CVRを上げるために必ずやるべきABテストアイデア

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皆さんこんにちは。ギャプライズの中野です。

唐突ですが、質問です。
プレゼントをあげる時、どんなことを考えますか?

もちろん、喜んでほしいので相手の欲しいものをあげると思います。その欲しいものが何かを普段の言動や趣味趣向から、人によってはプレゼントする相手の友人に聞いて知ろうとするのでないでしょうか。そこのリサーチがうまくいかないと、たいして欲しくないものをあげることになってしまいます。実際、いらないプレゼントを貰ったことがある人も多いのではないでしょうか。

ABテストを回していても全然成果が出ないという方は、プレゼントの例のように、ユーザーニーズを捉えられていない場合が多いです。つまり、ユーザーは、いらないプレゼントを貰っているような状態であるということです。みなさんも買い物をするときに必要な情報(値段や大きさなど)が分かりにくかったら、買わないと思います。そのため、CVRを上げたいならば、ユーザーの欲しいものを知り、それを分かりやすく伝えることが必要です。

そこで、今回はCVRを上げるために必ずやるべきABテストアイデアをご紹介します。

1.他社の改善成功事例をマネしてもうまくいかないケースが多い

ネット上に上がっているサイト改善の成功事例をマネしてみたが、数値が全く上がらなかった経験をした方も多いのではないでしょうか。
過去、弊社で取り組んだABテスト事例をご紹介します。

上記、ホテル予約サイトの詳細ページの上部に「本日○○件予約がありました」と表示されています。

ユーザーがこれを見た時に、

    1. 人気のホテルだから予約が多い?
    2. 人気のホテルはすぐ予約が埋まってしまうかも?
    3. 早く予約しなきゃ

と感情が揺れ動く人が多いと思います。

このコンテンツがあることで、ユーザーが焦り、行動喚起し、予約に促すことが出来るのではないかと仮説を立て、航空券予約サイトで同じことを実施したところ、CVRが大幅に改善されました。

このテストアイデアは、予約サイトなら何でも成功するのでは?と思い、アクティビティの予約サイトでも同じ形でABテストを実施したところ、数値の変化が見られませんでした。

なぜこのような事が起きたかというと、詳細ページに来た段階では、ユーザーは「どんなアクティビティか」「このアクティビティは楽しいのか?」といった感情になっているため、まだモチベーションが上がり切っていない状態で、焦らせても感情の変化は起きません。

サイト構造が同じでも、サービスによって、サイトを利用するユーザー心理は変わるので、当然ユーザーが求めているものも異なります。ABテストを実施する前に最も大切なことはターゲットのニーズや悩みを掘り下げることです。

そこでユーザーを知るためのABテストアイデアをご紹介します。

2.ユーザーを知るためのABテストアイデア

キャッチコピーの訴求軸を極端に変える

弊社では、最初にABテストを実施する個所はランディングが多いページのファーストビューにあるキャッチコピーの訴求軸を変えるテストを実施します。

なぜ最初に実施するかというと、入り口であるランディングページのファーストビューはもっともユーザーの視線が集まり、必ず見られるポイントだからです。また、一般的にwebサイトに訪れたユーザーは、そのwebサイトが自分にとって必要かどうかを3秒で判断していると言われています。そのため、キャッチコピーを変えるだけでユーザー行動は大きく変わります。

例えば、あなたがパーソナルトレーニングジムに通いたいと思っており「パーソナルトレーニングジム」とネット検索をしたときに、最初に何に興味を持ちますか?これは個人差があるので、正解はないのですが、ある程度のユーザーが気にしているポイントが存在すると思います。それを知るためにテストを行います。

以下ABテスト例になります。

金額・立地・期間・実績・トレーナーの質などいくつか訴求軸が上げられるかと思いますが、ファーストビューで何を訴求したら、多くのユーザーが興味関心を持ってくれるかを知るために下記のように軸を変えて、ABテストを実施します。

どの軸が伸びたか検証し、最も伸びたテストはユーザーニーズが高いと判断することが出来ます。

ただ一点気を付けなければいけないこととして、CVRだけで判断すると誤った結論に行きつくこともあります。他のコンテンツによってCVRへの影響もあるため、結果を判断するための中間KPIを置くこともポイントになります。

