リスティング広告のCVRを改善する14の方法!CVR改善の思考法も紹介

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2024/02/02

リスティング広告は管理画面上の改善のみでは成果を期待できません。
より効率良く広告配信をするためには、多くのCV(コンバージョン)を獲得できるようにCVR(コンバージョン率)の改善をすることが重要です。

この記事では、リスティング広告のCVRの改善方法について具体的に取り上げ、CVRを改善するための基本的な考え方についてもご紹介します。

リスティング広告のCVRとは

本章では、リスティング広告とCVRそれぞれに関する基礎的な部分を解説します。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、Google、Yahoo!などの検索エンジンの検索結果ページに表示される運用型広告の1つです。
設定したキーワードを基に、ユーザーが検索した検索語句(検索クエリ)に連動して広告が出稿されます。

ユーザーが何かを検索した瞬間に、関連性の高い広告を出稿できる点が最大のメリット。
そのため、検討角度の高いユーザーの獲得がしやすいです。

使用媒体は、Google広告、Yahoo!検索広告、加えて最近ではMicrosoft広告も配信可能になり徐々に選択肢として根付きつつあります。

CVRとは

CVR(コンバージョン率、Conversion rate)は、成約や資料請求、問い合わせなど、どの程度が最終的な成果に至ったかの割合を表す数値です
リスティング広告を含む運用型広告においては、広告をクリックしたユーザーが最終的にCVに至る確率を示す重要な指標の1つといえるでしょう。

CVRの計算式は次の通りです。

CV数÷訪問数(広告のクリック数)×100

例えば、広告が100回クリック(セッション数)されたとき、3件のCVが発生したとすると、CVRは3%と導き出せます。
一般的に、CVRが高いということは一定のクリックから多くのCVに繋げられていると評価できるため、広告の成果が良いということになります。

リスティング広告のCVRの目安

次に今のCVRが良いのか悪いのか、CVRの目安についても紹介します。
下記は、米国のネット広告分析会WordStreamが発表した広告ジャンル別の2023年平均CVRデータです。

ジャンル 平均CVR
アート&エンターテイメント 13.4%
動物・ペット 1.6%
アパレル・ファッション・ジュエリー 3.0%
弁護士・法律サービス 7.0%
自動車販売 5.7%
自動車-修理、サービス、部品 12.6%
美容・パーソナルケア 8.2%
ビジネスサービス 4.9%
キャリア・雇用 3.1%
歯科医・歯科サービス 10.4%
教育・指導 7.1%
金融・保険 4.1%
家具 2.6%
健康・フィットネス 8.4%
ホーム&ホームインプルーブメント 10.2%
工業・商業 7.9%
個人サービス(結婚式、クリーニングなど) 8.7%
医師・外科医 13.1%
不動産 2.9%
レストラン・食品 5.1%
ショッピング、収集品、ギフト 3.7%
スポーツ・レクリエーション 5.7%
旅行 3.9%

参照:Google Ads Benchmarks 2023|Wordstream

CVRの目安は上記のように業種や商品によって異なりますが、平均的に2%~5%程度が良いとされています。
また、これも一般論として特にリスティング広告では商材へのニーズの緊急度が高いほどCVRが高くなりやすいでしょう。

例えば出張買取や不用品回収はとにかく早く対応してほしくて、依頼するか否かはユーザーが検索した時点で既に決まっていることも多いためCVRがかなり高めに出やすいジャンルです。
その他にも、ギフト需要の高いものは購入すること自体は検索した時点で決まっているため、その他のEC商材よりも比較的CVRが高くなります。

このように商材へのニーズの緊急度が高い場合や、検索した時点でどこかでCVすることが決まっているような商材はCVRが高くなりやすく、場合によってはリスティング広告で10%ほどとなることもあります。

ただし、CVポイントや業界・商材にもよって変わるため、自社に適切なCVポイントを設定し、ユーザー行動の傾向を見たうえでCVRの指標を設定することが重要です
集客している対象で、どの程度のCVRを目標に設定すべきか適切な水準を考えた上で改善アクションを進めましょう。

