まったくの未経験から1年でWebマーケコンサルタントになった私がやったこと

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こんにちは。2018年3月に入社し、ギャプライズ歴2年目を迎えた石山 資(たすく)と申します。
コンサルティングチームに所属するWebマーケティングコンサルタントとして、
クライアントのKPI向上の支援やサイト改善の内製化支援を行っています。

今でこそ一から分析をおこない、プレゼンの場に立つこともしばしばですが
もともとIT知識がまったくない状態で入社しました。Webマーケの知識も充分ではなく、業務に欠かせないツールであるGoogle Analytics(以下GA)はその存在すら知らず、よく採用していただけたな、としみじみ思います。

現在はコンサルタントとして、GAを用いたボトルネック分析から、ヒートマップツールであるClicktale(※現在はContentsquare)を用いたユーザー分析、ABテスト案考案のみならずワークショップの開催など幅広く奮闘しています。

そんな私が、分析からABテスト考案、ユーザー心理の分析までできるWebマーケコンサルタントになるため、1年間どんなマインドでどんな行動をしたか、身につけたスキル・悩みとともに期間にわけてご紹介いたします。

 

1.暗中模索(1~2ヶ月目)

入社当初は何をすればいいか分からず、よく「死にそうな顔をしているね」と声をかけられるほど。
案件に同行させてもらうも専門用語が多すぎて何も分からず、取った議事録もほぼ白紙状態。
会議室のインテリアと化していました。

とはいえやるべきことは明確で、それは話を理解するための基礎的なIT知識・Webマーケ用語の習得です。
まず、以下の資格を入社後2週間以内に取得しました。

  • ITパスポート
  • GAIQ(Google Analytics 個人認定資格)
  • Google デジタルワークショップ

ITパスポートはWebマーケに直接関係はしませんが、土台としてのIT知識を身につけることに役立ちます。
また、GAを自在に操るスキルはWebマーケターの必須スキルです。
セッション・直帰率・流入チャネルといったITパスポートでカバーできないWebマーケ用語もGAを通じて学習できるので、GAIQはWebマーケターの登竜門的な資格といえます。

また、ツールの知識だけでなくWebマーケティングとは何か、どのような観点から分析をしていくかという本質的な理解も必要です。
Googleデジタルワークショップは無料でWebマーケの知識を広く学ぶことができます。

3つの資格を取得し、実際にGAに触れてみることで案件同行でも議事録を取れるまでに至りました。
知識がついていくにつれ顔色もよくなり、出席するのが楽しくなっていきました。

Webマーケは大雑把にいうと「IT」と「マーケティング」2つの領域から成り立つ分野です。
この分野を薄く広くカバーするための手段のひとつが、前述の3資格にあたるでしょう。
Webマーケターを志す方はぜひ取得いただきたいです。

また、この期間は仮説検証能力やプレゼンテーション能力といったソフトスキルを高めるより、まずはハードスキルを身につけることをオススメします。
ハードスキルが固まっていない状況でプレゼンをしてもしどろもどろになるだけですし、心が折れてしまいます。
私自身、ある案件で大きく背伸びして発言をしてみたところピントのずれたことを言って落ち込み、退職スイッチが入りかけたことがあります。

できないことが多い状況であるからこそ、モチベーションをキープするため身につけやすいハードスキルから獲得し、「自分でもやれるんだ」という小さな成功体験をすこしずつ重ねていくことがこの期間は非常に重要です。
守破離でいう「守」に入り込んだ段階と言えるでしょう。

 

まとめ

1.IT・Webマーケティングの知識を固める

2.小さな成功体験を積み重ね、自信をつける

3.モチベーションが低下するような身の丈に合わなすぎる業務を避ける

 

2.分析の土台が固まる(3~5ヶ月目)

3ヶ月目から、アナリストとして本格的に分析に携わりはじめました。
ただし、1~2ヶ月目でつけたスキルはあくまで知識です。
実践的スキルではないので、どう分析すればいいか分からないという次の壁にぶつかります。
GAを用いたボトルネック分析を頼まれても、どんなデータを見ればいいか検討がつきませんでした。

そこで実践したことは、先輩方の分析資料をとにかく徹底的にパクることです。
具体的には、先輩方がどのように分析をしたか資料を確認しスプレッドシートへまとめ、それぞれどういった観点の分析なのか、データはどのよう出せばよいか、ひとつずつ確認しました(参考画像1)。

参考画像1:スプレッドシートにまとめた分析の観点

ある程度まとめた後、依頼された分析に適した手法をそのまま当てはめる。
この手法を繰り返すことでだんだんと先輩方と同じ分析を再現できるようになり、
分析を重ねるごとに独自の分析観点も見えてきました。

無から有は作れません。分析方法をまったく知らない状態では、何を分析すればいいか途方にくれるでしょう。
仮になんとか分析ができたとしても、時間に見合う分析結果を出せるかは非常に疑問です。

まずは、先輩方が実践された内容をとにかくパクり、分析の型を無意識レベルに染み込ませることが重要です。
守破離で言う「守」にあたります。
こうすることで分析をスムーズに行えるだけでなく、徐々に自分ならではの観点で分析ができるようになります。

もし社内に参考になる資料が少ない場合は以下記事をご覧ください。
特に、1つ目は私の1年間の集大成としてまとめたもので、GAで最低限見てほしいデータだけでなくその操作方法や、分析・仮説検証や改善案考案のコツを体系的にまとめております。
ぜひこの資料でWebマーケターに必要な分析・仮説検証スキルの型を習得いただければと思います。