CVRが下がったとしても、ニーズが高い訴求だった場合は、スクロール率が上がったり、ページ回遊率やフォーム遷移率が伸びていることがあります。CVRが上がらなかったからニーズがないと判断するのではなく、テスト開始前に中間のKPI(フォーム遷移率やスクロール率など)を設定しておくことで、正確にどの訴求軸が良かったのかを判断することが出来ます。

このテストで「たった1ヶ月で人生が変わるパーソナルトレーニングジム」のキャッチコピーが勝った場合、ユーザーのニーズとしては、早く痩せたいというニーズが多いということが分かったので、「なぜ1ヶ月で痩せられるのか」などのニーズに沿った形でコンテンツを追加したり、キャッチコピーをブラッシュアップすることで、ユーザーニーズを捉らえたサイトとなり、CVRも向上していきます。

しっかりニーズを判断できるように、仮説を持ちつつ、中間KPIを決めた上でキャッチコピーのテストを取り組みましょう。

サイト訪問時にアンケートを実施

まず最初にこちらを確認ください。

こちらのサイトでは訪問時にポップアップで性別を聞かれます。

このボタンをクリックすると下記のような形で選択した内容に合わせてページコンテンツを変化させています。これは、性別ごとに求めているものが違うということを明確に把握出来ているからこそ、それぞれの性別に合わせて最適なコンテンツを切り替えている形だと思います。

上記は分かりやすい例で、性別に合わせて、それぞれコンテンツを変えた方がユーザーは自分が求めているコンテンツに辿りやすくなるので、必然的にCVRなど数値の向上が見込めます。

性別で明確に差が出るようなサービスであれば、上記のように明確に切り分けて最適化をしていくのが良いのですが、すべてのサイトで使えるわけではありません。そもそも自分たちのサイトがどのような形で分けるべきか把握していない場合が多いと思います。

そこで上記を応用し、ユーザーニーズを明らかにするテストをオススメします。

性別や年齢などの属性を把握することも大事ですが、サイト改善する上で重要なことは、ユーザーがどの状態にいるのかを把握することです。

例えば、車を売る際にユーザーの状態は大きく2つに分かれると思います。

  1. 「今すぐに車を売りたい」:欲しい車に買い替えたいので、今すぐお金が欲しい
  2. 「相場を知りたい」:そろそろ車を買い替えようか検討していて、売るタイミングを考えている。

どっちの属性のユーザーが多いか分からないので、下記のような形でランディング時にポップアップでアンケートを表示させ、それぞれのクリック率を計測し、割合を把握します。

上記の結果を踏まえると、ランディング時のどちらのユーザー状態が多いかが見えてきます。今回の場合、今すぐ愛車を売りたい方のクリックが多かったので、そのユーザーに刺さるキャッチコピーやコンテンツを用意することでCVR改善が見込めるようになります。

この施策時のポイントとして、なるべく答えやすい質問にしてあげることです。過去の知見からだと、直感的に答えられる質問にしないと直帰してしまうユーザーが増えてしまう場合があります。またCTAも多くても3つで、4つ以上だと逆に迷わせてしまうこともあります。

また合計クリック率が70%以下の場合は、質問の内容が悪い・そもそもそのニーズがない可能性があるため、練り直していく必要がある。

理想で言うと、先ほどご紹介したホットペッパービューティーのサイトのように、それぞれクリックしたCTAのニーズに合わせたページに変化させることで、他ニーズを持っているユーザーも獲得することが出来ます。

3.まとめ

ABテストを実施する際は、施策から考えるのではなく、必ずユーザー心理から考えることが重要になります。

最初にユーザーを知るテストを考案し、ターゲットを定義した上でサイトの改善を行うことで、最短かつ着実にCVRを向上させることが出来ます。

サイト改善にはステップがあるので、より詳しく知りたい方はこちらも【600回以上のABテストから判明】5つのフェーズで分かる、サイト改善やることマニュアルもぜひお読みください。

それではまた次回。

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中野 雄太 コンサルタント

2013年ギャプライズに入社。LP構築を中心に、サイトのプランニングや制作ディレクションを行う。2017年からコンサルタントとして、業界業種問わず、サイト分析/改善に携わる。年間ABテスト実績は1,000本以上。

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