ECサイトのCVRを改善する8つのポイントとお役立ちツール3選
ECサイトで売上を伸ばすためにCVRの改善は欠かせない施策です。
ただし、やみくもに施策を講じてもCVRは改善されません。
自社サイトが目指すべき指標を明確にし、課題に合わせた適切な施策を打つことが重要です。
本記事では、ECサイトにおけるCVRの平均値やCVRが伸びない理由、そして改善策について解説します。
最後におすすめの改善ツールも紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
ECサイトにおけるCVRとは
CVR(コンバージョン率)とは、ユーザーの訪問やアクセスから実際の購買や目標達成(CV)に至るまでの指標を示す割合のことです。
ECサイトにおけるCVには「商品の購入」や「商品への問い合わせ」などがあげられます。
CVRが重要な理由
CVRが重要な理由は、ECサイトにおける売上や顧客獲得などの成果に直結するためです。
そもそもECサイト運営の目的は、単なる情報提供だけではないはずです。
商品の購入やユーザーを顧客にするなどの目的(CV)があり、そのためにはCVRの管理や改善を行う必要があります。
いい換えれば、CVRを適切にコントロールできればECサイトの売上を伸ばせるということです。
ECサイトにおける平均CVR
米WordStream社の調査によると、CVRの中央値は約2.35%だといわれています。
また、CVRが5%や10%を超えるサイトも多く存在していることがわかります。
参考:What’s a Good Conversion Rate?|Word Stream
ECサイトにおけるCVRの目安は一般的に2〜3%だといわれていますが、こうした数値はあくまで平均値であり、業界や状況、CVによって変動します。
自社を取り巻く環境や競合他社の状況を踏まえて、適切に設定することが重要です。
【業界別】平均CVR率
一口にECサイトといってもその中にはさまざまな業界が含まれます。
Adobe社が公開しているデータでは、業界別の平均CVRは以下のとおりです。
ギフト | 4.9% |
ヘルスケア | 4.6% |
アパレル | 4.2% |
スポーツ | 3.1% |
ジュエリー、コスメ | 2.9% |
大手チェーン | 2.3% |
インテリア | 2.3% |
自動車 | 2.2% |
ホームセンター | 1.7% |
その他 | 3.4% |
業界別の平均CVRは、ギフトやヘルスケア、アパレルなどが上位になっている一方で、自動車や家電など、自動車や家電などは平均CVRが低い結果となっています。
商品の単価が高いほどCVRが低く、単価が低いほどCVRが高くなる傾向にあるようです。
参考:ADI Consumer Electronics Report 2020 |Adobe
CVRの計算方法
CVRは、以下の計算式で求めることができます。
CVR = CV数 ÷ サイト訪問者数 × 100 |
例えば、CV=商品の購入の場合、1日のサイト訪問者が1,000人で、商品が10回購入されるとCVRは1%となります。
10 ÷ 1,000 × 100 = 1 |
ECサイトでCVRが伸びない理由
ECサイトのCVRを改善するためには、まずCVRを下げている要因を見極める必要があります。
また、問題点は1つではなく複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
ここでは、考えられる要因を3つ解説します。
自社の課題がどこにあるのかを探っていきましょう。
広告のターゲティングがズレている
Web広告はサイト流入数を増やすために有効ですが、ターゲティングを適切に行わないとCVRを低下させてしまいます。
広告の内容とサイトの内容が乖離していれば、ユーザーは違和感を感じ離脱してしまうでしょう。
流入数は増えているのにCVRが低下している場合は、この要因の可能性が高いです。
また、ターゲットを広げすぎると、本来のターゲットではないユーザーや興味のないユーザーに広告が表示され、コストをかけているのに流入数が増えないという最悪の事態になりかねません。
ターゲティングは広告を出稿する毎に見直しを行い、ズレのないよう調整する必要があります。
ユーザーが使いづらい設計になっている