  1. 【600回以上のABテストから判明】5つのフェーズで分かる、サイト改善やることマニュアル
  2. 【実録】36回のABテストでCV率8.3倍を実現するまでの全記録

この時期の悩みとして、できることは増えてくるものの最初から最後まで自分の力だけでやり抜くことが難しく無力感を感じてしまう場面があるかもしれません。
私自身、GAを使った分析も途中で先輩にバトンタッチしたり、Clicktaleを用いた分析もさわりだけ、という悔いが残る状況が少なからずありました。

ここで自信をもつには、1人前に使えるツールないしは業務領域を1つ決め、そこだけはひとりで確実にやり抜く力を身につけることです。
頼られる業務があれば、周囲から認められている実感をもてます。

僕の場合はGAで遷移フローの作成や複雑なカスタムセグメントを用いたデータ抽出ができるまでに勉強し、
「GAならまず石山」の地位を確立するまでに至りました。

こうすることで1~2ヶ月目と違い、初期分析やアイデア出しといった案件の一部で確実に貢献ができるようにもなります。

 

まとめ

1.分析や改善案出しの観点は徹底的にパクり、型を身につける

2.自信をもつため、1つのツールあるいは業務領域を極める

 

3.ABテスト考案やユーザー心理の分析をできるように(6~12ヶ月目)

6ヶ月目からは案件を1人で回すことも増えてきました。
分析の型も身につき、目的にそって各ツールのどの機能を使えばよいかの判断も瞬時にできるようになってきます。
そのために必要なことは、分析観点の体系化です(参考画像2)。
個人的に、この先の期間もスキルを伸ばしつづけるために最も重要なことだと考えます。

非常に難易度が高い分析でなければ、ある程度ユーザー行動の仮説・分析内容は標準化ができます。
例えば、LPで価格を10,000円から8,000円に下げるABテストを実施したとしましょう。

ユーザーは価格への関心が高いのでCVRが上がっても下がってもスクロール率の向上が想定されます。
また、CVRが上がっているのであればページ内のCTAからCVした、あるいはより詳細な価格の内訳を知りに料金ページに遷移したとも考えられます。

このように、実際にGAなどのツールを用いて分析する前に、テスト目的に紐付いた仮説をたてることで分析時間の短縮が図れます。
仮説を標準化すれば、頭を使う場面をイレギュラーな結果が出たケースに絞れるので集中力維持の面でも効果を発揮するでしょう。

参考画像2:ヒートマップのデータに変化が起きたときに、確認すべきユーザーの行動例

さらに、ケースごとにユーザー行動はこう変わる、といったセオリーをストックしておくことで一定水準以上の分析が担保できます。
また、分析時間の短縮を図ることでABテスト案を考える時間の捻出やユーザー心理の分析といった、CVR向上に最も重要な本質的活動に時間を割くことができます。
守破離で言う「守」がようやく固まり、自分独自の型を追求する「破」へ突入する期間です。

また、分析の型が固まることで、ユーザー心理の分析やABテスト案考案がようやくできてくるようになります。
そもそもWebマーケティングにおいて、ABテストやユーザー心理は仮説検証・定量データの分析から求められるものです。
分析ができないままに考案された心理やテストは精度が低いものでしょう。

僕自身、分析が一人前にできない時期は考えたABテスト案も目的が曖昧で、ユーザー心理が分からず悩む場面が多々ありました。
ただ、分析を理路整然とできるようになると、自然とABテストやユーザー心理が浮き彫りになってきます。

改善案を仮説検証・分析なしに生み出すことは今でも難しいと感じます。
まずは焦らず、自分なりの分析の型をしっかり身につけることから始めていただきたいです。

 

まとめ

1.ABテストを考案し、ユーザー心理の分析をおこなうために分析の型を身につける

2.分析を効率化するため分析・仮説検証の観点を体系化する

 

4.コンサルタントとしてクライアントに貢献(現在)

2年目の現在、分析からABテストを考案、ユーザー心理の分析まで一貫して任せていただけるようになりました。
1年でここまで成長を遂げ、Webマーケターとしてひとり立ちできたのは、
以下の5点を意識できたからだと感じます。

 

  • IT・Webマーケティングの基礎知識は早々に習得
  • 先輩の分析手法を徹底してパクリ、型を無意識レベルまで染み込ませる
  • 学んだことは都度体系的にまとめる
  • ABテストを考案し、ユーザー心理を紐とくために分析の型を身につける
  • できないことはできないと、前向きに諦める

 

無理なく知識やスキルをつけていくための順番を把握。
随所で立ちはだかる壁を乗り越えるためのマインドをしっかりと持つ。
そうすれば、前途多難なWebマーケターの道もきっと進みやすくなるはずです。
本記事が未経験からWebマーケターを志す方、あるいは日々の業務で悩んでいる方の道しるべとなれば幸いです。

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石山 資 コンサルタント

2018年ギャプライズ入社。入社以来LPを中心に、70以上のWebサイトの改善に従事。Google Analyticsによる定量分析・サイト改善だけでなく、GoogleデータポータルやTableauといったBIツールを用いたKPI可視化にも強みを持つ。 趣味はものを限りなく減らすこと(=ミニマリスト)

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