リスティング広告のCVRを改善する14の方法

本章では、リスティング広告のCVRを改善する具体的な方法を14つ紹介します。
大きく下記の3つに分けて、順に解説します。

  • 1:キーワードの最適化
  • 2:広告文の最適化
  • 3:Webサイトの最適化

それぞれ見ていきましょう。

キーワードの最適化

まずはキーワードの最適化です。
CVR改善には、まず最初に着手するべきポイントです。

キーワードの最適化においては、まずどのようなキーワードで配信されていて、それぞれの配信状況がどうなっているかを確認していく必要があります。
特にキーワード別の配信状況だけでなく、検索クエリ(検索語句)も確認することが重要です。

実際にどのような語句で検索され、それぞれがCVに繋がっているか否かも必ず確認を行いましょう。


上記の画像は、Google広告の管理画面上のキーワード、検索語句の各メニュータブ表示箇所です。
左がキーワード、右が検索語句(検索クエリ)でそれぞれ選択すると配信成果が確認できます。

1. CVRの低いキーワードの停止

まずは、広告の管理画面上でキーワード別の配信成果を確認し、CVRの低いキーワードについては停止に、一方のCVRが高いキーワードは配信比率を高めましょう

CVRが低いキーワードで出稿をし続けると、広告キャンペーン全体のCVRを下げるだけでなく、CPAの悪化にも影響してくるため、状況を見ながら調整を行っていくことがポイントです。

2. 顕在的なニーズのキーワードに絞る

より顕在的なニーズでのクリックが多くなるように調整することもCVRの改善に効果的です。
顕在的なニーズでのキーワードに配信を絞っていくには、それぞれのキーワードが検討段階としてCVからどの程度の距離にあるのか、ざっくりとでも相対的に把握していく必要があります。

具体例を挙げて説明すると、例えば脱毛クリニックの集客を行う際に「医療脱毛とは」というキーワードよりも「医療脱毛 安い」や「脱毛クリニック 渋谷」などのキーワードの方がよりニーズとしては顕在的でCVからの距離が近いです。
実際に配信を行った場合でも、より限定的で狭いキーワードの方がCVRは高くなります。

配信しているキーワードがCVから遠いのか近いのかを考え、CVRを上げる場合にはCVからより遠いキーワードでの配信は減らすようにしましょう

3. 除外キーワードを設定

CVの見込みの低い、または商材との関連性の低い検索クエリでのクリックを防ぐために、除外キーワードの設定を行いましょう。

除外キーワードとは、リスティング広告の中で任意の語句を除外キーワードに設定することで、その語句に対しては広告が配信されなくなるという設定項目です。
どのような語句を除外キーワードに設定するかを判断するには、検索クエリ別の配信状況を確認しましょう。

除外キーワードの設定例は、例えば高価格帯の商材の広告を配信する場合には「格安」「安い」などの語句を除外キーワードに設定します。
低価格帯の商材を探している意図の検索クエリへの配信を防ぐことができ、CV見込みの低いクリックを減らすことが可能です。

別の例では、会社名とサービス名が共通している商材の広告を配信する場合に「○○(会社名・サービス名)」と指名キーワードを設定すると「○○ 求人」「○○ 株価」「○○ 従業員数」など、検索意図ではないキーワードでも広告が配信されてしまうケースがあります。
このような場合には「株価」「求人」「従業員数」「売上高」など、会社の情報を調べていると思われる語句を除外キーワードに設定することで誤配信を防ぐことが可能です。

定期的に検索クエリ別の配信状況を確認し、必要に応じて除外キーワードを設定していくことでCVR悪化を防ぐことができます。

4. CV発生クエリをキーワードに追加

コンバージョンが発生した検索クエリについては、その検索クエリやそれに関連する語句をキーワードとして追加することも検討しましょう。コンバージョン見込みの高いキーワードでの配信を増やすことで、全体的なコンバージョン増加及びCVR改善が見込めます。

前述の配信キーワードの停止や除外キーワードの設定は、配信するキーワードを絞り込むことでターゲティングの精度を上げCVRを上げるという方法でしたが、コンバージョンが発生クエリの追加は獲得見込みの高いキーワードを追加することで、より獲得数を増加させることでCVRを上げる方法です。

キーワードを絞り込みすぎると、配信量が減り結果としてコンバージョン数が減少するケースが多いため、絞り込みとキーワード追加の両方を実施して調整していくことが、成果を伸ばしていくためには重要です。


CV発生クエリは「検索語句」の成果一覧からも確認できますが、より手軽に確認する方法は上記画像のように、キーワード別の成果一覧からCV発生キーワードにチェックを付け、そのキーワードで表示されているクエリを確認する方法もあります(Yahoo!でも同様の流れで確認可能)。