例えば、広告を見て「この商品が欲しい!」とサイトを訪問したものの、該当の商品を見つけられずに離脱した経験はないでしょうか。
商品(ゴール)までの導線が長いと、ユーザーは面倒に感じて離脱してしまいます。
ユーザーの購買意欲を高めるには、ユーザーに寄り添った、使いやすいECサイトを設計することが重要です。
使いづらいサイトの例には、以下のような点があげられます。
- 求める商品を見つけられない
- 検索機能が使いにくい
- 情報が不十分
- ポップアップが多い
- サイト側が売りたい商品のPRが多い
- 購入までの過程が長い
- フォームに記載する項目の数が多い
- 支払い方法が限定的
ユーザーがどのような点にストレスを感じるかは、ターゲットの性別や年齢層、傾向によってさまざまです。
効率的に課題を見つけたいなら、ターゲットユーザーにユーザビリティテストやヒアリングを行い検証する方法をおすすめします。
市場が変化している
ECサイトのCVRが伸びない理由には、上記2つの内的要因に加えて外的要因も考えられます。
それは「参入している市場が変化している」場合です。
例えば、市場が拡大すると競合が増え競争率が高まります。
すると自社の顧客が他社へ流れてしまい、CVRの低下につながります。
また、物価やトレンドの変化によってユーザーのニーズや購買層が変わることもあるでしょう。
経済が悪化している場合は、商品やサイトの質にかかわらずユーザーの購買意欲は低下します。このほかに、季節や天候が影響するケースもあります。
昨今では、SDGsも検討材料の1つとして注目を集めていますので、トレンドや市場の動きにアンテナを貼りニーズを的確に把握するようにしましょう。
ECサイトのCVRを改善する8つのポイント
ECサイトのCVRを改善するためにはさまざまな施策がありますが、これをやれば絶対に伸びるという鉄則はありません。
また、時間をかけて1つの施策に取り組むのではなく、スピード感をもってさまざまなアプローチを行いCVRを伸ばすことが重要です。
本章では以下の8つの施策を紹介します。
- ターゲット像を見直す
- TOPページの改善
- ユーザー視点の導線設計
- 商品ページの改善
- Web接客ツールの導入
- EFO(入力フォーム最適化)
- かご落ちの防止
- ECコンサル会社へ相談
自社ECサイトの課題や対応の可否をイメージしながら、読み進めてみてください。
それぞれ解説します。
1. ターゲット像を見直す
まずは現在のサイトイメージが商品やサービスのユーザーと乖離していないかを見直しましょう。
ターゲットが定まっていなければ、的確なサイトの設計や商品企画、販促を行うことはできません。
年齢や性別だけでなく、自社の商品やサービスを購入してほしいユーザーがどういうライフスタイルで、どういった心理状態で、どのような悩みを持っているのか、詳しいペルソナを設定します。
そうすることで、おのずとサイトの方向性や訴求方法がイメージしやすくなるでしょう。
また、運営側が考えるユーザー像と実際のユーザー像が異なっているケースは思いのほか少なくありません。
顧客情報や競合サイトを参考に、定期的なターゲットの見直しを行いましょう。
2. TOPページの改善
ECサイトのTOPページは広告から流入してきたユーザーが最初に訪れる場所です。
特に「流入数は多いのにCVRが低い」場合はTOPページに問題がある可能性が考えられます。
TOPページの役割は、ユーザーのナビゲーションです。
ユーザーが求める商品や情報にたどりつけるようわかりやすい導線を整備しなければなりません。
中でも、FV(TOPページでスクロールせずに見える画面全体のこと)の役割は重要です
ユーザーは初見でそのサイトが使いやすいかどうか、嗜好に合っているかどうかを判断します。
広告が隠れていたり、商品のカテゴライズがわかりにくかったりすると、早期離脱の要因になってしまいます。
ユーザビリティ向上の施策として、検索窓の設置もおすすめです。
3. ユーザー視点の導線設計
ECサイトに訪れるユーザーは「商品を買いたい」という明確な目的(あるいは潜在的な欲求)を持っているため、TOPページから目的のページまでスムーズにたどりつかないと離脱の可能性が高まります。
ユーザーに沿った導線設計ができているかどうか、サイトを見直してみましょう。
そのためにはまず、ユーザーがサイト内をどう行動しているかを知る必要があります。
