Huawei(ファーウェイ)と11人のインフルエンサーがもたらした効果
的確なマーケティング戦略を行うのは困難だと言われていますが、Huawei(ファーウェイ)はそれを実現しているグローバルブランドのひとつだと言えます。
Huaweiのグローバルメディア・コミュニケーション部門のリーダーである、Joy Tanさんは、ブログで、インフルエンサーマーケティングプログラムを開始した理由と、そのプログラムの運営を通して彼女が一年間で学んだことについて書いています。
プロジェクトの背景
Huawei(ファーウェイ)は、約60億ドルの売り上げ収益をもつ、中国の多国籍の通信企業です。Huaweiはスマートフォン市場において、Samsung(サムスン)やApple(アップル)に次ぎ、第3の売り上げを誇っているほどの、大企業ではありますが、その競合となるSamsungやAppleほどのブランドの知名度はありません。
市場における自社ブランドの知名度を測るために、Huaweiは自社ブランドについて人々が何を知っているのか、調査を行いました。調査では、世界中のKOL(key opinion leaders)にインタビューを行い、彼らがどれくらいHuaweiについて知っているかなどを聞きだしました。
その調査によると、人々はHuaweiの存在には気づいているが、Huaweiの製品や歴史などはあまり知らないということが明らかになりました。
その結果をみて、Huaweiはインフルエンサーマーケティングプログラムを立ち上げることで、Huaweiの知名度を上げることに決めました。彼らはこのインフルエンサーマーケティングプログラムを、KOL(Key Opinion Leaders)プログラムと名付けました。
インフルエンサーの理想的な人数
Huaweiはインフルエンサーを探す際に、少なくとも3000人のフォロワーをもち、テクノロジーとビジネスソーシャルメディアについてのオピニオンリーダーであることを基準としてインフルエンサーを探しました。
そして、最大で80人のインフルエンサーと協力することを目標としたのです。Huaweiのスタッフはインフルエンサーたちに連絡を取り、ミーティングを開きました。時には、インフルエンサーに会うために世界各地を飛びまわることもありました。
Huaweiは、彼らが認めたオピニオンリーダーたち(インフルエンサーたち)との関係を作り、育むことに多くの時間と労力使いました。
もしかすると、80人というインフルエンサーの数が比較的少ないように感じるかもしれません。しかし、KOLプログラムを行った1年が過ぎた後、Tanさんは「約80人以上のインフルエンサー(KOL)と一人一人個別に対応し、インフルエンサーマーケティングをするのはかなり困難であっただろう」と考えています。
実際、インフルエンサーたちが十分に効果を発揮しているとすれば、そのインフルエンサーの数は50人くらいが理想的だと言えます。
選ばれたインフルエンサーのもたらしたROI
2016年9月、Huaweiは中国の上海でHuawei Connectカンファレンスを開催しました。この会議には2万人もの人々が招かれ、クラウドコンピューター、ビックデータやインターネットなどの様々な分野における最新テクノロジーが展示されました。
イベントや、Huawei自体の認知度を上げるべく、Huaweiはテクノロジー分野のインフルエンサーたちをこのイベントに招待しました。
Huaweiは、テクノロジー分野のインフルエンサーをただ全員を招いたわけではなく、その中から一部のインフルエンサー選びだしました。そして、そのインフルエンサーの中には、11人のリーダーが含まれていました。(Travis Wright, Robert Scoble, Adel de Meyer, Peter Shankman, Glen Gilmore, Marsha Collier, Chris Rauschnot, Hillel Fuld, Partick Moorhead, Diana Adams, Bill Cody)
Huaweiは、このように選抜したインフルエンサーたちを招く、という賢い手法を用いたのです。
イベントに招かれたインフルエンサーたちの投稿を見てみましょう。
インフルエンサーがFacebookに投稿した動画
https://www.facebook.com/PeterShankman/videos/10153758041371674/
11人のインフルエンサーが4百万人の人々へ
Huaweiにとって、かなり活発で友好的なインフルエンサーに焦点を当てることは、とても価値のあることでした。そうしたインフルエンサーたちが2016年のHuawei Connectカンファレンスで生み出したソーシャルメディア上での直接的な成果がこちらです。
・ツイッター:258ポストでの言及
・インスタグラム:42ポストでの言及
・フェイスブック:51ポストでの言及
・ツイッターで7200、インスタグラムで6400、フェイスブックで3600、合計で16,900の反応
・FacebookのLIVEフォト:116000ビュー
・実際にその投稿見た人々の推定数(True Reach):4,600,000
・ポテンシャルROI:$128,900
上記にある、True Reachとは、たんに彼らのフォロワー数を指しているのではなく、ツイッターやインスタグラムにおいて、投稿を実際に見た人の数を計算し推定した数を示しています。
ブランド認知を高めることを目標としているこの企業にとっては、これはかなりいい結果だと言えます。
そして、コンテンツのTrue Reach(実際にその投稿を見た人々の推定数)に基づいて考えたとき、この企業が、プロジェクトを通してもたらした利益は、約$128,900にもなります。(日本円で約1300万円)
Huaweiのコーポレートコミュニケーションズの副代表であるWalter Jennings氏は、“私たちのKOLプログラムの一年間の間、Huaweiが魅了してきたインフルエンサーたちや、そのインフルエンサーたちの影響力の強さ、そして、彼らがHuaweiブランドに対して持っている情熱を実感しました。 私たちはそれぞれのインフルエンサーとより長期的に関係性を築こうと考えていますが、まだ、この短期間のプロジェクト見られた結果にわくわくしてしまっています。” と話しています。
つまり、
インフルエンサー(KOL)とそれぞれのつながりを築いたこと、彼らを中国に招待し、クリエイティブな方法で彼らの経験をシェアできるような自由な機会を与えたことは、企業が知名度を向上させるための効果的な良い方法であったといえます。
インフルエンサーの正しい選択からはじめる
一年間KOLプログラムを運営した後、Tanさんは、正しいインフルエンサーを選び出すことと、彼らとの関係構築のために十分な時間と労力を費やすことをアドバイスしています。
この企業のイベントを見てわかるように、インフルエンサーの正しい選択はブランドの知名度を一気に上げ、資本としてもかなりのリータンをもたらすのです。
以上はKlear公式ブログ“The Story Of Huawei And 11 WOWy Influencers”の翻訳記事です。また、画像はすべて原文より引用したものです。
著者:Yuval Maoz
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