ECサイトの表示速度が『売上』に直結する理由とは?約8割が「購入意欲が下がる」と回答!

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ECサイト運営者にとって、サイトの表示速度の改善は喫緊の課題です。これは単にユーザーの利便性を高めるだけでなく、顧客からの信頼獲得や、将来的な売上を左右する戦略的な経営課題として捉える必要があります。

本レポートでは、ギャプライズが日常的にECサイトを利用する20~60代を対象に実施した調査データと、ユーザビリティ研究の専門家の知見に基づき、表示速度が貴社のビジネスに与える深刻な影響について詳しく解説します。

「読み込みが遅い…」と感じるECサイトの表示時間は「3秒」以下の回答が約6割

ECサイトの表示速度の遅延は、ユーザーの購買意欲を大幅に低下させる主要因です。調査によると、ECサイトの表示スピードの遅さが、閲覧の継続や購入意欲の低下につながると考えているユーザーは多く、アンケートでは約8割(79.4%)が「とても思う(26.5%)」または「やや思う(52.9%)」と回答しました。

ユーザーが離脱を決断する「3秒」というシビアな現実

ユーザーが主観的に「遅い」と感じ始める時間を特定することは、サイトパフォーマンスにおける具体的な目標設定(KPI)を行う上での第一歩です。

読み込みに3秒かかると「遅い」と感じるユーザーは約6割に上ります。ただし、この「3秒」はユーザーの自己申告に基づくものであり、実測値としてはこれよりも短い時間で「遅い」と感じている可能性が高いことに注意が必要です。

実際に、閲覧継続や購入の意欲が低下し始める時間も「3秒」の時点で約6割が低下を感じ始めてると回答しています。

特に、SNSなどを経由して興味本位でアクセスする20代の若年層において、サイトの離脱傾向が顕著です。この層では、42.4%が読み込み速度の遅さを理由に離脱の意向を示しています。

ユーザーの体感に合わせた「実測値」の高速化が不可欠

アンケートで多くのユーザーが「遅い」と感じる時間の多数派が「4秒以上」となる一方で、「1秒の壁」が実態として存在しています。この背景には、ユーザーの心理的なカウントが関係しています。

【表示速度は「アンケート結果」よりも早く担保する必要がある】

ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は、「1秒を超えるとユーザーの思考の流れが途切れる」と提唱しています。この基準から、ECサイト運営においては、ユーザーの体感(心理的な時間)に負けないよう、実測値で可能な限り1秒を切るレベルの高速化を目指すことが、機会損失を防ぐ上で不可欠となります。
※出典:Nielsen Norman Group “Response Times: The 3 Important Limits”

Googleの指標(LCP)では2.5秒以内が推奨されていますが、より高速な改善が成果に直結する事例も存在します。例えば、ルノー社はLCP(Largest Contentful Paint、主要なコンテンツの表示時間)を1秒未満まで改善した結果、コンバージョン率が12.5%向上し、直帰率が24%減少したというデータがあります。この事実は、ヤコブ・ニールセン博士の提唱同様、1秒未満まで突き詰めた高速化が、ユーザー体験と事業成果の両面で極めて重要であることを示しています。
※出典:Largest Contentful Paint を測定、最適化することで、直帰率とコンバージョン率を改善したルノーの事例

見過ごせない機会損失の具体像

では、購入を検討していたECサイトでページの表示が遅くなったとき、どのような行動をとる方が多いのでしょうか。

ECサイトの表示速度が遅い場合、ユーザーはまず『スマートフォンからPCなどデバイスを変える』、次いで『ブラウザやネットワークに再接続しやり直す』といった「環境を変える」行動をとる傾向にあります。これは、ECサイト自体よりも自身の環境に問題があると疑い、再試行によって解決を試みるためと考えられます。

年代別に見ると、20~40代は再試行の次に『時間をおいて再度アクセスした』が多く、表示が遅くてもそのECサイトの利用を継続しようとする意向がうかがえます。一方、50~60代では『別のECサイトを利用した(そのECサイトにて購入した)』が3位となり、表示の遅延を待たずに他のECサイトへ流出する傾向が顕著です。

では、購入を検討していたECサイトでページの表示が遅かった際、別のECサイトや実店舗で購入した方は、もともと検討していた商品を購入したのでしょうか。

前の設問で『別のECサイトを利用した(そのECサイトにて購入した)』『実店舗にて購入した』と回答した方にうかがいました。

表示遅延によりECサイトを離脱したユーザーの購買行動について調査したところ、離脱者のうち82.7%が「購入を検討していた商品」を別のECサイトや実店舗で購入していました。また、17.3%は「購入を検討していなかった商品」を購入した、つまり、約5人に1人が、もともと検討していなかった競合他社の別の商品を購入した経験があることが判明しました。

この調査結果は、ECサイトの表示速度の遅延が、ユーザーのサイト離脱という直接的な影響に留まらず、競合他社へのユーザー流出という、より深刻な事態を招くことを示しています。