PVや遷移率を数値化するだけでは評価できる項目に限界があるため、ユーザー行動の可視化がポイントです。
ユーザー行動を視覚的・感覚的に分析できる「ヒートマップ」や「セッションリプレイ」といったツールを組み合わせてより正確なユーザー行動をトレースしましょう。
ユーザー行動の可視化にはツールの導入が必要ですが、操作性の高いものを選べば検証時間の短縮や精度の向上が可能です。
弊社では、デジタル顧客体験分析プラットフォーム【コンテンツスクエア】を提供していますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
以下の記事では、ヒートマップとABテストを組み合わせてユーザー行動を可視化し、CVR改善につながった事例を紹介しています。
合わせて参照ください。
ABテストとヒートマップ分析を組み合わせて爆速でテストを回す方法
4. 商品ページの改善
商品を実際に手に取って見ることができないECサイトでは、サイト上でいかに魅力を伝えられるかが重要です。
具体的には、複数のアングルの画像を掲載する、実際の使用シーンがイメージできるような画像・説明文をつけるなどして、商品ページを充実させます。
特に、高額商品の場合はユーザーの納得度をより高める必要があるため、画像はできる限り多く掲載します。
商品の表裏の画像に加えて、中身や素材感が伝わるような画像でユーザーのイメージを膨らませ、購買意欲を高めましょう。
商品ページの情報が多いほどCVRが高くなる傾向にあるため、購入者や体験者の口コミを掲載することも一案です。
昨今では「あなたにおすすめの商品はこちら」と関連商品を掲載するレコメンドシステムを活用する事例も増えています。
どのようなレイアウトが伝わりやすいかはECサイトによって異なるため、ABテストなどで検証するとよいでしょう。
モバイルファースト
モバイルユーザーの増加によってモバイルサイトがSEOの評価基準となり、ECサイトにおいてもモバイル版の作成は必須となりました。
特に若年層向けのECサイトではモバイルファーストのデザインが増えており、PC版を作らないというECサイトも存在します。
モバイルファーストで注意しておきたいポイントは、以下のとおりです。
- スクロールしやすいデザインにする
- 優先順位の高い情報を上部に掲載する
- ボタンデザインは押しやすい大きさや配置にする
- 文字は視認性の高い大きさ・太さにする
- 画像やコンテンツが重くならないようにする
モバイルサイトではユーザビリティが最優先課題といっても過言ではないほど、利便性が重要視されます。
表示速度や操作性に考慮した設計で、CVR改善につなげましょう。
レビューを増やす方法
商品購入時に他の購入者の感想や評価を重視する人は多く、10〜30代では70%超の女性が口コミやレビューを参考にしているといわれています。
「口コミ」はいまや購買意思を左右する大きな要素となっており、ECサイトにおいては継続的にレビューを増やす施策を行う必要があります。
具体的には、以下のような施策があります。
- レビュー投稿でクーポンやポイント配布などのインセンティブ提示
- 購入後にフォローアップメールやLINEを送りレビュー投稿を促進
- 商品にレビュー投稿用のQRコードを同梱する
- 投稿されたレビューをSNSなどで紹介する
ただし、単純にレビューを増やすだけではCVRにつなげることはできません。
例えば「買ってよかった!」とだけ書かれたレビューと「実際に食べてみると、思っていたより大きかった」というレビューでは、閲覧者が受け取る印象は異なります。
ほかのユーザーの購買意欲を促進する、より参考になるレビューを書いてもらうための工夫も合わせて行いましょう。
参考:購入時にネットのクチコミ情報を参考にする人は〇割 マイボイスコムが最新レポートを公表|ECのミカタ
5. Web接客ツールの導入
Web接客ツールとは、Webサイトに訪れたユーザーに対してリアルタイムで接客を行うツールのことです。
Web接客ツールには大きく分けて「ポップアップ型」や「チャットボット型」があります。
いずれのタイプも24時間365日ユーザーの疑問や悩みに対応できるため、離脱を防ぎ、CVR改善に貢献します。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
ポップアップ型