広告文の最適化

最適化の2つめは広告文の最適化です。
広告運用においてはおざなりになることも多い項目ですが、CTR(クリック率)改善だけでなく、CVR改善にも繋がる可能性がある部分なので必ず確認しておきましょう。

5. 訴求力の高いポイントを広告文に含める

広告文には商材の特徴やベネフィット(商材を使う上での明確な利益)を強調し、オファーを明確に組み込みましょう。
この「オファー」とは、商品やサービスに付ける価値や特典という意味で、例えば割引や無料トライアル、送料無料などがこれに当たります。

訴求力の高いインパクトのある文章をはじめに提示する理由は、心理的な「初頭効果」を高めるためです。
初頭効果とは、初めに触れた情報にその後も強く影響されるという心理的な傾向で、結果としてCVRの向上にもつながります。

また、訴求力の高いポイントはなるべく広告文の前半に含めることが推奨されています。
理由は、文章が長いと見切れて表示されてしまうためです。

そのため、見出しにインパクトのある訴求文を入れ込みましょう。

6. 広告文とLPの内容を一致させる

CVRを改善するにはLPの内容が広告文と一致していることが重要です。
LPの内容とギャップが生じてしまうとユーザーはすぐに離脱してしまいます。

特に、訴求力の高いポイントを複数候補挙げた上で、レスポンシブ検索広告(複数の広告文を入稿するフォーマット)の各広告文にその要素全てを含めて作成し、結果としてLPの内容との一貫性がない広告見出しでのインプレッションが発生しCVRが悪くなるというケースです。

広告文を作成する際は、LPとの一貫性が重要だということも頭に入れておきましょう。

Webサイトの最適化

3つめはWebサイトの最適化です。

CVR改善で、最も伸び幅の見込みが大きいのがWebサイトの最適化です。
キーワードや広告文よりも着手する上でのハードルは高いですが、CVR改善においては必須の項目といえるでしょう。

7. LPの改善

LPの改善は、ユーザーに訴求が伝わりやすく、CVまでの操作がスムーズに行えるかどうかがポイントです。
特にユーザーにとって「読みやすい」「伝わりやすい」2点を重点的に改善しましょう。

また、下記の3つのポイントもLP改善には大切なポイントです。

  • 特に伝えたい訴求や魅力ポイントはファーストビューに含める
  • 1つのLPの中での訴求軸は絞る
  • LPの最後は明確なアクションを引き起こさせるような言葉で締める

ファーストビューで魅力を感じられなければユーザーはすぐに離脱します。
そのため、なるべく商材の魅力がダイレクトに伝わるようなキャッチフレーズを目につく場所に配置しましょう。

また、商材の魅力を伝えるために、多くの訴求ポイントを盛り込んでしまうとユーザーに良さが伝わりづらく、どの訴求も刺さりません。
1つのLPの中には、そのLPの中で特に訴求したい1キーワードに訴求軸を絞り、特化LPを設計しましょう。

そして、最後は明確なアクションを促す言葉で締めくくります。
例えば「限定○○個、今すぐ購入!」「○○が手に入るのはこのサイトだけ」「〇日間無料トライアルで今すぐ試してみる」など、アクションを起こさせるような文章で締めくくらないと、ユーザーは文章を読み終わったあとに何をすれば良いのか分からなくなってしまいます。

上記の3ポイントを意識して改善に取り組めば、CVR改善につながるでしょう。

8. エントリーフォームの改善

2つめは、エントリーフォームの改善です。
エントリーフォームの項目を必要最低限に設定することや入力補助機能を活用し、フォーム入力時にユーザーにストレスを与えないことがポイントです。

このエントリーフォームが煩雑で工数が多いと、CVやCVRの低下につながります。
実際にECサイトでは、カートに入れた商品を購入せずに離脱する「かご落ち」は平均70%以上もあると言われています。

そのため、ユーザーが快適にフォーム入力できるよう、入力項目の見直しや郵便番号を入力すると自動で住所が入るような補助機能を活用することを検討しましょう。

参照:Cart Abandonment Rate Statistics 2024|Baymard Institute

9. サイトスピードの改善

サイトスピード(ページの読み込み、表示の速度)がCVRに与える影響は大きいです。
サイトスピードはユーザーにとっての利便性に直結するため、速度が遅いとストレスを感じて離脱に繋がり、結果としてCVRも悪化します。

