CDNとは?導入する5つのメリットや注意点、選び方についても解説
CDNを導入して、自社のWebサイトを安定して運用したい方も多いのではないでしょか。
近年では、Webサイトで配信するコンテンツ容量が大きくなっているため、CDNを導入する企業が増えています。
本記事では、CDNを導入する5つのメリットや注意点、選び方についても解説します。
CDNを導入して安定した運用を実現しましょう。
目次
CDNとは
CDNとは「Content Delivery Network(コンテンツデリバリネットワーク)」の略称です。CDNは大容量のコンテンツをネット上のエンドユーザーに大量配信できます。
CDNで複数の配信拠点にコンテンツをキャッシュすることで、近い拠点からユーザーに配信できるため、すばやくコンテンツを届けられる点が特徴です。そのため、アクセスが集中するWebサイトや、大容量のコンテンツを配信する動画配信ではCDNは必須のサービスといえるでしょう。
また、小規模のECサイトでもサーバーダウンを防ぐために、CDNの導入を検討する企業が増えています。
CDNの仕組み
CDNは以下の3種類のサーバーを利用します。
- オリジンサーバー
- エッジサーバー
- DNSサーバー
それぞれ詳しく解説します。
オリジンサーバー
オリジンサーバーは、配信するデータの元となるオリジナルコンテンツを格納しているサーバーです。コンテンツを更新する場合は、オリジンサーバーで変更します。
また、オリジンサーバーは「Cloud Storage」や「Amazon S3」などのサードパーティのクラウドプロバイダーでホストされる場合もあります。
エッジサーバー
エッジサーバーは「Points of Presence(POP)」とも呼ばれ、世界中の複数の地点に配置されているのが特徴です。ユーザーがWebサイトやアプリから、コンテンツにすぐアクセスできるように、ネットワークの入口として役割を担います。
エッジサーバーを近くに配置すれば、待ち時間を抑えてリクエストを素早く処理できるため、オリジンサーバーの負担軽減にもつながります。
DNSサーバー
DNSサーバーは、IPアドレスとドメイン名を変換する仕組みを提供しているサーバーです。
DNSサーバーがないと、Webサイトの閲覧やメールの送受信ができません。
IPアドレスとドメインが紐付けられるため、DNSサーバーはネット使用するには必要不可欠なシステムといえます。
CDNを導入する5つのメリット
CDNを導入する主なメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 表示速度の高速化
- コンテンツの可用性が向上
- 運用コストの削減
- DDoS攻撃への対策
- SEO対策
CDNを導入することで、データ転送の負荷が減り表示速度が改善できます。
コンテンツの可用性が向上するのもメリットの1つです。
その他に、オリジンサーバーの負荷を軽減でき、同時に運用コストも削減できます。
サイバー攻撃の1つでもある、DDos攻撃もCDNを導入することで、対策可能です。
また、CDNの導入でユーザーエクスペリエンスが向上するため、読み込み速度が上がり、商品などが見つけやすくなるでしょう。さらにSEO対策の一環にもなるので、WebサイトやECサイトを安定して運用したい企業は、CDNの導入を検討してみましょう。
サイトの高速化はCDNとの相性が良い「Edgemesh」が最適
Edgemeshは2016年に設立された企業で、ワンタッチ型のWebサイト高速化サービスを提供しています。
Edgemeshサーバーは、コード追加またはプラグインの有効化だけで、ブラウザキャッシュの最適化と訪問者のデータを計測します。また、追加の設定でJavaScriptの最適化も可能です。
事前キャッシュ機能で訪問者の次のアクションを予測し、コンテンツを前もって先読みすることで、サイトの表示速度も向上できるでしょう。
Edgemesh サーバーは以下の高速化を自動で行います。
- 画像の最適化
- HTML、CSS、およびJavaScriptの圧縮
- 接続プロトコルをHTTP/3にアップグレード
- 分散しているドメインの統合
- コンテンツの事前予測と読込み
- 静的レンダリングによるSEO最適化
- 広告分析とアドフラウド抑止など
上記の高速化を自動で行うことで、サイトの速度が30%〜70%の向上が期待できるでしょう。
2年間解決できなかった課題をEdgemesh導入で劇的改善
株式会社はせがわ様は1929年に創業し、関東、東海、九州エリアを中心に130以上の直営店を展開しています。かわいらしい少女が「おててのしわとしわを合わせてしあわせ、なーむー」と唱えるTVCMでもおなじみの、ご供養業界リーディング企業です。
2021年12月のWebサイトのリニューアル以降、課題に感じていたページスピードやWebサイトのUX改善に向け、Edgemesh Serverを導入いただきました。
実際の改善数値は以下のとおりです。
- TTFB (Time to First Byte)の改善率:71.11%
- FCP (First Contentful Paint)の改善率:38.46%
- LCP (Largest Contentful Paint)の改善率:16.67%
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
数分で実現!Edgemeshでページ速度70%改善し売上を向上
CDNを導入する際の注意点
CDNを導入する際の注意点は以下の4つが挙げられます。
- キャッシュ事故のリスクがある
- アクセスログが取得しにくい
- サイト更新にタイムラグが発生する
- システム障害が起こる可能性がある
CDNを導入する前には、上記の注意点を理解しておくことが重要です。
それぞれ解説します。
キャッシュ事故のリスクがある
CDNを利用する際の注意点として、キャッシュ事故のリスクがあることを理解しておきましょう。キャッシュ事故とは、キャッシュするつもりがないコンテンツをキャッシュ(コピー)してしまうことにより、配信してしまう事故です。