ポップアップ型とは、利用中のWebサイトユーザーに対して、設定したタイミングでポップアップウィンドウを自動表示するツールのことで、購買促進が主な目的です。
購買促進 | ・「購入はこちら」「初回限定割引」「継続購入割引」などのポップアップを指定のタイミングと場所に表示 |
離脱防止 | ・ブラウザの「戻る」ボタンや「✕」ボタンをクリックする際に、注意喚起のポップアップを表示 ・「残り1ステップで完了します」と手続きのゴールを掲示 |
客単価アップ | ・購入画面で「よく一緒に買われている商品」「あと○円で送料無料」などのついで買いを促進するポップアップを表示 |
チャットボット型
チャットボット型とは、Webサイトユーザーからの質問に24時間チャットで自動対応するプログラムのことで、カスタマーサポートの充実が主な目的です。
シナリオ型とAI型の2種類があります。
シナリオ型 | ・会話に含まれる文言から判断したり、選択肢を表示してユーザーに選択してもらいながら会話を行う ・シナリオにない問い合わせには対応できない |
AI型 | ・多くのFAQを登録しデータを蓄積することで、問い合わせに対して柔軟に対応できる ・予期せぬ回答をしてしまう可能性がある |
ハイブリッド型
ポップアップ型とチャットボット型を兼ね揃えたハイブリッド型は、目的に応じてより柔軟なWeb接客が可能です。
ただし、双方の機能を持ち合わせていることから、費用が高額になりやすい傾向にあります。
6. EFO(入力フォーム最適化)
ECサイトでは、入力フォームまでたどりついたユーザーが最終的な購入に至らず離脱してしまうケースが少なくありません。
それは、ユーザーが氏名や住所などの情報入力にストレスを感じてしまうからです。
EFO(Entry Form Optimization)とは、入力フォームを最適化し、ユーザーの離脱防止とCVR向上を目的とした施策です。
具体的には以下のような施策があります。
- 入力項目を減らす
- 郵便番号から住所の自動入力ができるようにする
- 名前(漢字)を入力するとフリガナが自動入力されるようにする
- エラーや入力漏れを即座に知らせる
- 必須項目には「必須」マークを目立つようにつける
項目を減らすだけなら少ないコストで対応できます。
上記施策をいくつか試してみて効果が高そうだと感じたら、EFOツールを導入して本格的に施策を行うとよいでしょう。
7. かご落ちの防止
かご落ちとは、ECサイトでユーザーが商品をカートに入れたまま購入せずにサイトから離脱してしまうことを指します。
Baymard Research Institute社によると、実際にECサイトにおけるかご落ちは平均70%以上もあるといいます。
その原因の上位は以下のとおりです。
送料・税金・手数料などの追加費用が高すぎた | 47% |
購入する際にアカウント作成が必要だった | 25% |
配送が遅すぎた | 24% |
クレジットカード情報を入力する際にそのサイトを信用できなかった | 19% |
購入完了までのプロセスが複雑すぎた・長すぎた | 16% |
注文金額を事前に確認できなかった | 17% |
返品ポリシーが満足のいくものではなかった | 16% |
Webサイトにエラーがあった | 14% |
希望の支払い方法がなかった | 11% |
クレジットカードが拒否された | 6% |
参考:48 Cart Abandonment Rate Statistics|Baymard Institute
ユーザーが購入直前までアクションを起こしたことを考えると、かご落ちの防止はCVR改善につながることは明らかです。
決済方法を増やす、住所の自動入力を導入する、ポップアップでユーザーとコミュニケーションをとるなど、できる施策を検討していきましょう。
8. ECコンサル会社へ相談
自社の施策に限界を感じている場合や施策にリソースを割くことが難しい場合は、外部のコンサルティングサービスを利用してみるとよいかもしれません。
ECコンサル会社なら、戦略の立案・見直し、市場調査、分析・改善といったECサイト運営に関するあらゆる課題に対応しているので、社内にはないアイデアや専門的な視点で、効率的な解決策を提案してくれるでしょう。
ECコンサル会社を選ぶ際は以下のポイントを参考に選びましょう。
- 依頼するサイトのジャンルで実績があるか