実際、EC大手のamazonが過去に実施した調査でも「ECにおいて表示速度が0.1秒遅れると、売上が1%ほど減少する(主にCVRが低下するため)」という調査結果が出ています。
他にもMicrosoftの調査では「サイト表示が0.1秒遅くなると売り上げが1%減少し、1秒高速化すると10%の売上が向上する」結果もあるのです。

参照:Online Experiments:Lessons Learned|Microsoft

ユーザーが目を惹く広告文や魅力的なLPを作成したとしても、サイトスピードが遅いために離脱につながることは大きな機会損失です。
そのようなことを避けるためにも、Google PageSpeed Insightsなどを利用して現在のサイトスピードを測定し、必要に応じて最適化を行いましょう。

10. 記事やアンケートページを挟む

よりCVRを上げる目的でブリッジとなるページを広告の遷移先に挟むこともあります。
このブリッジページは主には商品に関する記事や、ユーザーに対するアンケートなど多種多様です。

ブリッジページに飛ばす意図は、より商品に興味を持たせることによってCVRを上げるため。
商材によっては、ブリッジページの導入がとても効果を発揮するケースもあります。

例えばサブスクリプションの商材で「アンケートに答えると初月半額」というクリエイティブを作成し、アンケートページを挟むことで最初から初月半額にして販売するよりもCVRが高まるというケースです。
この場合においても、広告文、ブリッジページ、CVまでは一貫性を持たせ、ユーザーのエモーションを繋げられるように設計することが重要です。

CVR改善のための思考法

本章では、CVR改善のための、より概論的な思考法についても説明します。

「誰に」「何を」「どうやって」

Webマーケティングに共通した構成要素として「誰に」「何を」「どうやって」の3つの構成要素があります。

まず最初の「誰に」というのは「ターゲットユーザー」のことで、リスティング広告ではこれがキーワードの設定に繋がっていきます。
次の「何を」というのは「商材の伝えるべき特徴」のことで、これが広告文やLPでまず何を訴求軸にするかに繋がります。

最後の「どうやって」は上記の「伝えるべき特徴」を「どうやって伝えるのか」に当たり、リスティング広告ではLPの構成やブリッジページの設定、サイトスピードの改善などのUI面の改善なども、どのように・どうやって伝えるのかに繋がります。

具体的な改善アクションについては経験則的に自分の中に貯めていくことも重要ですが、一度共通した全体像の部分に立ち戻って考えて改善アクションに落としていく思考法も時に重要になってきます。

CVRを上げるために必ずやるべきABテストアイデア

CVRが低い要因を仮説立てる

闇雲にCVR改善のための具体的なアクションを実施しても、工数や改善までに要する期間が長すぎて、大きなCVR改善には繋げられない可能性が高いです。
そのため、まずは現状のCVRが目標に対して低くなっている要因についての仮説立てを行いましょう

その際にも「誰に」「何を」「どうやって」という思考法は重要になります。
例えば「誰に」の部分なら、ターゲットについてより細分化し「○○ということに悩みはあるが、まだ何も手は打っていないユーザー」「○○に関するお気に入りの商品はあるが、もう少し安い商品を探している人」と細かく分類していくと、それぞれで配信すべきキーワードも変化します。

リスティング広告の配信において、何が課題でCVRが低くなっているのか考えCVR改善のための具体的なアクションに落とせるようにすると、着実に改善に向けて進めていくことが可能です。

まとめ:具体施策と思考法の両軸でCVR改善へ

リスティング広告のCVR改善には、具体的な施策に加えてより抽象的な思考法の両方が欠かせません。

キーワードの最適化からサイトのUIの改善、運用設定の見直しまで、多岐にわたるアプローチが求められます。
また、同時に「誰に」「何を」「どうやって」といった思考も意識し、データを元にした戦略的な改善を進めることが成功の鍵です。

CVRの向上はCPCやCTR以上に持続的な改善と粘り強い取り組みが重要です。

本メディアを運営する株式会社ギャプライズでは、WebマーケティングやWebサイト改善、Webサイト集客など、さまざまな課題や悩みに対応したビジネスを展開しています。
リスティング広告のCVR改善やWebページに関するご相談にも、対応可能です。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長(仮)

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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