンサーのオーディエンスが使っているハッシュタグ
【MOST RELEVANT HASHTAGS】そのインフルエンサーのオーディエンスが検索しているハッシュタグ
どちらもプロフィールではメイクのアピールをしていますが、Aさんはメイクよりも食べ物やファッションの投稿にて影響力があり、Bさんの方がメイク好きなオーディエンスが多いということが分かります。
また、プロフィールにあるインフルエンサー自身の年齢層のオーディエンスがいるわけではないという結果が出ています。

若年層に広告が響かないのでインフルエンサ-に着手するという話もありますが、現在は一周回って広告であっても「有益」な情報は興味を持っている人たちに見てもらうことができ、響いています。

3.PR/SNS/広告においての情報配信設計の大切さ

―広告を有益と思ってもらえるには、なにが重要でしょうか?
インフルエンサ-マーケティングの場合、インフルエンサーの発信によってオーディエンスが興味を持ち、情報を検索します。その際に「探していたらリスティング広告で分かりやすく説明しているWebページに行きついた」や「別のインフルエンサーも使っていたので購買した」「忘れていた頃にバナーが出てきて思い出した」というように自然な接点であればクリックにつながりやすいと考えます。

インフルエンサ-に拡散をしてもらうだけの施策ではなく、WEB上で情報を検索しだしたユーザーを自然な導線でサイトまで導く【しかけ】も準備する必要があります。このしかけは目標によって様々あり、クライアントのやりたい事に追加して弊社からご提案させて頂くことが多いですね。

獲得に至るまでのしかけをきちんと行い、各ポイントのKPIを設定することによって、効果も可視化出来るようになり、社内への説明もしやすくなります。

特にダイレクトマーケティングに力を入れてきた企業などでは、インフルエンサーマーケティングではコンバージョンや獲得数との相関性を出しにくいため「実施に踏み切れない」、または「効果が出なかった」と判断されてしまう事がありますが、それも施策全体の設計理由を社内説明できるように言語化し、詳細なKPIごとの結果データが出るようになれば、担当以外の人でもインフルエンサー起用の必要性が理解・納得できるようになります。

例えば、何故そのインフルエンサーを起用したのかという説明にはKlearのデータが使えます。
例)#ハーゲンダッツで投稿しているインフルエンサーを100人抽出した上で、個々のインフルエンサーの影響力を比べます。
【Klear:インフルエンサーの発掘画面】

【Klear:Profile機能にて、インフルエンサー詳細情報画面】

「このインフルエンサーは今回の施策のターゲット層である18‐24歳の女性にリーチしている率が他に比べて高いため、施策を依頼したいです」と、説明することが可能になります。
Klearではこのほかにも施策全体での効果検証やリーチできた属性をレポーティングすることが出来ます。

4.これからのインフルエンサ-マーケティング

―これからのインフルエンサーマーケティングではどの様な人達が必要とされていくのでしょうか。
オーディエンスの多くはインフルエンサーを1つの個人メディアとして捉え始めています。ナチュラルメイクならこの人、ファッションセンスで好きなのはこの人、この人のように旅行を楽しみたい、など、Instagramの上だけで様々な情報が無料でタイムリーに発信・収集されています。

よって、必要とされるインフルエンサーとはこのように専門性を持った人であり、得意とする領域にあった仕事が集まってくることでしょう。

専門性においては、中国のKOL(Key Openinon Leader)はとても進んでいます。
彼・彼女たちは「美容」「旅行」なかには「日本」など、自分のテーマに特化し配信を行っています。

Instagramの中でも、このように専門性をしっかり持って、オーディエンスと心の距離が近いインフルエンサーを見つけてくる事が今後注力していくべきポイントになるでしょう。

―最後に、今後インフルエンサーマーケを行っていくために必要な事は何でしょうか。
一概にこの指標を追うべきと言えるものはないのですが、しっかりと準備することが大切だと思います。
施策の検討段階でKPIを含めたプランニングをしっかりとおこない、GoogleAnalyticsやKlear等のツールを使ってKPIを数値化・可視化するための準備。これらがどれだけしっかり出来ているかが成功の鍵になります。

【シグナル社が考えるインフルエンサーマーケティングのサイクル】

このサイクルを回しながら、ブランドのファンを増やして行く事をインフルエンサー施策の目的にして欲しいと思います。

シグナル社ではKlearを活用し、商品のファン発掘・育成をお手伝いする新サービスFAN-NALをローンチしました。
「どんなインフルエンサーにPRをお願いしたらいいのか分からない」「マイクロ/ナノインフルエンサーで施策を実施したい」企業様に、オーディエンスと心のキョリが近いインフルエンサーをリストアップするだけではなく、PRのイベントやSNS上のキャンペーン運用もお手伝いさせて頂きます。
「まずは一回」のスポットでのご利用から可能です。(リストのみの提供も可能。)

お問い合わせはこちら

また、シグナル社はKlear導入企業のインフルエンサー施策の実行・内製化支援も行っております。
「インフルエンサー施策を内製化して行きたいけど不安」「最初は知見がある人について欲しい」などのご希望を承ります。
【Klearを活用したSignal社の内製化支援プラン】

シグナル社へのお問い合わせはこちら、Klearのお問い合わせについてはギャプライズまで。

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青山桂

株式会社ギャプライズ テクノロジーソリューション事業部 市場分析ツールSimilarWeb、インフルエンサーマーケティングツールKlearについて、何でも聞いてください♪

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