- 口コミや評判がよいか
- 予算内で依頼できるか
- 対応範囲(ECサイト、ECモール、越境ECなど)
課題の洗い出しから行いたい場合も、まずは一度相談してみることをおすすめします。
ECサイトにおけるCVR改善ツールのトレンドは「チャットボット」
このようにECサイトのCVR改善にはさまざまな施策がありますが、昨今ではWeb接客ツール「チャットボット」が注目を集めています。
AIや人工知能の進歩にともない、サービスを提供する企業が増えていることも要因の1つです。
ECサイトにチャットボットを導入するメリット
チャットボットを導入するメリットには、以下の3点があります。
CVR改善
ECサイトの利用者の中には「接客されたくない」と考える人が多く、買い物途中に疑問や不安が発生しても、店舗に問い合わせをせずに離脱するケースが多々あります。
あるいは、問い合わせをしてもメールや電話ではタイムラグが発生するため、返信を待っている間にユーザーの購買意欲が低下してしまう可能性も。
しかし、チャットボットを導入すれば24時間365日対応が可能になるため、ユーザーの不安・疑問を即座に解消し、離脱防止につながります。
運営側だけでなくユーザー側にとっても利便性が高く、CVR改善に有効です。
業務効率化
2つめに、チャットボットには運営側の業務効率化やコストカットといったメリットがあります。
問い合わせの返信作業を手作業で行うと、それだけで業務時間を大幅にとられてしまいます。
よくある質問や返品・交換対応は定型化してチャットボットに対応させ、オペレーターはクレーム対応などに注力すれば生産性の向上にもつながるでしょう。
課題発見
実店舗なら実際の接客でユーザーの意見や反応を直に得られる反面、ECサイトではそれができません。
そこで、チャットボットを活用し過去の利用履歴を蓄積することで、顧客の潜在的なニーズや新たな課題の発見につなげます。
例えば「送料がわからない」という質問が多ければユーザーが情報不足で困っているという課題がわかり、その課題に対して明確な施策を講じることができます。
チャットボットに自由入力欄を設けてユーザーの意見をダイレクトに得る方法も有効です。
ECサイトにチャットボットを導入する際の3つのポイント
ECサイトのCVR改善に有効なチャットボットですが、目的や内容が不明瞭なままやみくもに導入しても効果を得ることはできません。
チャットボットの導入時に注意しておきたいポイントは以下の3つです。
- ユーザーが離脱しやすい場所に設置する
- 使いやすいツールを選ぶ
- 定期的な見直しを行う
それぞれ解説します。
1. ユーザーが離脱しやすい場所に設置する
チャットボットの効果を最大限に活かすには、ユーザーが離脱しやすい場所にチャットボットを設置することが重要です。
そのためには、導入前にユーザーの行動を分析し、サイトの課題を明確にしておく必要があります。
例えば、入力フォームの離脱率が高い場合は入力フォームの近くに設置し、ユーザーの疑問を解消する仕組みを整えます。
チャットボットの存在を知ってもらう必要があるため、サイトの閲覧を妨げない程度に目立たせる工夫も必要です。
2. 使いやすいツールを選ぶ
チャットボットを導入してもうまく活用できずにCVRを改善できなければ、コストが無駄になってしまいます。
チャットボットにも多くの種類がありますので、必要な機能と操作性を検討して選びましょう。
導入前後のサポートやコンサルティングがあるかも判断基準です。
トライアルがあれば活用することも一案です。
3. 定期的な見直しを行う
チャットボットは定期的に内容を見直す必要があります。
蓄積されたデータを分析し、質問や回答などに反映させ、ユーザーの利便性や満足度向上につなげます。
また、送料や配送方法といった規定変更があった場合にチャットボットへの反映を怠ると、ユーザーとのトラブルに発展する可能性があります。
ECサイトのCVR改善に役立つツール3選
最後に、ECサイトのCVR改善に役立つおすすめのツールを3つ紹介します。
- Syte
- YOTPO
- Contentsquare
それぞれ解説します。
Syte
Syte(サイト)は次世代のeコマース向け商品発見プラットフォームです。
ファッション、インテリア、ジュエリーなどさまざまな業界で導入され、CVR改善を実現しています。