これにより、自社は売上と顧客を同時に失い、その一方で競合他社の利益を増大させてしまうという二重の損失を被るリスクがあると言えます。

では、購入プロセスの中でも最終段階である「カートに入れた後」に、ECサイトの表示の遅さが原因で購入を断念した経験がある方はどの程度いるのでしょうか。

「カートに商品を入れた後にECサイトの表示の遅さが原因で購入に至らなかった経験はあるか」と尋ねたところ、約半数が『ある(45.9%)』と回答しました。

購入直前という最終段階で2人に1人が離脱した経験があり、商品や価格に満足していても、“待たされるストレス”が購入の最終決断を上回ってしまう可能性が示されました。

表示速度の遅さは、「安心して取引できるか」という信頼性を損なう要因となっている可能性があります。

購入後の「信頼感」と「リピート意向」への深刻な影響

たとえユーザーが忍耐強く待ち、購入まで完了したとしても、表示速度の遅さがもたらす悪影響は解消されません。

【購入完了してもリピートに悪影響を及ぼす】

購入後に表示速度が遅かった場合、ユーザーの印象は二分されます。

約半数(49.5%)のユーザーが、取引が成立した後でさえ、表示の遅さから信頼感の低下や再利用への消極性といったネガティブな感情を抱いています。特に高年齢層では、半数以上(50代: 51.74%、60代: 52.47%)がこのネガティブな印象を抱いていました。

表示速度の遅さは、将来のリピート購入やブランドイメージに深刻な影響を与える、顧客ロイヤリティの毀損要因となっているのです。

現代の「待ち時間」の心理とターゲット層別対策

待ち時間への「気長傾向」はECサイトには当てはまらない可能性

シチズン時計が2023年に実施した調査では、イライラを感じるまでの時間が伸び、全体としては「気長傾向」にあるというレポートもあります。これは、スマートフォンなどで手軽に時間を潰せるコンテンツが豊富になったためと考えられます。

出典:ビジネスパーソンの 「待ち時間」 意識調査

【ECサイト利用というコンテクストの特殊性】

しかし、ECサイトの利用時には状況が異なります。ユーザーは、日常生活の中で発生する「待ち時間」を利用してスマートフォンでECサイトを閲覧している場合があり、サイトの読み込みが遅いと「二重に待たされている」という不快感を覚える可能性があります。

これにより、ECサイトという目的達成のためのツールを利用する際の許容できる時間は、むしろ短縮傾向にある可能性があり、「1秒の壁」というシビアな現実がその証拠とも言えるでしょう。

年代別で異なる離脱コンテクストに合わせた最適化

ユーザーが表示速度に不満を抱く状況は、年代によって異なります。

ターゲット層 離脱しやすい状況 優先すべき改善点
若年層(20~30代) SNSや広告を見て「なんとなく気になる」といった目的意識が低い偶発的なアクセス サイトの入口となるランディングページの速度
高年齢層(50~60代) 「複数のECサイトを比較・検討したい」「すぐに購入したい」といった目的意識の高い購買行動の最中 商品一覧、スペック比較、カート、決済といったコア機能のパフォーマンス

メインターゲット層への最適化を図り、最も重要なページへリソースを集中させる「戦略的な速度改善」の実行が不可欠です。

 

まとめ:表示速度改善は「信頼」構築のための最優先戦略

ECサイトの表示速度は、単なる技術的な課題ではなく、顧客の信頼事業の成長を直接左右する、最重要の経営戦略です。わずか数秒の遅延が、「競合への流出」「カート放棄」「リピーターの喪失」といった深刻な機会損失に直結している現実を認識し、速度改善を最優先事項として推進すべきです。

ECサイト運営者が直ちに着手すべき戦略的アクションは以下の通りです。

  1. パフォーマンスKPIの厳格な設定
    • 曖昧な「できるだけ速く」ではなく、「全てのページで1秒以内の表示」を具体的な目標KPIとして設定することを推奨します。
    • 特に、購入意欲の高い重要なフロー(例:決済画面)においては、特に高速なレスポンスを目指す必要があります。
  1. 総合的なUX戦略の推進
    • 表示速度の改善を契機に、サイト全体のユーザー体験(UX)を見直します。
    • 速度の遅さ以外にも、ユーザーは「入力項目の多さ」を不満点として挙げています。サイト全体の使いやすさを高め、一貫した快適な体験を提供することが、最終的な顧客ロイヤリティの向上に繋がります。

貴社サイトの速度診断のススメ

ECサイトの表示速度は、ユーザー体験と売上に直結する極めて重要な要素です。競争優位性を確立するためには、自社サイトのLCP(Largest Contentful Paint)を含むパフォーマンス指標を正確に把握し、継続的に改善していく必要があります。

ギャプライズでは、貴社サイトのLCPをはじめとする各種パフォーマンス指標について、無料診断を実施しています。診断結果に基づき、サイト高速化のための具体的な改善アドバイスをご提供いたします。

貴社ECサイトのスピード改善ポテンシャルや、業界内における現在のポジションにご関心がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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