事故の例としては、個人情報が載っているページをキャッシュしてしまい、他のユーザーに表示されて個人情報が漏れてしまうパターンです。キャッシュ事故の原因は、CDNの設定ミスによるものなので、確認をしっかりして設定を行いましょう。
アクセスログが取得しにくい
CDNを利用する場合、アクセスログはキャッシュサーバーに残るため、アクセスログを取得するにはCDN業者に問い合わせする必要があります。
一方で、オリジンサーバーを利用している場合は、ユーザーのアクセスログはオリジンサーバーから取得できます。CDNサービスのなかには、アクセスログを簡単に取得できる場合もあるため、CDNを導入する前に確認しましょう。
サイト更新にタイムラグが発生する
CDNの設定には、キャッシュしたコンテンツを自動更新するまでの時間が設定できます。
CDNのデメリットとしてコンテンツを更新してから、CDNが反映するまでにタイムラグが発生するため、ユーザーに即時更新されたコンテンツが届けられません。
たとえば、自動更新までの時間を15分に設定すると、オリジンサーバーが更新されてもCDN側のコンテンツは最大15分間古い情報が配信され続けます。
CDNを導入すると、更新に時間がかかってしまう点は覚えておきましょう。
システム障害が起こる可能性がある
CDNがシステム障害でダウンしてしまうと、すべてのコンテンツが表示されなくなります。
過去には大手のCDN事業者でサービスがダウンし、Webサイトやアプリなどが利用できない事例がありました。
CDNを利用する際は、あらかじめサーバーがダウンしたときの対策は、検討しておいたほうが良いでしょう。
CDNツールの比較一覧
国内外の主要CDNサービスの一覧です。
ぜひ参考にしてください。
国内の主要CDNサービス |
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So-netソリューションサービス | 自社の目的に合わせてプラン・オプションを選択するタイプのCDNサービス。 |
IDCFクラウド CDN | 大規模なトラフィックや、急激なアクセスの増加にも対応。需要に応じてシステムの規模を拡張可能です。 |
J-Stream | CDNだけではなく動画制作や配信・運用など幅広く対応しているサービス。配信の規模・内容に応じて、柔軟に配信制御できます。 |
海外の主要CDNサービス |
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Akamai | CDN事業の先駆者的位置づけ。世界各地に約2万台のサーバーを保有しており、各サーバー間を10Gbpsという速度で結んでいます。 |
Amazon CloudFront | Amazonが2008年に開始したCDNサービス。AWSプラットフォームでRoute53、CloudFront、ELB、EC2と同じプラットフォームで管理できる。 |
CloudFlare | パフォーマンス向上とセキュリティ対策を同時に実現できる点が特徴。「DDoS攻撃」への対策・Webサイト上の不審な動きの監視も同時に行います。 |
CDNの選び方
CDNの選び方は、以下の3つを参考にしましょう。
- 自社コンテンツに対応できるか
- 導入コストはいくらか
- サポート体制が充実しているか
それぞれ詳しく解説します。
自社コンテンツに対応できるか
Webコンテンツには大きくわけて、動的コンテンツと静的コンテンツがあります。
動的コンテンツとは、ユーザーの位置やデバイスなどの要因にもとづいて、変化するコンテンツです。
なお、ECサイトは動的コンテンツに分類されます。
一方で、企業のWebサイトのように誰が見ても同じ内容のコンテンツが表示されるものは、静的コンテンツと呼びます。
動的コンテンツをCDNで配信する場合は注意が必要です。
動的コンテンツは、ユーザーがアクセスするたびにコンテンツが生成されるため、サーバーに負荷がかかりやすくなります。
静的コンテンツでは、情報を更新する際にHTMLの書き換えが必要です。そのため、自動化できる動的コンテンツと比較して、労力が増えやすくなります。
導入コストはいくらか
CDNの料金体系はサービス内容によって異なります。
代表的な料金体系は以下のとおりです。
- 定額料金:毎月に価格が一定
- 従量料金:データ量に応じて価格が変動
- 帯域課金制:ピーク帯域に応じて価格が変動
また、最低契約期間(1ヶ月)などのサービスもあります。
自社の場合は、どの程度の費用が発生するか試算してサービスを比較しましょう。
サポート体制が充実しているか
安心してCDNを利用するために、サポート体制が充実しているか確認しましょう。
サポート内容には以下のものが挙げられます。
- 24時間体制のお問い合わせ対応
- 直接のコンサル対応
- CDNエンジニアによる代行設定
- メール・電話対応
国内事業者と海外事業者では、受けられるサポート内容や質は異なります。そのため、無償なのかそれとも有償でのサポートになるのかは、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ:CDNを導入して安定した運用を実現しよう
ここまで、CDNを導入する5つのメリットや注意点、選び方について解説してきました。
CDNを導入することによるメリットは計り知れません。高速化されたローディング時間、信頼性の向上、そして最終的にはユーザーエクスペリエンスの飛躍的な改善。これらは、特にユーザーの満足度を高め、ビジネスの成長を促すために重要な要素です。ギャプライズでは、CDNの導入だけでなく、あなたのビジネスをさらに前進させるための総合的なページスピード改善ソリューションを提供しています。
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MarTechLab編集部
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