カメラ検索 | テキスト検索の障壁を排除 |
レコメンデーションエンジン | 画像認識AIを用いて利用中のユーザーに適応した関連商品をおすすめ |
タグ付け | ブランドに合わせたカタログのタグ付け |
実際にSyteを活用してCVRや平均注文金額向上を実現した5つの海外EC事例がありますので、興味のある方は以下のページから資料をダウンロードください。
<無料ダウンロード>画像検索でECサイトの商品発見を改革する~画像認識AIを活用した5つの最新海外EC事例~
YOTPO
YOTPO(ヨットポ)は、UGCマーケティングを提供するプラットフォームです。
ユーザーのレビューやインスタグラムの写真・動画などを収集し、集客やCV改善などさまざまなマーケティング施策に活用することができます。
レビュー収集機能 | 「レビューリクエストメール」機能や、「カスタムクエスチョン」機能、訪問者の悩みを払拭するQ&A機能など |
レビュー収集機能 | 購入者が撮影した写真・動画などのビジュアルUGCを収集し、ECのトップページや商品ページ・カートページへ表示(Instagramにアップされた写真を収集することも可) |
SMSマーケティング | CVRの高いモバイル体験を顧客に提供し、ROIを向上 |
海外だけでなく国内の企業でも多く導入事例があり、無料版から利用可能です。
以下の記事では、YOTPOの提供するSMSマーケティングソリューション・SMSBumpを導入し、CVR改善に成功した事例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
SMSマーケティングでROI27倍を実現、スポーツウェアブランド事例|MarTechLab(マーテックラボ)
Contentsquare
ユーザーのCVに影響を及ぼす課題発見におすすめなのが、Contentsquareです。
Contentsquare(コンテンツスクエア)は、従来のWeb分析の枠組みを超え、さらなるデジタル顧客体験分析と、改善を可能にするプラットフォームです。
ベンチマーク機能 | 自社のユーザー体験が競合他社と比べてどの程度優れているかを一目で把握 |
カスタマージャーニー分析 | ユーザーがどのようにWebサイトを閲覧しているのか、ページごとに、入口から離脱までを可視化 |
ゾーンベースのヒートマップ | アクセス者がWebサイトの各要素とどのように相互作用しているかを可視化 |
インパクトの定量化 | あらゆるWebページにおけるユーザーにとってのストレス、サイトパフォーマンス、顧客体験がビジネスに与える影響を定量化することで、どの問題に注力すべきかを優先順位付け |
以下は、Contentsquareを実際に導入した企業へのインタビュー記事です。
Contentsquareは1つのツールで複数の分析手法を組み合わせて使用することができる点に、大きなメリットがあるといいます。
GDO流UAT革命:Contentsquareで切り開く品質向上
まとめ:ツールを活用してCVRを改善しよう
今回は、ECサイトのCVRを改善する施策について解説しました。
ECサイトにおいて、CVRは売上に直結する重要な要素です。
CVRが伸び悩んでいる場合、ターゲティングが間違っている、ユーザーに沿ったサイト設計ができていない、あるいは市場が変化しているなどの要因が考えられるため、早急に対策を講じましょう。
ECサイトのCVR改善を効率的に進めるためには、デジタルツールの活用を積極的に行っていく必要があります。
ツールの導入にはコストがかかりますが、成功失敗にかかわらず経験や知見を得られることは決して無駄ではありません。
むしろ、そうしたツールを活用せずにいると、業界のトレンドや動向に出遅れてしまう可能性があります。
本メディアを運営する株式会社ギャプライズでは、AIを含む最新テクノロジーを提供しています。
また、弊社はそれらのツールを活用した専門的なマーケティングノウハウも持ち合わせていますので、ツールに関する疑問や運用に関する相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ECサイトにおけるマーケティング情報の収集から始めたい方は、こちらの記事を参照ください。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。